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元日銀参事・岩村充氏があぶりだす「黒田バズーカ」の本質 注目の人 直撃インタビュー(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/20/hasan134/msg/424.html
投稿者 赤かぶ 日時 2020 年 5 月 07 日 23:08:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 




元日銀参事・岩村充氏があぶりだす「黒田バズーカ」の本質 注目の人 直撃インタビュー
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/272617
2020/05/07 日刊ゲンダイ


岩村充氏(C)日刊ゲンダイ

 2013年4月に始まった日銀の異次元金融緩和。丸7年、吹かし続け、27日、国債買い入れ上限撤廃というさらなる追加緩和が決まった。だが、黒田バズーカは、本当に経済成長をもたらしたのか。長期の緩和やゼロ金利によって、誰が得をして誰が損をしたのか――。元日銀マンが本質をあぶりだす。

  ◇  ◇  ◇

 ――異次元金融緩和から7年が経過しました。どう評価されますか。

「現金を出すぞ」と言ったら、景気は良くなるというシナリオのもとに動いてみたが、まったく結果を出せなかったということでしょう。中央銀行が貨幣量を増やすぐらいでは人の心は変わらなかった。マーケットの方が賢かったということです。「黒田緩和」の問題は、うまくいかなかった時にどう戻るかを考えずに、ひたすら突っ走ったというところに尽きます。もっとも、コロナで当面、戻る必要はなくなり、黒田緩和の是非を問う意味もなくなってしまった感じですが。

中央銀行は経済成長のエンジンにはなれない

 ――金融政策の限界を実証した。

 金融政策とは、金利ゼロの中央銀行券とそこそこ金利がある国債を交換することだと言えます。ですから、どちらもゼロになったら金融政策は効きません。そもそも、経済を成長させるための金融政策という考え方が間違いなのです。経済成長のエンジンは人口増とか技術進歩などの経済の基本条件から生まれてくるもの。金融政策はアクセルやブレーキ役はできても、成長のエンジンそのものではありません。中央銀行が経済を背負っていると考えるのは思い上がりの一種です。

 ――日本だけでなく、米国、欧州の中央銀行もずっと低金利政策や金融緩和を続け、経済成長を導こうとしてきています。

 19世紀後半から20世紀は世界的にまれに見る経済成長の時代でした。私的所有権が確立され、技術進歩にも画期的なものがあった。その中で国民国家、民主主義、中央銀行、株式会社などの「仕掛け」が世界標準になったのです。今、経済成長が頭打ちになり、そこで機能する新しい仕掛けが見つからないなかで、中央銀行と政府の区別がつかなくなっています。中央銀行と政府の役割分担は、19世紀後半から20世紀の成長の時代に作り上げた「二分法」ですから、成長が止まったら溶けてしまうのは仕方がない気がします。

 ――今後も20世紀のように経済成長が続くわけではないと。

 続かないでしょう。経済成長が当然だと思うと、皆の期待ほど経済成長していないと、政府は何とか成長を加速しなければと考える。そこで、中央銀行が低金利政策、金融緩和を続けることになるのです。

 ――低金利政策の長期化で何が起こりましたか。

 株式投資とそれ以外の資金運用の間で大きな格差が生じてしまいました。金利が下がると、企業は借金や社債など資金調達の利払いが抑えられ、株主への配当をどんどん厚くします。経済成長がゼロ、うまくいっても2%の時代に、株主資本に対する当期純利益の割合を示すROE(自己資本利益率)について「8%が国際標準だ」という話が大手を振って通るんですから呆れた話です。企業は必死に株主優遇競争を展開し、それを国家と中央銀行が全力で後押しするというのが今の世界なのです。そのしわ寄せを受けるのが、一般の預金者なのです。

 ――株式投資をできる人と普通の預金者の格差ですね。

 黒田総裁もパウエルFRB議長も格差を拡大させようと思って、金融政策をやっているわけではないでしょう。しかし、金融政策自体が富の分配でもあることに気をとめないようでは専門家失格です。成長エンジンが失われている状況で、ともかく経済成長しようという金融政策が結果として格差をつくっているからです。無理な金融緩和で格差づくりに関与してしまったという点では、責任は黒田総裁だけでなく、白川方明前総裁やその前任者の福井俊彦元総裁も同じなのですが、白川や福井は、今は低い金利に抑えるけれどもいずれ取り返すよという考えだったと思います。しかし、黒田総裁には、いずれ巻き戻すという考えはないようです。だから、ずっと格差が拡大するし、それを他人事のように言えるのですね。


日銀は政府と一体化(C)日刊ゲンダイ

消費税の本質は労働課税

 ――グローバル化による格差拡大もありますね。

 背景にあるのは国家間の企業呼び込み競争です。富裕層や法人を優遇しないと、国外に逃げられて国が空っぽになるという恐怖をどこの国の政府も抱いています。だから、所得税の最高税率や法人税を劇的に下げてきました。その減収分を補うのが消費税ですが、消費税の本質は労働課税なのです。

 ――といいますと。

 法人税は、売り上げから物的な仕入れと人件費を差し引いた残余に課します。消費税は、売り上げから物的な仕入れを引いた残余が課税対象です。人件費は差し引かれません。ですから、国の税収の軸足を法人税から消費税に移すということは、税負担を株主から従業員に移すことを意味することになります。労働者の犠牲のもとに、法人や株主を優遇しているわけです。このままでは、格差はますます拡大するでしょう。

 ――低金利政策と税制で労働者など中間層は痛めつけられている。中間層が決起してもおかしくない状況です。

 中間層はバラバラな方向に向かっています。ひとつは、富裕層により多くの負担を求めるという方向です。米国型リベラリズムや社会民主主義にはそういう面があります。米国のサンダースの支持者はそういう意識なのでしょう。

 ――ただ、最近はどこの先進国もリベラル勢力や社会民主主義はパッとしません。

 そこで受け皿になってしまうのがポピュリズムです。自分が豊かになれない理由を、自分たちでない誰かのせいにしようとするのですね。あれだけおかしなことをやりながらトランプ政権の支持基盤が固い理由や、欧州のネオナチや反イスラムの台頭にも同じ背景があると思います。

 ――コロナ禍は世界をどう変えると思いますか。

 グローバル化には一定のブレーキがかかるでしょう。コロナの脅威がある間はそうでしょうし、今のコロナウイルスに対するワクチンが作り出せても、別の新種ウイルスが大流行する可能性は消えません。そうした観点からグローバリズムにリスクがあると考える人が増えてくれば、能天気とも言えそうな国家間の企業呼び込み競争やサプライチェーンのグローバル化には慎重にならざるを得なくなるはずです。

自由の劣化が進む中、コロナ禍が襲った

 ――新型コロナが終息した後は、どんな国家間競争が起きると予想されますか。

 今回の経験を経て、国家はより強く、市民や国民を監視してコントロールする方向に向かう可能性があります。欧米型の自由主義体制ではなくて中国型の政治体制への誘惑が強まってしまうのです。医療産業を国家安全保障の文脈で守ろうとする動きなどには、国際緊張を増し、軍拡競争に転化していく危険すらもあります。

 ――自由が制約される強権的な体制を国民は受け入れるのでしょうか。

 残念ながら受け入れる土壌はできつつあります。責任の一端は、サッチャーやレーガン以来の新自由主義にもあります。19世紀型国民国家の理念になった自由とは、血と涙で守るものでした。明治時代の自由民権運動で「板垣死すとも自由は死なず」というのがありましたが、そこでの自由とは命をかけて守るものなのです。ところが、新自由主義における自由とは要するに規制緩和で、つまり自由は儲けるための道具におとしめられてしまったのですね。自由を守ろうとする気概も勇気も劣化してしまっているのです。コロナウイルス封じ込めのためには何が何でも外出を取り締まるべきだとか、個人行動履歴もどんどん追跡すべきだという議論には怖さを感じます。症状のある人を治療するための検査は重要ですが、疑わしい人を隔離して自分は安全に暮らすための検査拡充論として主張されるとしたら僕は反対です。自由とは、そんなに安っぽいものではありません。コロナ禍で、自由や人権に対する私たちの根性、据わり方が試されているのです。僕だって感染の不安がないわけではないけれど、ここで譲ってしまったらおしまいだろうなという気がするんです。

(聞き手=生田修平/日刊ゲンダイ)

▽いわむら・みつる 1950年、東京生まれ。74年、東大経済学部卒業後、日本銀行に入行、企画局兼信用機構局参事などを経て、97年退行。98年1月から早大教授(現職は大学院経営管理研究科)。近著に「国家・企業・通貨 グローバリズムの不都合な未来」(新潮選書)。






 

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コメント
1. 赤かぶ[75120] kNSCqYLU 2020年5月07日 23:11:12 : Etqgkm55TU : RGtULnlHMS9YdlE=[4962] 報告

2. 赤かぶ[75121] kNSCqYLU 2020年5月07日 23:11:59 : Etqgkm55TU : RGtULnlHMS9YdlE=[4963] 報告

3. 赤かぶ[75122] kNSCqYLU 2020年5月07日 23:12:31 : Etqgkm55TU : RGtULnlHMS9YdlE=[4964] 報告

4. 赤かぶ[75123] kNSCqYLU 2020年5月07日 23:13:09 : Etqgkm55TU : RGtULnlHMS9YdlE=[4965] 報告

5. 赤かぶ[75124] kNSCqYLU 2020年5月07日 23:13:49 : Etqgkm55TU : RGtULnlHMS9YdlE=[4966] 報告

6. 2020年5月08日 11:16:41 : KiETwX4rrE : TkRjNnZHamVBNEE=[18] 報告
> 元日銀参事・岩村充氏があぶりだす「黒田バズーカ」の本質

元日銀参事・岩村充氏が自らあぶりだす「無知のバズーカ」の笑止

日銀は「窓口指導」によって土地バブルを作り出し、バブルの頂上で貸した金を引きはがしてデフレへ突入させたことが下記の本[1]に丁寧に説明されている。その結果、多くの企業は借金を返せなくなり、倒産へ追い込まれ日本の巨額の富がアメリに奪われた。

元日銀参事・岩村充氏は、日銀が日本国民のためでは無く、アメリカのために働いてきた歴史への言及が全くない。
彼は、日銀が日本経済を崩壊させた事を知らない程無知なのか?

[1] 円の支配者 - 誰が日本経済を崩壊させたのか (日本語) 単行本 – 2001/5/8
リチャード A ヴェルナー (著), 吉田 利子 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/%E5%86%86%E3%81%AE%E6%94%AF%E9%85%8D%E8%80%85-%E8%AA%B0%E3%81%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%82%92%E5%B4%A9%E5%A3%8A%E3%81%95%E3%81%9B%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%8B-%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89-%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%83%BC/dp/4794210574
商品説明
「バブルの創出も崩壊も日銀の『日本改造10年計画』の中に組み込まれていた」というのが本書の主題である。著者のリチャード・A・ヴェルナーは日本銀行の客員研究員時代の調査をもとに、権力が集中し、コントロールを失った日銀の内部事情を明らかにし、その金融政策がバブルの創出、崩壊にいかなる影響を及ぼしたのかについて厳しい指摘をしている。
経済政策は旧大蔵省が行う財政政策と中央銀行(日本銀行)が行う金融政策に大きく分けられる。だが、戦後の日本においては、大蔵省の財政政策ばかりに注目が集まり、日本銀行の経済に対する影響力は見過ごされていた。著者によれば、財政政策の効果は日銀が貨幣をコントロールすることで変えられるし、実際に日本銀行はそうすることによって日本の構造改革を進めようとした、というのだ。
本書を読めば、国民によって選ばれた人間ではなく、「プリンス」と呼ばれる一部のエリートが日本経済を動かしているという事実に、恐れを抱かずにはいられなくなる。論議をかもすこと間違いなしの衝撃的著作である。(土井英司)

読者のコメント
日本の心
5つ星のうち5.0
金融政策とは何かということが分かる 2018年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 この『円の支配者』は面白かった。出版から20年弱にもなり、陰謀論だという論者もいるようだが、真実を語っていると思う。難しいところも多いのだが、経済の初心者にも全体像は理解できたと思う。当然未消化の部分も残ったのだが。
@戦後日本の経済成長(不況・好況)は日本銀行の「窓口指導」によって行われた。その操作は日銀の一部の者によって隠れた形で行われた。
A「窓口指導」とは、銀行に対して“お金の貸し出し量”を指導してコントロールするもので、この銀行からの“お金の貸し出し”こそがマネーがマネーを生むカラクリだ。
B戦後の日本銀行総裁は、新木、一万田、佐々木、前川、三重野、福井の六人、日銀生え抜きのプリンスによって実権が握られていた。そして大蔵省出身の総裁の時は日銀の副総裁に実権があった。
Cアメリカの意を汲んだ日銀総裁は、この「窓口指導」という金融政策によってバブルを生み出し、そしてバブルを潰した。その目的は日銀を政府から独立させたり、構造改革が必要だといって規制撤廃、自由化などを進めるためである。
D一九九七年、九八年と多くの東南アジア諸国が深刻な不況に陥った。このアジア危機を招いたのはアメリカ財務省とIMF、そして地元アジアの中央銀行の政策だった。日本と同じく、中央銀行を中心とする既得権益者が経済構造の改革を狙って経済危機を引き起こしたのである。
◆2018年の今、日銀総裁は白川総裁から黒田総裁に変わった。アベノミクスで多少は日銀の政策変更の試みも行われたかに見えたが、そして米中対立という国際情勢の中、日本の前途は多難だ。

7. 赤かぶ[75195] kNSCqYLU 2020年5月08日 13:59:53 : Etqgkm55TU : RGtULnlHMS9YdlE=[5037] 報告

8. 赤かぶ[75196] kNSCqYLU 2020年5月08日 14:01:18 : Etqgkm55TU : RGtULnlHMS9YdlE=[5038] 報告

9. 赤かぶ[75197] kNSCqYLU 2020年5月08日 14:02:07 : Etqgkm55TU : RGtULnlHMS9YdlE=[5039] 報告

10. 2020年5月08日 19:01:00 : Ok1dsCNucQ : TWVYVFROaWc4QnM=[38] 報告
甘やかし 見てくれだけを 飾り立て
11. オニクタラム[14] g0mDaoNOg16DiYOA 2020年5月08日 20:59:34 : z6WxoS1CRQ : OUVCVnhhZ1FCSFU=[14] 報告
いつも多くの記事投稿者と、それにコメントされる読者の方々から、多くのことを学ばせていただき、ありがたく存じます。ここにコメントされた方で、もし興味のある方に是非ともお目をとおしてもらいたいと思いまして、少し長いブログ記事で申し訳ありませんが、ご照覧いただければ幸いです。なお。グー・ブログ記事[日本の「政治」の〈可能性と〉〈方向性〉について考える]から抜粋したものです。もしこの記事に関心を抱かれた読者がいらっしゃいましたら、以前の記事のも是非ともお目をお通しください。

21世紀版『危機の20年』ならぬ『(中国が覇権国へと至る)危機の20年』に引き起こされる「出来事」とは

前回までの一連の記事において、21世紀の危機の20年において予想される出来事を、20世紀版『危機の20年』をもとにしながら、同時にE・H・カーの著作の内容に縛られることなく、その比較論的考察を試みてきた。それぞれの危機の20年において共通する出来事とそうでない出来事を、私の〈「システム」とその関係の歩み〉に関するモデルを使って抽出するとき、以下のように示される。

(共通する点)

いずれの20年においても、システムとその関係の歩みを前提とした中で、それぞれの出来事が導かれていることがわかる。それらの出来事に共通しているのは、A、B、Cの、またB、C、Aの相互間における「衣食足りて(足りず)礼節を知る(知らず)」の営為を巡る「自己決定権」の争奪戦にみる差別と排除の関係である。もう少しわかりやすく言うならば、AはBやCに対して、BはCに対して、少しでも、より優位となる地点に位置しようと努めていることである。その結果として、CはBとAに対して、BはAに対して、より劣位の地点に置かれることを甘受せざるを得なくなる。

そうした関係が「大恐慌期」(急いで付言しておくと、21世紀版の〈大恐慌期〉については注釈が必要となるだろうが、私は今のコロナ騒動に伴う経済状況の悪化を捉えて、21世紀の大恐慌期とはみてはいない。それが起こるとすれば、私のモデルから判断して、もう少し先のことだと理解している。)と呼ばれる経済状況の悪化に対するA、B、C、あるいはまた、B、C、Aグループとその政治指導者における「危機」対応に大きく影響するのである。元より、A、B、Cの関係におけるB、矢Cは、特にCにおいては、それこそ爪に「危機」なのである。というのも、CはAやBの植民地や従属地に置かれていることから、主権国家とか国民国家という形での危機を体験することがそもそもできないのだ。しいて言うならば、Cグループ内の反・植民地、反・従属地運動を展開する政治指導者においては、今なお主権国家、国民国家の形成を目指す途上にあるからである。

こうした点に関して、付言すれば、「危機」や「通常通り」あるいは「戦争」という用語の使用法は、A、B、Cの、またB、C、Aのグループ間の政治的共同体とそこに暮らす人々がシステムとその関係の歩みにおいて、どの「段階」(地点)に位置しているかによって、それらの受け止め方や見方が自ずと異なってくるのは言うまでもないであろう。たとえば、Cにおいては、危機や戦争が「通常通り」となるのではあるまいか。こうした点を、いつも銘記しておくことが私たちには必要なのだ。

(異なる点)

21世紀の危機と想定される出来事が、20世紀の戦間期の「危」とされた時期の出来事と一番異なるのは、差別、排除する側に位置していたAグループが、今度は差別され排除される側へとその立ち位置を逆転するに至ったということである。(「システム」とその関係の歩みの観点から換言するならば、B、Cはその発展の「高度化」を歩むことができるのに対して、Aはその「低度化」をひたすら辿らざるを得なくなることを意味している。)すなわち、BからもCからも差別され、排除されている。ところが、未だにこの事実というか、この現実を多くのAグループの政治指導者はもとより、多くの国民は感じてはいないのではあるまいか。

たとえば、A、B、Cの関係を前提としていた、そうした差別と排除の関係が許されていた時期の「民主主義」、つまり自由民主主義体制と、今のB、C、Aの関係を前提とした、すなわちこれまで差別し、排除する側に位置していたAが、差別され、排除する側へと追いやられた時期の自由民主主義体制の、Aにおける発現形態は高いレベルの福祉国家を実現できなくなっている。逆に、そうした民主主義の発展の低度化に加えて、BやCグループからの「ヒト・モノ・カネの大移動」に伴う構造的圧力を受け続け、その結果として、Aのかつての中間層は解体され、これまで享受してきた豊かさを失っている。そうした状態に輪をかけるように、移民や難民の流入により、さらにAの諸国に暮らす人々の富が収奪されていく。(これらの話に関しては、以前のブログ記事でも論及している。)

21世紀における、こうした民主主義体制を構成するB、C、A間の差別と排除の関係を的確に描くことが、今後ますます社会科学に従事する研究者には望まれるだろう。なぜなら、もしそうした作業が手つかずのままに置かれてしまったならば、私たちはまた大恐慌期と想定される時期において、ただ拱手傍観するだけではないか。その挙句、移民や難民流入とそれに伴う排斥問題を、政治思想や政治的価値としての「自由主義」の抱える問題云々とか「ポピュリズム」の問題云々に矮小化してしまい、民主主義の形成と発展と変容の問題にまで目を向けることもできないままに終わってしまうだろう。もしそうであるのならば、私がこれまで読者に問い続けてきた〈「システム」とその「関係」の「歩み」〉云々の次元の話には到底至らないのは必至となるであろう。

それゆえ、一番肝心な対策ができなくなるのである。それは何か。普遍的人権で保障されている通商の自由、つまり営業の自由とそれをもとに稼いだ富を懐に蓄積する私的財産権の自由(保障)にメスを入れることができなくなるのだ。それは公共の福祉とか制限といった次元の問題ではなく、見直し作業の必要性を問うことなのだ。当然ながら、憲法は、とくにこうした内容に関連した、関係した条項は「改正」しなければならないのである。

勿論、これもまた何度も指摘してきたように、それができないから問題なのだ。付言すれば、私がここで言及している「できないのだ」という物言いは、こうした話の流れさえ理解できない者が多数を占めていること、それが何より問題だということなのだ。まさにシステム人なのだ。

とても広いとは言えない土地(マンションのたとえ話はここではしない)を、2・30年ローンで契約し、購入し、そこに家を建てる。そのマイホームで楽しい我が家をとの思いで、毎日身を粉にして働き、ローンの返済に努め、やっと手にした我が家には、妻も子供もいなくなり、寂しく一人で余生を過ごす、そんな人生だとしても、男どもはそうした生き方しかできなかったのだ。

そんな男たちからすれば、営業の自由とか私的財産権は神聖不可侵ではないか。「空気」みたいなものだから、その空気とそれがつくり出す関係など、まさか私の語るシステム云々の話など、それこそ糞(くそ)みたいなもの、いや糞となるのだ。こうした「私」に理解などできないだろう。理解する必要もないし、それすら感じないのである。これまた仕方のないことだ。「システム人」としての私ことオニクタラムならぬ村田邦夫がたどってきた道だから、人様に対してエラそうなことなど何も言えない、それは確かなことである。

それにもかかわらず、こうして話を続けているのは、これまた何度も言うように、「それにもかかわらず」という問題があり、同時にそれに関連して、たとえ結果は同じような事態に陥ったとしても、避けられるべき最小限度の努力は、やはり怠ってはならないということであり、その努力とは、「してはならない」ことをしないように努めるということなのである。

ただし、私がここで「想定」している21世紀版『危機の20年』も、20世紀のそれと同じような道を、すなわち「戦争」へと至る道をたどるのではあるまいか。(誤解のないように、ここでもまた付言しておくと、既にいろいろな識者により湾岸戦争頃を起点として「第三次世界大戦」が始まったとの見解が提示されている。これについて、私の見方もそれほど異なるものではないが、それを踏まえた上で、ここで私が言う戦争とは、日本が巻き込まれる、巻き込む「戦争」をとくに意味していることをここで断っておきたい。)大恐慌期とそれに前後した経済情勢の悪化とか危機と、それに伴う国内政治状況の混乱とそれに対処すべき台頭する強権的政治指導者とその政治支配云々の問題がマスコミを、今後ますますにぎわすことになるのかもしれない。そしてひょっとして、21世紀版ヒトラーに象徴される政治指導者が世界を攪乱することになるのかもしれない。

しかし、私がここでも声を大にして読者に訴えておきたいのは、私たちが本来問うべき根木問題は、そうした出来事をつくり出す仕組みではないのか、つまり構造こそが問題だということなのだ。20世紀の危機においては、{[A]→(×)[B]→×[C]}の、そして21世紀においては、{[B]→(×)[C]→×[A]}のシステムとその関係の歩みこそが本来ならば、俎上に載せられるべき問題なのだということを。

それゆえ、そうであるからこそ、そうした「システム」とその関係の歩みを、まさに「システム人」として担い、支え続けてきた「私」とその生き方こそも同様に俎上に載せられてしかるべき問題なのではあるまいか。「私(あなた)」と「あなた(私)」とまた別の「私(あなた)」と「あなた(私)」から構成される「公的空間」の構成員たる私たちこそが本当ならば、責任を負うべき「真犯人」なのではあるまいか。

そうしたシステムとその関係の歩みは、「金の成る木」であり、いつも戦争を引き起こすのである。そのシステムがヒトラーを、逆に言えば、レーニンやスターリン、チャーチルやF・ルーズベルトや蒋介石、毛沢東、そして近衛文麿や東条英機を歴史の、つまり「システム」とその関係の歩みの「舞台」に登場させるのだ。(忘れてならないのは、彼ら指導者を選出、選択するのはすぐ上でも述べたように、私たちシステム人であることを。)またそうした政治指導者を登場させるために、大恐慌期やその前後の経済危機とそれに伴う国民とその生活困窮状況、状態がつくられるのだ。そのためにFRBとか各国の中央銀行という名の民間銀行や株式市場が設置されるのだ。

(今回は、ここまで。)
ありがとうございました。

12. オニクタラム[15] g0mDaoNOg16DiYOA 2020年5月08日 21:13:04 : z6WxoS1CRQ : OUVCVnhhZ1FCSFU=[15] 報告
すぐ上に投稿しましたJのオニクタラムです。「笑覧」とすべきが「照覧」になっていましたら、それこそお笑いください。ほかにもかなり護持。脱字があるかもしれませんが、目が不自由なためになかなかうまくいきません。勿論、私と同じく視覚障碍者第1種1級の方でも、苦も無く文章を書かれる方がたくさんいらっしゃいますので、私のここでの物言いは、いいわけにすぎません。ごめんなさい。
13. オニクタラム[16] g0mDaoNOg16DiYOA 2020年5月08日 21:17:28 : z6WxoS1CRQ : OUVCVnhhZ1FCSFU=[16] 報告
すいません。Kのオニクタラムです。誤字が、護持でしたね。誠にすいません。
14. 2020年5月08日 22:40:38 : jXbiWWJBCA : Rm5WWGpiTzAwU2c=[359] 報告

全く本質がわかってないな

日銀の金融緩和の最大の目的は、

当時の海外勢による円高投機を巻き戻すことによる国内産業崩壊の抑制

その結果として、最悪の雇用崩壊から復活することができた

同時に実質財政ファイナンスと税収増により、赤字国債の抑制と、日本の財政再建も進んだが、それはおまけに過ぎない

黒田の最大の失敗は、世界経済の悪化を軽視し、金融緩和を過信しすぎたことと、消費税増税の副作用を読めなかったことだ

副作用としての格差拡大は海外に比べれば遥かに小さく

最大の緩和の副作用は、非効率な社会保障など財政構造改革が行われなくなったこと

そして規制改革も無視されて、ゾンビ企業が蔓延して日本の生産性が大幅に世界に比べて悪化したことだ

今回のコロナ騒動でも、こうした問題は先延ばしになり、財政破綻やハイパーインフレは起こらないとしても

日本が先進国とは程遠い状況になるのは間違いのないことだ

15. 2020年5月08日 22:51:37 : jXbiWWJBCA : Rm5WWGpiTzAwU2c=[360] 報告

>>12

一つコメントするとしたら

いわゆる世界恐慌は、巨大な資産バブル崩壊における財政政策と金融政策の無策が引き起こしたもの

仮にリーマンショックをFRBや日銀、ECBが放置していたら、確実に、同様な金融恐慌が発生していただろう


今回のコロナ騒動は、供給と需要ショックが同時に世界的規模で発生したものだから

巨大な自然災害が世界で起こった(ただし生産設備やインフラは無傷)事態に等しい

これも放置すれば当然、金融恐慌になるが、今回も、世界の中銀は史上最大規模の緩和を行い

リーマン時とは異なり政府も比較的早く動いているから、長期化しない限りは、大きなダメージとはならないだろう


問題は、今後、米中対立など世界的な保護主義やポピュリズムの動きが巨大化し、ほぼ無策の途上国の政治崩壊がどうなるかだ

こちらが悪化していけば、多くの地域紛争が起こり、コロナ第2〜3波も加われば、かなり世界の安全保障も経済も悪化していくことになる

日本も当然、その大きな影響を受けることになる

ただ米vs中ロの全面核戦争といった本当に致命的な事態は避けられる可能性は高く、

これまで同様、じりじりと世界の自然環境と生態系を破壊しながら、人類は自滅へと向かっていくことになるのだろう


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