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中国恒大集団のデフォルトで暴落する銘柄
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1238.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 10 月 31 日 04:50:45: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 投資初心者が最も失敗するパターン 投稿者 中川隆 日時 2021 年 5 月 09 日 10:59:33)

中国恒大集団のデフォルトで暴落する銘柄


中国恒大集団のデフォルト危機で世界同時株安、関連銘柄の推移
2021年9月21日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15708

週明けの株式市場は予想通りの展開となった。中国の大手不動産ディベロッパー、恒大集団の倒産危機で月曜日の米国市場と火曜日の日本市場はともに大幅安となった。

先に逃げ出す役員

恒大集団は中国最大級の不動産会社であり、中国のGDPのおよそ2%に相当する2兆元の負債を抱えて破綻しかかっている。

詳細については既に十分な記事を書いている。

恒大集団の倒産危機と中国不動産バブル崩壊懸念まとめ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15457

ジョージ・ソロス氏、中国版リーマンショックによるバブル崩壊を警告
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15345


しかし状況は常に進行している。まず、一般の投資家よりも先に自社の投資商品の資金返却を受けていた恒大集団の役員6人が処分された。

沈みゆく舟が本当に沈むのかどうかを知りたければ、その舟に乗っている人に聞くのが一番である。やはり内部の人間は前もってもう駄目だと思っていたらしい。恒大集団の株価は下がりすぎてここ数日の値動きが分かりにくいほどになっている。対数チャートを使うべきだろうか。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-21-evergrande-hk-3333-chart.png


これまでの報道によれば、やはり中国共産党は恒大集団を救済しないつもりのようだ。20日に期限が来た債務は支払われず、23日のものも支払いは絶望的のようである。デフォルト確定までまだ時間はあるが、今月中の破綻もやはり有り得るだろう。

そうなれば恒大集団は中国のGDP1%規模の手持ちの不動産をすべて投げ売りして借金を返済することを強いられる。恒大集団が破綻しても大きな影響はないだろうと呑気に構えている投資家も多いが、何十年もバブルを続けてきた中国の不動産市場にGDP1%の売り圧力がかかればどうなるのかについては誰も説明していない。

大半の投資家はものを考えない生き物なのである。しかし他人が考えない時に素早く頭を働かせた投資家だけが利益を得ることが出来る。

そこでここでは恒大集団の倒産で直接の影響を受ける銘柄について前もって説明しておいた。

恒大集団倒産と中国不動産バブル崩壊で空売りすべき銘柄リスト
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15609


関連銘柄の推移

そうした銘柄はどうなっているだろうか? 前もってこの問題を消化していた香港市場では、恒大集団以外の銘柄は比較的落ち着いている。例えば同じく不動産の長江実業の株価は今日はそれほど下落していない。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-21-ckh-holdings-hk-0001-chart.png


一方で恒大集団の問題をほとんど意識していなかったアメリカや日本の市場では影響が大きかったようである。上の記事で関連銘柄として挙げた、ショベルなどの建設機械を生産するアメリカのCatapillarの株価は次のようになっている。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-21-catapillar-nyse-cat-chart.png


同業で日本企業のコマツも同じように下落している。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-21-komatsu-tse-6301-chart.png


不動産が供給過剰に陥っているために不動産が売れなくなり、恒大集団が破綻するのであれば、当然ながら建物はこれから建てられなくなり、ショベルは中国で使われなくなる。

しかし上の記事で述べた通り、日本やアメリカで真っ先に中国関連銘柄として上がるこれらの銘柄の中国の建設業への依存度は実は10%に満たない。

一方で建設に使われる原料である鉄鉱石や銅については、世界の輸入に占める中国の割合が鉄鉱石が75%、銅が43%とかなり大きいことを挙げておいた。

これらの銘柄は中国の不動産バブルとともに価格が上昇してきた本命中の本命である。中国の不動産バブルが崩壊すれば、価格の下落は避けられないだろう。鉄鉱石の採掘企業を集めたVanEck Steel ETFは次のように推移している。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-21-vaneck-steel-etf-nysearca-slx-chart.png


銅価格は次のように推移している。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-21-copper-chart.png


個人的な感想を言えば、まだまだだろう。

そして最後に人民元である。日本やアメリカとは違い中国人の資産形成の中核を担っているのは株式ではなく不動産であるため、不動産市場の暴落は中国の消費が冷え込むことを意味する。そうなれば金融緩和は避けられず、人民元は下落するだろう。

ドル元のチャートを掲載しておこう。上方向がドル高人民元安である。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-21-usdcnh-chart.png

結論

週明けの市場の動きとしては先週の内に書いておいた記事の通りの結果となってはいる。

恒大集団倒産と中国不動産バブル崩壊で空売りすべき銘柄リスト
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15609


しかし問題の規模を考えれば市場はこのニュースを全然消化していない。本番はこれからである。ジョージ・ソロス氏の見解も参考にされたい。

ジョージ・ソロス氏、中国版リーマンショックによるバブル崩壊を警告
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15345


また、差し当たっては関連しそうな銘柄がとりあえず全部売られている様相だが、ここからは徐々に選別され特に影響を受ける銘柄が特に大きく下落してゆくことになるだろう。繰り返しになるが筆者が本命と考えているのは鉄鉱石、銅、人民元である。

また、世界的なリスクオフとなればドル円や米国債でポジションを取ることが投資家を助けてくれるはずである。

ドル円見通し: 景気回復相場から追加刺激の催促相場へ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/14778

長期金利とテーパリングの関係、今後の推移予想
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15210


引き続き恒大集団と中国の不動産業界のニュースを報じてゆく。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15708


恒大集団倒産と中国不動産バブル崩壊で空売りすべき銘柄リスト
2021年9月19日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15609


恒大集団の破綻危機と中国不動産バブルの崩壊懸念が金融市場で話題になっており、これまでも記事で取り上げてきた。

恒大集団の倒産危機と中国不動産バブル崩壊懸念まとめ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15457

ジョージ・ソロス氏、中国版リーマンショックによるバブル崩壊を警告
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15345


状況の概要は伝えているが、次に考えるべきは投資家がどうすれば良いのかということである。今回はそれについて書いてみたい。

恒大集団の倒産危機

詳細はこれまでの記事を参照してほしいが、状況はこうである。中国最大級の不動産ディベロッパーである恒大集団の倒産危機が話題になっている。負債総額は2兆元以上と言われており、これは中国のGDP102兆元のおよそ2%に相当する。

とんでもない金額の負債を積み上げたわけだが、問題はこの負債がどう処理されるかである。恒大集団は負債の山を抱えているが、資産を一切持っていないわけではない。恒大集団の2020年のアニュアルレポートによれば、2兆3,000億元の資産を持っている。

データが昨年末である上に、負債は額面の金額をきっちり請求される一方で資産は帳簿に載っている金額で売れるとは限らないから、実際には恒大集団は2兆3,000億元を持っているわけではないが、その内訳の大半は不動産であり、具体的には次のようになっている。

未完成の不動産: 1兆2,579億元
投資用不動産: 1,659億元
売出し中の完成済み不動産: 1,485億元
合計で1兆6,000億元程度の不動産が計上されている。恒大集団はディベロッパーなので手持ちの資産には未完成の物件が多い。

恒大集団の不動産投げ売り

さて、債権者は借金を返してもらうために恒大集団にこれらの不動産を売らせることになる。中国の不動産市場には少なめに見積もってもGDPの1%分の売り圧力がかかることになる。

金融業界ではこれが中国の不動産市場だけの問題なのか、それとも金融市場の他の部分にも波及するのかということが議論されている。しかし特にアメリカやヨーロッパの投資家は「中国の不動産市場」の意味をあまり理解していないようである。

以前にも書いたが、中国人にとって不動産とは特別な資産である。中国人の不動産信仰は厚く、彼らは不動産は長期的には決して下落しないと考えており、不動産を所有することが人生の目標であるような人も少なくない。

中国人にとってメインの投資とは不動産なのであり、株式や債券ではないのである。ここが重要である。中国にとっての不動産市場とはアメリカにとっての株式市場なのである。

だから2015年に中国の株式市場が崩壊したとき、それは中国にとって大した問題ではなかった。以下は上海総合指数のチャートである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2015-shanghai-composite-chart.png


しかし今回は中国人の資産形成の支柱である不動産市場の問題である。そしてそれはGDP1%分の売り圧力だけの問題ではない。

中国の不動産バブル

恒大集団が立ち行かなくなったのは、不動産が売れなかったからである。大手不動産ディベロッパーが倒産するほど建設した物件が売れないということは、需要が供給をかなり大幅に下回っているということである。

供給過剰であるからには今後供給は減少してゆくほかない。真っ先にダメージを受けるのは当然ながら恒大集団のような不動産会社である。

空売り投資家にとってどうかと言えば、まず恒大集団自体の株価は既に地に落ちている。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-17-evergrande-hk-3333-chart.png


しかし長江実業や新世界発展などの他の不動産会社はまだ2021年の取引レンジを脱するほどの下落にはなっていないようである。ここでは長江実業の株価チャートを掲載しておこう。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-19-ckh-holdings-hk-0001-chart.png

より広範囲な影響

さて、ここからはよりマクロな視点から頭を働かせてみよう。中国の不動産会社がどうなるにしても、今の時点でも明らかなのは中国の不動産市場が供給過剰に陥っているということである。これから供給が少なくなるということは、建設のために使われる機材や資材が使われなくなるということである。

まず頭に浮かぶのはショベルなどの建設機械を作っている米国のCatapillarや日本のコマツだろう。まずはCatapillarの株価を掲載しておこう。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-19-catapillar-nyse-cat-chart.png


次はコマツである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-19-komatsu-tse-6301-chart.png

これらの企業も影響を受けるだろう。しかし中国銘柄として真っ先に名前の上がるこれらの企業は、意外にも売上高に占める中国の建設関連の割合はそれほど大きくなく、両者とも10%以下である。

そこで投資家としてはより直接的に影響を受ける銘柄を探す必要が出てくる。中国で建物が作られなくなればどうなるか? 建設機械の他に建設のために必要なものは何だろうか?

コモディティ市場への影響

ここで鉄鉱石と銅という名前が出てきた読者が居るならば、十分にマクロな投資家だと言えるのではないか。投資アイデアとはこのように考えるのである。

鉄鉱石は世界の輸入の75%を中国が担っている。当然ながらその多くは建設に使われる。

鉄鉱石に関して個人投資家でもアクセスしやすい投資先と言えば、例えば米国ETFのVanEck Steel ETF (NYSEARCA:SLX)があるだろう。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-19-vaneck-steel-etf-nysearca-slx-chart.png


これは鉄鉱石の採掘企業などを纏めたETFである。その輸入の75%を担う中国の不動産市場が崩壊すれば、この程度の下げでは絶対に終わらないはずである。

また、銅も中国の建設業界で使われており、中国が世界の輸入の43%を担っている。銅価格のチャートを掲載しておこう。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-19-copper-chart.png


これらの銘柄は中国の不動産バブルとともに育ってきたと言っても過言ではない。中国の不動産バブルとともに育った銘柄は、中国の不動産バブルが崩壊すれば下落を免れないだろう。

中国の景気後退

更により大きな視点から眺めてみよう。最初に述べたように、不動産は中国人の資産形成の中核を担っている。

大雑把に言ってGDPの1%分が不動産市場で投げ売りされ、もう1%分は債権者の損失となる。Reustersによれば、恒大集団の本社には投資家が集まって「金を返せ!」と叫んでいる。

恒大集団に投資をして資金を失った投資家、そして不動産価格下落で損をする非常に多くの中国人は、資金を作るために手持ちの資産を売ったり、消費を控えたりするだろう。恒大集団の負債総額がGDP2%分ならば、その影響は合計で恐らく3%から4%には及ぶはずである。

この危機を乗り越えるためには中国政府は利下げなど何らかの緩和を行わなければならない可能性が高くなる。そうなれば人民元は下落すると考えるのが自然だろう。以下はドル元のチャート(上方向がドル高元安)である。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/09/2021-9-19-usdcnh-chart.png

まだまだ恒大集団の件を織り込んでいるとは言い難い。

結論

ここまで書いたが、恐らく本命は人民元、鉄鉱石、銅だろう。しかし他の銘柄についても特に買い持ちにしている投資家は気をつけなければならない。読者も自分のポートフォリオに中国の不動産にかかわるものが含まれていないかチェックすべきである。

市場はまだほとんど動いていない。しかし他の投資家よりも早く先を考え先を予測した者が金融市場では利益を手に入れることができる。

以下の記事も合わせてここの記事が読者の参考になれば幸いである。

恒大集団の倒産危機と中国不動産バブル崩壊懸念まとめ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15457

ジョージ・ソロス氏、中国版リーマンショックによるバブル崩壊を警告
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15345


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15609

 

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コメント
1. 2021年10月31日 04:51:44 : GxM4ncBmWc : bi5FYWxUeHpoZ3M=[12] 報告
第309回 中国が不動産税導入でバブル崩壊!世界不況がやって来る?
2021/10/30




中国が不動産税を導入することについて解説。
中国へ投資する事のリスク。恒大グループは破綻するのか?

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