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外国人観光客にも避けられるフクシマ
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2019/05/06(月) 19:46:31 めげ猫「タマ」の日記
福島県の地方２紙は、福島への外国人観光客の重要性を報じていました（１）（２）。でも、福島県の観光宿泊客のうち外国人が占める割合は１％で、全国最低です。割合が低く外国人観光客が増えても、観光の復興には結びつきません。それ以前に福島は汚染されており、外国の方だって避ける筈です。
事故によって福島は汚染されました。
事故から８年２ヶ月を経て特異的に汚染されている福島
※（３）のデータを（４）に示す手法で５月１日に換算
図―１ 特異的に汚染されている福島
図に示す様に、国が除染が必要だとする毎時０．２３マイクロシーベルトを超えた（５）地域が福島に特異的に広がっています。だいたい、放射能汚染によって避難区域が設定されたのは福島だけです（６）。事故から８年２ヵ月が経過しましたが、福島は特異的に汚染されています。多くの方が福島や福島産を避けたと思います。
以下に２０１０年以前から統計の対象になった場所・施設（既設）と２０１１年以降に統計の対象になった場所・施設（新設）に分けて観光客入り込み数を集計した結果を示します。
事故前からの観光地・施設では回復していない観光客入込数
※１（７）を集計
※２ 既設は２０１０年以前から、新設は２０１１年以降に統計の対象になった場所・施設
図―２ 福島県の観光客入り込み数
図に示す様に回復しているようにも見えますが、福島県の発表をみると「リカちゃんキャッスル」のように２０１０年には統計の対象に無かった施設が加えられています。リカちゃんキャッスルは、日本の福島県田村郡小野町にあるタカラトミー発売の着せ替え人形・リカちゃんの工場および展示施設で、１９９３年にオープンしました（８）。福島の観光統計は事故前からあった施設を突然に統計に加えるなど、水増し操作されていそうです。福島の統計を読むには条件を揃える必要があります。図に示す通り、既存の施設では観光客は回復していません。福島の観光は事故後の低迷から抜け出せていません。
近年、外国人観光客の増加が話題になっています（９）。以下に、２０１８年通年（１−１２月）に日本を訪れた外国人観光客の延べ人数の内訳を示します。
アジア、特に中国系が多い来日外国人観光客
※（１０）を集計
図―３ 日本を訪れた外国人観光客の延べ人数の内訳
アジア、特に中国、台湾、香港といった中国系の方が多くなっています。ホテルに泊まって、中国系のスタッフにお世話になった方も多いと思います。
福島でも外国人観光客を取り込み、福島観光の復興しようとする動きがあるようです。福島県の地方紙・福島民友は「【５月４日付社説】外国人旅行者/観光立県の新時代築く柱に」の冒頭で
「外国人観光客の増加は本県経済をけん引し、地域活性化の起爆剤になる可能性を持つ。勢いのある今こそ課題を解決し、本県の観光産業を支える柱に育て上げたい。」
と論じていました（２）。もう一つの地方紙・福島民報は「食の周遊で外国人誘客 福島県、年度内に広域モデル策定」との記事で
「外国人旅行客の好みに合わせた日本酒、郷土料理など『食』に特化した広域周遊モデルコースを今年度中に策定する。＜中略＞東北新幹線で首都圏から八十分程度で来県できるアクセスの良さを売りに、移動時間を含め一泊二日の日程を軸に計画を練る。」
と報じていました（１）。
※（１１）を５月６日に閲覧
図―４ 「食の周遊で外国人誘客」と報じる福島県の地方紙・福島民報
でも、福島産からは今もセシウムがみつかり続けています。以下に、福島産米の詳細検査結果を示します。
事故から８シーズン連続でセシウムが見つかる福島産米
※１（１２）（１３）を集計
※２ NDは検出限界未満（見つからない事）を示す。
※３ 日付けは検査日
図―５ 福島産米の詳細検査結果
福島産を恐れ、多くの国が輸入禁止ないし制限をしています（１４）。この問題を安倍出戻り内閣はWTOに提訴したのですが、訴えは退超えられました（１５）。福島産を避ける行為は国際的に認められました。だいたい観光って、楽しむ為に行くものだと思います（１６）。放射能入りの食材を食べるかもしれないと福島を楽しめますかね？基準値以下は「安全」、避けるのは「風評被害」って、汚染した側の勝手な論理だと思います。
以下に福島の外国人観光客の内訳を示します。
台湾、中国、タイからが過半数を占める福島の外国人観光客
※（１０）を集計
図―６ 福島を訪れた外国人観光客の延べ人数の内訳
台湾、中国、タイがトップ３です。台湾と中国は福島産の輸入を停止しています（１４）。台湾では福島産は「核災食」と呼ばれています（１７）。タイは福島産の輸入を禁止してはいませんが、２０１８年に計画されていた福島産ヒラメのタイでの販売が、現地の消費者団体などが安全性に懸念を示し、取りやめになりました（１８）。
福島産は世界で嫌われています。「食の周遊で外国人誘客」なんんてできるのですかね？
「東北新幹線で首都圏から八十分程度で来県できるアクセスの良さ」と福島民報は報じていました。福島県内には東北新幹線の駅が３つあります（新白河駅、郡山駅、福島駅）（１９）。どれも近くに観光施設はないようです（２０）（２１）（２２）。観光施設に行くには新幹線を乗換え自動車（バス、タクシーレンタカー）ないしは在来線で観光施設に行くことになります。福島県の磐梯熱海駅の周囲には温泉などの観光施設がありますが（２３）、時刻表をみると東京から２時間程度かかります。概ね品川から新大阪に出る時間です。一方で上越新幹線の越後湯沢駅の周囲には温泉街やスキー場などの観光施設があります（２４）。お隣のガーラ湯沢駅の側にはスキー場があります（２５）。この辺りは魚沼産コシヒカリの産地ですので（２６）、観光の売りになるともいます。福島とちがい放射能入り米を食べるリスクがありません。湯沢駅がある湯沢町やその周辺にはいくつもの酒蔵もあります（２７）。
「外国人旅行客の好みに合わせた日本酒、郷土料理など『食』に特化した広域周遊モデルコースを今年度中に策定する。＜中略＞東北新幹線で首都圏から八十分程度で来県できるアクセスの良さを売りに、移動時間を含め一泊二日の日程を軸に計画を練る。」
とすると、福島は越後湯沢駅周辺に比べかなり不利です。
日本の１年間の外国人観光客延べ人数は
事故前（２０１０年）２，６０９万人
昨年（２０１８年） ７，９０４万人
で、事故前に比べ、３倍以上に増えています。一方で福島では
事故前（２０１０年）８．７万人
昨年（２０１８年） １２万人
で（１０）４割弱しか増えていません。昨年の１２万人は、全国４１位でかなり下位のようです。福島県の国内外を合わせた延べ宿泊人数は１，０９５万人で、このうち外国人観光客は１２万人（１０）で全体の１％です。この数字は全国最下位です。ちなみに全国平均は１６％です。
福島県の地方２紙は、福島への外国人観光客の重要性を報じていました（１）（２）。でも、福島県の観光宿泊客のうち外国人が占める割合は１％で、全国最低です。割合が低く外国人観光客が増えても、観光の復興には結びつきません。それ以前に福島は汚染されており、外国の方だって避ける筈です。
＜余談＞
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島を避けているのは福島の皆様も同じだと思います。
福島を代表する野菜にトマトがあります（２８）。今日、スーパーに買い物に行ったらフクシマ産トマトが売られていました。大変に不快な気分になりました。福島はトマトの季節のようです。福島のトマトは美味しいとのことです（２９）。福島県は福島産トマトは「安全」だと主張しています（３０）。でも、当該チェーンの福島県福島市の店舗のチラシには福島産トマトはありません。
他県産はあっても福島産トマトが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
※（３１）を引用
図―７ 福島産トマトが無い福島県福島市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県福島市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2885.html
(１)食の周遊で外国人誘客 福島県、年度内に広域モデル策定 | 福島民報
(２)【５月４日付社説】外国人旅行者/観光立県の新時代築く柱に：社説：福島民友新聞社 みんゆうNet
(３)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング（平成29年9月9日〜11月16日測定） 平成30年02月20日 （KMZ, CSV）」
(４)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線（２０１７年）
(５)国（環境省）が示す毎時０．２３マイクロシーベルトの算出根拠｜東京都環境局 その他について
(６)避難区域の変遷について−解説− - 福島県ホームページ
(７)統計資料一覧 - 福島県ホームページ
(８)リカちゃんキャッスル - Wikipedia
(９)訪日外国人動向2019 - 観光統計 - JTB総合研究所
(１０)宿泊旅行統計調査 | 統計情報 | 統計情報・白書 | 観光庁
(１１)福島民報社
(１２)全量全袋検査の検査結果 - 福島県ホームページ
(１３)報道発表資料 ｜厚生労働省
(１４)福島県産食品の輸入規制の状況 - 福島県ホームページ
(１５)日本が逆転敗訴 WTO、韓国の福島県産などの水産物禁輸を妥当と判断 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
(１６)秋田旅行を120％楽しむ！おすすめ観光スポット＆グルメ18選【名所から穴場まで】
(１７)日本産は「核災食品」か 台湾、輸入の再開を住民投票へ：朝日新聞デジタル
(１８)福島産ヒラメ タイでの販売中止 :日本経済新聞
(１９)東北新幹線 - Wikipedia
(２０)新白河駅 - Wikipedia
(２１)郡山駅 (福島県) - Wikipedia
(２２)福島駅 (福島県) - Wikipedia
(２３)磐梯熱海駅 - Wikipedia
(２４)越後湯沢駅 - Wikipedia
(２５)ガーラ湯沢駅 - Wikipedia
(２６)魚沼コシヒカリ - Wikipedia
(２７)地酒 :: えちご南魚沼いいとこ自慢
(２８)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(２９)とまとランドいわき 〜美味しく安全な農産物を食卓へ〜
(３０)安全が確認された農林水産物（公開用簡易資料） - 福島県ホームページ
(３１)イオン福島店 | お買物情報やお得なチラシなど
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