★阿修羅♪ > 近代史5 > 1127.html
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ ★阿修羅♪
長期金利とテーパリングの関係
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1127.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 9 月 23 日 12:05:41: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 金融緩和や財政出動をするとこういう結果になる 投稿者 中川隆 日時 2021 年 4 月 01 日 05:42:04)

長期金利とテーパリングの関係、今後の推移予想
2021年9月5日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15210


アメリカではテーパリング(量的緩和縮小)が始まろうとしている。金融緩和と財政出動で株価と経済を押し上げた流動性相場が終わり、別の新たな相場が始まろうとしている。

催促相場の始まり

この新たな相場の1つの特徴はドルが上がりにくくなることである。直ちに下がるとは言わないが、以下の記事ではトランプ相場の例を挙げ、流動性相場ではドルが上がるがその後の催促相場(市場が「緩和なしでは駄目だ」と言い始める相場)ではドルが上がりにくいことを説明した。

ドル円見通し: 景気回復相場から追加刺激の催促相場へ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/14778


では金利はどうなるだろうか? アメリカの長期金利はテーパリングが噂された春頃から下がり始めたものの、8月からは小反発している。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-4-us-10-year-treasury-yield-chart.png


これまで金利を低く抑えてきた量的緩和を縮小するテーパリング予想で金利が下がった。しかし最近の経済統計で経済活動が鈍化している状況が確認されるとテーパリングが先延ばしにされると観測され、金利は逆に上昇した。

予想通り7月インフレ率は急減速、数ヶ月のデフレ相場へ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/14848

低調な雇用統計、テーパリング懸念後退で金利上昇となった理由
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15181


実体経済の様子

これが現在の状況である。テーパリングが行われるのは、当然ながらコロナ禍で行われた現金給付などの刺激策がアメリカで物価高騰を引き起こしているからである。

米住宅は価格上昇で販売数減少、インフレ激化の兆し
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/14575


一方で個人消費などの経済活動は、刺激策がなければアメリカ経済は成長しないというシナリオを支持している。個人消費は今年3月の現金給付で跳ね上がって以降、横ばいを続けている。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-jul-us-real-persona-consumption-expenditures-chart-1.png


4月以降の横ばいのチャートが、緩和がない場合のアメリカ経済の姿である。

米国政府はどうするだろうか? 緩和がなければ、実体経済は恐らく2022年には横ばいか、悪ければマイナス成長となるだろう。

しかし現金給付などの緩和を行えば、ただでさえ高騰している住宅価格は手が付けられないほど上昇し、アメリカ国民はインフレに苦しむだろう。

金利の推移見通し

長期金利がテーパリングで下がっているのはそれが理由である。債券市場は緩和を撤回すると実体経済が沈むということを理解している。そして緩和を続けるとインフレが止まらなくなることも理解している。だからテーパリング懸念で金利低下、テーパリング延期で金利上昇なのである。

だからその両方のシナリオを考えてみよう。テーパリングが強行され、利上げが行われる場合、アメリカ経済は高い確率でそれに耐えられない。短期金利が利上げに連動して上がる一方で、長期金利はそれほど上がらないか、むしろ下がってゆくだろう。

ではテーパリングと利上げがそれほど進まず、緩和的な環境が続く場合はどうか? この場合は物価の高騰が進み、短期的には長期金利は上昇するものの、最後には中央銀行は利上げでインフレに対応しなければならなくなり、その引き締めは今すぐ引き締めした場合よりも苛酷なものになるだろう。

こうした場合、債券投資家によく知られている結末は、長短金利差の縮小である。つまり、利上げによって短期金利は上がらざるを得ないが、長期金利は利上げと景気後退の両方の影響を受けるので、短期金利ほどは上がることが出来ないのである。

長短金利差の縮小

上記の考察により、どちらの場合にも最終的には長期金利は短期金利よりも上がらない、つまり長短金利差が縮小するという結論が得られた。これはインフレシナリオにもデフレシナリオにも対応できる投資戦略である。

典型的なのはアメリカで物価が高騰した1980年前後の状況である。インフレ率が15%以上を記録する中で長期金利も高騰した時代だが、短期金利と比較すると長期金利はむしろ大幅に下がった。つまり、長短金利差は縮小した。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-5-us-10-year-treasury-yield-minus-2-year-treasury-yield-chart.png


チャートを見ての通り、1980年前後には長短金利差は縮小するだけでなくマイナスになり、長期金利より短期金利の方が高い状況が続いている。

つまり、インフレシナリオになる場合、(金利と債券価格は逆相関なので、)短期国債を売って長期国債を買えば、短期金利上昇と長期金利低下の恩恵を受けられるということである。この場合、恐らく1980年と同様の長短金利差逆転が起きると筆者は推測している。

では引き締め政策でデフレシナリオになる場合はどうだろうか? その場合はこれまで投資家が長らく慣れてきた相場、つまりゼロ金利相場に戻ることになるだろう。短期金利も長期金利もゼロになる。現在の長短金利差は1%なので、金利差の下落余地は大いにあるということである。

結論

短期的には考えることが様々あるが、中長期的にはこのシナリオは不可避であるように思える。そしてこのシナリオは市場にまだ織り込まれていない、投資家に利益のチャンスがあるシナリオである。

現在、金融市場は緩和をして経済が浮揚して何の副作用もないという夢のようなシナリオを信じている。しかしその夢が崩れる時は確実に近づいている。

レイ・ダリオ氏やジェフリー・ガンドラック氏であれば、その副作用とは将来のドル下落だと言うだろう。

世界最大のヘッジファンド: ドル下落の時は近い
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12927

ガンドラック氏: ドル暴落は何年かの内に 米国株から避難せよ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15072


あるいはスコット・マイナード氏であれば金価格の高騰だと言うかもしれない。

マイナード氏: インフレ懸念で金価格は最大5倍になる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/13742


しかし著名投資家もあまり注目していない第3の副作用が存在する。長短金利差の縮小である。

このトレードはもはやあとはタイミングだけの問題であるように思える。ドルの推移予想についても以下の記事で書いているので、そちらも参考にしてもらいたい。

ドル円見通し: 景気回復相場から追加刺激の催促相場へ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/14778

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15210  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 2021年11月05日 15:48:25 : HomVPsrQBI : QzFtbi9kY0tFRU0=[20] 報告
11月FOMC会合結果: テーパリング開始決定
2021年11月4日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/17088

アメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)は米国時間10月2日から3日まで金融政策決定会合であるFOMC会合を行い、政策金利の維持とテーパリング(量的緩和縮小)を決定した。

「インフレは一時的」

テーパリング決定は事前の予想通りだが、大きなイベントであることは確かである。しかしいつも通り先ずは発表された声明文から検証していこう。

テーマはやはりインフレである。アメリカでは現金給付と脱炭素政策による化石燃料高騰によって物価が高騰している。

サマーズ氏: インフレは今や広範囲に燃え広がっている
しかしFedは現在アメリカで発生している物価高騰が短期要因によるものであるとの姿勢を崩していない。著名ファンドマネージャーらが猛批判しているが、パウエル議長は知らんぷりである。

ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ
パウエル氏はもう長らく「インフレは一時的」だと言い続けてきた。彼がそれを始めてから半年ほどになる。もはや「一時的」とは果たして何処まで長くなれるのかという言語学上の問題に発展しているのではないか。

いつまで経ってもインフレが収まらないので、今回の声明文ではトーンが少し変化している。前回の声明文では、インフレに関して次のように書かれていた。

インフレは短期的要因を反映して上昇している。

それが今回の声明文では次のように変更されている。

インフレは短期的と予想される要因を反映して上昇している。

段々雲行きが怪しくなってきたのではないか。

テーパリング開始

Fedの経済見通しが間違っているのはいつものことなので、あまり気にせずテーパリングの話題に移ろう。声明文には次のように書かれている。

われわれは国債の月間買い入れ額を100億ドル、モーゲージ債の買い入れ額を50億ドルずつ減額し始めることを決定した。

これは今月から始まるという。現在の月間買い入れ額は国債が800億ドル、モーゲージ債が400億ドルなので、このペースで行けば量的緩和は来年6月には終了することになる。ただ、声明文によればこの減額ペースは変更される可能性があるという。

各月において同じような減額が行われることが適切になるだろうと判断しているが、経済見通しの変化によって正当化されるならば、減額ペースを調整する準備がある。

結局どうするのか何も明確にならない。基本的にもう何も明らかにはしないということが、自分が原因で2018年の世界同時株安を引き起こしたパウエル氏の信条なのである。

12月FOMC会合結果は空売り派への満額回答 (2018/12/20)
利上げは宣言せず

さて、テーパリングについては想定通りだが、投資家にとっての問題は今後の利上げである。少なくともパウエル氏は利上げに積極的ではないようだ。会合後の記者会見で次のように述べている。

利上げを行う良いタイミングではないと考えている。労働市場が回復する必要があるからだ。

しかし曖昧な文言を付け加えることを彼は忘れない。
もし対応が必要なら躊躇しないつもりだ。

ちなみに金利先物市場は来年6月の利上げを想定している。もっと重要なのは、長短金利差である。最新のGDP統計はインフレが止まらないまま景気後退に陥るスタグフレーションを暗示している。

第3四半期のアメリカGDPは大幅減速、スタグフレーションへ秒読み
スタグフレーションになれば、景気後退で長期金利には下方圧力がかかるが、インフレに対応するために利上げをしなければならなくなるので、短期金利が上がって長期金利が下がり、長短金利差が縮小、あるいはマイナスになる。これはまだ市場に織り込まれていない投資チャンスである。


スタグフレーションになるならば、これがマイナスまで落ちるはずである。詳しくは以下の記事を参考にしてほしい。

長期金利とテーパリングの関係、今後の推移予想
結論

はっきり言ってアメリカ経済は詰んでいる。すべては現金給付と脱炭素政策が引き起こしたことである。

サマーズ氏: エネルギー価格を高騰させる脱炭素政策は健全ではない
そして既に誰かが落ちている落とし穴に喜んで落ちに行くのが日本のお家芸である。現金給付に加え、岸田首相は脱炭素政策に1兆円出すらしい。

他人の金であれば人はこれほど簡単にドブに捨てられる。あるいは捨てる方がまだましだろう。ドブに1兆円を捨てても天然ガス価格は高騰しないからである。世界はほとんどコメディなのである。

フランス、インフレ対策で現金給付へ


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/17088

2. 中川隆[-14469] koaQ7Jey 2021年12月24日 05:12:00 : zPeXbWXQFc : RlBrUHl2NnpoOEU=[10] 報告
3回で足りるわけない米利上げ。2022年の米国経済は低速成長、日本株は20%超の下落も=藤井まり子
2021年12月22日
https://www.mag2.com/p/money/1140016


12月FOMCの結果は、市場の予想通りであり大きな波乱は起きずに済みました。しかし現在の米国経済のインフレ状況を見てみると、今のFRBの方針では抑えこむことは不可能です。2022年以降、FRBは掌返しで利上げを激しく行う可能性が高くなってきました。2022年以降の世界経済の行方について解説します。(『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』藤井まり子)


パウエルFRBの「一日天下」
12月14〜15日に行われたFOMCの結果(=中身)と、その影響は15日当日だけの「わずか1日」だったことは、当メルマガ12月14日号で解説した通りになりました。

すなわち、パウエルFRBは、この日のFOMCの金利見通しを、金利先物市場の「のんびりと間違った金利予想」にこれ幸いと便乗して追随、「来年の利上げはおよそ年3回程度」としました。

記者会見も成功しました。議長は上手にしらばっくれて「内心のパニック」を市場に見透かされることはありませんでした。

その結果、内外の株式市場はほっと肩をなで下ろしました。アメリカ時間で12月15日当日は、アメリカ株式市場は「大幅上昇」で反応。翌日16日の日本株式市場もこのアメリカ株式市場に追随して、「爆上げ」で反応しました。

しかしながら、12月15日の「大幅上昇」は、よくよく調べてみるとその内実は「今回のFOMCの失敗」に賭けていた投機筋が、想定外の上昇に踏まれて、「売りポジション」を強制的に解消させられたことから起きていました。やはり、彼ら投機筋は「下げ」に賭けていたのです。

ですから、パウエル議長の「大芝居」が効力を発揮できたのは、踏み上げの起きたわずか1日だけでした。

一部の内外の市場関係者は、翌々日からは、もう一度改めて「FRBの来年の利上げ見通し」について精査を開始し始めた模様です。

12月16日、アメリカドル国債はさらに買い進められて、長期金利は再び1.40%台まで低下。 イールドカーブもフラット化したまま。 近い将来のアメリカ経済に「暗い見通し」を示します。

どちらにしろアメリカ経済はスローダウンする
これはローレンス・サマーズ元財務長官の指摘するように、ドル国債の金利市場が、次のことを警戒しはじめたことの現れでしょう。

すなわち、パウエルFRBは、来年3回しか利上げしない。つまり、インフレ退治を放棄して高インフレを放任する。その結果、アメリカ経済は向こう数年間スタグフレーション的な状態に陥って、成長はスローダウンする。

あるいは、FRBのインフレ退治のためのビシバシ利上げで、向こう2年以内にアメリカ経済がスローダウン、もしかしたらリセッション入りするかもしれない。

つまりは、「どっちみち、アメリカ経済はスローダウンする」ことを、市場が警戒していることの現れでしょう。

16日から、内外の株式市場は弱含みに転じて、調整局面入りへ。やはり、年末から年始にかけて、10%調整は巻き起こりそうです。

今年12月の株式市場は、「ドル国債市場の異変」すなわち「ドル国債のイールドカーブのフラット化」「アメリカ経済の近い将来の異変への懸念」に追随して、いつ調整を開始しても不思議では無かったのです。


2022年にFRBは激しい利上げをする
2022年は、FRBが「ビシバシ利上げ」を開始する最初の年です。

ところが、金利先物市場の来年の利上げ予測は、いまだに「のんびりと間違ってる」まま。先物市場は、来年2022年のFRBの利上げを3回くらいしか織り込んでいません。

パウエルFRBも、この「金利先物市場の間違っている、のんびり予測」に便乗して、FRBも12月のFOMCでは「しらばっくれて」います。

しかしながら、FRBがいま現在の「アメリカの7%近い高インフレ」を抑え込みたいならば、FRBが政策金利を中立金利よりもはるかに高いところまで引き上げることが必須です。

今のアメリカの中立金利は、「2.00〜3.00%」と推定されています(分りやすくするために、今後は、その中間を取って「中立金利:2.50%」と記します)。

すなわち、パウエルFRBが高インフレを退治したいならば、FRBは政策金利を「2.50%」よりはるかに高い水準へ、「ビシバシ」引き上げて、加熱気味のアメリカの内需をクールダウンさせて、アメリカ経済をスローダウンさせることが、必須です。

来年2022年のパウエルFRBは、7%近い高インフレを抑え込みたいならば、本当のところは、「1回の引き上げ率が0.25%ならば、1年間で8回をはるかに上回る政策金利の引き上げが必要」なのです。

2022年の米利上げは、年8回以上も必要?
ところが、年8回以上の利上げは、ものすごい勢いの利上げです。今のパウエルFRBは「とても厳しい現実」に直面しているのです。

「イールドカーブがフラット化して、長期金利が極度に低いまま」のドル国債の金利市場は、「後手後手に回り過ぎたパウエルFRBがさっさとインフレ退治を諦めて、今後はたいした利上げを行なわないまま、アメリカ経済をスローダウンさせてゆく」ことを織り込んでいるかもしれないのです。

一方、ローレン・サマーズ元財務長官によれば、もしかするとひょっとすると、「今のパウエルFRBさえも、この『厳しい現実』については、ちゃんと理解していない」かもしれないとのことです。

この「厳しい現実」を知った時、パウエルFRBは改めてパニックに陥って、内外の株式市場も震かんすることでしょう。

2022年はジェットコースター相場。どこかで20%の調整も
来年2022年のFRBは、どこかのFOMC会合で「間違っている市場予想」を大きく裏切りながら「今年は年8回の利上げが必要だ」と正直宣言して「タカ派へ急旋回」するかもしれません。この時、内外の株式市場は20%くらいの大幅調整をすることでしょう。

あるいは、来年2022年のFRBは、FOMCの会合が開かれるたびに、「2022年の利上げ見通し」を幾度も幾度も「小幅のタカ派修正」をして、幾度も幾度も「間違っている市場予想」をちょっとずつ驚かせていくかもしれません。

この場合は、内外の株式市場は5〜10%調整を繰り返すでしょう。が、どこかの時点で市場は、「自分たちもFRBも大きく間違っている」ことに気がついて、大幅調整するかもしれません。

いずれにせよ、来年2022年は、FOMCの会合が開かれるたびに、内外の株式市場は「市場予想を大きく上回る利上げ予告」に、動揺して調整することでしょう。

かくして、2022年は株式市場は乱高下が激しくなり、どこかの時点で、20%調整も起こり得るでしょう。

すなわち、来年2022年の内外の株式市場は、おそらく、「毎年株価が弱含む春から秋」(?)にかけて、一時的に20%くらいの大幅下落などなど、乱高下の激しい年になることが今から警戒されています。

それでも、2022年は、アメリカ経済では実質金利はマイナスのままです。S&P500は年間を通じては、まだ5〜6%の運用益は得られるだろと予想されています。 1年を平均してみると、おおむね株式ブームは継続することでしょう。

2022年末の株価目標は、とてもとてもザックリですが(2022年の予測は今までで一番ざっくりした予測です!)S&P500は、5,000〜5,100ポイント。2022年末のS&P500の株価目標については、モルガン・スタンレーなどの弱気派は(12月に入ってからさらに下方修正して)4,400ポイントとしています。ちなみに、モルガン・スタンレーは毎年弱気派です。

ヨーロッパ株式市場:高パフォーマンスが期待できる
ヨーロッパ株式市場は、アメリカ株式市場よりも「出遅れ感」が強いです。2022年のヨーロッパ株式市場は、アメリカ株式市場よりも高パーフォーマンスが期待されています。

日本株式市場:アメリカよりもさらに売り込まれる
主体性の無い動きを続ける日本株式市場は、来年もアメリカ株式市場の動きに追随することでしょう。

岸田政権による経済刺激策は、張りボテなだけで「中身はしょぼい」のが実態です。日本経済は、引き続き内需が弱い状態が続きそう。

ですから、日本では2022年においてもたいしたインフレは起きないでしょう。

さらに、2022年の日本経済は引き続き中国経済の影響も強く受けます。が、その中国経済も2022年に入っても不動産バブル崩壊の後始末に手こずったまま、来年は成長が大きくスローダウンすることが見込まれています。

結果、来年アメリカ株が大きく売り込まれたときは、日本株はアメリカ株よりももっと売り込まれることでしょう。来年は、おそらく春から秋にかけて、一時的にせよ日経平均が2万4,000円を大きく割り込むなんて「悪夢」が現実になるかもしれません。裏を返すと、「ビック・チャンス」なのですが…。

2022年末の日経平均は、2万9,500円〜3万0,500円と予想しています。

中国株式市場とその他の新興国株式市場
中国は、来年も「大型不動産バブルの後始末」に追われて成長が大きくスローダウンしそうです。株式市場の大幅な上昇は、あまり期待できません。

中国と関係の深い新興国株式市場もあまり期待はできないでしょう。

ただし、2022年のどこかの時点で、「ドル安」基調が始まって、「ドル安新興国通貨高」トレンドが始まるならば、この限りではありません。

「ドル安トレンド」が始まるならば、中国株式や新興国株式にもチャンスが訪れるかも知れません。


アメリカの高インフレは向こう3年は続く?
繰り返しになりますが、今のアメリカでは7%近い高インフレが猛威をふるっています!

今から記すことは、2022年内はあまり心配しなくても良いかもしれません。心配し始めたほうがよいのは、再来年(2023年)以降でしょう。

この高インフレは向こう3年くらいは続くことでしょう。

来年2022年は、パウエルFRBが「高インフレと戦うために、ビシバシ利上げをする、向こう2〜3年間の『最初の年』」です。

FRBが「大きく後手後手に回っている、回り過ぎている」ために、今の7%近い高インフレは、今後もますます燃えさかっていく可能性が高いです(夏場には、二桁近いインフレが起きても不思議ではないです)。

さて、繰り返しになりますが、この高インフレを抑え込むためには、「中立金利:2.5%」よりもはるかに高い政策金利が必須になります。

パウエルFRBが「来年1年間で0.25%の政策金利の引き上げを8回行なった」としても、「来年末の政策金利は2.00%」です。まだ「中立金利:2.50%」には及びません。「政策金利:2.00%」では、まだ高インフレを抑え込むことはできないのです。すなわち、この「2.00%」水準では、来年末になっても、7%近い高インフレは加速することはあっても、沈静化したり、下火にはなっていないのです。

さらに、「金融引き締めによるインフレ退治」には、半年か1年のタイムラグが必要です。大変驚くべきことかもしれませんが、アメリカの政策金利が2.50%よりも遙かに高くなった時点から、さらに半年から1年の時間が経過しないと、高インフレは沈静化し始めないのです。

すなわち、来年2022年は無理だとしても、再来年の2023年のどこかに時点で、FRBの政策金利が「中立金利2.50%」よりはるかに高くなるかもしれません。そして2023年に、やっとこさ、はるかに高くなったとしても、7%近い高インフレは2023年末になっても燃えさかっているはず。FRBがここまでバカスカがんばっても、アメリカで高インフレが止まるのは、2024年に入ってから。これが、パウエルFRBが後手後手に回ってしまった結果の「厳しい現実」なのです。

かくして、パウエルFRBがどんなにうまくやっても、現在進行形の高インフレは2024年に入って「やっと静まり始める」程度でしょう。

パウエルFRBの「高インフレとの戦い」、言い換えると、「ビシバシ利上げを続ける年」は、少なくとも「向こう2〜3年間は続く」のです。

3年間の「高インフレ」がアメリカ経済に及ぼす影響
7%を軽く上回るようなインフレが向こう2〜3年間は続くと、アメリカ経済はどうなるのか?

2022年から2023年のどこかの時点で、インフレが二桁に近づいたりすると、パウエルFRBがますますパニックに陥りやすくなります。パウエルFRBがパニックに陥って利上げをし過ぎて、アメリカ経済が大きくスローダウン、リセッション入りしてしまう可能性は、かくして生まれるわけです。確率としては30%〜40%。

反対に、パウエルFRBが中央銀行としての責任を放棄する可能性もあります。パニックに陥り過ぎて、無気力になったFRBは、何もしなくなる可能性があるのです。すなわち、驚きべきことに、FRBはビシバシ利上げなどは行なわずに、高インフレを放置する可能性が今から指摘されているのです。

来年2022年の利上げでは、パウエルFRBは「市場予測通りの年3回の利上げ」だけに留めて、インフレ退治を最初から諦めてしまう可能性があるのです。

結果、アメリカ経済は向こう数年間は「スタグフレーション的」な状態に陥って、やはり経済成長は大きくスローダウンしてしまうことでしょう。最終的には、アメリカは数年後あたり(?)にアメリカ経済は正真正銘のスタグフレーション(不況の中の物価高)に陥ってしまうことでしょう。確率としては、33%くらいと読んでいます。

かくして、アメリカ経済が無事にソフトランディングする確率は20〜25%くらいに低下しています。  

3. 中川隆[-13824] koaQ7Jey 2022年2月07日 10:19:36 : oCqatUkqPM : VzByNlhuRTcyRkE=[31] 報告
長期金利とテーパリングの関係
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1097.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1127.html

単なる景気後退なら長短金利差はゼロになるが、スタグフレーションなら長短金利差はマイナスとなる
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1484.html

金利上昇で下落するハイテク株、上昇する金融株
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1237.html

金利が上昇すると特に成長株の株価が下がる
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1451.html

米金利上昇でドル高・円安というのは市場の投機的な動きであり、長期的なトレンドを形成するものではない
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1239.html

▲上へ      ★阿修羅♪ > 近代史5掲示板 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
最新投稿・コメント全文リスト  コメント投稿はメルマガで即時配信  スレ建て依頼スレ

▲上へ      ★阿修羅♪ > 近代史5掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
近代史5掲示板  
次へ