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陰るプーチン神話、募る国民の不満 解析ロシア 超長期政権の軌跡、世論調査会社所長に聞く 
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投稿者 うまき 日時 2019 年 1 月 11 日 01:11:52: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

(回答先: 台湾との軍事衝突にじませる中国、海峡危機の再来あるか  最終回 中国・国家にも「古希」の寄る年波 世界鑑測  投稿者 うまき 日時 2019 年 1 月 11 日 01:08:42)

陰るプーチン神話、募る国民の不満
解析ロシア
超長期政権の軌跡、世論調査会社所長に聞く

2019年1月11日(金)
池田 元博


レフ・グトコフ氏
ロシアの社会学者で、2006年から民間世論調査会社レバダ・センター所長。モスクワ大学卒。1946年12月生まれ、72歳。
プーチン大統領はなぜ、強力な政治指導者になり得たのか。

レフ・グトコフ氏(レバダ・センター所長):1990年代はロシアにとって厳しい時代だった。実質国民所得は半減し、エリツィン政権が進めた急進経済改革と改革派政治家への失望が増した。(1999年末の)エリツィン大統領の突然の辞任とプーチン氏の登場に、国民は期待と希望を膨らませた。国内のほぼすべての政党もプーチン氏を支持した。改革派は改革路線の継承を望み、共産主義者や国家主義者は彼が改革に歯止めをかけると期待した。

 プーチン氏が政治の表舞台に登場した時期はたまたま、急進改革に伴う市場経済、市場原理が軌道に乗り始めた時だった。また、原油価格がたまたま上昇して国家財政が潤い、相当な額の社会政策費用を捻出できるようになった。

 プーチン大統領の支持率は2002年から2008年にかけて上昇した。国民の実質所得が年率6〜8%、年によっては10%も増えたからだ。国家が社会保障費の負担を大幅に増やしたのが大きな要因だ。つまりプーチン政権は、国家資金を使って国民の忠実性を買い取っていたとも言える。

 国家資金の配分は不公正で、官僚、治安機関や国営企業の幹部などが大きな恩恵を受けた。とはいえ、低所得者層にも相応の資金が渡った。ロシアで金融危機が発生した1998年は経済的に最も厳しい時期だ。その翌年の1999年当時、ロシアの貧困層の比率は38〜39%に上っていたが、2008年は9%にまで低下した。これが、プーチン大統領が国民に根強く支持されている一番の要因だ。

半面、プーチン政権は社会の締め付けも進めた。

グトコフ氏:忘れてならないのが制度面の変革だ。まず、国内のマスメディアを国家権力の支配下に置いて独占した。これによって、マスコミを国家のプロパガンダの道具にする政策が行われた。マスメディアはほぼ大統領府などの直接支配下に置かれ、国家から完全に独立したメディアはロシアに存在しなくなった。あえて独立系といえるメディアの比率はいまや6〜7%に過ぎない。

 次に地方自治もなくなった。地方レベルでは知事選など首長選が一時的に廃止され、大統領が首長を指名するようになった。地方政党も排除された。権力の中央集権化が進み、憲法ではまったく規定されていない「連邦管区」が各地方の上のレベルに設置され、大統領による直接支配を進めるべく「大統領特別代表」が任命された。(プーチン大統領の出身母体である)連邦保安庁(FSB)など治安機関、政治警察の影響力も増した。治安機関出身者は人事面でも優遇された。

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プーチン大統領の人気のピークは2008年夏
対外政策もプーチン政権の基盤固めに寄与したのか。

グトコフ氏:プーチン大統領の支持率がピークに達したのは2008年夏。同年8月に起きたグルジア(現在のジョージア)との戦争の時期とも重なる。国内では愛国主義的なキャンペーンが展開され、大国の復活を掲げる一方で、欧米に敵対するレトリックが高まった。ロシアは改革や変革よりも安定性を重視すべきで、かつてエリツィン政権下で進められた急進経済改革は、欧米がロシアの崩壊を真の狙いにして仕掛けたものだという考え方も広がった。

プーチン大統領の支持率

出所=ロシアの独立系世論調査会社レバダ・センター
 こうした動きは2004年から出始めた。翌年に控えた第2次世界大戦(大祖国戦争)の戦勝60年を祝う準備を始動させたころだ。政権は大国のイメージを復活させるとともに、ロシアに民主主義はふさわしくない、帝国主義や大国主義といった伝統的な価値観に回帰すべきだと宣伝。反欧米の感情を徐々に国民の間に植え付けていった。その典型例が2007年2月、(米国による一極支配体制を鋭く批判した)プーチン大統領のミュンヘン安全保障会議での演説だ。

プーチン人気はなぜ、2008年夏を境にしぼんだのか。

グトコフ氏:2008年秋からの世界金融危機の影響だ。政権はそれまで蓄積した資金を使って何とか国民の不満を抑えようとしたが、完全には抑えられなかった。2009年からは国民所得が再び低下し、都市部の中産階級、教育水準の高い人々など所得が高い層を中心に、プーチン氏への反発が高まった。

 2011年末の下院選での大規模な不正投票、メドベージェフ大統領の後任としてプーチン氏が再び大統領に復帰したことは、国民の大きな不満を呼んだ。大衆の抗議行動も広がった。政権側は一定期間は戸惑っていたが、やがてより強硬な対応に出る。抗議行動への参加者を大量に逮捕、拘束したほか、40以上の法律を修正して言論や政治活動の自由を大きく制限した。インターネットも規制対象とした。欧米と協力するあらゆる分野の非政府組織(NGO)を「裏切り者」とするキャンペーンも展開した。

 
 それでも国民の反発や抗議行動の影響は長引いた。プーチン大統領の支持率は徐々に低下し、2013年12月に最低水準まで落ち込んだ。2013年から2014年初めにかけての世論調査では、回答者の47%がプーチン氏は次の大統領になってほしくないと答えていた。

そんなプーチン政権の苦境を救ったのが、2014年春のウクライナ領クリミア半島の併合だったのか。

グトコフ氏:実はロシア国民の大多数は当初、ウクライナが欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)に加盟するかどうかを決定する権利はウクライナ国民にあり、ロシアは介入すべきではないと考えていた。ところがウクライナで(親ロ派の)ヤヌコビッチ政権が倒されて以降、ロシアで前例のない激しい反ウクライナ、反欧米キャンペーンが展開されるようになった。ウクライナの政権転覆劇は米国が仕掛けたといった具合だ。それはいまだに続いている。

 ロシアでは反ウクライナ機運が一気に広がり、クリミア併合やウクライナ東部の紛争で、国粋主義や愛国主義的なムードが社会を支配した。国民の多くはプーチン政権が国際法に違反したことは認めつつも、ロシア系住民の生命を守るためなら容認されると判断。プーチン大統領の支持率は急上昇した。

 ただし、クリミア併合後の大衆の意識、ロシア社会のムードはどうか。政権への信頼感とともに、家庭状況や経済状況への期待など12種類の世論調査結果をまとめて指数化すると、興味深い傾向がみえてくる。国民の間に政権への信頼感、ロシアが大国になったという誇りの感情が増す一方で、2015年以降は将来への不安や不確実性が広がり、いずれ戦争になるのではないかとの恐怖感すら国民は強く抱くようになっている。

プーチン大統領の人気は今後も確実に低下していく
プーチン政権は2018年5月から実質4期目に入り、大統領の支持率に再び陰りがみえているようだが……。

グトコフ氏:愛国主義的なムードは2017年末まで続いていたが、このころから社会の不満、緊張が高まり始めた。プーチン再選に向けた大統領選キャンペーンで一時的に緩和されたものの、再選後に政権が打ち出した年金の受給開始年齢の引き上げに国民は猛反発した。政権は年金を働けなくなった人への補償とみなしているが、国民は老後に備えて蓄えてきた自分のカネと思っている。こうした認識の違いも政権批判を助長し、国民の9割近くが年金改革に反対した。プーチン大統領の支持率も低下し、2013年末の水準まで下がってしまった。

 国家にカネがないのに、なぜシリアで訳のわからない戦争を続けるのか。軍の近代化になぜ資金を振り向けるのか。クリミア半島と本土を結ぶ橋になぜ、多額の国家予算を投じるのか……。いまや大衆は、ロシアが大国として復活し、地政学的な問題を解決することに反対はしないが、自分のカネが使われるのは絶対に嫌だと考えるようになっている。

 
 ロシア社会の不安や緊張は続くだろう。とはいえ、政権による弾圧や野党勢力に対する活動制限はさらに強化されるだろうから、今後、政治的に大きな変化があるとは考えにくい。生活は苦しいが我慢はまだできる、というのが現在の国民世論の主流だ。

 
 ただし、プーチン大統領が築いた経済モデル、すなわち強権的な政治力をもとに原油輸出などによる収入を再配分するモデルは2012年までに限界に達していた。2012年は原油価格が1バレル100ドルを超えていたにもかかわらず、経済はすでに成長しなくなっていた。

 
 こうした経済モデルの非効率性や長引く欧米の経済制裁の影響で、直近の国民所得は2014年末時点と比べて11〜13%も下がったとの推計もある。国民所得の推移は政権の将来を占う重要なファクターだ。プーチン大統領は今後、NATOとの衝突など、外交面での冒険で一時的に人気を回復させる可能性はあるが、今の状況から単純に予測すれば、大統領の支持率は今後も徐々に低下していくしかない。


このコラムについて
解析ロシア
世界で今、もっとも影響力のある政治家は誰か。米フォーブス誌の評価もさることながら、真っ先に浮かぶのはやはりプーチン大統領だろう。2000年に大統領に就任して以降、「プーチンのロシア」は大きな存在感を内外に示している。だが、その権威主義的な体制ゆえに、ロシアの実態は逆に見えにくくなったとの指摘もある。日本経済新聞の編集委員がロシアにまつわる様々な出来事を大胆に深読みし、解析していく。
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/040400028/010900069  

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