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イギリス国民の83%が「水道の再公有化」に賛成の衝撃 超高額報酬をもらう経営者たち(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/153.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 3 月 31 日 02:30:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 



イギリス国民の83%が「水道の再公有化」に賛成の衝撃 超高額報酬をもらう経営者たち
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/63729
2019.03.29 岸本 聡子 トランスナショナル研究所研究員 現代ビジネス


「再公有化」が大人気

英国は約30年にわたり深く広く公共サービスの民営化を体験してきた。そんな英国で、こんにち「公的所有(public ownership)」が政治的な主要課題として登場し、しかも大人気である。

同国のシンクタンクLegatum Instituteによる最新の世論調査(2017年)では、「水道の再公有化」が調査対象者の83%に支持されるという結果だった。さらに、鉄道は76%、エネルギーは77%の支持である(すべてLegatum Institute, 2017.We Own It キャンペーンの一覧が分かりやすい)。

この数十年にわたる重要な産業の民営化圧力は、程度の差はあれ世界共通の傾向で、日本も例外ではない。昨年末、水道法が改正され、今後自治体は官民連携の一モデルであるコンセッション方式を検討しなくてはいけなくなった(英国とは民営化の方法が異なる)。

英国は1980年代にサッチャー政権のもと、国民皆保険を除くほぼすべての公共サービスの資産を売却して民営化した。水道は1989年に世界でも稀な完全民営化を断行。約30年たった今、どうして英国民は水道の公的管理を求めているのだろうか。その理由を知ることで、日本の水道事業の変化についてもより深く考えることができるだろう。



まずは英国のこの数年の事情を見ておこう。英国の水道完全民営化は世界でも他に3か国しか例のない一番激しい民営化のモデルである(あとはチリとマレーシアのみ)。

その問題点は長く指摘されてきた。今回この原稿を書くにあたって2014年に書いた英国の水道完全民営化の論考を再読した。英国最大の上下水道サービス会社でロンドンを含むテムズ川流域の1500万人(英国の人口の27%)にサービスを提供しているテムズ・ウォーター社を例に、民間水道会社の組織形態の複雑化と金融化を概観し、水道利用者の利益が後回しになるばかりか、利用者の負担増で株主が利潤を最大化する構造が作られてきたことを示した。

その典型的な企業戦略は、過剰資金借入れやタックスヘイブン(税回避地)を利用した「租税回避」であることもこの当時からわかっていた。2014年の時点でイギリスの民間水道の信頼は失墜していたことは明らかだ(当時の調査では70%が再公有化に賛成だった)。

数年を経て、「信頼の失墜」は、人々の怒り(Public Anger)へと成長した。2018年3月1日、インデペンデント紙とファイナンシャルタイムズ(FT)紙が、ほぼ同じ内容をカバーする民間水道の問題点に関する記事を書いたことは象徴的だ。

保守党議員も怒り心頭

驚くべきは、民営化に好意的と考えられる保守党の議員すら、民間水道会社の問題に対して怒りを隠していないという点だ。両記事から察するに、マイケル・ゴーヴ環境食糧農村地域省大臣は、水道サービスを提供する企業の取締役を集めた会合で相当「キレた」ようだ。

「彼らは複雑な金融体制を作り精査の目を逃れ、税金を払わず、すでに裕福な取締役たちをさらに裕福にし、必要以上の料金値上げをし、漏水や水源汚染そのほかの失態を長すぎるほど続けてきた」と言ったゴーブは、緊縮財政と民営化を寵愛する現与党の保守党議員だ。保守党の大臣が英民間水道企業を前に怒りを隠さないのである。

ゴーブの指摘を見ておこう。まず問題にされたのは株主への巨大な還元だ。民間水道企業は2007年から2016年の間に合計181億英ポンド(約2.62兆円)の株主配当を払い、この金額はこの期間の企業の純利益(188億ポンド)とほぼ同じであると言い、「誰がこのような意思決定をしたのか、もちろんこの部屋にいる民間水道企業の最高経営責任者と取締役たちだ」と指摘した。

次に民間水道会社の経営陣の報酬が問題とされた。ゴーヴは水道企業のCEOの年酬はユナイテッド・ユーティリティー社280万ポンド(約4.06億円)、セブントレント社242万ポンド(約3.51億円)、アングリアン社とヨークシャー社120万ポンド(約1.74億円)、テムズウォーター社96万ポンド(約1.39億円)と名指しで列挙した。96万ポンドは英首相テリーザ・メイの給料の5倍だと言うのも忘れなかった。

さらに「昨年、アングリアンとサウザンとテムズは全く法人税を払っていない。しかもテムズにおいては過去10年まったく法人税を払っていない」「10年来、株主は何億円も、重役たちは何千万円も毎年受け取りながら、国庫への貢献はゼロである」と続けた。


マイケル・ゴーブ氏〔PHOTO〕Gettyimages

ゴーヴは「テムズ、サウザン、アングリア、ヨークシャーは特に洗練された金融工学に熱心だ」と非難を続け、これらの会社が「何層にもなる、めまいがするような複雑な法人形態」を創出しそれにはタックスヘイブンに拠点を置くオフショア法人の子会社※も含まれている。


※租税環境が優遇されている(租税回避地・タックスヘイブン)に法人を作り他の場所で作られた利益をそこに移す方法。海外収益は非課税でそのお金を使って再投資し、投資で発生した利益分についても税金はかからない。


その借金、本当に必要だった?

FT紙の記事もほぼ同様に報告した上、民間水道企業が行動を変えなければ、再公有化の圧力が増すばかりと警告した。会合ではテムズ、サウザン、ヨークシャーはケイマン諸島のオフショア法人をホールディングス構造から除くと約束した。

FT紙は債務問題にも触れている。1989年に上下水道が完全民営化されたとき、投資家は76億ポンド(約1.1兆円)で水道公社を買収したが、政府は当時水道公社が持っていた合計49億ポンドの負債を清算(つまり借金棒引き)したうえで、15億ポンドの公的資金を民間水道企業に供与した。つまり民間水道会社はほとんど債務ゼロ(どころか、政府からの支援を受けた状況)で出発したのだ。

こうした水道会社の債務問題がその7か月後に発表された学術論文でさらに詳しく発表され、ゴーブの怒りを裏付けることとなった。シンプルに言えば、水道会社は不必要な借金をし、その利子支払いが水道利用者の負担になっていた、という内容だ。

FT紙はこの論文を2018年10月12日の「投資家は消費者が払う民間水道の借金で潤う」で取り上げた。サッチャーが水道事業を売却してから28年、10のイングランドとウエールズの水道会社は合計で510億ポンド(約7.39兆円)の債務を持つに至った。つまり、水道の運営にあたり資金が必要なので、様々な金融機関から借り入れを行い、利子を支払っていたということだ。

ところが、この間10社は合計で1230億ポンド(約17.81兆円)の資本投資を行い、純収益の累計は360億ポンド(約5.21兆円)であった。つまり水道企業はまったく借金をせずとも投資を回収し、水道運営費を捻出できた可能性が極めて高いのだ。

言い換えれば、必要のない借金に利子を上乗せした返済に水道利用料金が使われ続けたということだ。水道利用者は年間12億ポンド(約1737億円・一世帯の負担額は年間53ポンド=約7637円)を、利子を含めた債務の返済のみに払ってきたと論文は分析した。

この必要のない債務の恩恵を受けたのは民間水道会社の株主たちだとされる。借金を資本投資返済に充てることで、同期間に合計560億ポンド(約8.11兆円)の株主報酬を払うことができたからだ。

英民間水道のスキャンダルはその規模、仕組みが広く明らかになり、選択肢のない水道利用者が長年の過剰な水道料金を払わせられたことに、多くの英国民が怒っている。

再公有化の盛り上がりと労働党人気の関係

英民間水道企業のこうした行動実態が明らかになっていく中で、水道利用者には興味深いまったく新しい変化もまた起こっている。注目すべきは、こうした「再公有化支持」の動きが労働党人気へと繋がっている可能性だ。

ジェレミー・コービンが2015年の労働党首選で勝利して党首になって以来、イギリスの最大野党である労働党はかつてと全く違うリーダーシップで勢力を急激に伸ばしている。


ジェレミー・コービン〔PHOTO〕Gettyimages

現首相テリーザ・メイが自身保守党の地盤を固めるために恣意的に行った2017年6月の総選挙では、彼女の目的が完全に裏目に出て、コービン率いる労働党が大躍進し、政権交代までにはならなかったものの世界を驚かせた。コービン党首になって9万人だった労働党員は54万人になった。

そしてとても重要なことに、新労働党に投票し、今も活動的に支援するのは40歳以下の若年層なのだ。「英国を再建する。多くの人々のために、少数者のためではなく‘for the many, not the few’」という言葉が政治的なスローガンを超える現実味があるのが現在のイギリスであり労働党である。

こうした動きの背景に、「再公有化」への期待があると考えられているのだ。2017年の選挙で労働党はマニフェストに水道、電力、鉄道、郵便の再国有化を掲げた。若年層が圧倒的に支持した新労働党の要の政策が公共サービスの再国有化だったのだ。この政策の国民的な人気は冒頭に述べた通りである。

大躍進したとはいえ、政権を取らなければ、国レベルの再公有化のような大胆なことはまずできない。コービン率いる労働党は来る時代に備えて公約を実現するための政策準備に取り掛かった。そしてそのやり方も今までに例を見ない画期的な様相を見せている。

2017年のマニフェストが発表されてから、党は党員を超えた多くの専門家や活動家たちを招集して政策の具体化のための「部会」を設置した。党の外から政策アドバイザーを積極的に採用し政策立案していくこの実験的な方法が、労働党に新しいエネルギーを呼び込み、現在のラディカルで活気ある政策策定の過程を演出している。

より民主的な水道は可能か

2018年9月リバプールで開かれた党大会で発表された「透明な水:公的所有の民主的で透明性のある現代的な水道のビジョン」も部会と議員たちの共同の成果物だ。この案によると、現在の9つの民営水道会社を議会が決める値段で買い取り、9つの流域公共水道機構へと移行する。

労働者はそのまま新しい流域公共水道機構に移行するが、現在の民間水道企業の取締役たちは全員去っていただく。上記の水道ビジョンはこの流域公共水道機構をいかに民主的な管理と公的な精査が及ぶよう組織するかの提案が要となっている。

党大会でコービンとコンビを組む「影の財務大臣(シャドーキャビネットの財務大臣)」ジョン・マクドネル議員は「過去を繰り返す政策だと批判する人がいるが、私たちが提案しているのは全く新しい政策だ。水やエネルギーといった重要な産業の公的な所有によって今までにないレベルで労働者、市民、コミュニティーに経済的な権力を取り戻す新しい挑戦なのだ」と語った。

もしこのビジョンに従って流域公共水道機構への移行を実現したら、世界でも一番民主的で水道利用者の参画を統治に組み込んだ野心的な公的水道となるだろうと私は予想している。

さらに、マクドネル議員は水道や他の重要なサービスの「民主的な公的管理を実現するためのコンサルテーション」を発表した。これは部会よりもさらに広く、国際的にこの分野の研究者や実践者から知恵と経験を集める作業である。私も私が持てる情報や分析を提供してこの労働党の政策の土台となる知識収集作業に参加している。

しかし、2018年9月の党大会から数か月、英国のEU離脱(Brexit)問題ででそれ以外の政策議論が文字通り凍ってしまっている。国家を分断する悩ましいBrexitは労働党内の勢力も激しく分断してきたが、今年2月末、コービンは労働党のBrexit案を議会で通せない場合、EU離脱を問う二回目の国民投票を支持すると表明した。

Brexitの行方がどうなるのか現在誰にも分らないが、40年の新自由主義で深く傷ついた英国に新しいビジョンが必要なことは確かである。水道について考えることは、その第一歩になると、私は考えている。








































 

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コメント
1. 赤かぶ[8104] kNSCqYLU 2019年3月31日 02:31:28 : 90EZJT5uPI : YU9qMWtEWURTcUk=[3141] 報告


2. 赤かぶ[8105] kNSCqYLU 2019年3月31日 02:33:08 : 90EZJT5uPI : YU9qMWtEWURTcUk=[3142] 報告


3. 赤かぶ[8106] kNSCqYLU 2019年3月31日 02:33:48 : 90EZJT5uPI : YU9qMWtEWURTcUk=[3143] 報告


4. 赤かぶ[8107] kNSCqYLU 2019年3月31日 02:34:44 : 90EZJT5uPI : YU9qMWtEWURTcUk=[3144] 報告


5. 赤かぶ[8108] kNSCqYLU 2019年3月31日 02:36:07 : 90EZJT5uPI : YU9qMWtEWURTcUk=[3145] 報告


6. ぢっとみる[656] gsCCwYLGgt2C6Q 2019年3月31日 08:31:16 : LLC16YRhF6 : ZGEwWi9qMFkwMms=[70] 報告
こういうコトなら、ニホンは…
絶対に断固としてやる/止めないだろうネ。
デモがあろうが、死人が出ようが、
へのへのへー。
7. 2019年3月31日 09:21:03 : fPAGedqalU : S0tQb1pzMi91OVU=[101] 報告
 使用料値上げ分が全部経営者の
 フトコロに入るためなのは明らか。
 利用者にまわる事はない。
8. 無段活用[2030] lrOSaYqIl3A 2019年3月31日 09:44:51 : h2687LmABg : NUVKUlVGNVF0QkE=[20] 報告

つまりは、こいつらを叩き出すためのブレクジットだろう。湯田金を叩き出してシティを閉め、国内の貧困を解決して王室の求心力を取り戻す。国は貧しくなるが、イギリスには連邦の兄弟がいる。イギリスは今後は連邦と共に生きる。

そいつらが日本に逃げてくる。その受け皿を用意するための日欧EPAであり、日本の水道法改正だった。来るが良い。飯は食わせる。ただし収奪は許さない。ゴーン氏の逮捕はそのメッセージだった。だから、日本の司法当局はアライアンスの活動には一切手を入れず、経営者個人の身柄だけをを取った。

水道民営化は日本では浜松がモデルケースになっている。世界に知れた楽器の街だが、持続不可能な過疎町村の組織を比較的富裕な中心都市が引き受けた形。多様な性格を持つ諸地域の水道事業を市が一元的に管理する。

水道法改正の意図は表向きは事業の広域化と民営化により地方財政を延命させることにあった。浜松が成功すれば、水道事業の広域化を全国展開できる。水道民営化も全国展開できるだろう。

ただ、フランスで竹田氏が起訴され、氏はJOCの会長を降りた。皇室に近いオリンピアンだからまさに適材だったが、空港に降りた瞬間逮捕されるのでは堪らない。当然ゴーン氏の意趣返しだが、要はやりたいようにやらせてもらう、という意味。日本の民族派がこれで硬化するかも知れない。事態は流動化する。

そんなところか。日英欧の動きを繋いで見た。勿論、これは全て私の妄想。


9. 2019年3月31日 14:52:05 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[397] 報告
民営化の陰にこの男 もはや誰にも止められない
.
報道20XX
2019/03/27 に公開
https://www.youtube.com/watch?v=zIJN_-pS0pY
10. 2019年3月31日 19:39:57 : pxgwgovz2Q : eWNiYmY5R1dFRWs=[50] 報告
民営化 計り知れない デメリット

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