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“関税マン”トランプ再出馬で強まるブロック経済化のリスク  金子 勝(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/19/hasan132/msg/640.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 6 月 21 日 15:48:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

“関税マン”トランプ再出馬で強まるブロック経済化のリスク
https://diamond.jp/articles/-/206343
2019.6.21 金子 勝:立教大学大学院特任教授・慶應義塾大学名誉教授 ダイヤモンド・オンライン


Photo:AFP=JIJI

 トランプ大統領が6月18日夜(日本時間19日午前)のフロリダ州オーランドで行われた選挙集会で、2020年大統領選での再選を目指して正式に立候補を表明した。

 演説では16年大統領選の「米国を再び偉大にする」という公約は「やってのけた」と強調。引き続き中国との貿易不均衡是正や「国境の壁」建設による移民排斥を訴えた。

「自国第一」のトランプ流が、この3年余り、世界を混乱させてきたが、民主党の候補者が乱立している現状の下では、「再選」の可能性は十分にあり得る。

「最強国の保護主義」
ブロック経済化もたらす


 この間のトランプ大統領の行動を見ていると、際立つのは貿易政策の強引さだ。

 2018年3月に、中国だけでなく同盟国までもを対象にした鉄鋼・アルミ関税を打ち出して以降、「制裁」関税や経済制裁を連発して自らの利益を通そうとする手法が目立つ。

「タリフマン(関税の男)」を自称する中で、GDP世界1位の米国と世界2位の中国が報復関税を応酬する事態は、日々エスカレートしている。

 トランプ政権が大統領令で、ファーウェイという特定企業との取引排除という異例の措置をとると、中国はレアアースや「国家技術安全管理リスト」という先端分野の特定技術の輸出制限や、中国の先端技術に関して米企業から特許料をとることなどを検討して一歩もひきそうにない。

 6月末の大阪G20サミットで、トランプ大統領と習近平主席の首脳会談で状況打開が図られる見通しだが、米国側は中国からの輸入品3000億ドルに最大25%の関税を課す、制裁関税第4弾を発動する構えは崩していない。

 事態は、ブロック経済化をもたらした第2次世界大戦前の状況を想起させる。

 関税引き上げに加え、トランプ大統領は他国との貿易交渉で「為替条項」を要求する一方で、FRB(米国連邦準備制度理事会)に対して利下げ圧力を加えている。

 事態が悪化することになれば、米中両国間の関税のかけ合いから為替切り下げ競争にまでエスカレートし、貿易の大幅な縮小を招くことが懸念される。

 戦後、米国が覇権的地位を獲得したひとつの理由は、戦前のブロック経済化をもたらした関税のかけ合いや為替切り下げ競争を回避すべく、自らが先頭に立って「自由貿易体制」の構築に努めてきたからだ。

 これまで競争力などが弱い国が保護貿易主義をとることはあったが、いまや「最強国」が保護主義を進めている。

 このことは、自由貿易主義を自ら掘り崩すことを意味する。

「双子の赤字」拡大
80年代の政策協調の土壌ない


 18日の出馬表明の演説で、トランプ大統領は「米国はいま繁栄し、経済は拡大している」「世界の羨望の的だ」と、好調な経済を一期目の業績としてアピールした。

 しかし減税などによる財政赤字の拡大は止まらず、「双子の赤字(財政赤字と貿易赤字)」は巨額になっている。その「帳尻合わせ」を米国政府が他国に求めるという意味では、1980代にも似た状況だ。

 しかし、80年代は、米国はG7などの先進諸国の「協力」を得られた。ポール・ボルカー元FRB議長の下で高金利ドル高政策がとられたが、結局、1985年の「プラザ合意」で、ドルが切り下げ(その他の先進諸国の通貨切り上げ)られた。

 また、米国自身がサプライサイド経済学に基づく減税政策(経済再建税法、1981年)を見直し、財政赤字の削減努力を示すと同時に、ドイツと日本が財政出動で内需拡大を図り、貿易不均衡を是正することが合意された。

 当時は、レーガン政権は建前上、「自由貿易体制」を守るという姿勢をとっており、日独などの間でも自由貿易体制を維持するという合意があったから、政策協調が行われる土壌があった。

 米国はその一方で、当時、GDP世界2位だった日本に対して、通商代表部(USTR)を通した貿易不均衡是正の要求だけでなく、日米半導体協定や日米構造協議に象徴される強引なやり方で、米国の経済覇権を脅かすとみた日本を封じ込めた。

 その「成功体験」が、今回の米中貿易戦争をもたらした要因の一つと考えられるが、状況は80年代とは大きく違っている。

 今は、G7に属さない中国が米国の最大の競争相手になっており、かつての日本のように簡単に米国の圧力に屈するとは考えられない。

 さらに、トランプ大統領がEUのような同盟関係にあった国に対しても「自国第一」の強硬姿勢をとっていることもあって、先進諸国の協力を十分に得られておらず、孤立を深めている状況だ。

 その結果、米国自身が「自由貿易」の旗を降ろし、公然と中国や先進諸国に対して関税をかけて力で圧迫している。さらに、ドル高を貿易相手国の「為替安政策」のせいにして、「通貨安」を防止する「為替条項」を求めている。

「トランプ流」は、戦後を引っ張ってきた「自由貿易体制」と他国との国際協調を自ら否定するという意味で、戦後世界の主導的地位を失うリスクをもたらすだけでなく、世界経済のブロック化を引き起こすリスクを一段と高める。

場当たりの政策
混乱とリスク高める


 さらに問題なのは、トランプ政権が一貫した中長期の戦略をもって、そうした行動をとっているとは思えないことだ。

 トランプ大統領は次々と閣僚を更迭してきた。

 ハト派とタカ派で正反対だが、ともあれニクソン、フォード政権時代のキッシンジャー大統領補佐官やブッシュ政権のラムズフェルド国防長官のように、ホワイトハウスにいて、大統領を補佐し政権内を巧みにコントロールする一貫した戦略をもつブレーンがいない。

 このことは、ジェームズ・マティス国防長官とジョン・ケリー大統領首席補佐官の辞任で一層明確になった。

 トランプ大統領が関税や制裁措置をとる時、多くはロシア疑惑や脱税疑惑で追い込まれそうになったり、補欠選挙で敗れたり、自らが不利な立場に陥った時だ。それも場当たり的に政策が打ち出されているように見える背景のひとつである。

 とりあえず即物的に利害関係が見えやすく、目先で有権者の支持を得やすい行動が最優先される。

 その際、トランプ大統領は、グローバリゼーションやIT経済化がもたらした格差を是正する政策はとらず、むしろナショナリズムをあおり、「アメリカの利益」を守る「強いアメリカ」を演出することに集中する。

 しかし、社会の分断が進むなど、そのことがもたらすより大きなリスクは顧みられない。

 最近のイランに対する、核合意から離脱や制裁などの強硬姿勢がもたらす原油高は、米国石油業界の利益になり、また宗教原理主義者やユダヤロビーの支持も得る。

 しかし、それが、ドル決済を介さない取引圏を拡大させていったり、中東地域の緊張や政治の液状化をもたらしたりするリスクはあまり顧みられない。

 欧州諸国など白人が多い国々への制裁関税はあまり支持されないが、中国への制裁関税は国内の支持が高い。しかし、それが世界経済の分断をもたらすことは気にかけていない。

 さらに、トランプ大統領自身がロシア疑惑や脱税・不倫疑惑などを抱え、ごまかしや隠ぺいのために「フェイク」な言説を繰り返すこともあるからだろうか、北朝鮮問題にせよ、米中貿易戦争にせよ、イラン核合意離脱と制裁問題にせよ、重要な局面になると、相手への不信感から合意をひっくり返す。

 効果などを計算してふるまうショーマンのつもりが、自ら不安行動(パラノイア)に走り、どこへ行くのかが見通せなくなるようだ。一貫した戦略のない指導者ゆえの危うさを抱えている。

「抱きつき外交」の日本は
米中対立で「股裂き状態」


 こうしたトランプ流に呼吸をあわせ「抱きつき外交」をしてきたのが、安倍首相だ。

 例えば、ファーウェイ制裁に国家レベルで歩調を合わせているのは日本とオーストラリアなどごくわずかな国だ。情報通信分野で完全に取り残されている日本がトランプ政権に隷従する軽率さは際立っているが、その結果、どんどん貿易上の利益を失いつつある。

 日本の輸出先で見ると、中国は全体の20%で米国の19%と肩を並べ、アジア全体では55%を占める。こうした輸出の中には、日本企業が、アジアや中国に部品などの中間財を輸出し、完成品が米国に輸出されるなどの取引も少なくない。

 米中貿易戦争が長引けば、一方が成り立てば他方が成り立たない、いわば「股裂き状態」になってしまう構造的な弱点を日本は抱えている。

 実際、2019年1−3月期のGDPは、輸入の減少でプラスとなったものの、輸出と個人消費の落ち込みが拡大している。

 19日に発表された5月の貿易統計では輸出が7.8%減り、9671億円の貿易赤字を記録した。

 さらに、FRBが利下げに踏み切れば、日銀の金融緩和に伴う円安効果も薄れていき、貿易赤字だけでなく経常収支をも悪化していくだろう。そうなれば、膨大に累積した財政赤字が問題になってくる。

 日本にとって米中貿易戦争を早期に決着させることが極めて重要なのだが、安倍政権は、事実上の日米FTA交渉で、自動車と農業で米国の圧力を受け、牛肉や豚肉の関税引き下げなどの公表を、参議院選挙後に延ばすといった小手先の対応に精一杯である。

 6月末に大阪で開かれるG20サミットで、日本政府が米中の仲介役を果たせる可能性はほとんどない。

 安倍政権の外交力に期待できないとすれば、できる限りリスクを回避する政策を優先させることが必要となる。

 世界経済のブロック化が進めば、日本の場合、このまま産業の衰退と地域経済の衰退を放置すると、内需の弱さが日本経済の衰退を加速させてしまう。

 リーマンショックの際も、日本の銀行はサブプライムローン絡みの証券化商品をほとんど買っていないにもかかわらず、先進諸国の中でGDPの落ち込みが激しかった。

 今も大きな外部ショックが起きると、たちどころに経済の底が抜ける弱点は克服されていない。

(立教大学特任教授 金子 勝)









 

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コメント
1. 赤かぶ[18431] kNSCqYLU 2019年6月21日 15:48:53 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[8497] 報告


2. 2019年6月21日 19:42:26 : D0QUl32qUN : OWczZmhIbUhDL3c=[620] 報告
勇ましき 口に乗せられ どん底へ

突き進む 底なし沼の 不況へと

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