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ミャンマー政変の背景
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1551.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 2 月 25 日 17:11:59: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: タイ人とは関わらない方がいい理由 投稿者 中川隆 日時 2020 年 3 月 11 日 19:04:07)

ミャンマー政変の背景について考える 京都大学東南アジア地域研究研究所・中西嘉宏准教授に聞く
2021年2月25日
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/20339


 ミャンマー国軍は1日、アウンサンスーチー国家顧問兼外相、ウィンミン大統領をはじめ国民民主連盟(NLD)幹部や同党の地方政府トップらを拘束し、立法・行政・司法の全権をミンアウンフライン国軍総司令官が握るクーデターを実行した。これに対してアメリカのバイデン大統領はスーチーらの解放を要求し、国軍幹部への制裁を実施した。ミャンマーを「一帯一路」構想の重要な構成員とみなす中国は、国軍への非難を避け、静観している。一方、ASEAN諸国は内政不干渉の立場に立って事態を注視している。そのなかで、どんな歴史的経過をたどってこうした事態に至ったのか、ミャンマーの人々はなにを考え、なにを望んでいるのかへの関心が高まっている。これについて本紙は、京都大学東南アジア地域研究研究所の中西嘉宏准教授に話を聞き、中西氏の著書『ロヒンギャ危機 「民族浄化」の真相』(中公新書)の紹介と中西氏との質疑応答としてまとめた。

 ミャンマーは東南アジアの西に位置する、人口約5400万人(2020年推計)の国だ。ヒマラヤを源泉とするエーヤワディ川が国土を南北に縦断し、下流のデルタ地帯はコメの一大産地である。

 民政に移管した2011年以降は「アジア最後のフロンティア」として外国直接投資が急増し、欧米や日本の企業があいついで、中国やベトナムからより賃金の安いミャンマーに拠点を移した。現在、日本や欧米にはアパレル製品を、中国には天然ガスを主に輸出している。

 ミャンマーは、ビルマ人が全人口の約6割を占めるとともに、少数民族が100をこえる多民族国家だ。そのうち人口の多いカレン人、カチン人、カヤー人、シャン人、チン人、モン人、ラカイン人にはそれぞれの名を冠した州がある。また、全人口のうち仏教徒が87・9%と圧倒的多数で、キリスト教徒6・2%、ムスリム(イスラム教徒)4・3%、ヒンドゥー教徒0・5%などとなっている。

植民地化と民族的分断  度重なる侵略の歴史


『ロヒンギャ危機』(中西嘉宏・著、中公新書)

 ミャンマーの今を理解するためには、ミャンマーがどのような歴史をたどり、どのような国内矛盾を抱えてきたかを知ることが不可欠だ。今年1月に出版された中西氏の『ロヒンギャ危機』にそって見てみたい。

 時代は、近代国家もなければ国籍という概念も存在しなかった頃にさかのぼる。1430年にミンソーモン王は、現在のラカイン州北部を中心にムラウー朝を開いた。この王朝は350年以上も続いた。

 ムラウー朝は仏教を正統性の原理としたが、非仏教徒やラカイン人以外の民族を排除しない開かれた王朝だった。それは海を通じた貿易と軍事力に支えられていたからで、ベンガル湾を通じてヒトとモノを引き込むことで王朝は繁栄した。16世紀にはベンガル地方から、奴隷として大勢のムスリムをラカインに移住させた。ムスリムの自発的な移住も拒まず、軍人や行政官としても登用した。

 19世紀にここに侵攻してきたのがイギリスで、三次にわたる英緬戦争によって現在のミャンマー全体を英領インドの一州にした。このミャンマーのインドへの強引な統合が、後に大きな社会矛盾を引き起こすことになる。

 イギリスは、エーヤワディ・デルタ地帯をコメの生産地として開発するために、港湾整備、鉄道敷設、灌漑や運河の造成などに巨額の投資をおこなった。もともと人口が少なかったデルタ地帯に人が集まり、農業労働者の不足をまかなうために中国やインドからの移民も流れ込んだ。

 こうして帰属意識や風俗習慣、言語の異なる共同体がモザイク状に共存する社会になった。1920年代には、首都ヤンゴンの人口約20万人の半数がインドからの移民(多くがヒンドゥー教徒)だった。

 一方、ラカイン州の北部にはベンガル地方(当時のインド、今のバングラデシュ)から多くの移民(ほとんどがムスリム)が流入した。そしてここでは、仏教徒のラカイン人とムスリムとがそれぞれ分かれて村落コミュニティをつくった。

 植民地期のヤンゴンでは、20世紀初頭、ビルマ人による大規模な反インド人暴動が二度起きている。一度はビルマ人港湾労働者がストライキを起こすと、イギリス人経営者がインド人労働者をスト破りに使ったため、ビルマ人が怒ってインド人を襲う事件に発展した。また、インド系や中国系移民の実業家が強い影響力を持ったため、ビルマ人仏教徒はミャンマーの富や女を奪う移民を憎んだという。

 当時、宗主国の植民地支配に反対するナショナリズム運動も起こっていたが、それとは別にムスリムを含むインド系移民を敵視する民族的感情がミャンマーの仏教徒のなかに生まれていたことは見逃せない、と中西氏は指摘する。

 続いて太平洋戦争開戦直後の1942年、日本軍がミャンマーに侵攻して軍政下においた。このとき、インド系住民約50万人はミャンマーを離れた。

 日本軍はイギリスに対抗するため、アウンサン(スーチーの父)を中心とするビルマ独立軍(仏教徒中心)を支援した。一方、イギリスはラカインのムスリムを組織した。仏教徒とムスリムがそれぞれ日本軍と英印軍に動員されたことは、両者の亀裂を深めた。この時期、はじめて仏教徒とムスリムとの大規模な衝突が起きている。

軍政下で少数民族迫害  ロヒンギャは難民に

 その後、日本軍が敗戦し、日本軍による名ばかりの独立に不満を募らせたアウンサンらが植民地政府を放逐して、ミャンマーは1948年に独立した。この時期、ロヒンギャという民族名が誕生した。それはラカイン北部に植民地化以前から住んでいたムスリムと、植民地政府による開発で新たに定住したムスリムをひとくくりにしたものだった。民族間の融和が進むかに見えた。

 しかし、1962年から2011年まで約50年間続いた軍事政権のもと、人々は独立後に認められた多くの権利と自由を失った。そしてロヒンギャなどの少数民族に対する抑圧は強まった。

 まず1962年、国軍最高司令官だったネーウィンがクーデターを起こし、社会主義を標榜する国軍中心の国家をつくり、西側だけでなくソ連や中国にも門戸を閉ざす閉鎖的外交政策を実行した。続いて1988年、同じく国軍最高司令官だったソーマウンがクーデターを起こし、旧世代中心の軍事政権を乗っとって市場経済化を進めた。

 統治できない地域を多く抱えたネーウィン政権(仏教徒のビルマ人が多い)は、土着民族中心主義を唱え、1982年に国籍法を決めて、ロヒンギャを土着民族リストから外した。ロヒンギャは国籍を失い、この無国籍状態が今も続いている。

 また、バングラデシュ独立戦争によって難民が流入するなか、軍事政権は国籍調査と不法入国者の取り締まり(1978年)や反政府武装勢力の掃討作戦(1991年)をやり、それによってそれぞれ約20万、約25万人のロヒンギャ難民がバングラデシュに逃れた。さらに一九九三年からの「把握・登録・審査」計画によって、ロヒンギャの人口抑制と、ラカイン人やビルマ人のラカイン北部への入植を進めた。

 中西氏は、ビルマ人やミャンマー政府に不満を募らせるラカイン人が、同時にロヒンギャをもっとも脅威に感じており、複雑な事態の背景にこの三者の対立があることを理解すべきだとのべている。

民主化が招いた「民族浄化」 背後で糸引く米国


バングラデシュの難民キャンプでビルマ語を学ぶ子どもたち(2019年8月、中西嘉宏氏提供)

 では、2011年からの軍事政権が主導した民政移管、民主化によってミャンマーはどう変わったのか?

 民政移管の背景には、軍事政権に対して20年以上にわたって制裁で圧力をかけてきたアメリカの存在がある。とくにオバマ政権になると、「アジア回帰」の外交方針のもと、ミャンマーの民政移管を後押しすることで、中国の影響力を抑制する効果を期待した。

 アウンサンスーチーが2008年憲法(国軍の高い独立性を保障)を受け入れ、2012年4月の補欠選挙で当選したあとは、スムーズに米国との関係改善が進んだ。同年11月にはオバマが米大統領として初めてミャンマーを訪問し、実質的にすべての制裁を解除した。2015年の総選挙ではNLDが改選議席の3分の2を獲得し、翌年3月にはスーチー政権が誕生した。

 しかし中西氏によれば、この民主化そのものが、ラカイン州とミャンマーの国民国家形成の歴史を下地としつつ、仏教徒とムスリムとの暴力的衝突の引き金になった。なぜなら、民主主義の原則である多数決主義は、主要民族(ここではビルマ族)を代表する人々に国家権力を握る機会を与えやすく、そうなると最悪の場合、少数民族の排除(民族浄化)が起きるからだ。

 スーチー自身もそこから自由ではなかった。スーチーはロヒンギャへの迫害に対して、「彼らは本当のビルマ人ではない。彼らはバングラデシュ人よ」といっている。2012年の総選挙で、NLDの1000人をこす候補者のなかに、ムスリムは一人もいなかった。

 そしてスーチー政権のもとで最悪の事態は起きた。きっかけは2012年、ラカイン州(ラカイン人64・6%、ロヒンギャ31%)で起きた、ラカイン人女性(仏教徒)に対するロヒンギャ男性(ムスリム)の集団暴行事件で、翌年には仏教徒とムスリムの衝突は全土に広がった。ラカイン州以外では、仏教徒によるごく少数のムスリムへの一方的な攻撃となった。仏教のカリスマ僧侶たちの反イスラーム的扇動が大きな役割を果たした。

 2017年8月25日未明、ラカイン州北部で、ロヒンギャの武装集団=アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)が国境警察と国軍施設を襲撃した。これには地元住民が多数動員されており、長年蓄積した不満から手近な農具を持って政府に立ち向かう民衆蜂起の側面があった。

 ミャンマー政府は即座にARSAをテロリスト団体に指定し、国軍が掃討作戦を開始した。このテロ指定が民衆蜂起の側面を見えなくした。国軍はARSAの戦闘員と村人を区別しなかった。せいぜい数百のメンバーを、国軍が1万人とみなしたのはそのためだ。掃討作戦は逃げ惑う民間人の無差別大量虐殺や村の焼き払いとなった。数千人以上が殺され、約70万人のロヒンギャ難民が隣国バングラデシュに流出した。現在も100万人の難民が困難な生活条件の下で暮らしている。

 2019年末には、国際司法裁判所に、西アフリカのガンビア政府がジェノサイド条約違反でミャンマー政府を提訴した。スーチー政権と国軍はジェノサイドを認めていない。ただ、スーチーはその後、国軍による残虐行為を認めるようになった。

 この事態を解決するために中西氏は、欧米や国連のような強硬手段ではなく、現地社会の安定を生むための現実的な関与が必要だとのべている。ミャンマーは破綻国家ではなく、自身の意志に反する外部からの関与を拒絶する意志と能力があること。ミャンマーは民主化途上の国であり、文民政権の権限には限界があること。国連人権理事会が設置した独立国際事実解明ミッション(IIFFM)が提言するような、司法を通じた処罰やミャンマーへの制裁を求める圧力は、効果を生まないどころか、国内の諸勢力の反発を生み、人権状況の悪化につながりかねないこと、などを踏まえたうえで、日本はロヒンギャ難民の帰還とミャンマー国民としての受容をミャンマー政府に促す(人道支援などを通じて)という役割をはたすべきではないかとのべている。

 中西氏は何度もミャンマーを訪れ、ヤンゴン大学の客員教授として学生たちと語り合った経験を持つ。中西氏は「あとがき」で、今のミャンマーの状況は単純な善悪の構図だけでは理解できないし、それでは解決の糸口は見えてこない。過去と現在を広く検証し、問題の根深さや複雑さを知ってほしいとのべている。

■中西氏との一問一答

 本紙は2月1日に起こったミャンマーのクーデターについて、いくつかの点を中西氏に聞いた。

 Q 今回のクーデターの原因をどう見るか?


中西嘉宏・京都大学准教授

 A 昨年の総選挙で不正があったという主張は、野党と国軍からあがっている。とくに国軍は有権者名簿の不備について独自の調査結果を公開するなどしてきた。まったく不正がなかったとは思わないが、選挙の不正を防ぐための手段が講じられており、選挙監視もおこなわれている。選挙前の予想でもNLDが有利といわれていた。選挙結果の大勢をくつがえすような不正はなかったと見ている。

 ただ、そうした不正疑惑の追及について、アウンサンスーチー政権はまともにとりあわなかった。この態度が国軍の威信を傷つけたことは間違いない。それにより、ずっと敵対関係にありながら同じ政権で共存していた両者の亀裂が決定的になった。そしてクーデターへとつながったと考えている。

 Q 「スーチーを解放せよ」とのデモが連日起こっていると報道されている。スーチーはミャンマーの中のどういう層が支持しているか? アメリカはスーチーを外交上の重要な駒としているようだが、スーチーは米国政府にどういう態度をとっているか?

 A スーチーに対する支持はエリート、中間層、庶民各層に広がっている。見るかぎり、とくに庶民層の支持はスーチーへの信奉に近いものがある。アウンサン将軍の娘ということもあるが、1988年から2011年まで続けてきた長年の軍事政権に対する抵抗が支持につながっている。イギリス人の夫がいることにこだわる層は保守層や民族主義的な傾向を持つ人たちにわずかにいるようだが、かなり少数だ。

 スーチーと米国政府との関係は、かつてはとくに米国議会の有力議員が民主主義のシンボルとしてスーチーを支援していた。ところが、2017年にロヒンギャ難民流出が起きて以降は、両者の距離は空いたといえる。実質的な国家指導者となったことでスーチーもかつてほど国際的な支援を必要としなくなった。

 Q 民政移管当時、新大統領テインセインの大統領顧問になった人々はスーチーらと一線を画して現実的な改革をめざした第三勢力(知識人や実業家)だったというが、現在その勢力はどういう態度をとっているか?

 A 第三勢力の多くはスーチー政権の登場で政権の外に出た。そして一部の人は今の軍政によって登用されている。しかし、もはや重要な役割は果たしていない。私の知る限りでは、スーチーを批判する人たちと、代わるリーダーがいないという理由で消極的にスーチーを支持する人に分かれていたように思う。

 Q 50年間権力を握ってきた国軍の実態はどうか? また国軍と中国との関係は?

 A 国軍系の企業や国軍の高級将校たちが各種の利権を握っていることはよくいわれている。国軍にとって中国は潜在的脅威なので、友好関係を保ちつつも警戒するというスタンスをとっている。国軍が中国の傀儡ということは絶対にない。彼らはナショナリストの集団だ。外部からの介入を嫌うので、その分、内政不干渉を原則とする中国と付き合いやすい面はあるだろう。

 Q 「開発途上国であるミャンマーの中でもラカイン州は最貧困地域で、トイレ設備のない世帯が46%」「ラカイン州の紛争の背景には貧困がある」と書いてあったが、民主化後の日本を含む先進国の経済進出で現地の経済格差が拡大した面はあるか?

 A 経済格差はもともと大きい。その格差は2011年の民政移管後には統計的には縮小している。インフラを見ても農村部の電化率が上がるなど、経済発展の果実が地方にも届き始めている。とはいっても、都市と地方、所得階層上の格差は大きい。とくにラカインのような紛争が起きている地域には民間資本の進出が遅れてしまい、経済発展からとり残される傾向にある。格差の是正には、経済発展の持続と政府による再配分の充実が必要だ。今回のクーデターは、その両方にとってマイナスの影響があると考えられる。

 Q 現在アメリカは経済制裁を強める方向だが、ミャンマーの側に国際社会への不信感がある以上、それは逆効果にならないか?

 A 経済制裁によって、今回の非常事態宣言を受け入れないという姿勢を示すことは外交的に重要だ。ミャンマー国軍は、制裁があろうがなかろうが、アメリカに耳を貸すことはない。ただ、どちらかというと制裁の方が、市民にばかり被害が及ぶ可能性がある。逆効果というよりも、狙った効果を上げられないということだ。日本のメディアからは、「スーチーを救え」だけではなく、日本外交の強みを活かして国軍の説得をという議論も聞かれる。働きかけは必要と思うが、国軍は外国の要求を聞くような組織ではない。外交にできることに限界があることは認識しておいた方がいいだろう。

 Q 歴史的に見て、先進国の側のミャンマーへの介入が不幸を生んできたと感じる。今の局面で、日本人としてなにができるか?

 A デモ隊が多くの英語のプラカードを持っているのは、国際社会に対するメッセージだ。すぐに日本人ができることはないが、クーデターに抵抗しているミャンマーの市民が一番恐れているのは、世界から忘れられることだ。彼ら、彼女らを支持するのであれば、これからミャンマーに関する報道が減ってきたとしても、関心を持ち続けることが必要なのではないか。

https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/20339  

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コメント
1. 2021年2月25日 17:13:53 : h1tuRvn9W2 : VUY4cE01L0hTT2M=[16] 報告
アウンサンスーチーの正体
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/753.html
2. 中川隆[-7100] koaQ7Jey 2021年2月25日 18:51:57 : h1tuRvn9W2 : VUY4cE01L0hTT2M=[18] 報告
02-24-1 ミャンマー社会の闇「ゴールデン・トライアングル」と中国
2021/02/24







3. 中川隆[-7099] koaQ7Jey 2021年2月25日 18:56:12 : h1tuRvn9W2 : VUY4cE01L0hTT2M=[19] 報告
【LIVE 2/25】宮崎正弘の生インタビュー #6
コロナ後の中国・ミャンマー・北朝鮮・香港・台湾
★ゲスト 近藤大介(講談社特別編集委員)





◆2021年2月25日 16時00分〜 生放送
◆テーマ:コロナ後の中国 ◆出演:宮崎正弘 ゲスト:近藤大介

<近藤大介>
講談社特別編集委員。1965年生まれ。埼玉県出身。東京大学卒業。国際情報学修士。
講談社入社後、中国、朝鮮半島を中心とする東アジア取材をライフワークとする。
講談社(北京)文化有限公司副社長を経て、『週刊現代』編集次長(特別編集委員)
近著:「ファクトで読む米中新冷戦とアフター・コロナ」(講談社現代新書 / 2021年1月発売)
https://www.amazon.co.jp/dp/4065225639/
4. 2021年3月30日 07:59:46 : Mk6i2Jm7R2 : cWt3SDk2UmtRZDY=[3] 報告

2021年03月30日
ミャンマー情勢 中国ロシアが世界で後押しする”赤い革命”
http://www.thutmosev.com/archives/85461471.html


ミャンマー軍に鎮圧される民主化デモ隊

画像引用:https://www.tokyo-np.co.jp/article/88711 ミャンマー軍政が抗議デモ掃討、10人以上死亡 クーデター1カ月 最悪の犠牲者:東京新聞 TOKYO Web

東南アジアで続々と反民主化革命

90年代に旧共産圏では民主化革命の連鎖が起きたが、現在の世界ではその逆の”反民主革命”が起きています。

かつて共産主義だった国は共産主義に回帰しようとしたり、民主主義を制限したり独裁政権が樹立したりしている。

カンボジアは1978年までポルポト政権下の共産国家で1989年までベトナム支配下にあった。

カンボジアは90年代から国連軍統治下で民主化を進めたが、現在は中国の影響下で再び独裁化が進んでいる。

国連が民主的な選挙制度をつくったが、混乱の末に人民党以外の立候補者が逮捕され一党独裁体制になった

一連の非民主化を支援したのは中国とされていて、アセアン会議では常に反中国の決議に反対し潰している(アセアンでは全員一致でしか決議できない)


隣のタイは何度も政変とクーデターを繰り返した国で、現在はクーデターによって軍事政権が独裁政治をおこなっている。

2006年の軍事クーデターで軍が当時の首相らを逮捕し軍人が首相になった。

タイの民族構成は経済・政治・軍など主要ポストは中国人が独占し、8割を占めるタイ民族は「少数民族」とされ排除されている。


日本でヤマト人種が少数民族として排除されて半島系や大陸系が地位を独占しているような状態です。

タイで権力を独占している中国人は数百年以上前に移住してきた人たちで、中国の混乱で逃げ出しタイ周辺に住み着いたとされている。

ここでも反民主化を支援したのは中国と言われていて、タイ軍事政権は親中反米の外交姿勢をとっている。

ネパールでは2001年に王族が滅亡したが、この事件は謎が多く中国が仕掛けたクーデターという説がある。

ネパールは2008年に王政を廃止し連邦国家になったが、中国の強い影響下にあり事実上の衛星国家だと言われている

2015年にネパールの首都カトマンズで大地震があり各国が支援部隊を派遣したが、人民解放軍数千人が進駐し地震後も居座っていたとする証言がある。


ネパールはインドと国境紛争の最中で中国はネパール側についており、この点からも中国がネパールを重視し支配している疑いが強い。

ベラルーシでも非民主革命

東南アジアといえばミャンマーの軍事クーデターが連日報道されていて、デモ参加者など数百人が犠牲になったと言われている。

2021年3月27日には軍の記念日にあわせて大規模な民主化デモがあり、軍に攻撃され100人以上がなくなった。

2021年2月1日に軍人の副大統領が暫定大統領になり、アウンサンスー・チーの与党は政権から追放された。


ミャンマーは2011年に初めて民主選挙を実施したが、軍が当選者の25%を指名できるという不自然なものだった。

2020年の選挙では指名枠以外を民主派がほぼ独占し、これに危機感を覚えた軍がクーデターに踏み切ったと見られている。

これを支援したと思われるのがまたまた中国で、国連安保理の非難決議に中国とロシアが反対している。


諸外国の例から見てミャンマーが近い将来自主的に民主化する事は無く、独裁政権が長期間居座るでしょう。

一方旧ソ連の中心だったロシアではプーチン大統領が独裁政権をつくり、事実上選挙を行っていない。

ロシアの選挙は常にプーチン派が圧勝し意識調査でもプーチンの支持率は衰えていない。


これは投票が監視されていてアンケートでも「プーチンを支持しない」と答えると謎の力によって拘束されたり不利益を受けるからです。

最近旧ソ連のベラルーシで独裁的なルカシェンコ大統領への抗議デモがあり、多数の逮捕者が出たと報道されている。

旧ソ連圏の東欧諸国でもこのように非民主化が起きていて、今思えば2014年のウクライナ紛争もこうした流れの一つでした。


ウクライナ紛争は民主化した筈のウクライナでヤヌコーヴィチ新露政権が誕生し、アメリカがこれを「独裁政権」として暴動を奨励したことから始まった。

オバマ大統領は民主選挙で選ばれたヤヌコーヴィチ大統領を打倒するよう国民に呼びかけ、ウクライナ国民は暴動を起こして政府を倒した。

これにプーチンのロシアは反発しウクライナ東部の武装組織を援助して、東部をロシア支配地域としクリミア半島を占領した。


ウクライナは親米政権となったが国土は分裂し、ロシアをはじめ各国はは民主主義否定に向かいました。

ソ連より強力な東側陣営

このように一度民主化した国々が再び非民主化しているが、根本的な原因は90年代の民主化そのものにあった。

90年頃ソ連は食糧が不足し衛生国家や共産諸国を援助できなくなり解散、共産圏も自然解散になった。

言い換えるとソ連からお金や食料や資源を貰えるなら、共産諸国はずっとそのままでも良かった。


旧共産国はソ連の代わりにアメリカが援助してくれると思っていて、東南アジアでは日本が一時かなりの援助をした。

だが日本はデフレ不況で落ちぶれ果て、アメリカは援助してくれないので民主化のメリットがなくなった。

そこに中国の高度成長があって中国からの援助や中国貿易が増え、中国は共産化や独裁化したらもっと援助すると言っています。


結局東南アジアや中央アジアなどが民主化したのは「民主化すれば儲かる」という金目当てだったので、金になるなら共産でも独裁でも良いのです。

民主主義のマネー競争に敗れた国は今後続々と非民主化する可能性があり、中南米やアフリカや他の地域にも広がるでしょう。

EU加盟を強く希望して加盟寸前までいったトルコは、今では反欧米、親中ロの国になり非民主革命を進めている。


もしメキシコや東欧、韓国台湾など「民主主義陣営」から離脱する国が出たら、旧ソ連より強力な東側陣営が結成されかねない。

日本も他人事ではなく、この国には「共産主義はすばらしい。中国の一部になろう」などという人が大勢いるのは周知の事実です。

例えば沖縄県知事がある日「日本国からの離脱」を宣言し、沖縄の要請で中国軍が”沖縄民主化”のため上陸し侵略軍の日米を追い払うなどというシナリオが考えられる

こんな事が現実に中国やロシアの周辺国では起きているのです
http://www.thutmosev.com/archives/85461471.html

5. 2021年3月30日 12:29:11 : Mk6i2Jm7R2 : cWt3SDk2UmtRZDY=[19] 報告
<デモに狂気の弾圧>ミャンマー国軍、重傷男性を生きたまま火の中に(日刊スポーツ)
http://www.asyura2.com/21/kokusai30/msg/388.html


2021年3月29日7時44分 日刊スポーツ

重傷の男性を生きたまま火の中に投げ入れ、すれ違っただけのバイクを銃撃した−。ミャンマー国軍の弾圧による1日の死者数が最悪になってから一夜明けた28日、凄惨(せいさん)な暴力の実態が明らかになってきた。治安部隊は何のちゅうちょもなく市民に銃口を向けている。

第2の都市マンダレーでは27日夜、治安部隊が住民の男性(40)を銃撃し、重傷を負ったこの男性を生きたままタイヤが燃えているところに放り込んで殺害した。オンラインメディア「ミャンマー・ナウ」が複数の住民の話として伝えた。

タイヤはバリケードとして住民が路上に置いていた。治安部隊がタイヤに火を付け、消そうとした男性を撃ち、拘束して火の中に投げ込んだ。「助けて、お母さん」。絶叫が聞こえたが、銃撃が続いていたため住民は救助できなかった。男性には4人の子どもがいたという。

南部ダウェーでは、ピックアップトラックの荷台にいた治安部隊が、すれ違った3人乗りのバイクにいきなり発砲した。横転したバイクに乗っていた2人は逃げたが、10代の少年が絶命した。治安部隊が遺体を運ぶまでの一部始終は、近くの監視カメラが捉えていた。(共同)

6. 2021年4月03日 15:35:02 : jgSxyjNUpc : anNESFVpRHplbUU=[26] 報告

2021年04月03日
ミャンマーの混乱をしかけたのはイギリスと中国、混乱のドミノ倒し
http://www.thutmosev.com/archives/85492731.html


アジアでは今まさにドミノ理論が起きている

画像引用:https://politicaldictionary.com/wp-content/uploads/2020/06/domino-theory.jpg

ミャンマーの混乱はなぜ起きた

ミャンマーでは2021年2月に軍がクーデターを起こして実権を握り、抵抗する人々との衝突が続いている。

軍との衝突でなくなった市民は500人以上と報道されていて、軍は航空機による空爆も行っている。

タイとの国境に近い東部・カイン州では空爆と同時に軍の攻撃があり、住民はタイへ逃げ込んだが追い返されている。

タイもクーデターで軍事政権が実権を握っており、ミャンマー軍を支持はしていないものの逃げ込んだ市民を追い返した。

空爆されたカイン州にはカレン民族同盟(KNU)の拠点があり、少数民族武装勢力の鎮圧を狙ったと思われる。

ミャンマーは少数民族が多い国で武装勢力も存在し、軍と衝突し軍事政権に抵抗している。


ミャンマーは135の民族から成り70%はビルマ族だが、ビルマ族も9の民族に別れている。

ミャンマーは1852年から1941年までイギリス植民地で、日本が4年間統治した後撤退し、1948年にビルマ連邦として独立した。

イギリスの植民地になる前のビルマはビルマ王朝とビルマ族が支配していたが、イギリスはインドや華僑やロヒンギャを移住させ多民族国家とした。


これはビルマを混乱させて国力を衰退させ統治する為で、ヒンズー教、イスラム教、仏教、華僑、キリスト教徒が混在し互いをけん制しあった。

イギリスが仕掛けた混乱は今もミャンマーを苦しめていて、イスラム教のロヒンギャ族への弾圧がたびたび報道されていた。

独立後のビルマ=ミャンマーも混乱が続き、周辺国からの圧力を受ける事になった。

インドシナ半島で独裁のドミノ倒しが起きている

蒋介石の国民党中国は日本軍占領下のビルマに輸送ルートを通じて支援し、国共内戦に敗れた中国軍の一部はビルマに逃げ込んだ。

ビルマにはビルマ共産党があり一時共産主義が優勢となったが、1958年に軍事政権が樹立し混乱を収めた。

長く軍事政権だったのは軍隊しか国内の混乱を収められなかったからで、一時的な民主化のあと再び軍事政権に戻った。


ミャンマーは仏教国だがイギリスによる混乱化政策によって、キリスト教徒が多い地域、イスラム教徒が多い地域、ヒンズー教徒や華僑が多い地域などがありまとまらない。

軍事政権下では民主化運動がたびたび起きているが、ソ連と中国の東側陣営は軍を支援しアメリカが主導する民主化は成功しなかった。

2021年の軍事クーデターも中国が背後で支援していると見られ、国連安保理の非難決議にもロシアと中国が反対している。


インドシナ半島では隣のタイが軍事政権、ベトナムは共産党独裁、カンボジアも一党独裁、ラオスは共産国家と『まともな国』が一つも存在しない。

こうなるとインドシナ半島では独裁や共産主義が”まとも”で、民主主義のほうがおかしいと考える人々が多いのかも知れない。

ミャンマー、ラオス、ベトナムは中国と地続きのため交流が多く、国境には中国人の軍閥も存在し強い圧力を受けている。


インドシナ半島の国々は貿易額の1位は圧倒的に中国で、日米欧を合わせたより中国の経済力が大きい。

日本経済が好調な時は日本が多額の援助をし、この地域でも民主化が起きるような気がした時期もありました。

インドシナ半島は中国の支配によって再び闇に閉ざされようとしていて、それどころか海洋地域のアセアン諸国も中国の影響を強く受けている。


ベトナム戦争時に東南アジア諸国が次々に共産化する『ドミノ理論』が叫ばれたが、今まさに共産化や独裁化のドミノ倒しが起きつつある

http://www.thutmosev.com/archives/85492731.html

7. 中川隆[-4546] koaQ7Jey 2021年5月29日 07:41:27 : GnRMpOkTQU : R25CMktuWjhaeFE=[17] 報告
人権の女神スーチーの本当は恐ろしい裏の顔! MI6、ソロス、陸軍中野学校、大量の愛人……ジェームズ斉藤が徹底解説!
2021.05.28
https://tocana.jp/2021/05/post_209685_entry.html


【連載:某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェームズ斉藤(@JamesSaito33)が斬る! 国際ニュース裏情報】


ジェームズ 前回は国内問題で気になる話題として公安調査庁の話をしましたが、今回は海外で気になる話題としてミャンマー問題を取り上げたいですね。

──今年の2月に国軍がクーデターを起こしてスーチーさんが再び軟禁された事件ですね。国際的には、国軍が民主化を望む民衆を弾圧しているという話になっています。5月22日はスーチーさん率いるNLD国民民主連盟に解党命令も出されました。

ジェームズ 完全に国軍が悪者扱いですよね。しかし、軍がクーデターを起こした理由は昨年11月の選挙でNLDが大勝したことにあります。あの選挙を軍は不正選挙だったと主張しています。

──アメリカ大統領戦と一緒ですね。

ジェームズ そうです。不正選挙だと言うだけで一切証拠を出さないところまでそっくりです(笑)。ただし、ミャンマーでは軍がクーデターを起こしたので、当時、トランプ支持者は熱狂して「ミャンマーに続け」と騒いでいました。彼らが騒ぐのもわからなくはないんですよ。確かに米国で不正選挙があったのはほぼ間違いなく、私の関係者も現在証拠収集に躍起になっていますから。しかし、歴史的に武力で民主主義体制に圧力をかけてきた軍事独裁のミャンマーを米国が見習えというのは流石に極論なんですけどね(笑)。

──ただ、昔からスーチーさんは欧米とべったりだったので、本当に不正選挙の可能性もあったんじゃないんですか?

ジェームズ 十分にありますね。というのも、ジョージ・ソロスが1990年代初頭からミャンマーの民主化推進運動に毎年3億円も出していたんです。その金でNGOやプロ市民を養成していたんですよ。

──また、ソロス! あの人、世界中でそんなことばかりしてるんですね。

ジェームズ ですから、ミャンマー軍がクーデターを起こしたあとに真っ先にやったことは、ジョージ・ソロスの銀行口座の凍結でした。ソロスが支援しているNGOオープンソサエティのミャンマーにおける拠点を全部シャットダウンしたんです。

──まずはソロスを潰せと。

ジェームズ ソロス退治から始めたんです。しかし、彼が育成したプロの活動家ネットワークはまだ生きているんで、彼らはデモ活動をしているんですよ。といってもデモというのは名ばかりで、彼らがやっているのは放火や、鉄パイプで商店の窓ガラスを割ったりする破壊活動だけです。

──まるでアンティファみたいですね。

ジェームズ 実際、アンティファがやっているんです。香港やタイなどで暴れていたプロ市民たちも合流しています。これに関しては、クーデター前後に現地で活動していた私の関係者から直接報告がありました。彼らは軍に弾圧されてしかるべき存在なのですが、それをすると待ってましたとばかりに欧米が介入してくるんで簡単には手が出せないようです。

──本当にイヤな人たちですね、アンティファって。

ジェームズ 自分たちは正しいと思い込んでいる狂信者か、金で破壊活動する与太者しかいませんから本当にタチが悪いです。早く弾圧してほしいのですが、ミャンマーのような小国の軍隊が弾圧した瞬間、国際的非難を浴びてバイデン政権率いるアメリカが軍事侵攻してくる可能性もあるんでできないんです。


──小国のクーデターというのはいろいろバランス感覚が問われるんですね。ところで、スーチーさんのこともお聞きしたいです。彼女は日本では民主化の象徴であり、ミャンマーの救世主だと思われていますが、実際のところはどうなんですか?

ジェームズ 民主化の象徴というのは当たっています。しかし、その民主化が誰のためなのかによって意味は変わってきますよね。そもそも民主化とは欧米の植民地戦略の一つですから。なので、間違いなく彼女は欧米グローバリストの民主化の象徴であり、しかも札付きの英国対外諜報機関MI6傘下のスパイです。これは世界の諜報機関関係者の間では常識です。ジョージ・ソロスがスーチーさんとイギリスのパイプ役も務めていました。


 それで、彼女の一番の問題ですが、イギリス人と結婚し、イギリス人との子どもを生んでいることです。これによって、イギリスが昔やっていた植民地の手法にミャンマーはハメられてしまいました。ミャンマーという国が昔イギリスに植民地化された時に真っ先に何をされたかというと王朝の破壊です。貴族の男は全員殺され、貴族の女性はほとんどイギリス人と強制的に結婚させられて子どもを生まされたのです。その子供たちはイギリスのオックスフォードやケンブリッジ大学なんかで教育されてミャンマーに戻ってきてミャンマーの植民地運営をしたんです。

──スーチーさんもオックスフォードとケンブリッジで学んでいますね。そしてイギリス人と結婚して子供を二人生んでいます。

ジェームズ そうです。小泉進次郎がアメリカのシンクタンクCSISに留学していたのと同じ理由です。この原点はイギリスの植民地経営で、ミャンマーがその典型的な例です。ですから、以前のクーデターで軍が国が制圧した際、ミャンマーの憲法には外国人と結婚し、子どもを生んだ人間は大統領になれないという条項を入れたくらいです。いまでは差別などと言われるのでしょうが、至極真っ当な法律です。ですから、軍はナショナリストで反植民地主義で反グローバル主義なんです。しかも、軍事政権は発足以来「我々は民主主義体制移管のために存在する」という大義名分を掲げ、実際に2010年台初頭にはスーチーさんを軟禁から解放し、彼女を事実上の大統領として、試験的に民主主義体制を容認しました。民主化を究極のゴールとして掲げる軍事政権は世界でもミャンマーのみです。しかも建前だけでなく、実際に実行しています。

──じゃあ、軍は意外に愛国的でしかも民主的。

ジェームズ そうです。我々が応援しなければいけない勢力はスーチーさんではなく、軍の方なんです。米国のバイデン政権もそうですが、大体「民主化」を唱える者は胡散臭いと疑ってかかる必要があり、やはりミャンマーでもグローバリストの手先のスーチーさんが民主化の旗を掲げていました。対して、軍事政権の掲げる民主化は本物に徹しているので、スーチーさんのようなフェイクな民主派を許しません。真に「ミャンマー・ファースト」の民主主義を模索し続けた結果、1948年の独立以来ダラダラと軍事政権と民主主義体制が常に交代するサイクルが続き、今回また新たな軍事政権時代が始まったわけです。民主派が常に抽象度が低く、「自分ファースト」の売国奴しかいないので、仕方がないですが。実際、スーチーさんのNLD暫定政権は、現在軍事政権により「非合法国内テロ組織」と真っ当な扱いを受けています。それに、そもそもの話、ミャンマーという国は日本とも関係が深くて、実はあの国の建国に貢献したミャンマー国軍の創設には中野学校が深く関わっているんです。この点だけで見ても、日本人なら軍事政権支持に回るのが筋でしょう。

──中野学校が!?

ジェームズ そうです。鈴木敬司陸軍大佐が南機関という特務機関を率いてミャンマーの独立工作をしているんです。鈴木大佐はミャンマーで30人の建国の志士をリクルートして日本に送り込み、陸軍中野学校で鍛え上げたんです。その中の1人がアウンサンスーチーさんのお父さんのアウンサン将軍です。アウンサン将軍は1943年に日本軍と協力してイギリス追放に成功します。その政権は実際には日本軍の傀儡だったかもしれなかったんですけど、一応イギリスから独立してビルマ国が作られたのです。その後、アウンサン将軍は、今度は日本に対してクーデターを起こして日本軍を追放したんですが。

──まあ、傀儡は嫌でしょうからね。

ジェームズ そのためにイギリスに一時的に寝返ったんですよ。しかし、彼はイギリスに裏切られます。イギリスは結構条件のいい政治的なポストを提示して懐柔しようとしたのですが、それを蹴って今度はイギリスに対して抵抗運動を続けて最終的には暗殺されてしまいました。ただし、鈴木大佐に対しては生涯恩を感じていて、戦後、鈴木大佐がBC級戦犯で裁かれそうになった時は大反対して、大佐を釈放させています。

──アウンサン将軍、骨がありますね。

ジェームズ あります。さすが中野学校で「中野精神」を叩き込まれた人です。しかし、その娘は完全にイギリスの傀儡となり果てているのが残念でなりません。なにしろ、彼女はミャンマーで軟禁生活をしている間、イギリスから送られたイギリス人男性3人を愛人にしていましたから。しかもこれらの愛人はミャンマーから出国できないスーチーさんとMI6との連絡係でした。彼女の夫は1999年にイギリスで死んでいますが、その前から愛人とは関係があったらしいんです。これはマスコミにはほとんど報道されていませんが。ですから、彼女が民主化のアイドル、国民の母などというのは本当に虚像なんです。英語では「売国奴」というニュアンスがある「スパイ」という言葉が彼女の実像を最もよく表していると思います。


ジェームズ クーデターの話に戻りますが、今回のクーデターが欧米の介入もなく、なぜここまで順調に進んでいるのかというと軍には後ろ盾があったんです。

──中国ですか?

ジェームズ 違います。中国は逆にスーチーさんに寄り添っていました。彼女は最初イギリスの傀儡だったんですが、やがて中国に取り込まれます。特に2015年の選挙で大勝したあとはスーチーさんが事実上の大統領みたいになっていましたから、習近平が一気にすり寄っていったんです。ミャンマーは一帯一路の巨大インフラプロジェクトの通り道になる直前だったんですよ。日本でいうと菅政権、二階さんレベルの話になっていて、売国奴がトップになってしまったということです。しかし、軍はさっきも言ったようにナショナリストで反植民地主義、反グローバリストの集団なので、そういうスーチーさんを国賊とみなしていました。ですから、軍事政権は反中なんですよ、実際は。冷戦の枠組みの中で中国とのやり取りはあるにはありましたが、本質的には反中です。じゃあ、どこの後ろ盾があったのかというとロシアです。反グローバリズム、反民主化で接点を持ちました。
 その証拠が去年6月にロシアで行われた対独戦勝記念日の軍事パレードです。モスクワの赤の広場で行われたのですが、そこにはミャンマーの軍事政権のトップであるミン・アウン・フライン上級大将が招待されてロシア軍と交流してるんですね。彼は今回のクーデターの最高責任者です。そのフライン上級大将ですが、ロシア国営放送のインタビューを受けていて、インタビューのロシア国営放送の女性キャスターは「私はもしかしたらミャンマーの次の指導者と話をしているのかもしれませんね」と言っているんですよ。


──思い切りマッチポンプですね。

ジェームズ そうです。で、スーチーさんの今後について聞かれた時は、「彼女の将来は約束されたものではないかもしれない」と語っています。ですから、この時点でクーデターは計画されていたと思って間違いありません。おそらく数年前からシナリオを練っていて、去年のモスクワの軍事パレードに参加した際に裏取引があったと私は見ています。それは、2月1日のクーデター直後にロシア軍トップの国防大臣がミャンマーを電撃訪問していることでもわかります。さらにもうひとつ決定的なことは、約2カ月後の3月27日にミャンマーで行われた軍事パレードです。そこにロシア国防省の副大臣アレクサンドル・フォーミンが出席し、巨額の軍事援助を約束しています。事実、軍事パレードの装備品はすべてロシア製になっていたんです。

──その前まではどこ製なんですか?

ジェームズ その前までは中国製が多かったんですよ。それがクーデターから2カ月もしないうちにロシア製に変わっていました。そうやってロシアの後ろ盾があるんでいま欧米諸国は介入できないんです

──ただ、そうなると今度はロシアの傀儡になってしまいませんか?

ジェームズ その通りです。ただし、ロシアはソロスのような植民地化を狙っているわけではありません。インドシナ半島のど真ん中に位置するミャンマーに軍事拠点を築きたいんです。経済的奴隷にしようとかまで考えていないのでまだマシです。ですから、私は国軍だけがミャンマーの独立と真の民主化を約束できる勢力だと言っているんです。絶対的に正しい解決方法ではありませんが、すべての悪い選択肢しかない中で一番まともです。
 それに、そもそもミャンマー国軍って日本が作ってますからね。さっき話したとおり、アウンサンを含む30人の志士というのは戦争中、日本に送られて中野学校で訓練を受けています。だから、あれは中野学校がプロデュースしたクーデターとも言えるんです。

──う〜ん、さすがにそれはちょっと言い過ぎなんじゃないですか(苦笑)。

ジェームズ ところが、満更そうでもないんですよ。というのも、クーデターを行った軍の最高司令官ミン・アウン・フライン上級大将はこの10年間に2回ぐらい来日していて、そのたび浜松に行っているんですね。浜松に何があるかというと鈴木敬司大佐のお墓です。彼は来日のたびにお墓参りをしていたんです。ですから、ミャンマー軍の起源というのは鈴木大佐、そして中野学校にあるということは間違いないところです。しかもクーデターというのは帝国陸軍の伝統ですから(笑)。これひとつを取っても、日本が応援するべきはスーチーさんではなく、軍事政権のほうなんです。

──そこまで聞くと確かにそのようですね。


ジェームズ ちなみにミャンマー軍事政権の資金源ですが、黄金の三角地帯と呼ばれる東南アジアの麻薬ネットワークです。これは元々大英帝国が清王朝時代の中国にアヘンを売りつけるために開拓したものです。当然、日本軍もこれを利用し、アウンサン将軍率いるビルマ独立運動に利用し、独立後はそのままミャンマー国軍の貴重な収入源になっています。ミャンマー軍事政権が親日である特別な事情は実はこういった背景もあるのです(笑)。

──清濁合わせた形でも日本とミャンマーの関係は深いんですね。

ジェームズ 当時の日本は満州国でアヘン売買もやっていましたので。しかも、それをやっていたのは鈴木大佐ご本人です(笑)。上海でアヘンの密売をやっていたんですが、軍中央からお咎めを喰らい、昇進が遅れエリートコースから外れたので、ビルマという辺境で謀略任務という汚れ仕事をする羽目になりました。ただし、イギリスに勝つにはアヘンが必要でしたし、そもそもアヘンをアジアに拡大させたのはイギリスですからね。特にミャンマーで採れるのは質がいいらしいんですよ(笑)。私は、鈴木大佐はあくまで任務を遂行しただけと理解しています。やはりビルマ独立は彼抜きに語れないので、再評価されるべきだと思います。ビルマの独立については欧米側の見方をすぐにされがちですが、植民地主義というグローバリズムの極みを粉砕した点でビルマ独立は正しく、そして麻薬ネットワークは必要不可欠だったわけです。ということで、スーチーさんと軍事政権、どちらが正しいのか、という話では最初からないんです。

──だいたい背景がわかりました。ちなみにスーチーさんですが、政権を奪取してのち、この世の春を10年ぐらい続けていたわけですよね。一体、どんなことをしていたんですか?

ジェームズ 二階幹事長みたいものですよ。あれだけ民主化とか叫んでいたくせにロヒンギャを見捨てたり、あとは中国の一帯一路フォーラムに出席して中国の巨額の経済協力に同意してミャンマーが完全に中国の属国になるような道を作っていました。マンダレイというミャンマー第3の美しい都市があるんですけど、いまや、そこは中国人だらけになってるんです。そういった中国の属国化をスーチーさんは進めました。二階さんがやってることをもっと深刻なレベルで行ったのが彼女です。二階さんは日本の老害の象徴たるものなので、世界からの評価は悪いですが、スーチーさんとなるとグローバリストのアイドルで、批判すら許さぬ状況なのが問題です。
 実際、彼女が政権を取っている間もミャンマーの国民所得は上がっていません。スーチーさんのような一部の勢力の懐が潤っただけです。ですから汚職体質は軍事政権となにも変わりません。ミャンマー問題の本質は、「グローバリストの属国となるか、独立するか」の二者択一で、今回の軍事クーデターで軍事政権が独立を選んだわけです。
 こういったミャンマーの歴史を顧みることなく、グローバリストの手先のスーチーさんを神格化する日本のマスコミは本当にメディアとして機能を失っているということです。まあ、日本のマスコミは基本的に極左でグローバリスト追従なので、期待する方が間違っています。今のミャンマーが日本に突きつけている問いは、まさに「中野精神を忘れたのか?」だと思います。

文=ジェームズ斉藤

8. 2021年8月07日 21:17:29 : oruFDODoH6 : Y1lMd2NVTDB1MjI=[32] 報告
10年後はミャンマーという国がなくなり、「ミャンマー自治区」となっている?
2021.08.07
https://blackasia.net/?p=25637


ミャンマー国軍は国民がどれだけ窮地に落ちても助けることはなく、ASEANもまた助ける余裕はなく、ミャンマー国民は見殺しにされる。国家は国民の敵と化し、仕事もなく、金もなく、物資もなく、医療も崩壊し、外部からの助けも期待できない中で、ミャンマー国民ができることは限られる。(鈴木傾城)


ミャンマー情勢は芳しくない。状況は悪化する一方である
ミャンマーは国軍がクーデターを起こしてから欧米に経済制裁され、さらには国民と軍との間で激しい対立と衝突が引き起こされて、国はもはや機能していない状況となっている。

そんな中で、ミャンマー国軍が頼っているのは中国であり、ロシアである。欧米は国民を大弾圧する国軍に対して制裁決議を出したいのだが、中国とロシアが大反対するので決議すらも出せない機能不全の状態に陥っている。

中国は欧米に監視されているので表立ってミャンマー国軍を全面的に支援するところまで至っていないのだが、欧米の経済制裁には反対し、陰で国軍を支援することによってミャンマーを飲み込もうと画策している。

ロシアは純粋にミャンマー国軍に武器が売れる上に、ミャンマーを自分側に引き寄せていれば、いざとなったら欧米を攪乱できるという読みもあって国軍を支援する。今、ミャンマー国軍に大量の武器を売りつけているのは、まさにロシアなのである。

東南アジア諸国はミャンマーの動きを非常に警戒している。ミャンマー国軍が崩壊したら、大量の難民が押し寄せて混乱に見舞われるだけでなく、ロシアがミャンマーに流し込んでいる大量の武器が東南アジアの闇で流通する可能性もある。

ASEAN(東南アジア諸国連合)は、市民弾圧を続けるミャンマー国軍に対して民主派との対話を促そうとしているが、国軍は拒否し続けている。

アウンサンスーチー氏も軟禁されたまま身動きができず、反国軍を組織化する能力はまったくない。ミャンマー情勢は芳しくない。状況は悪化する一方である。打開の緒すらも見つからない。

ASEANは「ミャンマーをどうするのか」と議論する余裕もない
ミャンマーの国民にとって不幸だったのは、国際社会はコロナ禍によって自国の対応に汲々としており、どの国もミャンマーどころではないことだ。

タイもインドネシアもマレーシアもミャンマー情勢には非常に敏感であり、4月には首脳会議も開催している。ところがその後、どの国も新型コロナウイルスのデルタ型が自国で感染拡大するようになって国内が修羅場になってしまった。

隣国であるタイは最も当事国なのだが、タイも感染爆発で日を追うごとに状況が悪化してしまっている。もう、ASEANは「ミャンマーをどうするのか」などと、悠長に議論を戦わせる余裕はまったくないのである。

これは、逆に言えばミャンマー国軍にとっては非常に有利な展開である。しかし、ミャンマー国軍が残虐性を発揮して国民を弾圧して政権を維持できたとしても、ミャンマーという国そのものは維持できるかどうか分からない。

すでにミャンマーの経済は破壊されている。国民は不服従運動を続けているせいで、金融経済も実体経済も破壊されてしまった。物流も止まり、通信も止まり、市場も止まり、医療も止まり、学校も閉鎖されている。

教師も不服従運動をしているので、教師がいなくて学校が開けないのである。

さらに銀行まで開店休業のような状況になっていて市民は自分の現金を引き出すことすらもままならない。そんな状況なのでミャンマーの通貨であるチャットは価値が毀損して貿易に大ダメージを受けることになった。

要するに通貨下落でミャンマーは物資が手に入らなくなってしまった。国民が必要とする食料や日常生活の諸々の物資だけでなく、燃料なども暴騰しており、建設も物流もまともに機能しなくなっている。

経済のダメージは計り知れないほどである。

東南アジアでも最悪のコロナ汚染地帯と化しても不思議ではない
世界銀行はミャンマーの経済成長率が2021年度はマイナス18%にまで落ち込むと下方修正している。ミャンマーは国富がたっぷりある先進国ではない。平常時でも物資が不足している途上国である。

そんな途上国がマイナス18%も経済が落ち込むのだから、イメージとしては「貧困者が極貧に落ちる」のに等しい。

しかも、弱り目に祟り目というのか、泣きっ面に蜂というのか、このミャンマーでもコロナが爆発的に広がって止まらなくなってしまっているのである。

ミャンマーにコロナが広がっていったのは6月からだが、ミャンマーはPCR検査も厳密に行われているわけでもなく、医療も停止状態なので実態は分からない。

ウッドワード国連大使は7月に入ってから、「ミャンマー国民の半数が2週間以内に感染する推定もある」と述べている。ミャンマーの人口は約5400万人でその半分と言えば2700万人である。

すでに医療崩壊を起こしているミャンマーで2700万人が大感染してワクチンも治療薬も酸素もない状態で放置されるのだから、今後はインドネシアと並んでミャンマーが東南アジアでも最悪のコロナ汚染地帯と化しても不思議ではない。

漏れ伝えられる情報では、ヤンゴンだけでも一日1000体の遺体が火葬され、火葬が間に合わずに翌日に回される遺体も列をなして火葬場に置かれているという。7月の死者数は、分かっているだけでも6000人である。

デルタ型が引き起こす地獄は、インドからバングラデシュへ、バングラデシュからミャンマーに引き継がれている。インドからミャンマーまでデルタ型が拡大していくのは国境と人の流れを見ると誰もが予測できた。

私自身は、現在の状況を鑑みてミャンマーこそが次のコロナ汚染の激震地となることを確信している。

10年後は「ミャンマー自治区」となっているのではないか?
ミャンマーは制御できないコロナ汚染地帯と化している。だとすると、この国と国境を接している中国・タイ・ラオス・マレーシア・バングラデシュは密入国者を通して延々とパンデミックが起こり続けるということになる。

すべての周辺国は必死になって国境地帯の防衛に走り、ミャンマー国民を徹底的に拒絶するので、ますますミャンマー国民は窮地に落ちていくことも想像できる。この半年で東南アジア最悪の危機に陥るのはミャンマーではないのか。

しかしながら、ミャンマー国軍は国民がどれだけ窮地に落ちても助けることはなく、ASEANもまた助ける余裕はなく、ミャンマー国民は見殺しにされる。

国家は国民の敵と化し、仕事もなく、金もなく、物資もなく、医療も崩壊し、外部からの助けも期待できない中で、ミャンマー国民ができることは限られる。今後の半年で、ミャンマー国内では絶対貧困者が爆発的に広がっていくだろう。

そうなると、最終的には国民を弾圧しながら権力を維持していると思っている国軍も国家と共に弱体化せざるを得ない。そして、すべてが崩壊に向かうミャンマーはいったいどうなるのか。

ミャンマー国軍の背後には中国がいる。

中国は北朝鮮のように、ミャンマー国軍が崩壊しないように必要最小限の支援を与えながら、ミャンマーを合法的にどんどん侵略していき、「中国領」にしてしまうのではないだろうか。

政治も経済も文化もすべてがボロボロになってしまったミャンマーを、強大な中国が好きに侵略するのは難しい仕事ではないはずだ。10年後は、ミャンマーという国が消えてなくなり、「ミャンマー自治区」となっているのではないか。

そうなっても、私は驚くことはない。

https://blackasia.net/?p=25637

9. 2021年8月26日 12:26:49 : mEksVkJcjY : dlpkRWozUkJSZHM=[16] 報告
ミャンマーの軍による市民攻撃
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/528.html
10. 2021年9月09日 12:14:16 : RIeGMRjDA2 : WWJhdXU0aU1Kdms=[28] 報告
国民の48.2%が絶対貧困。ミャンマーは近いうちに「飢餓国家」になっていく
2021.09.09
https://blackasia.net/?p=26180

ミャンマーは当初から東南アジアで最も貧しい極貧国家だったのだが、事態は良くなるどころか、より悪化した。国民の約半分が一日約120円未満で生活しなければならない「絶対貧困」となる。絶対貧困のミャンマーの子供たちは今、雑草を食べて飢えをしのいでいる。(鈴木傾城)

ミャンマーは事実上「経済停止状態」となってしまった
おかしな政権が実権を握ると、一般国民は為す術もなく地獄に堕ちていく。最近ではアフガニスタンのタリバン政権の誕生でそうした光景を私たちはリアルタイムで見ることになったのだが、こうした出来事はアフガニスタンだけで起こるわけではない。

中国でも習近平が神格化に向けて暴走し始めており、今後はどのようなことになるのか分からないし、北朝鮮も相変わらず独裁政権が国民を弾圧し続けている。一国の政権が絶対権力を掌握すると、もはや外部が何を言ってもその国は変えられない。

日本でもいつか売国政権が政治を乗っ取って絶対権力を行使するようになっていくと、日本国民は何もできないまま地獄のどん底にまで堕ちていくことになるだろう。

我が愛する東南アジアでも、現在「危機的状況」に陥っているのがミャンマーである。

ミャンマーは国軍が2021年2月1日に、アウンサンスーチー率いる国民民主連盟(NLD)の指導者を根こそぎ拘束し、軟禁するというクーデターを起こして、以後この国は内乱状態にある。(ブラックアジア:ミャンマー動乱。なぜ誰も支持しないミャンマー国軍が勝つ可能性があるのか?)

ミャンマーの国民は国軍と激しく抵抗し、抗議デモを起こすと同時に仕事をボイコットする不服従運動で抵抗したのだが、国軍はまったく妥協せず講義デモを弾圧、そして停止したミャンマー経済をも放置したので、ミャンマーは事実上「経済停止状態」となってしまった。

経済が停止するというのは、行政も停止し、福祉も停止し、銀行も機能しなくなり、ビジネスが回らなくなり、社会のあらゆる活動が滞るということである。

極貧層は今や絶対貧困の中で「生きるか死ぬか」の状態
通常、このような事態になったら政権は支持を失って吹き飛ぶのが「民主国家」なのだが、ミャンマーのように軍が全権を掌握して国家権力を独裁するようになってしまったら、経済が停止しようが何だろうが権力は揺るがない。

抵抗する国民はことごとく射殺するか投獄して排除し、困窮する国民の面倒は見ないので、むしろ国民は地獄に堕ちれば堕ちるほど抵抗者がいなくなって権力基盤が強化されるという構図もある。

今、まさにミャンマーでそれが起きている。

国軍の国民無視と不服従運動によってミャンマー経済はむちゃくちゃになってしまった。そこにコロナ禍がミャンマーにも吹き荒れることになっていった。コロナが広がるからと言っても、ミャンマーの国民にできることなど何もない。

政府は機能していないし、国民には病院も薬もない。ミャンマーの新型コロナ感染状況は正確な数字が出せない以上、まったく何の意味もない。統計数字は出ているのだが憶測でしかなく、実態は分からないままなのだ。

そもそも、ミャンマー国民はコロナどころではない。社会経済が崩壊しているので稼ぐ手段がなく、食料が圧倒的に不足しているのである。

国連も資金不足と活動制限でうまく機能しておらず、極貧層は今や絶対貧困の中で「生きるか死ぬか」の飢餓に見舞われている。国連はミャンマーの絶対貧困率が今年中に48.2%に達するとの予測を示している。

国民の約半分が一日約120円未満で生活しなければならない「絶対貧困」なのである。ミャンマーは当初から東南アジアで最も貧しい「超極貧国家」だったのだが、事態は良くなるどころか、より悪化した。

絶対貧困のミャンマーの子供たちは今、雑草を食べて飢えをしのいでいる。

このまま推移したらミャンマーは近いうちに「飢餓国家」に
ミャンマー情勢が良くなる兆しは今のところ、まったくない。しかし、世界はもうミャンマーの存在をすっかり忘れ去ってしまっている。膠着したミャンマー情勢にはニュース性もなくなり、もはや国際ニュースで報道されることもなくなった。

2020年から、世界は自国のコロナ禍でミャンマーどころではない。

2021年にはワクチン接種が進んでコロナ禍も収束すると思われていたが、インドから広がったデルタ株の蔓延によって情勢は一変した。先進国も再びコロナ感染者の爆発的な広がりで収束が遠のいた。

これは世界経済にとっては不吉な兆候である。こうした中で、中国も習近平が自らの神格化のための政治をするように明確な方向転換を始めており、今後の中国経済は成長率も鈍化し、国際的競争力も喪失していくだろう。

アメリカはGAFA(Google・Apple・Facebook・Amazon)は好調かもしれないが、他がコロナ禍で停滞するのであれば、最終的には経済の停滞は避けられなくなる時が近いうちに来るはずだ。

折しもアメリカのFRB(連邦準備制度)は金融緩和でばらまいていた資金を絞ろうとしている。この量的緩和の縮小のことを「テーパリング」と呼ぶが、テーパリングが行われたら株式市場に流れ込む資金が先細る。

こうしたことから、今後グローバル経済は大きなリスクに直面する瀬戸際にまで到達しているのだが、世界経済の崩落が来たらもはや全世界が自国を守るために汲々とすることになるので、ミャンマーはますます見殺しになる。

私はミャンマーで国民が痩せ細って飢えて死んだり、人が人を食べるような地獄絵図が発生してもおかしくないのではないかと悲観的に見ている。そこまで至る前に何らかの変化が起きて欲しいと思うのだが、このまま推移したらミャンマーは近いうちに「飢餓国家」と化す。

外に出ることもできず、内で食うこともできず
タイはミャンマーと広大な国境を接している国なのだが、タイはミャンマーがこのようなことになる以前からずっとミャンマーからの密入国者の問題に苦しめられてきた。

ミャンマーとタイは国境をはさんであまりにも国力が違っており、多くのミャンマー人がタイに密入国して不法就労に入っていく。

タイの歓楽街に沈没している人間なら誰もが知っているように、MP(マッサージパーラー)やゴーゴーバーやオープンバーの多くにミャンマー女性が潜り込んで不法就労していた。

他にもタイの地方に林立している各種の工場で、ミャンマー人が人身売買されて違法就労している実態もある。こうした密入国者が放置されていると正規の労働者が失業や賃金低下のワリを食うことになる。

もっと深刻なのは、こうしたミャンマー人がドラッグ密輸の手先となっていることだ。ミャンマーの少数民族にとっては、以前からドラッグは手軽な現金獲得の物資として大量に製造されている。

ミャンマー人が大量に流れ込むことによって、ドラッグ禍もまた深刻化する。こうしたこともあるので、タイ政府はミャンマー人の流入を警戒してことごとく密入国者を送り返している。

ミャンマー国軍の圧政から逃れた人たちを再び戻すことで、タイ政府は国際社会から批判されて「ミャンマーの難民を受け入れよ」と圧力を加えられているのだが、タイ政府も自国の雇用や安全を守るのに必死だ。

東南アジアも一丸となってミャンマー国民を救済するわけではない。まして、コロナの感染拡大を恐れる中では、どこの国もミャンマー国民をシャットアウトしていくだろう。

ミャンマー国民は外に出ることもできず内で食うこともできず、極度の絶対貧困の中で、座して「飢餓」に向かうしかない状況に陥っていくのだろうか……。あまりにもひどい状況である。
https://blackasia.net/?p=26180

11. 中川隆[-11702] koaQ7Jey 2024年2月02日 16:39:13 : bm8TTGJh0s : b3BsT1RPYTdKZTI=[11] 報告
【Front Japan 桜】ミャンマーで本当は何が起きているのか? [桜R6/2/2]
https://www.youtube.com/watch?v=QuCHTO6ooQE

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