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景気拡大の裏で広がる格差、大手と零細企業の「二重構造」が復活(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/505.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 3 月 14 日 13:06:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

景気拡大の裏で広がる格差、大手と零細企業の「二重構造」が復活
https://diamond.jp/articles/-/196762
2019.3.14 野口悠紀雄:早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問 ダイヤモンド・オンライン


写真はイメージです Photo:PIXTA


 この数年間で企業の利益が顕著に増え、株価が上がった。これがアベノミクスの成果であるとされる。

 企業の利益は、史上最高水準といわれることもある。

 だが、これは上場企業のことである。

 ニュースでは上場企業のこうした状況が伝えられるので、それを聞いていると、日本企業のすべてがそのような状態にあるような錯覚に陥る。

 大企業と零細企業とでは、状況は大きく異なり、零細サービス産業は、賃金も利益も減少している。

 こうした事情は、サービス産業に限定されたものではない。非製造業の多くの部門で見られる現象だ。

 高度成長で解消したとされていた「二重構造」が、現代の日本に復活しているのだ。

零細企業では
賃金が下がり利益が減少


 法人企業統計で、資本金1000万円以上2000万円未満の企業を「零細企業」と呼ぶこととし、その状況を、資本金10億円以上の企業(「大企業」と呼ぶ)と対比しながら見てみよう。

 なお、変化率とか伸び率という場合には、原則として、第二次安倍政権の発足と今回の景気拡大のスタートが重なった2012年10〜12月期から18年10〜12月期間についてのものを指す。

 なお、1人当たり給与を「賃金」という場合がある。

 全産業を見ると、図表1に示すように、売上高では、大企業は零細企業の約3倍あり、全体の約41%を占めている。したがって、しばしば、この部門の動向が経済全体の状況を表していると見なされる



 ところが、従業員数で見れば、零細企業は大企業の約1.1倍であり、全体の約4分の1を占めているのだ。

 注目すべきは、零細企業の1人当たり給与は、大企業の約3分の2でしかないことだ。しかも、12年10〜12月期から18年10〜12月期間に4.5%も下落している。

 零細企業では、売り上げも1.7%しか増えていない。消費税の影響を除けば、売り上げの成長率はマイナスということになる。これは、大企業の売上高が12.2%増加していることと対照的だ。

 このように売り上げが増えないために、賃金を下げ、従業員数も減らさざるを得なくなっている。それによって、やっと利益増を確保している状態なのだ。

 経済全体で見ると、前回(2019年3月7日)コラム「戦後最長の好景気で雇用が増えても『賃金』が上がらない理由」で書いたように、売り上げが16%伸び、利益が55%も増加した。

 しかし、規模別に見ると、このように事情はかなり異なるのだ。

製造業の利益が増えたのは
原油価格下落と輸出増のため


 製造業全体では、賃金が約3%上昇し、利益も83.7%と、著しく高い率で増加した(図表2参照)。これから見る限り、製造業は好調だ。



 ところが、規模別に見ると、かなり大きな差がある。

 製造業の零細企業は、賃金を5%も低下させている上、従業員数を1割以上も減らしているのだ。

 これは、売り上げの増加率が3.8%でしかないにもかかわらず、原価が5.9%も増えたことによると考えられる。人件費を圧縮することにより、原材料費高騰の影響を緩和しようとしたのだろう。

 なお、製造業の零細企業では、営業利益が130%も増えている。しかし、このことをもって「利益が好調」とは言えない。増加率が高いのは、2011年から12年頃の利益が著しく低水準だったからだ。

 18年10〜12月期における従業員1人当たりの利益は22.6万円であり、製造業大企業の115.9万円に比べると、5分の1未満でしかない。

 製造業大企業の状況は、上で見た零細企業とはかなり異なる。

 ここでは、売り上げが6.9%増えたのに対して、原価の増加率は3.2%という非常に低い水準にとどまっている。これは、原油価格下落の影響と考えられる。

 原価の推移を時系列的に見ると、図表3のとおりであり、15年にかなり顕著に減少している。これは、原油価格の下落と軌を一にしている。



 このような利益増加のメカニズムは、輸出主導だけで景気回復した04〜08年までのものとは、だいぶ違う。

 なお、図表3を見ると、製造業大企業の売り上げが、17年から増加していることが分かる。これは輸出の増加によると考えられる。

 原油価格の下落も輸出の増加も、国内の経済政策で実現したものではない。今回の景気回復をリードした製造業の利益増加は、このように海外の事情で実現したものだ。

 原油価格下落による原価の低下は、他の分野では見られない(非製造業零細企業で原価の増加率が低いのは、人件費を圧縮したことによると考えられる)。

 原油価格下落による利益の多くを、製造業大企業が得たのだ。

零細飲食業は賃金が4割下落、
大手製造業だけでは判断を誤る


 すでに見たように、製造業でも零細企業は賃金を引き下げている。

 非製造業は、全体として見ると、賃金は0.2%ほど上昇しているのだが、分野別に見ると、かなり大きく低下している分野もある。

 非製造業で賃金が下がっているのは、図表4に示す分野だ。

 このように、零細企業では、多くの産業で賃金が下落している。



 中でも、零細飲食サービス業は、4割近い下落という、信じられないほどの状況だ(この間の推移は、図表5のとおり)。

 しかも、給与水準も著しく低い。2018年10〜12月期における零細飲食サービス業での1人当たり給与は49.5万円だが、これは、製造業大企業131.1万円の37.7%でしかない。



 1人当たり給与の下落が著しいのは、零細飲食サービス業だけではない。

 零細宿泊業は12.2%の下落、零細小売業は10.4%の下落だ。

 介護では、1人当たり賃金の伸び率は高い。12年10〜12月期から18年10〜12月期間に、大企業では93.1%上昇している。零細企業でも20.2%の上昇だ。

 しかし、水準は低い。大企業で89.1万円、零細企業で66.2万円であり、製造業大企業の131.1万円に比べると、著しく低い。

 零細非製造業の従業員は約671万人だ。これは製造大企業291万人の2倍近い。

 この部門では、賃金が下がり、利益が減少している。これこそが、現在の日本企業の標準的な姿なのだ。

 賃金が3%程度上昇し、利益が増え、株価が上がったというのは、製造業大企業のことなのである。経済全体がそのようになったというイメージで見ていると、状況の判断を大きく誤る。

高度成長で解消した
二重構造が復活


 日本の産業には、高生産性産業(図表6のグループA)と低生産性産業(図表6のグループB)がある。



 グループAとして、ここでは、製造業と情報通信業の大企業を取り上げた。グループBとしては、小売業、飲食サービス業、医療、福祉業の零細企業を取り上げた。

 両者では、まず、従業員1人当たり給与の水準が異なる。四半期当たりで見て、グループAは130万円程度、グループBは50万円前後と、2倍以上の格差がある。

 つまり、日本の労働市場は、これら2つの市場で賃金が均一化せず、分断されていることになる。

 両グループの差は、賃金だけではない。従業員1人当たり営業利益で見ると、図表6に示すような大きな差がある。これについては、グループ内でも格差がある。情報通信産業は製造業の3倍近い。

 グループBの中では、飲食サービス業、医療、福祉業が小売業の半分程度だ。飲食サービス業、と情報通信業の間には3.0倍もの格差がある。

 かつて日本の経済は、近代的大規模企業と前近代的中小零細企業が併存する二重構造であると言われた。

 その後の高度経済成長によって、賃金や生産性の格差は解消されたと考えられていたのだが、現代の日本では、以上で見たような二重構造が復活したと考えることができる。

自営業はもっと悲惨
「景気回復」にはほど遠い


 零細企業では、最低限の利益を確保するために、人件費を圧縮せざるを得ない状況になっている。

 では、なぜ人件費を減らせるのだろうか。

 これについては、もっと立ち入った分析が必要だが、想像されるのは、女性や外国人によるパート、非正規での就業が増えていることだ。

 こうしたことを考えると、女性の就業率の引き上げや外国人労働者の拡大は、慎重に考える必要があるのかもしれない。

 なお、従業員数で見ると、法人企業統計(金融機関を除く)がカバーしているのは、全産業、全規模で約3440万人だ。他方で、日本の総就業者は、6456万人である(労働力統計、2019年1月)。また、国家公務員が約64万人、地方公務員が約275万人だ。

 これらを除くと約2700万人になるが、このうち大部分が個人事業で就業していると考えられる(なお、労働力統計では、自営業主・家族従業者は686万人)。

 そして、これらの人々の多くは、ここで見た法人企業零細企業の場合よりもさらに劣悪な状況にあることが推察される。

 日本経済の現状は、「景気回復」というにはほど遠い状況にあるのだ。

(早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問 野口悠紀雄)
















 

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コメント
1. 赤かぶ[6496] kNSCqYLU 2019年3月14日 13:06:41 : 90EZJT5uPI : YU9qMWtEWURTcUk=[1533] 報告


2. 2019年3月14日 13:19:10 : 1GJFQVU66M : c0lqbmRoR2RQY2c=[15] 報告
>原油価格の下落も輸出の増加も、国内の経済政策で実現したものではない。
今回の景気回復をリードした製造業の利益増加は、このように海外の事情で実現したものだ。

野口悠紀雄氏の分析結果はあまり知られていないが、正しい分析です。真っ先に日本経済が世界の景気悪化の悪影響を受けてしまいます。

日本経済を語るのに、日本の話をする必要はないのです。

日独の経済は景気後退に片足突っ込んでいます。どちらの国家も輸出主導の景気好転に依存していたので仕方がないでしょう。

中国の景気減速の国際的な影響が、大きいことが証明されました。

過剰消費で景気後退を先送りしている米国より日独が先行する形が世界不況への流れでしょう。

3. 2019年3月14日 19:09:06 : ICe8OGrnXw : ZHE1bnUuS0lNZUE=[82] 報告
中小の 苦境を隠す 偽景気
4. 佐助[6640] jbKPlQ 2019年3月14日 19:23:22 : z5Sx38n0Sg : VHN1VmMvUE9LZS4=[98] 報告
これはアダムスミスが推奨する国際分業の結末による近年グローバル化が進み、超格差社会になったからです。

一つ目は,消費者の所得がインフレに追いつけない最大の根因は,低賃金国に間接・直接的に5割以上も依存しているため.国民所得は上げられないからだ。

二つ目は,労働協約の破壊です。労働賃金,最低賃金の破壊,終身雇用の破壊です。この雇用は低賃金化,コスト低減のために高齢者の就業・パート・派遣社員化・正社員を無くしてきた。

三つ目は,中小企業と農業の破壊。

四つ目は,構造改革とアベノミクスの旗印で,大企業の二重三重の労務管理に組み込まれた。そのために,労働人口の5割以上が,二重三重のピンハネタコむ部屋の中に組み込まれてしまった。

五つ目は,1%の富のために99%の不幸政策しかしなくなった。トリクルダウンや金融ねずみ講的信念。弱者切り捨て,金持ち大企業優遇制度。消費税増税して,還元・還付金や天下りや談合や忠誠心待遇処置。

六つ目は,不正統計指数と蜃気楼化した経済指数と嘘

七つ目は,開発・研究・社会保障の削減,新自由主義経済システムの妖怪。

この自由貿易市場の拡大は,国際分業を拡大,加速させた,そのために企業は,国内市場が縮小しても,輸出で業績を伸ばすことが可能になった,英国の不思議な景気上昇の十年と日本の不思議な十年と実感のない最長のの景気上昇期はこうして発生した。

今度の苦痛は、いざなぎ景気越えの見かけの景気をともなわない。なぜなら、見かけのいざなぎ景気越えは、国内市場の縮小を海外市場の拡大によってカバーされた、蜃気楼化された経済指数と不正統計指数が正体だからだ。

そのために,日本だけが、90年代に経験した失われた10年間の苦痛を、再び10年以上も経験しなければならない。

それは、ドルのキン離れによる世界の信用膨張で、最も恩恵を受けた国が日本だからだ。そのため、日本は、最大の打撃をこうむる。今回は産業革命だけが人類を救うことができる。

5. 2019年3月15日 00:02:30 : aBcmgyKtiA : U0dNL1BTeC5yS00=[3] 報告
>>04

アダムスミスを曲解してますな。アダムスミスはあくまで市場を自由競争に委ねる事を前提にして国富論を組み立てているが、現在のグローバル社会はクローニー資本主義と呼ばれ各国の政府権力がそれぞれお気に入りの企業組織と結託して法律を捻じ曲げ内輪のみでやりたい放題。もちろん米国の軍事力をかさに着てグローバル大企業が外国でやりたい放題やるのもクローニー資本主義です。

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