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木村 哲 美しき英国車の生活
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1354.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 12 月 02 日 11:59:47: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: アングロ・サクソン人は最も高貴な人種、資本主義を大々的に「リセット」して劣等民族のアジア系やアフリカ系の人口を減らすの… 投稿者 中川隆 日時 2021 年 2 月 10 日 12:10:38)

木村 哲 美しき英国車の生活


木村 哲 文化論集

ROVER 75 Heritage 美しき英国車の生活 1999.12.31 / 2018.4.12


ローバーと英国車の旅
http://www.op316.com/rover/rover.htm


《ROVER病》
この病は、発病に時間がかかり、症状も地味で目立たないです。日本では症例が少ないため、世間での認知度は低いですが、
「長い人生のひとときを豊かな気分にしてくれる」という不思議な症状が特徴です。

《重要なメッセージ》
これは、英国車ROVERを愛するやや偏ったところのあるページです。
あなたが乗っている国産車や輸入車、あなたの生活観等についてかちんと来ることが書いてあったとしても、腹を立てたりしなように。
時々「お前は西欧かぶれだ」というメールが来ますが、そのとおりなんでありますから、書くだけ無駄です。

* * *
2016年9月に16年間乗り続けたROVER 75を降り、ROVER 620で始まった20年間にわたる幸福に満ちたROVERとのカーライフにピリオドを打ちました。
次に選んだのはJaguar XEです。内装は75の方が素敵ですが、足まわりの出来はXEが圧倒的に良いです。

75の次に何に乗ろうかと迷っている方は是非試してみてください。
そして、走っているうちにこのクルマにもROVER 75で感じた英国車らしい心地よいロール感に気づくでしょう。

▲△▽▼


Jaguar XE 素晴らしき最後の愛車 2016.6 / 2019.7.12

JAGUAR XE 20t Osmium 2016
http://www.op316.com/jaguar/jxe-myjaguar.htm

■私が好きな車とは

「走って楽しい」ということと「落ち着いた上品な走り」の両方を求めています。起伏のあるカントリーロードを程よいスピードで気持ちよく走りたいのです。カーブラインをトレースする時、ぐっと踏ん張るのではなく、微妙にロールしつつじわっと踏ん張ってくれる足まわりがたまらなく好きです。そんな私が最初に選んだのがROVERというブランドでした。

もうひとつの条件は、誇張のないナチュラルに洗練されたデザインです。最近流行の下品とも言える押し出し強いデザインは好きではありません。小手先の斬新さや無意味なボディーラインも嫌いです。最初に乗ったROVER 600は、ドライビングから戻ってクルマから降りるとつい眺めてしまう美しさがありました。次に乗ったROVER 75は見る人を魅了する抜群のプロポーションでした。しかし、2000年にROVERというブランドがその歴史を閉じて以降、私を惹きつけるデザインのクルマは登場しませんでした。私の好みは明らかに売れるクルマのマーケットの主流からはずれているようです。

さらにもうひとつ重要な条件があります。それは、内装の上品さとシートの心地良さです。ROVERの全モデルに共通して優れていたのは、標準モデルから座り心地が良く上質な仕上げのレザーシートが装備されていたことです。見て美しく、乗って快適なのです。数時間の連続したドライブでも疲れ知らずで、東京〜岐阜(往復740km)の日帰り出張がつらいどころかむしろ楽しかったくらいです。

17年間にわたって2台のROVER 75を乗り続けたのは、このクルマの洗練されたデザインと上品な挙動やしなやかな足回り、そして美しく快適なシートとキャビン内の雰囲気に惚れたからでした。


British Racing Green(1台目、後方はROVER Mini) / Moonstone Green(2台目)どちらも1999モデル

■Jaguar XE入手の顛末

そうこうするうちに我がROVER 75も老朽化し、保守を続けるのが難しくなってきました。そんな時に、カミサンが「最近見かけるJAGUARのデザインはなかなかいいと思うわ」と口走ったのをいいことに、気が変わらないうちにと手に入れたのがこのJAGUAR XEです。

しかし、東京近郊のJAGUARのディーラーをあたってみたところ、希望するボディーカラー「オスミウム」の在庫がありません。あるのはホワイト系か濃い色ばかりで、シルバー系やゴールド系は皆無、日本に向かっている洋上の船荷もあたってもらいましたがそこにもありません。そもそも「オスミウム」は廃版だそうで、百歩譲ってゴールド系を一から発注すると、どんなに早くても3ヶ月、通常は半年かそれ以上かかるという。ところが、JAGUAR LAND ROVER水戸が「オスミウム」を1台だけ持っていることがわかったので、早速水戸まで行ってその場で契約してしまいました。


JAGUAR LAND ROVER水戸での納車風景 / すべてが整った状態のXE Osmiumがショウルームで私を待っていました

■何故、XEなのか

私は4ドア・セダンが好きなので対象となるJaguarのラインアップは、XJ、XF、XEの3種になります。我が家の駐車スペースは少々大きなクルマでも入りますが、あまり大きいとスーパーや百貨店の駐車場に入れるのにちょっと苦労します。代車でRANGE ROVER Sportに乗ったことがありますが、行きつけの百貨店のパーキングでは特別なスペースを必要としました。XJもあまりに大きすぎるので最初から無理。XFかXEかはとても迷いました。

前車のROVER 75のボディーサイズは4755mm×1780mmでした。XFは4960mm×1880mm、XEは4680mm×1850mmです。XFはROVER 75と比べて全長・全幅ともにかなり大きくなるので、日常の買い物にも使うクルマとしては扱いに気を遣うだけでなく、スーパーの駐車場などで周囲に対しても迷惑をかけます。XEでも全幅がかなり広くなりますが、全長が短くなるのでこれならばなんとか無理なく付き合えそうです。

リアビューやインパネの雰囲気はXFの方が好みですが、日常的に家族で乗るクルマとしてはXEあたりがちょうどいいと思いました。JAGUARのラインナップの中では最もコンパクトなXEですが、実際に外に出てみるとXEですら入れてもらえないタワーパーキングもあるわけで、XEも十分大きなクルマなのだと実感しました。
http://www.op316.com/jaguar/jxe-myjaguar.htm

JAGUAR XE 20t Impression
http://www.op316.com/jaguar/jxe-impression.htm

■ファースト・インプレッション

XE 20tを手に入れる前にも何度か試乗する機会がありました。はじめてXEに乗った時の印象は、ROVER 75と比べると「固く締った感じの足回り」です。ROVER 75は17年前のクルマですが、ボディー剛性はとても優れていてMERCEDESやBMWの同カテゴリと比べても見劣りしませんでした。最初は固いと思った足回りですが、乗り慣れてくるほどに、XEのボディーも足も良く出来ているのがわかります。面白いのは、ROVER 75よりも重いクルマなのに重さを感じることがなく、むしろ軽い感じがします。

都内の中心部(青山〜赤坂〜外苑前)を走ってみて、素直で非常に運転しやすいクルマだと感じました。水戸の田舎道を走った時は、ゆるやかなカーブを正確にトレースするのが楽なクルマだと気づきました。総じてステアリングの感覚とクルマの挙動が一致していて、車幅に対してあまり余裕がない細い道路でも無理なく安心して走れるところが優れています。

■都内を走る+首都高速を走る

2000ccのダウンサイジング・ターボ・エンジンで1.7tほどもあるボディーを引っ張るわけですが、パワーに不足はありません。8速ATは、比較的低回転の領域を使う傾向があり、市街地を走った時は1100〜1500回転あたりが多く、それくらいの回転数でこと足りています。たまに2000回転に届くくらいなので、低音系の静かにうなるようなエンジン音が特徴です。

ハイペースなわりに急なカーブが多くかつ進路変更が頻繁に起きる首都高速は、JAGUAR XEのためにあるのではないかと思うくらい走りやすいです。Rのきついカーブでも安定した姿勢を保ちつつ正確なラインをたどってくれますし、軽く踏むだけで加速し、ブレーキングも思い通りに減速してくれます。JAGUAR XEのブレーキはとても良く利きます。

■立体駐車場

BMW 3シリーズの車幅は1800mm、MERCEDES Cクラスは1810mmですからJAGUAR XEの1850mmは広い方に属します。1810mmまでのクルマならばほとんどの立体駐車場に入れることができますが、1850mmになると微妙でダメな場合がよくあります。さらに、MERCEDES Cクラスのトレッドは1510mmですが、JAGUAR XEは1600mmもあります。車幅がOKでもタイヤが収まらないことが多いのです。

■高速道路を走る・・・アダプティブ・クルーズ・コントロール

高速道路を巡航すると、JAGUAR XEの抜群の直進安定性と素直なステアリングフィールを感じることができます。路面の状態をしっかりと拾いますが、ゴツゴツ感はありません。遮音性はあまり高くなく、エンジン音やタイヤ音はそれなりに聞こえてきますから、静粛という感じはありません。しかし、振動や走行音に違和感はなく、人を不安にさせるような挙動もないので乗り心地はとても良いです。100km/h時の回転数は1800くらいでしょうか。高速巡航時のエンジン音はとても静かです。

昨今流行のアダプティブ・クルーズ・コントロールが標準装備されており、特に渋滞時に威力を発揮します。クルーズ・コントロールをONにするには32km/h以上が必要です。車間は4段階で調節でき、車間はそれぞれの段階ごとに車速に応じてダイナミックに変化します。ONにした状態で渋滞の低速走行状態になると、停止しない限りのろのろと走りつつも車間を維持します。停止してもアクセルを軽く踏むとクルーズ・コントロールは復帰します。

■田舎道を走る

英国のみならず欧州をドライブしたことがある方ならわかると思いますが、あちらの道路は日本と違って、信号機が少なく、渋滞がなく、そもそも走っているクルマの数が多くありません。そして、ポテトチップスのような丘陵をうねった道がどこまでも続きます。欧州車、とりわけ英国車はこういった道を気持ちよく走るために作られたようなところがあります。

日本には欧州のような田舎道は多くありませんが、そんな道をJAGUAR XEで走ってみるとたとえようもない快感を味わうことができます。JAGUAR XEは、ゆるいカーブになると横Gをかわしつつ程よいロールをします。ドイツ車にも国産車にもないロール感の心地良さが英国車の特徴でもあります。そういうフィーリングに惚れてROVER 75に17年間も乗り続けたわけですが、JAGUAR XEでもそれを味わうことができます。

■オーディオ、USB、Bluetooth

英国のハイエンド・オーディオ・メーカーMeridianが標準装備されており、音はとても良いです。ワイドレンジであり、低域がボンついたり、中域が引っ込むようなこともなく、バランスをきめ細かさと迫力を兼ね備えています。

私が乗っている初期の2016年モデルは、10枚分のCDデータを読み込む機能のほかに、iTunesなどの音楽データを入れたUSBメモリを差し込むことができます。対応しているフォーマットは、AAC、MP3、WAVの3種類で、Appleロスレスはダメでした。後期のモデルではUSBメモリを直接読み込む機能が廃止されたようで、そのかわりUSBメモリのデータをクルマに内蔵されたメモリにコピーできるようになりました。

Bluetooth経由でiPhoneと連動しますので、ステアリングのボタン操作でハンズフリーで電話をかけたり、iPhoneの音楽ソースを再生できます。

■デザイン

見れば見るほどカッコいいクルマです。カミサンが近所のスーパーに買い物に行った時は、走ってくる姿を見たくて、そろそろ帰って来る頃になると家の前の路上で待ち構えている私がいます。

■燃費

東京〜箱根往復240kmを走って、16km/lでした。過去の最高記録は22km/lですが、これを超えるのはまず無理でしょう。頻繁に信号につかまる平日の都内では、アイドリングストップするかしないかで大きく差が出ますが、アイドリングストップが効いている場合は7〜10km/lくらいです。但し、アイドリングストップが機能するかどうかはさまざまな条件があるようで、経験的には気温が低いとアイドリングストップしないように思います。従って冬場は燃費がかなり低下します。

■メンテナンス

我が家の近くにジャガー&ランドローバー板橋サービスセンターがあります。サービス工場がうんと近い、というのもジャガーを選んだ理由のひとつです。まめに出入りしてフロントと仲良くしていると何かとサービスしてくれますし、入庫前に予約しておけば代車の車種を選ぶこともできます。2年点検の時は、気になっていたディーゼルのXE 20dをたっぷり乗ることができました。
http://www.op316.com/jaguar/jxe-impression.htm


JAGUAR XE 20t / 20d
http://www.op316.com/jaguar/jxe-20t-vs-20d.htm

ディーゼルエンジンを搭載した20d 2016を数日間乗る機会がありましたので、どんなクルマだったのかレポートしてみます。

■音がでかい、振動が大きい

エンジンを始動してまず驚いたのは、ガソリンエンジンの20tと比べて音が大きいことです。同時に、アイドリング時の振動の大きさも格別です。モータージャーナリスト達のレポートをみると、口を揃えて「静か」をいう声が聞こえてきますが、ガソリンエンジンと比べたらやはり音も振動も大きいです。

振動が特に目立つのは、アイドリング中と歩くくらいの低速で走行する時です。狭い交差点でのゆっくりとした右左折や駐車場などでゆっくり移動する時がこれにあたります。減速してきて、停止あるいはクリープ状態に近づくと突然振動が大きくなります。

■加速がすごい、上りでもすいすい

中低回転時のトルクが大きいのがディーゼルエンジンの売りですが、これは顕著に実感できます。ECOモードであっても卓越した加速感は全く失われません。50km/h〜60km/hあたりでアクセルをわずかにコントロールするだけであっという間に80km/hに達してしまうので、60km/h制限の一般道では注意が必要です。いい気分で走っているとスピード違反になります。

首都高速の入り口の上り坂では、ガソリンエンジンの20tでは少し意識してアクセルを踏んでやる必要がありますが、20dではそのような配慮は不要で、普通にアクセルを踏んでいるだけで後続車を引き離しながら坂道をすいすいと上ってゆきます。

■しばらく走っていると

エンジンをかけて走り始めは特に音が大きく振動も目立ちますが、30分くらい走っているとエンジン音はあまり気にならなくなってきます。慣れてしまったのか、本当に静かになってきたのか・・・・おそらくその両方だと思います。しかし、アイドリング時や超低速時の振動は相変わらずかなり大きいです。

■燃費

交差点が多いやや詰まり気味の都内でも、9〜12km/lくらいは出るように思います。同じ条件で、ガソリンエンジンの20tでは7〜10km/lくらいでしょうか。(ROVER 75は4〜6km/lでした)
http://www.op316.com/jaguar/jxe-20t-vs-20d.htm


▲△▽▼


-SINCE 1996
- 東京都市生活 + 真空管Audio + 視線入力 + 音楽 + 英国車
- Tokyo Metropolitan Life & Tube Audio & Eye Tracking & Backstage of Musik & British Vehicle
http://www.op316.com/

音楽の舞台裏&ウィーンの音楽
http://www.op316.com/musik/index.htm

音楽のおすすめソース
http://www.op316.com/reference/reference.htm


木村 哲 私のアンプ設計&製作マニュアル
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1731.html    

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コメント
1. 中川隆[-14928] koaQ7Jey 2021年12月02日 17:47:24 : sPZpxVrBLy : Zm03RHZCRWZRNGc=[32] 報告
英国カントリー・ドライビング 計画から実行・後始末まで
英国の田舎と街のドライビング
Driving UK Country and Cities
http://www.op316.com/rover/ukdrive.htm

動画のスタートはこちら・・・B4425をBiburyに向かう


このページは、仕事や観光で英国に行った人が、すばらしいカントリーサイドをドライビングしたり、田舎の町や村を訪れたりするためのヒントをご紹介します。
英国と日本との決定的な違いのひとつに、町並みの美しさがあると思います。英国人は、景観の美しさに対して非常に繊細な趣味を持ち、かつ保守的であるおかげで、日本のような見苦しく派手な看板や、ひとり目立とうとするような品のない建築物がありません。それは、ロンドン市内だけでなく、郊外に出れば出るほど徹底されています。ひとたびロンドン郊外に出れば、彼らがいかに田園風景というものを愛し、大切にしようとしているのかがひしひしと伝わってきます。このような、英国本来の良さを楽しむには、自分の意思でカントリーサイドを訪れ、できれば滞在し、ドライビングしたり散歩したりするしかないと思います。

しかし、英国で車を借りたり、列車に乗って旅するには、日本で売られているガイドブックの情報は全く不充分ではないかと思います。それは、ガイドブックというものが、基本的に都市での観光や買い物、ツァー、レストランでの食事を中心に編集されていて、個人が主体的に自由に英国のあちこちを移動するようにガイドされていないからだと思います。

このページでは、そういう既成の旅行プログラムではなく、もっと自分の力を信じて、主体的な英国旅行をしてみようという方に少しでもヒントが提供できればと思っています。ちなみに、私は海外旅行のベテランではありません。英国にはこれまでに3回しか行ったことがありません。そういう経験の浅い者でも、既成の旅行プログラムにはない旅ができるのだ、と思って自信を持って旅を楽しんでいただきたいのです。

STEP-1:情報収集

<英国ドライビングのガイド>
英国でドライビングを楽しむための手頃なガイドは英国政府観光庁で入手できます。この冊子には、英国の交通ルールや標識の見方がまとめてあるのでとても役に立ちます。英国政府観光庁では、ほかにも英国を楽しむためのさまざまなA4サイズの冊子が作られており、これらはいずれも写真がきれいで記事もよくまとまっています。Webページから申し込むだけでこれらが数百円の送料着払いですぐに送られてきます。

英国政府観光庁サイト・・・http://www.visitbritain.jp/?url=/jp
資料請求ページ・・・http://www.visitbritain.jp/profile/brochure/index.aspx

<ドライビング・ロードマップ>

英国の田舎を走るには、幹線道路だけでは全くダメで村と村をつなぐ小道が非常に重要な役割を果たします。なぜかと言うと、美しい村のほとんどは幹線道路から離れた小道を行った先にあるからです。そこで田舎道が載ったロードマップが必要になるわけですが、ロンドンなどの大きな都市は全くの例外で、そもそも英国の田舎には日本のような書店がほとんどなく、またヒースロー空港にも地図は売っていません。レンタカーサイトにもありません。

以前は非常に不便でしたが、今や海外の都市や田舎のロードマップは、amazon.co.jpで容易に入手できる時代になりました。但し、和書と違ってamazonといえどもすぐには在庫がないようで、発送まで最低でも2週間くらいはかかると思った方がいいでしょう。すくなくとも英国出発3週間前には注文しないと間に合いません。私は、Londonの書店でCollinsのROAD ATLASを買い、湖水地方限定の詳細地図をamazon.co.jpで入手してから英国のドライビングに出かけました。下の画像は、左から英国版JAFの"AA"、店でよくみかける"AZ"、超大判詳細地図も出している"Collins"、いずれも全英大判アトラス3種類。


<Webサイト>

GENERAL
Multi Map・・・http://www.multimap.com/map/home.cgi?client=public&db=GB&overviewmap=GB
NT:The National Trust・・・http://www.nationaltrust.org.uk/
NGS:The National Gardens Scheme・・・http://www.ngs.org.uk/
COTSWOLDS
The Cotswolds・・・http://www.the-cotswolds.org/
Cotswold Tourist and Travel Information Guide・・・http://www.cotswolds.info/
LAKE DISTRICT
Visit Cumbria・・・http://www.visitcumbria.com/index.htm
LovetheLakes・・・http://www.golakes.co.uk/default.asp
Lakeland Gateway・・・http://www.lakelandgateway.info/default.asp


STEP-2:国外運転免許証

海外で車を運転するには、日本の公安委員会が発行する国外運転免許証がいります。国外運転免許証の入手は簡単で、住んでいる場所によって指定されている警察署または試験場で、(普通は)その場で発行してくれます。必要なものは、「有効な運転免許証」と「写真1枚」、「パスポート」それに「2600〜2700円」だけです。印鑑がいる、という話を聞きますが、私の住所を管轄している警視庁板橋警察署ではいりませんでした。詳しくは、警視庁や各県警のHomaPageにアクセスしてください。国外運転免許証の有効期間は、発行日から1年間です。

なお、この免許証は「貸与」ですのでなくさないようにしてください。なくしたまま新しい免許証の交付を申請すると、理由の如何を問わず「私の過失で紛失しました。かくなる上はいかなる咎めがあっても文句を言いません」という趣旨が書かれた国家権力まるだしの不愉快きわまりない文書に署名・捺印させられます。

なお、海外のレンタカー会社のほとんどは、年齢制限があり23歳以下では車を借りることができません。また、年齢によって運転できる乗用車のサイズに制限がある国も存在します。渡航先でレンタカーを借りる際には、「国際運転免許証」と「日本の運転免許証」の両方、海外でメジャーな「クレジットカード」、国によっては「パスポート」も必要です。

<国外運転免許取得手続>・・・警視庁、神奈川県警、埼玉県警


STEP-3:レンタカーを予約する

<英国のレンタカーはマニュアル車が基本>

英国のレンタカーは、そのほとんどすべてがマニュアル車です。オーマチック車を借りたい場合は、あらかじめ日本を出る前にレンタカー会社に予約しておかないと、現地で慌てることになります。特に、世界的大手であるHertzやAVISはオーマチック車が非常に少ないか、全くないので要注意です。空港のレンタカーはまだましで若干置いていますが、LONDON市内ではほぼ絶望的です。シーズンによってはただでさえ少ないオーマチック車が出払ってしまうので、運転免許がオーマチック車限定の方は特に注意してください。また、予約の際には「オーマチック車」であることをしっかりと確認してください。

<ロスタイム>

予約をおすすめするもうひとつの理由は、予約なしで現地で借りようとした場合のロスタイムが非常に大きいからです。海外のレンタカー屋のチェックインはじつにのんびりしていて、カウンターは1つか2つしか開いておらず、そこに何人ものお客が行列をして忍耐強く順番を待っています。1人のお客のチェックインに15分かかったとして、4人並んでいたらあなたのチェックインが終わるのは1時間15分後ということになるからです。予約があれば簡単な手続きだけですぐにキーがもらえます。

<インターネットで予約>

レンタカーはほとんど例外なく日本からインターネットで予約できます。どこのレンタカー会社を使うかは好みにもよると思いますが、Londonヒースロー空港ならば、HertzやAVISといった世界のメジャーなレンタカー会社がすべて店を出しています。

Hertz (Hertzの日本サイト)
AVIS
Europcar
National
Alamo
BritainCar
Moores Car Rental
BRITISH CAR RENTAL SERVICE
CLASSIC MOTORING


ドライバーが2人以上の時はかならず登録してください。特に、保険に関して注意しなければならないのは、指定した以外の人が運転して事故を起こすと保証が全くありません。海外で人身事故を起こした場合、保険でカバーしきれないと永久に日本に帰って来れません。従って、保険はフル・カバーを指定してしっかりはいるようにしてください。


<ROVERは借りられるか>

新車の販売はなくなってしまった今(2007.7)となっては、ROVERを置いているレンタカー会社はまずないと思っていいでしょう。ごく一部には、ビンテージカーをはじめとする特別な車種の注文に応じてくれる会社もあるようですが確実な情報はありません

STEP-4:空港に着いたら

<空港の到着ロビーのレンタカー窓口に立ち寄る>
どの空港でも、到着ロビー(税関を出たところ)にもレンタカー会社のカウンターがあります・・・もっとも、このカウンターに誰かがいる確率はせいぜい50%ですが。ヒースロー空港に着いたら、とりあえず予約してあるレンタカー会社のカウンターに立ち寄って、どうしたらいいか確認することをおすすめします。通常、予約があればそのままレンタカー会社が運行しているマイクロバスに乗ってしまっていいのですが、空港の窓口でチェックインしてもらうと後が楽だったりしますし、万一、予約に不手際があった場合でも早くに手続をしてもらえます。

<レンタカー会社のバスに乗る>

空港のレンタカーサイトは、大概、空港の外の近くのどこかに集まっています。ヒースロー空港の場合は、空港の外の北側一帯にレンタカー会社各社が集まっています。空港のレンタカーサイトに行くには、レンタカー会社が運行しているマイクロバスを使います。世界共通のルールとして、空港のバス乗り場の一角にレンタカー会社のマイクロバス専用乗り場があって、そこで待っているとさまざまな色をした各社のマイクロバスが次から次へとやってきます。このマイクロバスに乗ってしまえば、黙っていてもレンタカーサイトに連れて行ってくれます。

大手レンタカー会社の場合は、マイクロバスの運転席のところにコンピュータの端末があって、バスに乗る時に予約した名前を告げると、コンピュータで検索してすでに準備されている車の目の前まで連れて行ってくれるというサーヴィスがあります。このサーヴィスが使える場合は、チェックインは不要でそのまま車に乗って出て行っていいのです。しかし、予約がないとレンタカーサイトのチェックインカウンターの行列の末尾に並ぶことになります。

<レンタカーサイト>

ちなみに、ヒースロー空港をとりまく道路は右図のようになっていて、国際線は中央に集中したTerminal-1からTermnal-3のどこかです。ここから上に細く薄い線が見えると思いますが、これが外とつないでいるトンネルです。空港への出入りはこのトンネルを使います。レンタカー会社のマイクロバスはTerminal-1〜3でお客を降ろしたり拾ったりしながらこのトンネルをくぐって空港の北側に出ます。

レンタカー会社各社のサイトは赤丸で印をつけたあたりに軒を連ねていますので、マイクロバスはトンネルを出たところにあるラウンドアバウト(のようなもの)にはいってから左右の坂を上って車が置いてある自社のサイトに向かいます。車を返したお客を空港に連れてゆくときも同じところを走ります。

STEP-5:レンタカーサイトにて・・・車のチェック
レンタカーサイトに着いたら、すでに予約が有効であれば車は用意されているのでキーと契約書を受け取ってすぐに出発できます。予約がなかったり、システムがへぼいレンタカー会社の場合はチェックインカウンターで必要な手続きをしなければなりません(2007.7のEuropCarのシステムはへぼかった)。ですから、マイクロバスを降りた時に、車に乗って出て行ってしまっていいか、チェックインカウンターに行かなければならないかを判断しなければなりません。そういう意味でも、空港にあるカウンターで聞いておけば迷う心配はなくなるというわけです。
さて、車のキーを手に入れたら、あるいはキーがついた車に乗ったら、最初にすることは「操作方法の確認」です。慣れた車種なら問題はないと思いますが、通常、レンタカーを借りた場合は乗り慣れていない車種であることがほとんどでしょう。安全運転のためにも、慌てず騒がず、ひとつひとつ各部の操作の確認を行います。車に乗ると、運転席かポケットのどこかに紙1〜2枚程度の操作マニュアルがありますから、まずはこれを見つけます。なければ事務所に行って必ずもらってください。

<パーキング・ブレーキ>

車種によって操作方法が違いますから必ずチェックします。運転席の脇のレバーを引く一般的なものや、メルセデスやクラウンのように足で踏むとブレーキがかかり、レバーを手で引くと解除されるタイプもあります。

<キー操作とエンジンの始動>

レンタカーにはあまり難しい車はありませんが、それでも車によって個性がありますからパーキング・ブレーキの操作が見えたらエンジンを始動してみます。

<ウィンカー・レバーとワイパー>

英国車は日本車と同じ右ハンドルですが、ウィンカー・レバーは日本車と逆の左側についています。そして、ワイパー・レバーは右側なのです。これに慣れておかないと、右左折をしようとした途端にワイパーが動いてしまって慌てることになります。この点については、ROVERのオーナーはすでに経験済みですね。

<ヘッドライトなど>

日本車の多くはヘッドライト・スイッチがハンドル脇のレバーに仕込んでありますが、欧州車の多くはハンドル右手前方のドアの付け根にあるダイアル式のスイッチであったりしますので、必ず操作方法をチェックしておきます。その他ハザードライトやフォグランプのスイッチも確認しておきます。

<オーディオとエアコンの操作>

最近のレンタカーはほとんどCD対応になっています。私は海外で車に乗る時はiPodとFMトランスミッターを使っています(右の画像)。FMトランスミッターはシガーライターから電源を取るタイプで、海外のFM周波数帯域にも対応したものが便利です。英国は夏でも気温は20℃くらいなので冷房はほとんど使いませんが、暖房は必須なのであらかじめ操作に慣れておきます。

<燃料の種類>

燃料の種類の呼称は日本と異なります。英国におけるガソリン車の標準は「Unleaded」を給油します。乗用車であってもディーゼル車はあたりまえに存在するので油断できません。その車が指定する燃料の種類は操作マニュアルのどこかに必ず書いてあります。燃料の種類を間違えたら大変なことになるので(モウモウと黒煙を吐いた挙句にエンジンがダメになります)くれぐれも間違えない、勘違いしないようにしてください。なお、燃料の種類は燃料タンクのふたのところにも書いてあります。同時に、燃料キャップの開け方も確認しておきます。

<トランク・リッド>

レンタカーの多くはご親切にトランク(英国ではBOOTという)を開けてあることが多いです。荷物が少なかったり座席に載せてしまった場合、トランクが開いたまま走り出してしまい、高速道路にはいってから風圧でトランクがわーんと開いてしまって大慌てになってしまわないように気をつけましょう。

STEP-6:出て行き方、戻り方の確認・・・ヒースロー空港編
レンタカーサイトは、通常、出入り口が決まっていて、入り口にも出口にもゲートがついていてむやみに出たりはいったりできないようになっています。レンタカーサイトを出る前に、「どうやって街や田舎に出て行ったらいいか」ということと「どうやってここに戻って来たらいいか」というきわめて重大なことについて確認しておきましょう。車を借りると、大概は「出て行き方、戻り方」を示した案内図をくれます。くれなかったら出し忘れているのですから「Can I have a map for coming back here」とかなんとか言ってもらってください。
右図はヒースロー空港のNationalレンタカーで車を借りた時にもらった案内図です。Nationalは空港のトンネルを出て左側に折れてしばらく行ったところにあります(緑色のマーク)。

「出て行き方」は右図上に赤い矢印で示されていて、レンタカーサイトのゲートを出たらすぐに右、その先で左、さらに右と進み、最初のラウンドアバウト(黒い丸印)を越えたら高速道路M4に向かう縦のブルーの通りに合流せよ、とあります。いちばん上のブルーの横線が高速道路M4で、右に行けばLondon、左に行けばCotswoldsです。

「戻り方」は黒い矢印で示されていて、、高速道路M4を出たら縦のブルーの通りを空港方面に向かい、最初のラウンドアバウトを左に出て(ここが重要!)、ぐるっと迂回してからトンネルに行く道路をまたぐように書かれています。このブルーの通りから黒い色に出るのがポイントで、これ逃すと一旦トンネルにはいって空港内を一周して戻ってこなければなりません。

トンネル入り口周辺を空から見たのが右図です。この画像は、Google Earthからキャプチャしましたので、みなさんのPCでも同じものを見ることができます。

画像を見るとわかるとおり、中央のラウンドアバウトは形が中途半端でぐるぐるまわれるのは上半分だけで、下半分はまわることができないようになっており、上から戻ってきた時にまわるつもりでいるとそのままトンネルの中に連れて行かれてしまうのです。

空港に戻ってきた時は、このラウンドアバウトもどきにはいって1/3周して国道をくぐったら、すぐに左に出なければなりません。そして、たぶんそこには「レンタカーのお帰りはこちら」なんていう親切な案内板はないのです。右の2つの図やPCのGoogle Earthで道路の様子をしっかり頭に叩き込んでおいてください。

STEP-7:さあ、出発
さて、準備ができたら出発です。レンタカーサイトの出口には検問所のような窓口があって、そこで契約書の写しを手渡したら、ゲートが開いて外に出られます。
一旦外に出たら、ぐずぐずさせてはもらえません。どんどん走らないと後ろがつかえます。だからこそ、これまでくどいくらい空港周辺の道路の様子や「出て行き方」の説明をしてきたのです。英国では、信号がほとんどないので止まって考える、という日本的なペースがつかめません。しかも、車の流れはかなり速いのであっという間に高速道路M4にはいっていることでしょう。

ところで、M4を西にまっすぐに行くルートでコッツウォルズを目指すのならそのま走っていていいですが、Oxford経由で行く場合はM4にはいったらすぐに左車線にはいらないとM25へのジャンクションに入り損ねますので注意してください。

Londonに行くにはM4を東進します。渋滞がなければ30分かかりませんが、30分以内にロンドン中心部に着けたらそれは余程に運がいいといっていいでしょう。ロンドン市街の道路は別格で、東京都心部並みに混んでいて難しいのです。路面は車で一杯なので今自分がいる車線が「直進」なのか「右折帯」なのかわかりません。しかも、車線の幅は東京よりも狭いのです。油断していると行きたくない方向に連れていかれます。連れて行かれた先が一方通行だったりして、慣れていないと何がなんだかわからなくなります。

STEP-8:交通ルール(工事中)
冒頭の「STEP-1:情報収集」のところでご紹介した英国政府観光庁サイトで入手可能な冊子「Driving in Britain」(右の画像)がおすすめです。主な道路標識も含めてよくまとめられています。

<英国の道路・・・"M"と"A"と"B">

英国の道路には、M4、A40、A429、B4255という風に名前がついています。"M"は"Motorway"の略でいわゆる高速道路ですが、日本と違って基本的に無料です(一部に有料なところがあります)。最高速度は70mile/h(=112km/h)ですがどの車も70〜90mile/hで流れています。ところどころにサービスエリアがあってガソリンを補給したり食事ができるようになっています。サービスエリアと次のサービスエリアとの間隔は日本よりもちょっと長いな、と思います。出口には、街の名前のほかに番号がついているので、何番で出るか決めておけば出口が近いかどうか迷わずに済む、という点は米国と同じです。

日本と決定的に違うな、と思うのは、どの車もいつまでも追い越し車線にいないということです。追い越したらさっさと走行車線に戻るのです。それも、追い越しざまにいきなりこちらの鼻先にはいってくるのでちょっとびっくりします。なんだか、競輪のレースをやっているみたいです。特徴的なのは、日本でありがちな行儀の悪いドライバーが全くといっていいくらいいないことでしょうか。不愉快な煽りや無理な割り込みはまずないといっていいでしょう。

それ以外は、日本の高速道路とほとんど変わるところはありません。"A"のつく国道クラスでは、信号やラウンドアバウトがあり、横断歩道や(たまに)交差点もありますが、2車線あってほとんど高速道路並のものから、1車線の田舎道的なものまでさまざまです。日本と違って、英国の道路地図では何車線あるかがきめ細かく明示されています。

"B"のつく道路になるとさすがに田舎道になってきます。冒頭の動画は、コッツウォルズのCirencesterからBiburyに向かうB4425です。牧草地と林のなかをぬけるB4425は、ゆるいカーブが連続する走って気持ちの良い道です・・・イングランドはどこを走ってもこんな感じなんですけどね。時折、遅い車に追いついたり、こちらが抜かれたりする程度ですが、周囲は農地か牧草地ですから地元のトラクターが走っていたり、羊が道をふさいでいたりすることもあります。

制限速度の表示は見たことがありませんので、日本でいう法定速度が適用されるのでしょうか。"B"の法定速度は40mile/h(=64km/h)だと本に書いてありましたが、実際にはどの車も50mile/h(=80km/h)以上で疾走してゆきます。実際のところはどうなんでしょう。もっとも、こういう道では「日本でいう追い越しのためのはみ出し走行禁止」・・・つまり黄色い中央線・・・はありませんので、追い越しは自由ですから、こちらがゆっくり走っているからといって、後ろの車があおってくるということはありません。追い越す時は、パッシングをして一気にこちらを追い抜いてゆきます。動画では、撮影用に時速60km/hくらいでゆっくり走っていたら、Audiがすいっと抜いて行きました。

ひとしきり走って、村にさしかかると「これより30mile/h(=48km/h)、ゆっくり走れ」の標識が現れます。これに出会うと、どの車もさっと徐行しはじめます。たいていの道路は村を貫通するように走っており、村の中では道路が狭かったり、農家の庭先を通ったりするため、やさしい走行を心がけなければなりません。村のはずれには、「Thank you for your careful driving」の表示があって、白地に黒い斜線の「速度制限はここまで」の標識があり、そこから再びカントリーロードがはじまります。次の村までは、おそらく数マイルはあることでしょう。

<M6 Tollにご注意>

英国の高速道路は無料が基本で、有料道路は数えるほどしかありませんが、最近、事情が変わったようです。英国を南北につなぐM6にバイパスが新設され、そこだけが有料化されました。この道路のことを"M6 Toll"といいます。M6を北上する時はまだいいのですが、注意しなければならないのは湖水地方の帰りなど北から南に向かう場合です。

右の画像で、上下に通っているのが昔からあるM6で、右に行くのが新しくできたM6 Tollです。北から南に行く場合、ジャンクションの構造上、追い越し車線側の2車線を走っているとそのままM6 Tollに連れていかれてしまうのがわかるでしょうか。M6を行きたければいちばん左端の1車線にはいらなければなりません。私はこのことに気づかずにうっかりM6 Tollにはいってしまいました。

<田舎道>

英国の田舎では、ほとんどの村が"A"や"B"といった幹線道路からはずれたところにあります。そのちいさい村々を訪ねようとすると"A"や"B"から脇道にはいらなければなりません。その脇道の案内には一定のルールがあります。"B"道路などを走っていると時々「┤」とか「├」といった記号の案内板に出会います。この先に「脇道の入り口」があるという意味です。速度を落として少し走ってゆくと「⇒」に村の名前を書いた案内板とともに細い脇道の入り口があります。ここをはいってゆけば表示の村にたどりつくよ、という意味です。コッツウォルズでは、この田舎道を自由に使えるかどうかがポイントになります。

ちなみに、この田舎道にはセンターラインはありません。2台の車が無理なくすれ違えるくらいの広さのこともあれば、バックして退避帯にはいらないとすれ違うことができない細道もあります。英国には車1台がやっと通れるような狭い田舎道がたくさんあるのです。それは、道路の脇の多くが牧草地であるために、羊が外に迷い出ないために石を積んで壁を作ってるからです。この壁と壁のすきまに道路があるためものすごく狭い上に外にはみ出ることができません。湖水地方には特にこのような道が多く、Hard Knot Passに至る極狭の道などでは1マイル進む間に4回も5回も退避することも珍しくありません。

このような道を走っていてしみじみ思うのは、ドライバー達のマナーの良さです。狭い道で対向車に気づくと、どの車も速やかに退避帯をさがして待機し、あるいはさっさとバックして道を空け、対向車にパッシングして「通ってもいいよ」と合図します。譲られた方のドライバーは、すれ違う際に窓を開けてにっこり笑って「Thank you」と声をかけたり手を振ります。この習慣は工事中の狭い道でも、市街地で路駐した車のために通りにくいところでも、至るところで目にすることができます。

<ラウンドアバウト>

さてラウンドアバウト(右図)です。英国の道路には交差点というものがあまりなく、どちらかというとラウンドアバウトという時計回りのロータリーが主流です。ラウンドアバウトは、電気のない馬車しかなかった時代に考案された交通システムです。馬車は、停止・発進が苦手でしかも急な右左折ができないので走りっぱなしでいけるロータリー方式は合理的です。それに、日本と違って郊外では家など滅多にないため、今でも交差点に信号機をつけるために電気を引くことができませんから。

このラウンドアバウトというやつが非常に良く出来ていて、「右側から来る車に道を譲れ」というたったひとつの約束で成り立っています。つまり、ロータリーに入ろうとする車よりもぐるぐる回っている車が優先しますので、ロータリーの入り口では徐行するか一時停止しなければいけません・・・"Give Way"という標識がある。一方、すでにぐるぐる回っている車は優先車両になりますからいつでも好きな時に外に出ることができます。

ラウンドアバウトいろいろ

左から、代表的な高速道路周辺の大ラウンドアバウト(M5の9番出入り口)、A419〜CirencesterからA429およびB4425にはいる二重のラウンドアバウト、
A46とB4077が交差するところのラウンドアバウト、ヒースロー空港レンタカーサイト付近にあるちいさなヘソのようなラウンドアバウト。
「左折」は、左ウィンカーを出しながら左寄りに進入し、すぐに出て行きます。
「直進」は、右ウィンカーを出しながら内周寄りに進入し、半周して左ウィンカーを出して出て行きます。
「右折」は、右ウィンカーを出しながら内周寄りに進入し、3/4周して左ウィンカーを出して出て行きます。
この方式は、ロンドン市内の3車線もあるような幹線道路にもあります。中は三重の輪っかになっていて、ぐるぐる回りながらどんどん車線変更するんです。これは相当に緊張します。交通量の多い場所にあるラウンドアバウトでは、"Give Way"のかわりに信号機がついていることがあります。その信号ですが、点灯の順序が日本と違います。赤から青になる時にも一旦黄色になるのです。また、日本では、黄色になってもぎりぎりまで通過しようとする車が多いですが、英国では、黄色になったらすぐに止まります。日本の感覚で黄色で通過しようとすると、ひとり交差点に取り残された感じになってしまうのです。
ラウンドアバウトは、一つの重要な目印でもあるらしく、英国で道をたずねると「2つ目のラウンドアバウトの次の角を曲がれ」という風な言い方をします。ラウンドアバウトにも、中央に立派な植え込みや石碑があるものから、地面に丸を描いただけのごく簡単なものまでありますが、どんなに小さくても一人前のラウンドアバウトらしく、ロードマップにはかならず○印で記載されています。

<駐車違反>

英国の違法駐車の取り締まりは日本以上に徹底しており、日本の感覚で「短時間だから」とうっかり違法駐車して違反切符を切られる旅行者が跡を絶たないようです。市街地や村の目抜き通り(ハイストリートという)、観光地の賑わった一帯は道路の脇に「黄色の二本線」が引かれていますが、これは駐停車禁止の印です。英国が日本と異なるのは、ところかまわず駐車禁止や駐停車禁止にするのではなく、店舗の前や適切なところに駐車可の場所がこまめに指定されていることと、探せば必ずどこかにパーキングがあるということです。日本と同じ方式のパーキングチケットもよく見かけます。英国の駐車違反の罰金は40ポンドあるいはそれ以上なので日本より厳しい金額になっています。そして、違反者はめったに見ません。旅の恥はかきすて、などと言わずしっかり交通ルールは守りましょう。

<歩行者優先>

英国ほど歩行者優先が徹底した国も珍しいのではないでしょうか。信号機が赤か青かということよりも、そこに歩行者がいるかどうかが優先されます。つまり、車にとって青信号であっても、そこに歩行者がいたら青が青でなくなるということは日本の道路交通法規においても実は同じなのですが、英国ではそれがちゃんと徹底されているということです。

従って、信号機のない道路で、歩行者が横断しようとしていた場合、日本だったら「行っちゃえ」となるところ、英国では車はすみやかに停止して歩行者の横断の安全を確保します。同じことを日本でやると、後続車にホーンを鳴らされたり、いらつくように脇を追い越して行く車がいますね。英国でも、たぶん、急いでいる車もあるんだと思いますが、そのようなことはまずなく、後続車はいらつく様子も見せずに大人しく待っています。

テニスのウィンブルドンで有名になりましたが、英国の天気は変わりやすく、さっと雨がやってきます。そんな雨の中をしばらく走るうちに、前方に妙な格好の赤い物体が現れたので、追いついてみたらこんなクラシックな車でした。革製のゴーグルをつけたドライバー氏は、実に気持ちよさそうにマイペースでゆるやかな坂道を登ってゆきました。もちろん、雨に打たれながら。

英国の道路は、高速道路も田舎道も路面がちょっと粗いところがあって、しかも50mile/h以上のペースでのロングドライブになりますから、ドライバー自身の疲労の度合いや同乗者の乗り心地を考えると、ある程度大きさのある車を借りることをおすすめします。但し、英国の道路も車線もかなり狭いので、余程車幅間隔に自身のある方でない限り、レンジローバーのような幅広の車はやめておいた方がいいでしょう。


STEP-9:給油
英国ではガソリンのことをPetrolと言います。給油のしかたは各国さまざまですが、日本との最大の違いはすべてセルフだということでしょう。セルフといっても支払方法は日本で普及しているセルフスタンドとはちょっと異なります。給油の手順は以下のとおりです。
スタンドにはいっても誰も出てきません。
車を空いているポンプ(給油する機械のことです)の前に停めます。
自分で給油します(右の画像。通常のガソリンはUnleadedといってノズルは緑色)。
油量と金額が表示されるので、それを見ながら給油したらいいでしょう。
給油が完了したらポンプの番号を確認します。
お金を用意します。金額はポンプに表示されているとおりです。
売店のレジに行って、ポンプ番号を告げるとさっき見た金額を言われますから、そこで支払います。英語が苦手な人は「ポンプ・ナンバー・セブン・プリーズ」という風に言えば充分通じます。」
レジは売店を兼ねているので、飲み物やちょっとしたものならここで買えます。
以上、おわり。
実は、この方法は日本のシェル系のセルフスタンドと全く同じなんですね。ですから、はじめて英国でドライブしようという人は、とりあえず日本でシェルのセルフスタンドで練習したらいいでしょう。なお、海外のスタンドのポンプにはカードでの支払い機能がついていますが、ホテルで使えたクレジットカードがスタンドでは使えなかったり操作方法がわかりにくいことが多いので、現金を用意されることをおすすめします。
英国にはあるのかどうか知りませんが、米国では先に現金を支払う方法が普及しています。車をポンプの前に停めたら、とりあえずレジまで行ってポンプ番号を告げ、先に現金を支払います。店員がレジを操作してポンプを開けてくれるので、車のところまで戻って自分で給油します。給油量が支払った金額に満たない場合は、レジで払い戻してもらいます(Refund pleaseと言う)。

STEP-10:街を走る(工事予定)
さて、ロンドン市内です。はじめて英国でドライブする場合は、まず、田舎を走ってラウンドアバウト等の英国的な運転ルールに慣れてから、ロンドン市内にはいることをおすすめします。また、東京のような、混雑していてしかも複雑な交差点の多い街での運転が苦手な人は、おやめになったほうが賢明であると思います。ロンドン市内の交通事情は、平日の東京の都心と同等かそれ以上に緊張しているからです。こんなところで事故なんか起こしてしまったら、せっかくの旅行が台無しです。
ロンドン市内の道路は車線が非常に狭く、しかも、住人の路上駐車が合法的に認められているため、大型乗用者では狭くて通れない場所がたくさんあります。実際、市内を走っている車のほとんどが1600ccかそれ以下のクラスの小型車です。走っている車同士の左右の間隔は、東京よりも10cmくらい狭いと思ってください。

道路は慢性的に渋滞していますから、道路上に書かれている右左折の案内の矢印など全く見えない、という点では東京と同じ、従って、交差点の構造を暗記していないと、どこに連れて行かれるかわからないという点も東京と同じです。

日本と決定的に違うのは、交差点に名前がないということです。そのため、一体どの角で曲がったらいいのかさっぱりわからなくなるのです。そうこうするうちに自分がいる場所がどこなのかわからなくなり、気がついたら右折帯にはいりこんでしまって、仕方なく右折したもののそこは一方通行路・・・そう、一方通行路も多いのだ・・・だった、なんていうことになるのです。さらに、元に戻ろうとしてラウンドアバウトをまわるうちに方角を完全に失ってしまうわけです。怖いでしょう?

英国では、歩行者絶対優先が徹底しており、人がいる横断歩道では車は必ず停止します。たった1台しか走っていなくても、横断歩道に人がいればその車は停止するのです。

日本では、横断歩道の手前の路上に菱形のマークが描かれていますが、英国では右の写真のようなぎざぎざのラインが横断歩道の合図です。このマークのあるところでは駐停車も追い越しも禁止です。なお、写真の道路は広いですし、車もいませんがこれは例外です。それにしても、ロンドンの街にROVER75の似合うことといったら・・・。

ロンドン市内の横断歩道には一応押しボタン信号がありますが、歩行者絶対優先のこの国では、歩行者は赤でもおかまいなしにどんどん渡ります。走っているバスから飛び降り下車した人が、そのまま交差点を横断してきます。ラウンドアバウトをはじめとするこのような交通システムやルールは、すでに馬車の時代に確立し、現代の自動車社会に受け継がれています。英国では、馬車の時代にすでに交通戦争を経験し、多くの交通事故の犠牲者を出しています。なまはんかな歴史ではないのです。

STEP-11:車を返す(工事予定)
そろそろ、借りた車を返す時がやってきました。さて、レンタカーは満タン返しが基本です。英国のガソリンスタンドはセルフサーヴィスになってるので、自分で給油しなければなりません。日本ではまだセルフのガソリンスタンドはあまり普及していませんから、車の燃料給油口がどうなっているのか見たこともない人も多いと思います。ですから、せめて、英国に発つ前にご自分の愛車の給油口がどうなっているのかぐらいは見ておいてください。ということは、車を借りた時に、借りた車の給油口の開け方くらいは確認しておかないと、後で慌てることになるかもしれません。給油は至って簡単で、ノズルを給油口に突っ込んでレバーを引くだけです。
燃料には3種類あります。ディーゼル用(黒いマーク)、Unleadedガソリン(緑のマーク)、Leaded(赤のマーク)です。普通車でしたらUnleadedを選びます。借りた車がどのガソリンで走るのかわからなかったら、車を借りる時に確認しておきましょう。給油し終わったら、店のレジのところに行って給油機の番号を言えば、精算してくれます。

高速道路"M4"に乗り、ヒースロー空港を目指します。ヒースロー空港への出口は4番です。4番を出たら南下して国道"A4"をくぐります。その先のトンネルにははいらずに、トンネル手前の大きなラウンドアバウトを左に折れて坂を登ります。あちこちに"Car Return"の案内板がありますので、それに従って走れば、まず、迷うことはないでしょう。

レンタカーサイトのゲートをくぐったら、おじさんが指差す方にどんどん行くと、やがて、乗り捨てられた車の行列の最後尾に着きます。車の旅はここでおしまいです。無線式のコンピュータ端末を持った係の人が、ごく簡単に車の傷の有無を調べ、ガソリンの残量を入力してゆきます。やがて、手元の小型プリンタで印字した清算書をびりりと切り取って渡してくれます。車の返却手続きはこれにて終了です。あっけないくらい簡単です。

荷物を下ろしてそこで待っていれば(ちょっとだけ歩かされることもある)、空港とレンタカーサイトを結んでいる送迎バスがあなたを拾いにきてくれます。バスに乗ったら、運転手に空港のターミナル番号と航空会社名を告げます。あとは、離着陸する旅客機でも眺めながらバスにゆられていればよろしい。目的に航空会社のカウンターに近いあたりまでバスが送ってくれることでしょう。

http://www.op316.com/rover/ukdrive.htm

2. 中川隆[-14927] koaQ7Jey 2021年12月02日 17:48:48 : sPZpxVrBLy : Zm03RHZCRWZRNGc=[33] 報告
ROVERのある生活スタイル
Life Style in ROVER Car
Finally you meet ROVER 75.
http://www.op316.com/rover/rstyle.htm

ROVER 75 SALOON 遥かなる彷徨い:
クラシックな西欧の古城風の洒落た外観の喫茶室があった。 如何にもコーヒーが美味いと思わせる趣がある。コーヒー通の私でも、何となく入って見たいという気を惹き付ける何かがある。入って見て、調度品がどうの照明がどうのと言う前に期待を裏切らない雰囲気がある。1日中ここに居たいと思わせる穏やかな風を感じさせる。そういう「感性で乗る」ような車が欲しい、とずっと思っていた。

そういう車で、会社を辞めたら、北海道から九州まで日本全国を高速道路など使わず、一般道路だけで「道の駅」を頼りに期間など定めず、のんびりと旅をしたい。「夢」などという大袈裟な手の届かない事ではない。自分の意思一つで実現可能な事だ。それには、性能はほどほどで良いが、大きさ・スタイル・内装・ぐらいは自分の感性にマッチした、そして自分の懐具合で、背伸びしただけでは届かないが、でもチョッとジャンプすればなんとか届く、その程度の車が旅の伴侶として欲しい。そう思う度に、頭の中をよぎるのは帆船のヘッドエンブレムだったのである。街中で、本当に時たま、出遭う度にドッキンとし、すれ違った後も 後姿をバックミラーから消えるまで目で追ったものだ。それほど帆船のヘッドマークは、感性に訴えるものがあった。

私にとっては、何時かは「ROVER」でなく、最後は「ROVER」という予感があったのだ。

だから、帆船のヘッドエンブレムをつけた車で、旅をしている自分を よく思い描いたものだ。しかし我が人生最後の7代目の愛車となるはずの「ROVER」は、購入のチャンスを見てモタモタしていた(何せディラーが少ない)私を尻目にHONDA・BMWと迷走の果て、日本から消えてしまった。あの時、ROVERと共に旅への思いも消滅したのである。

60歳還暦で定年退職するはずだった私は、請われて65歳まで引き続き勤める事になった。そしてこの5年間の勤務延長が幸運の極みとなった。「ROVER」の復活と新しいSeventy Fiveに出遭う事になったのだから。残すところ、あと2年半、正に運命を感じるほどのジャストタイミングである。旅も復活だ。この車なら長旅のあっちこっちで起こるであろう渋滞もイライラせずに、快適な旅が出来る様な気がする。渋滞で止まったり、信号で止まったり、その度に綺麗だ、カッコいい、羨ましい、恨めしいと、正視・斜視・乱視・黙視・下目・上目・振り返り目とあらゆる熱い視線の集中砲火を浴びたら Seventy Fiveも きっと日本に戻って来て良かったと思うに違いない。そして、チビ・クロ・レオと三匹の黒柴が、人生の三分の二のライフスタイルを変えたように、Seventy Fiveも、私のライフスタイルを変えてしまうだろう。

復活した「ROVER」は、英国のプライドともに二度と日本から消えてはならない。

外車というと右を向いても左を向いてもベンツやBMWだ・・・私は国産や独の車に「夢」も「感性」も、何も感じないのである・・・私に国産車を感性の面から批評させたら、どれもこれもクソミソで粗大ゴミと相成る。が他車の悪口は、「75」が 品がないからよしなさい、私のオーナーに相応しくないと、怒るので止めましょう。(中略)私が「75」を評するならば、「類いまれな魅力と雰囲気を持って人間に惚れたと言わせる唯一の車がROVER 75である」となる。 そして、Seventy Fivewに惚れた定義を明確に記述するならば、何よりも「感性」があり、「雰囲気」があり、「心」を感じ、そして「夢」を持っているからだ。どれも、日独車には、求むべくも無いカタログの数値以外の問題である。

かく言う私も、仕方なく6台の国産車に乗ってきた。サニーGX・コロナ・プレリュード・ビガー・インスパイア・ミレー二アMCである。ミレーニアは、マスク良し、スタイル良し、ミラーサイクルエンジン良しのなかなかの車である。若い頃に憧れた車は、いすず117クーペ。欲しくて欲しくて夢でうなされた車である。自分の給料では手の届かない代物だった。多分一番長い年月に亘って悩まされた車だろう。

私も今年12月は(1月の誕生日)免許(ゴールド)の更新である。この免許が切れるまでは、ROVER Seventy FiveコニサーSE Saloonと一心同体で生きたいと思う。

SHADOW H16.10.17記・・・投稿記事より

We want the real thing.
1990年後半から、日本人の嗜好が変化しはじめている。これまで、私を含む多くの日本人にとって、MercedesやBMWは、高額を積まなけれ ば買えないあこがれの車だった。デザイン的魅力に乏しい、筋骨だけが逞しいドイツ車だけが日本の輸入車マーケットを席巻してきたが、 そのマーケットはすでに飽和している。国産車にも他の輸入車にも気に入ったモデルが見出せなかった私は、1997年、幸運にもR620に出会うことができた。R620やR75に乗って東京の街を走ると、多くの視線を感じる。私のR75に乗った人は、だれもが感動する。最近、TOYOTAもNISSANも明らかにROVER SALOONを模したモデルを市場に投入しはじめている。しかし、彼等が作ったモデルが表面的な真似事であることは、誰もが気づいている。私達は本物が欲しいのだ。
"The preferences of Japanese people started to change in the late 90's. Until then, owning cars such as Mercedes and BMW were dreams which are too pricey for most Japanese people, including me. German vehicles that are sturdily-built but lacking appeal as to their design have been conquering the import market.. I had not been able to find a car for me among Japanese cars nor imports but in 1997 I was fortunate enough to meet the R620. When I drive around the streets of Tokyo in the R620 or R75, I notice people looking at my car. Everyone who has been in my R75 is impressed. Recently, both Toyota and Nissan are starting to throw models similar looking to the Rover saloon onto the market. However, everyone knows that those models are superficial copies of the real thing. We want the real thing."

(2000.10.20/26)

Keeping acoustic beauty.
ROVERに現れている英国らしさのひとつに、アットホームでちょっと上質な居心地の良さがある。それは75だけではなく、114、200、400、600、800に乗っても明確に感じることができる。いや、むしろ故ダイアナ妃のプライベートカーでもあった114などの方がよりROVERらしさを感じられるかもしれない。
最も安価な114でさえ、日本のエコノミーカーでは考えられないほどの質感が盛り込まれている。一方で、オート機能や便利な電装オプションはない(114にはパワステすらない)。400や600にしても、シートには投資してもエアコンはオートではない。国産車高級車だったら内装は「木目調」だが、ROVERでは高級車でなくとも「本物の木目」があちこちに使われる。オプションを指定せずとも多くの場合、革シートになる(もっとも、ファブリックシートでもROVERの味はちゃんと出ているが)。そして、もうひとつはっきりと言えることは、ROVERには、カーデザインにおいて人間の目で見てバランスの取れた心地よい美しさがあり、車を降りた時に、必ず、思わず振り返ってしまうということだ。

世の中がどんなにデジタル化され、斬新なデザインで満たされようとも、相変わらず職人の手によって作りこまれた家具や食器や服飾のデザインの美しさは変ることはないであろう。そういうアコースティックな造形や色彩が、ことのほか自然を愛する英国人に連綿と受け継がれているのではないかと思う。少々保守的で、人間味のある造形がROVERにある。
What do you want to do?
好き嫌いで車を選んだ時、どんな車を受け容れることができるのだろうか。周囲を見れば、静粛性という意味で申し分のない性能の車はいくらでもある。路面の荒れた様子は車内には伝わって来ないだろうし、剛性に不満はないであろう。信頼性にも不満はないと思う。なのに何故、わざわざROVERを選ぶのか。
それは様式の問題なのだ。日本で洋家具を選ぼうとした時、そこには2種類の選択肢がある。日本家屋の感覚で作った洋風の日本家具と、欧州各国のそれぞれの時代の様式にのっとった西洋家具である。フローリングされた洋間であっても、多くの日本家屋のそれは、日本式の洋間である。そこにしつらえられたベッドやチェストは、日本式の家具であって西欧家具ではない。何故ならば、そのデザインや様式は、西欧のどの国の、どの時代の様式にも該当しないからだ。

国産車のデザインや内装もまた然りである。国産車の謎のひとつに、レースのシートカバーがある。椅子にレースのカバーをかけるという様式は一体どこから出てきたものなのだろうか。レースというものは、手作りの工芸品であり、高貴なご婦人の身の回りを飾るものである。それが、編んでもいないレースもどきをおっさんの座るシートの背当てなんかにして、一体どうするんだ。もちろん、ROVERはそんなオプションなど提供していない。なのに、国産車のシートは時々レースもどきをまとっている。中には、ご丁寧にレース風のカーテンまでつけている。謎は謎を呼ぶ。

ROVERの内装のカラーバランスは微妙である。その多くはベージュの革シートが装備されているが、その濃淡は車種によってダイナミックな違いをみせている。ベージュのシートに木目調の板を取りつければ高級車になるというわけではない。国産車の多くが、安易な真似をして墓穴を掘った例にはこと欠かないではないか(プログレは、ローバー800の内装を真似てデザインされたという有名な?話がある)。

国産高級車が持つ様式は、障子や襖が連想させられる。プログレには、残念ながらデザインというものを感じない。セルシオからでかい顔を取ったら、何が残るであろうか。何故、シーマはあれほどにメルセデス・コンプレックスを露にしなければならないのか。何故、小型車の多くがMINIを真似し、レトロに迎合しなければならないのか。ヴィッツにまで、ローバーもどきのグリルをつけて・・・Claviaのことだ、一体何をしたいのだろうか。
A little thing.
我が家には、ドライビングのためのお出かけセットというのがある。ROVERの車内で快適に過ごすための飲み物等セットである。いつも思うのであるが、缶入りの飲料を買って、缶からじかに飲むというスタイルには以前から抵抗があった。ちゃんとした食器で飲む、というささやかな贅沢をしたいのだ。レストランでボトル入りの飲料を注文したら、ちゃんとグラスがついてくるではないか。それに、ウォールナット・パネルのついたカップホルダーにアルミ缶では、いかにも安っぽくミスマッチである。
多くのドライバーが、あたりまえのように缶飲料を外から丸見えのダッシュボード上に立てているが、私はあれがたまらなく嫌いである。仕事で取引先まわりに忙殺されている車のことを言っているのではない。ちゃんとしたオーナーカーで、そういうお行儀のよろしくないことをやって欲しくないと思う。口に入れる物を外から丸見えの場所に置くというのは、少々品位を欠いた行為のように思えるのは私だけか。


そこでまず、グラスが必要になる。もちろん、75のカップホルダーにぴったりのサイズである。ちょっとクラシックなデザインのこのグラスは、Afternoon Tea(店の名前)の定番である。これを、ひとつひとつ布巾でくるんだのを用意する。ある程度の大きさのあるお盆もあった方が便利であることがわかった。膝に載せてテーブルがわりにして、コーヒーやちょっとした軽食をサーヴィスするのに重宝する。あたたかいコーヒーや冷茶を入れておくのに、車のボディカラーのBritish Racing Greenとお揃いのサーモスも用意した。たったこれだけのことで、ROVERの車内はくつろいだ空間に変化する。

British racing green, at first.
ROVERは、車内外ともに、絶妙なカラー・バランスが計算されている。色に対する感受性が問われる車であるということだ。車のボディ・カラーを選ぶ時、オーナーの色の好みだけでなく、普段、その車がどういう場所に置かれているのかについて考えてみることも、重要な意味があると思う。
我が家のカーポートは、煉瓦タイルにおおわれた2軒の隣家に挟まれている。我が家も煉瓦タイル張りである。そして、エントランスの基調となっているもうひとつのカラーは深いグリーンである。門扉も木部も深いグリーンで塗装され、植木の葉の色もあまり明るくないグリーンのものが選ばれている。すなわち、煉瓦色を基調にして、深いグリーンがアクセントになった一角にROVERを駐車するわけである。

煉瓦色の強いコーナーに赤系のボディ・カラーを溶け込ませるのは難しすぎる。人を驚かすでもなく、必要以上の存在感をアピールするでもない。あたりまえなくらいにごく自然に解け込んで周囲の風景と同化するのに、British Racing Greenほどふさわしいボディ・カラーはほかにないであろう。いや、白状すると、家を作る時、すでにBritish Racing GreenのROVERを手に入れることが計画されていたのである。

そのきっかけとなったのが、ROVER 400のカタログの写真である(↑)。煉瓦色や樹木を背景とした深いグリーンの車がどれほど美しく景観に溶け込むのか、これほど明確にイメージさせてくれるカタログ写真はほかにない。この写真を見た時、これから建つはずの我が家のエントランスに似合う車は、ROVERしかないと確信したのである。

(最初に手に入れたNew British Racing GreenのROVER 620SLi)

Clothing.
我が家は、駅から徒歩13分。夜になると、若い女性にとっては、あまりうれしい道ではなくなる。そのため、夜9時を過ぎるような日は、基本的に、駅まで車で迎えに行くしきたりになっている。ROVER 620から75に乗り換えたある晩、いつもどおり、娘を迎えに近くの駅に行った。車に乗りこむなり、娘にひとこと言われてしまった。「75にTシャツは似合わないから、今度から襟付きにしてちょうだい。」と。「ROVER 75+中年のおじさん+Tシャツ」という組み合わせは、駄目だというのだ。
イマジネーションを働かせて、Tシャツを着た自分が75の運転席に座って駅の車寄せに停まっている様子を想像してみると、やはり、これは格好が良くないのだ。ぼさぼさ頭も駄目である。良く考えて見れば、これは至極当然のことと言わねばなるまい。車の外観や内装のデザインにこだわるということは、その車に乗る人の身なりにもこだわらなければならない、ということを意味する。

「いや、そんなこと、気にしなくてもいいじゃないか。」というご意見もあろうかと思うが、我が家では通用しない。女がつける注文はうるさいのだ。それに、こっちがちゃんとしているというのに、すっぴん顔に乱れた髪で隣に乗られるのもお断りである。お互い様っていうことか。

Changing your driving style with ROVER.
ROVERのカタログを見ていると、内装と安全性についての説明に出会う。人間にとって心地よい内装は安全に貢献するというのだ。ROVERに乗る前は、その意味を理解することができなかった。なんだか適当なこじつけをしているなあ、くらいにした思わなかったのだ。ところが、620に乗っていうちに、その言葉の意味がだんだんわかってきた。そして、75に乗り換えて、一層明確に実感するようになった。
信号機のない横断歩道の前で人が立っていると、自然にブレーキングして停止できている。不思議である。加速は概してゆるやかかつスピーディであり、スピードもやや控え目である。住宅地にはいると、エンジン音に耳を澄ませながら、路面をていねいになめてゆく感触を楽しみつつ、住人の安眠の邪魔にならない速度で走る。遊んでいる子供や散歩している老婦人に気を配る。

ROVERに乗ると、運転が丁寧になり、周囲に対してやさしくなる。何故か。人間の行動は、自分が置かれた環境、自分が受けている扱いに強く影響を受ける。乱暴な言葉を浴びれば、自分も乱暴な言葉を吐いてしまう。丁寧な扱いを受ければ、自分の周囲に対する態度も丁寧になれる。ROVERは、ドライバーを実に大切に扱い、もてなしてくれる。それだから、ROVERを運転するドライバーは、周囲の歩行者や他の車に対して丁寧に振舞うことができてしまうのだ。

そういえば、車種ごとに、ドライバーの挙動や運転マナーの傾向は似ているではないか。きっと、何かあるに違いない。
Britishness in books.

ROVERが生まれた国、英国の文化を理解するという行為はなかなか楽しみに満ちている。すなわち、読書である。林望氏の名著「イギリスはおいしい」はその代表的な一冊といってよい。巷にあふれている日本人による英国観がいかにあさっての方向にずれているかがわかろうというものである。この続編といった内容で「イギリスは愉快だ」もなかなか楽しめる。この2冊を読んで、気分が悪くなったり不愉快になってきたら、あなたは英国車を所有し、乗るということは諦めた方が幸福であると言っておこう。


さて、ここまで学習して英国文化の受け入れ体制ができたならば、「リンボウ先生の役立たずの試乗記」に進んでみよう。ローバー・サルーンこそ紹介されていないが、ROVER MINI、ROVER MGF、Jaguar XJ6、LANDROVER Discovery、ケイターハム Super7などについて、リンボウ先生らしい偏った薀蓄が楽しめる。そして、仕上げはなんといっても井形慶子著「古くて豊かなイギリスの家/便利で貧しい日本の家」である。これを読まずして、本HomePageを支えている価値観は理解できないであろう。心して読んでいただきたい。 (2000.4.20)

http://www.op316.com/rover/rstyle.htm

3. 中川隆[-14926] koaQ7Jey 2021年12月02日 17:51:57 : sPZpxVrBLy : Zm03RHZCRWZRNGc=[34] 報告
ROVER 600
世界一美しいセダン 2004.10.30
ROVER 620SLi
http://www.op316.com/rover/hrov600.htm

このカタログの写真を穴の開くほど見つめた方も多いことでしょう。

特別に多額のお金を積まなくても入手できるセダンの中で、おそらく、世界で最も美しいフォルムだといわれているのがこの"ROVER 600"シリーズです。そして、一旦シートに座れば、今度は上品で上質で落ち着いた雰囲気が待っています。やがて、そのフロントシートの快適さ、心地よさに気付くことでしょう。ドライビングを終えて、車から離れるとき、誰もがいま一度この"ROVER 600"を振返ってしまうのではないでしょうか。
車の評価といえば、エンジン性能であり、加速・ブレーキング性能であり、足回りの出来の良さであり、ボディー剛性であり、故障の少なさであり、あるいは静粛さであり、振動の少なさであります。残念ながら、英国人がHONDAのアスコット・イノーバをベースにして作ったこの車は、車の評価におけるあらゆる点において傑出したところがありません。凡庸といってもいいでしょう。

しかし、ごく少数ではありますが、こんな"ROVER 600"を愛する人達がいます。家族との交流を大切にし、上質なインテリアや品格ある生活態度に関心を持つような人達。流行や周囲の目に追従しないで、自信を持って自分の好みを誇れるような人達。人の気持ちを心地よくするようなデザインや自然な美しさを大切にする人達です。

悩んでいるあなたへ

ROVER 600シリーズカタログ(1997年)より
ROVER 600を買うには勇気がいります。何故って、あなたひとりだけ他人と違う選択をしなければならないからです。ひとから「どうして、そんな車を買ったの?」と聞かれた時に、自信を持ってあなたの考えを述べなければならないからです。これが、同じサイズ、同じ排気、同じパワーのMercedes Benz C200あたりだったら、黙っていても「わあ、ベンツだ、ベンツだ、コベンツだ。」と周りが勝手に騒いでくれます。「やっぱり、ベンツが欲しかったんだ。」と言えば済むことです。ものごとを、人の意見で選ぶことくらい、楽なものはありません。

しかるに、ROVER 600では、その手は使えません。あげくのはてに「それ、エンジンはホンダなんだろ。それもアスコット。」なんて言われたらどうしよう、と思って悩んでいるんでしょう、あなた。だったら、悩んでいないでさっさとC200をお買いになったらよろしい。100万円足せば済むことです。さもなくば、Accordにすればいいのです。下手な言訳をするくらいなら、知れた車を買った方がはるかに心安らかになれます。自分自身のアイデンティティを持てない人に、ROVER 600を手に入れることはできません。人と違うことができない人に、自分だけのおしゃれを選択することはできないのです。

でも、もしあなたが、そういう殻を破ってみたいと心から思っているのでしたら、勇気を出してROVER 600を手に入れることをおすすめします。きっと、想像していた以上に自由な気持ちの自分になれるでしょう。

ROVER 600購入ガイド
ROVERの200〜800のラインナップの中で、200と800はそれぞれ重大な問題を抱えていました。200ではCVTの不良の頻発、800ではKV6エンジンがいつか(必ず)吹いて逝ってしまう、という問題です。それに比べて、400と600はそういった問題もなく、ROVERの製品ラインの中では非常に安定した車です。今からROVERサルーンを中古で買おうというのであれば、75は別に考えるとして、400と600しかないと思ってください。
400には2世代あって、初代400はHONDAコンチェルトをベースにしたもので、リアビューがコンチェルトそのままに角張っています。2代目400はHONDAドマーニをベースにしたため、リアビューは高くせり上がっていて丸っこくなっています。400を手に入れるのであれば、1997年以降の2代目416SLiで走行距離の少ないものがおすすめです。ROVERらしい革シートに上品な内装、サンルーフがついてお買い得といっていいでしょう。

600はHONDAアスコット・イノーバをベースにしたもので、618Si(1800cc)、620SLi(2000cc)、623SLi(2250cc)の3グレードがあります。ファブリックシートの618Siは途中でなくなり、最終モデルは620SLiと623SLiです。600シリーズについて誰もが指摘する問題点は620SLiのトルク不足感です。峠道を元気良く走りたいのであれば、623SLiがいいでしょう。600を手に入れるのであれば、いろいろな意味で1997年以降の620SLiまたは623SLiで走行距離の少ないものがおすすめです。

しかし、そうはいっても800の魅力に抗いがたい気持ちを持つ方もいらっしゃるという事実があります。方法はないわけではありません。そのような方は、是非、ROVER 800 Series のページを訪れてみてください。きっと、解決への道が開けると思います。

(右上:ROVER Saloonの中でもとびきりすわり心地の良い600のシート)

我が家のスペシャル・オプション
ROVER 600の革装シートの上品な美しさをいつまでも大切にしたいと思う人は多いと思います。そうはいっても、頭髪の整髪料による汚れからシートを守る手だてはなかなかありません。そこで作ったのが右の画像のヘッドカバーです。
型紙をおこし、地の色も、パイピングの色も揃うように生地を探してきました。ヘッドレストをくるっとくるむようになっていて、一方にはゴム、もう一方には紐をつけて、脱着がしやすいようになっています。我が家の自慢の一品です。
ROVER 600 選定ガイド

落ち着いた内装・インパネが600の魅力。これは623SLiのものでウッドが多用されている。
燃費・・・「そんなもんだ」
燃費はいまいちです。市街地で6km/l〜7km/l、郊外で8km/l〜9km/l、高速で11km/l〜13km/lbくらいです。ガソリンタンクは、公称どおりの65リットルで、50リットルでほぼEmpty表示となり、ここを過ぎると警告灯が点灯します。
エンジン・フィール・・・「好き嫌いで決める」
ごく普通の直4 SOHC 2000ccエンジンですから、特別なものを期待してはいけません。よく回るエンジンである反面、低速時のトルク感はやや貧弱です。高速道路への合流では、ちょっと物足りなさを感じます。でも、100km/hあたりからD3ポジションでの加速はなかなかのもので、ヒューンと回ってくれます。エンジン音がほどよく聞こえてきますので(つまり、静かじゃないってこと)、音で回転数や負荷の様子がわかります。

エンジン音と振動・・・「ちょっとね」
始動直後のアイドリングの振動はかなり大きくうるさいです。いきなり発進して坂道などの負荷をかけると、しばらくの間、エンジンは振動が大きいままになります。1分程度の暖気をすると効果があります。また、一定時間の高速走行をした後だと、エンジンは非常に軽くスムーズになってきます。エンジンオイルを新しいものに交換することで、振動は体感でわかる程度に減少します。

ミッションとトルク・・・「なるほど」
日本で販売されている600シリーズはすべて4速ATで、ポジションは、1、2、D3、D4があります。1速と2速のギア比のせいなのか、はたまたHONDA車はみんなそうなのか(素人にはわかりませんが)、ここのシフト時のショックが目立ちますので、アクセルワークでカバーする必要があります。ATフルードを新しいものに交換することで、このシフトショックは減少します。箱根スカイラインなどでは、2とD3をうまく使い分けることで意外にきびきびした走りをすることができます。D4のままでほったらかしにするよりも、AT車なりに積極的にシフトをしたい人向きです。ただし、この車で峠を攻めるなんてことをしてはいけません。2000回転台のトルクが相対的に貧弱であるため、4人乗車時の長い急坂(ターンパイクの長い登りをそこそこのスピードで登ろうとすると、D3では力不足、D2ではうるさすぎで中途半端)では、もどかしさを感じるかも。

ボディ剛性・・・「しょうがないね」
HONDA車にルーツを持つこの車に、ボディ剛性の高さを求めてはいけません。フロントのタワーバーの装着は、ハンドリングの際のねじれ感の解決に非常に効果がありますので、検討すべきだと思います。

足回り・・・「ばたばた」
HONDAモデルらしく、足回りはかなりバタつきがあります。段差の多い荒れた路面では、足がついてゆけない状態が露呈します。ゆっくり走っても、早く走りぬけても、どちらもNGなところが少々つらいです。

取り回し・・・「これも好き嫌いかな」
典型的なFF車で、ややノーズヘビーなところがあります。それが、この車のちょっとおっとりした挙動に味を与えています。一人で乗って走り回るよりも、ドレスアップした誰かを乗せて、オペラかレストランにでも行く気分にフィットした走りをします。ハンドルの回転速度と車の挙動のバランスは非常に良く、国産車にありがちな不自然な遠心力による不快感はありません。ボディが角張っていないのと、お尻がややすぼまっているせいもあって、私は、ROVER 600は非常に運転しやすい車だと思います。ただし、回転半径は大きいので、Uターンは苦手です。

塗装ムラ・・・「しょうがないね」
これは、英国製の車です。そこいらじゅうにあるかすかな塗装ムラなんか気にしていたら、眠れなくなるだけです。600シリーズの塗装膜は決して強くないので、できればフッ素などのコーティングをすることをおすすめします。

ビビリ・・・「そんなもんだ」
購入してから数ヶ月経った頃、エアコン操作パネルあたりから若干のビビリ音が聞こえてきました。タイヤを替えることで走行時のビビリは半減します。停止時、前方ドア付け根付近からもビビリが出ましたが、フェルトを貼り付けることで止まりました。特に、エアコンを入れるとPポジション時の振動が激増しますので、ビビリがうるさかったら<エアコンを止めて我慢するか、サイドブレーキを引いてNポジションにしてしまいます。
特に、運転席側のドアの振動が大きく、ドアの付け根がボディ側と当たっておおきなビビリが出ることがあります。これは、ドアの付け根のボディと対向する部分に厚手のフェルトなどを貼って互いに密着さて、振動を抑え込むと効果的です。

タイヤノイズ・・・「そんなもんだ」
標準装備のタイヤは、路面のサーフェイスノイズをかなり拾います。そもそも、車外からのノイズをしっかり遮断するなんていう設計はしてないみたいです。高速道路の路面の状態がひどいと、オーディオの音が聞こえなくなります。冬場は、スタッドレスに履き替えるので、少しは静かになります。標準でついてくるGOODYEARをはずしてDNAdBとかREGNOに履き変えるだけで、620の価値は一気にアップしますので、是非ともお試しください。見違えると思います。

キズ・・・「しょうがないね」
ニュー・ブリティッシュ・レーシング・グリーンは、汚れが目立つだけでなく、塗装面が白よりも柔らかいため、キズがつきやすくなっています。この色を選んだ以上、ちゃんと世話を焼く義務が発生します。洗車はできる限り丁寧に。

ウィンドウォッシャーの吹き出しノズル・・・「そんなもんだ」
結構、勝手にあっちこっちに向きが変わります。天井ウォッシャーになったり、リアウィンドウウォッシャーになっていて、信号待ちの時に動作させて後続の車をあわてさせたりすることがあります。これは、そういうもんだ、と思ってほっておきましょう。

エアコン・・・「しょうがないね」
真夏でも気温20度の国から来た車の冷房はあんまり利きません。しょうがないね。それから、エアコンはオートではありません、手動です。暖房は、足元と後部座席の効きがいまいちなので、ゲストをお乗せした時などはちょっと注意がいります。また、エアコンを作動させるとアイドリング時の振動は倍増し、さすがにつらいものがあります。秋が恋しい車です。

オーディオ・・・「なんとかしたい」
なんでまた、こんなにネボケた音なんだろう。低域はボンつくし、中域のハリはないし、高域は出ない。明らかにスピーカのせいで、特に、フロントスピーカがよろしくない。それが証拠に、前後バランスを後ろだけにすると少しましな音になってくれます。それでも、低域でボディが共振するし、総じてネボケたサウンドであることには違いありません。名門英国GOODMAN製のスピーカーなのにねえ。

ワイパー・・・「そうなのかなあ」
ワイパーの締めネジがゆるみやすいので注意がいります。これがゆるむと、雨の走行中に、ワイパーが上がってこなくなったり、ひどい時は左右のワイパーがからまって動かなくなってしまいます(ホントニ)。レンチで締めれば済むこと(ソンナコトデイイノカーッ)なので、締め付け工具だけは常時車載しておきましょう・・・と、メカさんに言われました。

オートウィンドウ・・・「仕様です」
運転席側ウィンドウが、開く時のみオートで、閉まる時はオートではありません。事故防止のためだそうですが、それにもかかわらず、右手を挟んで痛い目に遭いながら、左手でスイッチの「閉」を押しつづけていた私は一体何なんだろう。高速道路の料金所を出てからすぐの加速では、数秒間左手がとられてしまうので、ちょっと気をつかいます。それから、スイッチがドア側ではなく運転席と助手席の間にあって、これをブラインドで操作すると前のウィンドウを開けたつもりが、たいてい後ろは開いてしまう。私は未経験ですが、ガラスが落ちる、というトラブルをよく聞きます。

スペース・・・「へ〜え」
前部座席とウィンドシールドとの距離が大きいため、非常に開放感のある空間となっています。後部座席のスペースはまあまあというところですが、リアウィンドウが迫っているので、夏場の日差しはちょっときついでしょう。ROVER 600から、AudiだとかSAABに乗り換えると、ROVER 600の前面がいかに開放感があるか実感します。

視界・・・「へ〜え」
ウィンドシールドは非常に大きく、開放的な視界が得られています。ということは、お天気が良い日に女性をお乗せするときは、日焼け止めがいるっちゅうことです。着座時の視点はやや高めです。後方視界はやや狭いのが欠点ですが、同じROVERでも400シリーズの後方視界の悪さに比べれば、600は普通なのかもしれません。。

イモビライザー・・・「できることなら世話になりたくないね」
1997年モデルから、コピーしたキーではエンジンがかからないしかけになりました。ドロボーの手口として、トランクを開け、そこのシリンダー錠をぬいてキーを複製する、という技が知られていますが、この手を使ってもROVER 600を動かすことはできません。

侵入センサー・・・「賛否両論、私は賛成」
超音波による侵入監視がついています。車内の空気の動きを感知して、派手にクラクション鳴らします。ということは、車内に吊るしておいた上着がおっこちたり、動物が動いたりすると、たちまち反応します。ご注意あれ。そして、あなたが車内にいたままリモコンロックをONにしてしまうと、あなたは動けなくなってしまうのでした。ははは。ちなみに、リモコンドアロックをかけると、ハザードが3回点滅してロックされたことを知らせてくれます。知らない人が見ると、びっくりするみたい。

ドリンクホルダー・・・「な〜るほど」
私は、運転席上面に飲料の缶を立てるのが大嫌いです。格好悪いし、だいいちお下品である。ROVER 600のドリンクホルダーは、ドアポケットについているため、外から見えません。そういうセンスには脱帽します。ただし、サイズが合わないとガタガタとうるさいです。

ドライビング・ポジションの調節・・・「考え方次第」
まず、ハンドルの上下の角度が変えられます。シートは、前後、高さ(微調整可)、背もたれ(微調整可)、ランバーサポート(微調整可)が変えられます。ただし、背もたれの調節は、ノブをくるくる廻す方法なので、レバー一発でおねんねはできません。女の子を誘い込んでイイコトしようとしても、態勢が整うまでに2〜3分かかります。そういう時は、2人で仲良くノブをくるくる頑張ってください。

シート・・・「感動」
このクラスで、革装でしかも手がかかるパイピング仕上げ、というのは珍しい。革装であっても、なかなかパイピングまではやらないものです。見た目の上品さだけではなく、沈まず、腰をしっかりサポートした、ほどよい硬さのシートの価値を、ロングドライブ時にかみしめることでしょう。腰痛持ちにとっては最高のシートだと思います。こういう価値観は、国産車にはないです。専用のクリーナーとクリームがありますから、すくなくとも数ヶ月に一度は汚れを拭き取り、クリームをすり込んでください。時間が経ったクリームは、容器の中で一見分離したかのように見えますが、棒切れでかきまわしてやれば、すぐに元に戻ります。

カラーバランス・・・「自慢」
停まっているROVER 600の車内を外からのぞき込むと、その淡く上品なカラーバランスに、つい見とれてしまいます。しかし、欠点もあります。運転席が強い日差しで照らされると、フロントのウィンドシールドに明るいベージュが映り込んでしまうのです。良い点は、その明るく上品な雰囲気だけでなく、車内のスイッチ類が確認しやすいことです。

デザイン・・・「脱帽」
落ち着いた上品なフォルム、所々にメッキパーツを配したややクラシックな雰囲気は、ここで改めて説明する必要はないでしょう。

薄幸の名デザイン
以前からEUNOS 500のデザインがいいな、と思っていました。ところが、さあ、車を買いましょうと思ったら時すでに遅しで、EUNOS 500は製造中止になっていた。あんな格好いい車が何故?いいエンジンなのに何故?日本では、ほんとうにさっぱり売れなかったらしいですね。MAZDAの販売体制にも問題があったとか。今でも、EUNOS 500が走っていると、つい、目で追ってしまいます。それだけ、デザインのラインが優れているということだと思います。そういえば、EUNOS 500とROVER 600は、ともに日本ばなれしたところが似ています。おそろしくマイナーな車だという点も似てますけど。
ちなみに、この方は、ROVER 600を近所のお店でボディコーティングをしてもらったときの預かり書の車種欄に、「マツダ ユーノス600」(???)と書かれて、それを二重線で消して「ローバー600」と書き直された、という経験をお持ちだそうです。

◇ 悲劇のクロノス兄弟
◇ 日本車唯一の世界で通用する、美しく優れたデザインを持った車
◇ 代車試乗記 ユーノス500編
◇ CARVIEW ユーザーレポート ユーノス500

生活のなかの価値観
ROVERに乗るようになると、車に対する価値観が変化します。最近、代車としてミレーニアに乗ったのですが、ROVER 600と同じ価格帯の車なのに、あまりの文化の違いに驚きました。国産車は、価格帯が高くなるにつれて、オート化された便利な装置やスイッチ類が激増します。それなのに、シートの素材も構造もあいかわらず安物のままです。良いシートは非常にコストがかかるのに対して、電子機器は安いのだそうです。ROVER 600は、オート化された装置をほとんど持ちません。その分、内装とシートとセキュリティに比重がかかっています。
同じ現象が、日本の家にも起こっています。いい家具は、テーブルひとつ、食器棚ひとつとっても数十万円します。しかし、そういう家具を日常あたりまえに、そして、メンテナンスしながら孫子の代まで使いつづける、という文化はどこに行ったのでしょう。家の壁や床や家具、そして照明の様式や色のバランスを取り、全体として落ち着いた雰囲気を出そうとすると、これまたたいへんなお金がかかりますが、それをちゃんとやってくれる業者も依頼するお客もその数は知れています。

一方で、欲しいものの話題というとデジカメやビデオカメラやオーディオやカーナビ、パソコン、携帯電話になってしまいます。車の装備も、どんどんハイテク化してゆきます。スイッチの数と高級度は比例するわけです。しかし、ほんとに高級なオーディオの世界では、スイッチの数はどんどん少なくなっているのです。

どうも、日本で高級というと、最新の技術を投入した、長持ちしない、多機能の道具、という気がしてなりません。ローテクで、定番として何年も長生きする、作り手のポリシーを感じることができる、そういう物を求めてゆくと、その多くが欧州に行きついてしまいます。我々消費者が、刹那的便利さを追求する限り、日本の車はあいかわらず安手のハイテク高級路線から抜け出すことができないでしょう。

腰痛治療シート
ちょっとした追突事故にみまわれ、2週間ほどの代車生活をしました。代車生活が始まって3日ほど経った頃、原因不明の腰痛が私を襲いました。最初は、「掃除の時に、重い物を無理して持ち上げたのがいけなかったかな。」と思っていたんですが、それにしても様子が変です。やがて、それは代車のシートのせいではないか、と思うようになったのです。その、体がすっぽりくるまれるやや固めのシートは、はじめのうちはいいのですが、運転を開始してから30分ほどで腰のあたりがむずむずしてきます。無意識のうちに、信号待ちのたびに、腰に手をやったり、背中を伸ばしてみたりするようになってきます。どうやら、ランバーサポートが決定的に欠如しているのです。家人は、腰に座布団をあてたらどう?なんて言います。
2週間が経ち、ROVER 620の修理が完了した頃には、もう、我慢の限界でした。一刻も早く代車を返却したい。しかし、ROVER 620に戻ってからも、腰痛は直らないのではないか、という不安もよぎります。

その不安は見事にはずれました。ディーラーの営業氏に無理を言って、当日中にROVER 620を受け取り、ひさしぶりにシートに掛けてみると・・・「おーっ、この感じ。なつかしい。代車と全然違う。なんだか、マッサージされてるみたい。」。走り出してみてびっくり。腰のあたりのむずむず感が全くなく、シートが腰のあたりをぐっと支えてくれている感覚が心地良いのです。年度末と雨のせいでしょうか、いつもよりもひどい渋滞のおかげで、帰宅まで2時間もかかってしまったのに、帰宅して車から降りる頃には腰痛はきれいに治ってしまったのです。それが証拠に、車から降りる際の無理な姿勢が全くつらくなかったのです。

ROVER 620のシートには、腰痛を治すツボを刺激する機能があるのかもしれません。そして、ROVER 620のエンジンの軽い響きまでも、懐かしく思えた一日でした。

http://www.op316.com/rover/hrov600.htm

4. 中川隆[-14925] koaQ7Jey 2021年12月02日 17:53:51 : sPZpxVrBLy : Zm03RHZCRWZRNGc=[35] 報告

MINIを愛し続ける人達へ
Hi! Mira Gino 2004.11.1
ROVER MINI Mayfair
http://www.op316.com/rover/hrovmini.htm

当時のカタログから。

今日は、我が家のMINIが売られてゆく日だ。
エンジンがかからなくなってしまったから、自分で走って行けない。
それにしても、タートル・トレーディングの人はMINIを扱うと手際がいい。

ああ、トラックの背に売られてゆくよ。
ドナドナ♪とは、こういう気分を言うのね〜。
つづきはこちら。
2000年10月、MINIは最後の1台が工場を出た。これから先、MINIはもう生産されることはない(いや、MINIは継続して生産されているのだ)。幸い、これまでじつに多くのMINIが日本で販売され、また英国でも販売された。新車にこだわらなければ、これから先もMINIを手に入れるのはそう難しいことではない。しかし、もうすでにMINIの時代は終わったのだ。偉大なる小さなクラシックカーは、愛する人達の手によって維持し続けられ、いつまでも街を走り続けることだろう。

我が家の初代MINI。
軽井沢にて・・・まだ、若葉マークがついている。
英国車の誉。変えようがないカタチ。一体感の感動。歓喜のラバコン。手動の天国。究極のハイテク。世話の焼けるかわいいやつ。捨てるとこがない機械。そう簡単にはゴミ(廃車)にならない車。一生のうちに一度は乗ってみるべし。

MINIが似合う風景
・新国立劇場、つまりオペラハウス。正装して、淑女同伴で、MINIで車寄せに到着。
・軽井沢。新緑萌える季節、窓を開け、すがすがしい空気をいっぱいに感じながら、心地よいエンジン音を響かせて、MINIは風になります。

・日曜日。外苑西通り、絵画館前、青山墓地、有栖川公園、明治屋、そして旧山手通り沿いに停めて、カフェ・ミケランジェロでちょっと休憩。

・平日の午後。横浜、ホテル・ニュー・グランドでランチ。外人墓地から山手十番館へ。

・海の風に吹かれたくなったら、ちょっと足をのばして佐島か、逗子か、葉山へ。陸にMINIを待たせて、セールをあげて、沖に出る。ヒーブツーのままバウに寝転がって昼寝。

MINIになりたい
師匠 「あのMINIとやらは、乗り心地がたいそう悪いそうじゃな。」
弟子 「そりゃあ、この40年以上ずっとゴム玉をクッション代わりにしてますからねえ。」
師匠 「同乗者が酔ってしまうこともあるそうじゃな。」
弟子 「世間がそんなことを言って脅かすから、MINIが欲しい人まで手に入れるのを躊躇してしまうんですよ。でも、ぽんぽん跳ねるのは確かですね。マンホールがあったりすると、ついよけてしまいます。」
師匠 「後続車にはずいぶん迷惑な話じゃな。それに、矢鱈とあちこちが壊れるとか聞いているぞ。」
弟子 「でも、高速の路肩で止まっている車のほとんどはMINIじゃないですよ、師匠。濡れ衣というもんです。ハンドルやミラーだけじゃなくてメーターまで取り替えたり、足回りをいじったりする人が多いから、そう思われても仕方ないですけれど。」
師匠 「若い女の子が無闇にあこがれておるというのも気に食わんな。」
弟子 「そりゃあ、デザインがカワイイから仕方ないですよ。みんな、本当はMINIになりたいんですよ。」
師匠 「たしかに、最近はMINIのようでMINIでない妙な顔つきの小型車が矢鱈と目につくようになったな。」
弟子 「レトロ調ってやつですね。」
師匠 「全くつまらん車ばかり作りおって。日本の自動車デザイナーは一体どうなっているんじゃ。」
弟子 「デザイナー達が一生懸命働いたから、ああいうことになったんじゃないでしょうか。」
師匠 「なるほど。英国では誰も一生懸命働いたりせんから、MINIのデザインが今まで残ったというわけじゃな。」
弟子 「ホンダの初代シビックだって、いすゞ117クーペだって、デザインさえ変えずに今でも作り続けていれば、みんなMINIなんか買わなくったって済んだんですよ。」
師匠 「ふむふむ。」
弟子 「みんな、凡人のくせにデザインしたがるんですよ。新しいデザインに変えたがるんですね。凡人はデザインしちゃだめです。凡人は、優れたデザインを守ることに専念しなければいけません。これができるためには、凡人にも教養がなきゃだめなんですけど、そういう教育ができるだけの文化の地盤が高度成長でこわれちゃった。」
師匠 「出来の悪い弟子にしては、なかなか本質的なことを言うじゃないか。」
弟子 「ところで師匠はMINIにはお乗りにならないんですか?」
師匠 「それがな、娘が、ワシにMINIは似合わないと言うんじゃよ。」
弟子 「おやおや、MINIは、若い女の子よりも師匠のような一癖も二癖もありそうな中年のオジサンの方が似合うと思いますけどね。」
師匠 「何が言いたいんじゃ、君は。」
弟子 「師匠、お時間です。」
悩んでいるあなたへ

MINIのデザインはすてきです。なのに、MINIを手に入れることに躊躇する人のあまりの多さにはちょっとびっくりさせられます。実に、大半の人は、MINIを買うことをやめてしまうらしいのです。それは正しい決断です。なのに、街ではかなりのMINIに出会います。もうすこしマイナーな車であって欲しいな、と思う今日このごろです。
もし、あなたがMINIにあこがれていて、まだMINIを手に入れていないのでしたら、さっさとあきらめてMINI以外のもっとまともな車に目を向けることをおすすめします。それでも決して後悔することはないでしょう。あなたが、MINIに手を出さなかった理由を正当化するのは、とても簡単なことです。MINIのような、特別な価値を持った車は、もっと少数派でなければいけません。こんな車に200万円も出すなんて、どう考えても普通ではありません。車を選ぶ時に、他の小型車とMINIとを比較検討すること自体がおかしいのです。ROVERには、同じ価格帯に25(旧200)シリーズとMINIの2種類がありますが、この2つの車種を同列に比較できるでしょうか。

なんでこんなことを書くのかというと、MINIを選ぼうと思った時に、MINI特有の数々の特徴(世間では欠点ともいう)を我慢してほしくないのです。多くの人が、MINIが持つ雰囲気やデザインに憧れながら、実は、乗り心地の面白さ(悪さともいう)や、エンジン音の楽しさ(うるささともいう)や、伝統的な装備(マニュアルだらけだということ)を我慢して乗っています。いろいろな理由をつけて、自分を納得させて乗っています。こんな不健康なこと、もうやめましょう。デザインや雰囲気に呑まれて、安易な選択をしないでください。自分の服の趣味や、嗜好や、ライフスタイルと相談して、自分の生活にMINIが似合っているか、サマになっているかをよく考えてから決断してください。

なお、MINIは新車といえども、もうすでにクラシックカーです。自分でエンジンオイルを確認したりジャッキアップできないようでは、MINIを持つ資格はないと思ってください。


ROVER MINI 選定ガイド
鉄則・・・「とってもだいじなこと」
はじめてMINIを手に入れる方は、できる限り新しいモデルを選んでください。1992年以降のインジェクション化された当初のモデルは手を出してはいけません。MINIは1990年代後半にはいってからも、年々、改良が繰り返されてきました。そして、最終モデル('00)ではもはやオーバーヒートの心配など全くなくなったのです。しかし、そもそもMINIは真夏でも気温20℃にしかならない国で生まれた車です。エアコンなどいらない冷涼な気候を前提に設計・製造されてきました。日本の夏を元気に過ごすには、少々の工夫や精神論だけでは無理なのです。
それからもうひとつ。MINIは年式によって、メンテナンスの状況によって、乗り心地やエンジンフィールが極端に異なります。「えっ、これでもMINI?」と思うくらい快適なMINIもあれば、空中分解寸前のMINIも商品として(いい値段で)堂々と販売されているのです。ですから、偏った認識で重要な判断をしてしまわないためにも、できるだけ新しい年式の走行距離の少ないMINIを試乗して、その感覚を確認してから、お目当てのMINIを試乗されることを強くおすすめします。

なお、MINIは他の(普通の)車とは全く異なる乗り物ですから、MINIやビンテージものの英国車を扱っている専門の店で購入されることが重要です。普通の町の工場ではMINIを修理することはできません。JAFのレスキューもMINIだけは手に負えないのだ、ということを忘れないでください。

燃費・・・「なるほど」
燃費は、市街地で7km/l〜10km/l、郊外で10km/l〜13km/lくらいです。ガソリンタンクは、公称どおりの35リットルなんですが、20リットルでほぼEmpty表示とになります。

エンジン・フィール・・・「そう言われてもねえ」
なんとも表現しにくいので、是非、試乗してみてください。確実に言えることは、現代の普通の車とはまるっきり違うということです。窓を開けて走ると聞こえる、ガードレールに反射する我がMINIのエンジン音がたまらないです。

ミッション・・・「そうなんですか」
4速MTと4速ATの2種類があります。ATであっても、エンジンブレーキはMT並によくききます。クリープは非常にきつく、いかなる急坂もゴンゴン登ってゆきます。へたってきたMINIのATのシフト・ショックはかなり大きいです(元から大きいという意見もありますが・・・)。特に、3速から4速へは、ずるんとすべるようなショックがありますがびっくりしないように。

速度・・・「やっぱりそうかぁ」
高速道路では、80〜90km/h位が一番快適で、100km/hを越えるとエンジン音は徐々にうるさくなり、振動も増加します。もちろん、カーステレオの音なんか、全然聞こえません。100km/hを越えてからの加速性能は「ない」と思ってください。つまり、100km/hで走る前方の車を、一気に抜き去ることはできません。それでも、「軽」に比べたら、やはり立派な普通車で、安定感はなかなかのものです。視点が低いため、それほど速度が出ていなくても、結構スピード感があります。60km/hで田舎道を走ったら、こんなに楽しい車、ほかにないでしょう。

ボディ・・・「意外ですね」
ボディは非常にかたく、鉄板も分厚いものが使用されています。国産車からMINIに乗り換えると、ちっちゃな戦車にでも乗っているように感じます。

メンテナンス・・・「や、やっぱり」
少々手がかります。エンジンオイルは、3000kmの走行で早々と交換しなければなりませんし、トラブルも比較的多い車です。MINIを愛するがゆえに、トラブルの多さを否定する方もいらっしゃいますが、「高品質でノートラブルな車」とはとても言えません(除最終モデル)。

水温・・・「とってもだいじなこと」
ボンネットを開けてみてください。な、なんと、ラジエーターが横ちょを向いています。こんなんで、ちゃんと冷却できるんでしょうか。というわけで、真夏のMINIの水温は上昇しやすいのです。すべてのメカニズムが正常に働いていても、電動ファンがちゃんと廻っていても、古いモデルでは冷却能力に限界があります。MINIを実用車としてお使いになるならば、できるだけ新しい年式のMINIをおすすめします。できれば強力な電動ファンが標準装備された1997年以降のモデルです。

ハンドリング・・・「こればっかりは、試乗してみなくては」
パワステではありませんから、片手でハンドルくるくるしながらの車庫入れなんて、できません・・・いや、慣れるとできるんです、はい。切り返したい時は、停止する直前にハンドルを戻すのがこつです。不思議なことに、走り出してしまえば、重さはすっかり消えます。ハンドルのキレは良く、車幅がないこともあって、カーブが連続するようなところでは、俄然威力を発揮します。なお、ハンドルの重さも後期のモデルほど改善されています。

ブレーキ・・・「な、なんだ、これは」
MINIのブレーキは、踏んでもほとんど動きません。つまり、おそろしくカタイということです。脚の重さをかけてギュッと踏みます。慣れればどうってことありませんが。

車高・・・「な、ない」
MINIはものをモノを乗り越えるのが苦手です。路肩に乗り上げる時は、ナナメにはいってゆかないとボディーの下を打ちます。マフラーは地面すれすれなので要注意です。コインパーキングの跳ね上げ式の板がマフラーに当ると穴があきます。MINIは、タワーパーキングと跳ね上げ式コインパーキングは利用できません。

視界・・・「そうなんだぁ」
前方視界では、上が見えません。信号直下で停止してしまうと、上にある信号が見えなくなるのです。そういう時は、窓を開けて首をだして見ます。後方視界は非常に良く、とくにバックをする時の距離感覚のつかみやすさは特筆ものです。

ビビリ・・・「昔のトラックみたいですねえ」
エンジンの振動はかなり大きいですから、遅かれ早かれ車内のあちこちがビリビリがたがたいいます。

エアコンと換気・・・「イメージがつかめません」
単純明解なエアコン、ON/OFFしかない換気(後期モデルでは強弱がついた)、へんてこりんな仕掛けの暖房(これは変わらない)。寒い日は、ヒーターいれて、窓を開けて走るのが正しいMINIの扱い方です。とにかく、窓が曇り易いので、雨の日に4人で乗車なんかしてしまうとえらいことになります。なお、エアコンのガスは、いつのまにかぬけている、というのがMINIの特徴です。これはエアコン付きの全モデル共通です。

ワイパー・・・「まさか」
ワイパーの拭き取りの悪さは勲章モノです。おまけに、ウィンドシールドが寝ていないので、ガラコを塗っても無駄。水滴は飛びません。間欠ワイパーなんていう機能はもちろん、ない。おもちゃのようなワイパーなので、時々、走行中にとれてしまい、車を停めて拾っているひとがいるとか。なお、新しい年式のものはちゃんと間欠ワイパーがついています。

フォグランプ・・・「ふにゃあ」
フロントフォグのついているMINIって、格好いいですね。標準仕様では、ハイビームで連動して点灯するため、フロントフォグだけ独立して点灯できるようにするには別途工事がいります。

キー・・・「ややこしそうですね」
キーが3つあります。エンジンを起動するキー、ドアをロックするキー、ガソリンタンクを開けるキーです。オートロックなんていうハイテク機能はないので、車内から手でロックするか、外からキーをまわしてロックします。つまり、キーの閉じ込みをすることは有り得ない、という素晴らしいシステムになっています。

スペアタイヤ・・・「ホヘエー」
不思議なことに、MINIのスペアタイヤはノーマルタイヤで、ちっちゃなトランクに堂々と収まっています。

すべてが遠い・・・「手の短いひとは運転できない?」
英国人は、腕が長いのでしょうか。MINIでは、ハンドルも、ハザードランプ・スイッチも、パーキング・ブレーキも、あらゆるものが遠いところに取り付けられています。

ウォルナット・・・「す、すごい」
後期モデルのMINIは、フロントパネルが本物のウォルナットです。国産高級車でさえ木目調プリント板仕上げだというのに、MINIではちゃんとバーズアイはいったウォルナット張りなのです。

シート・・・「さすがですね、でも、ちょっと変」
あまり知られていないのが、MINIのシートの快適さです。全然ゆったりしたところはありませんが、腰のサポートがしっかりしており、ロングドライブでも疲れないのです。後期モデルほど後部座席が狭くなっていますので、MINIはみんな同じだと思ってはいけません。ところで、1990年代中半までのMINIのシートの背もたれは前に倒れません。つまり、後部座席に乗り込む時は、「」となった前席シートは「∠」とはならず「く」のようにしかなりません。「∠」のように倒せるのはかなり後期のモデルからです。

乗り心地・・・「大丈夫かなあ」
4つの車輪は、あの有名な「ゴム」で支えられています。ですから、ぽんぽん跳ねますし、振動を吸収しているとはとてもいえません。「ゴム」がへたってくると、ただでさえ重い頭が下がります。無神経な運転をすると、同乗者はほぼ確実に車酔いになります。しかし、ほとんどのMINIユーザーでは、同乗者はこれにすっかり慣れてしまい、高鼾で安眠できるようになります。

スペース・・・「4人は実用的じゃないのね」
前方座席に与えられた空間は非常に広く、さすがと唸ってしまいます。ただし、幅はありませんから、油断すると肘がドアに当たって痛いです。後部座席は、ヘッドクリアランスは十分なんですが、まあ、ちっちゃなベンチといったところでしょう。家族が3人以上いたら、MINIを常用にすることはあきらめてください。トランクに、ゴルフバッグはおろか、パター一本はいりません。

あいさつ・・・「一度、これをしてみたかった」
最近は、挨拶をするMINIが減ったそうです。でも、時々、手を振ったりするMINIがいます。

デザイン・・・「えっへん」
日本中の小型車がMINIになりたくて、ヘンなレトロ調デザインになってしまいました。MINIのデザインを越える車が出現するのは、一体いつのことでしょう。

Fun to Drive・・・「どーだい」
車を運転することの楽しさ「Fun to Drive」をこれほどに伝えてくれる車は、ほかにないかもしれません。多くのMINIオーナーは、この「Fun to Drive」の虜になっているのです。

メンテナンス
バッチイ冷却液の入れ替え大作戦
走行距離約50000kmに近い'92年式のMINIを手に入れたわけですが、当初から、ラジエーター・キャップの穴から見える冷却液のキタナサは気になっておりました。ラジエーター・キャップを開けたままでエンジンをかけると、うんこ色した冷却液がヘドロ状に淀みながら循環してゆく様子が見えます。冷却液というのはこういう色だと思っていたオメデタイMINIオーナーだったわけですが、オートバックスの店頭で見た冷却液の鮮やかな緑に仰天し、やっと、問題の存在に気がついたのでした。

おりしも、購入2年目の夏、水温の上昇と、ラジエーターキャップからの噴出に出くわし、これはなんとかせねば、とあれこれ調べてはじめてわかったことは、MINIの冷却液の入れ替えというのはそんなに簡単ではなさそうだ、ということでした。試しに、ラジエーター・キャップを開けたままでエンジンをかけ、穴からホースを突っ込んで水道水を注入しても、入り口と出口が同じわけですから、うまく腋が循環してくれません。

まず、エンジンを冷やします。ラジエーターとエンジンをつなぐところからヒーターに伸びている水道ホースくらいの太さのゴム管がありますので、これを緊縛している留め金をゆるめて、ドライバーでこじながら引っこ抜きます。このゴム管はヒーターに温水を送り込んでいますが、ここから水道水を送り込むことで、ラジエーターに溜まっている汚れた冷却水を押し出そうというわけです。このゴム管を口にくわえて(きたな〜っ)力いっぱい吹くと、ゴム管が繋がっていた側の穴から冷却水が勢い良く吹き出します。そこで、穴側とゴム管側の両方にホースをつないで、周囲に液が飛び散らないようにしておきます。

さて、エンジンをかけながらゴム管側に水道水を送り込みます。この時、MINIのヒーターノブを全開(引く)にしておかないと水は循環しません。しばらくすると汚れた冷却水は水道水によってどんどん薄められてきれいになってきます。きれいになってきたら、水道の蛇口からはずし、これをくわえて力いっぱい吹いてやって、ラジエーターに溜まっている水も追い出してしまいます。とはいっても、追い出せるのはせいぜい1リットル〜1.5リットルくらいです。ここまでやれたら、はずしたゴム管を元に戻して再びしっかりと締めておきます。

最後に、ラジエーターの空いたところに濃縮クーラントを入れれば丁度良い濃度になってくれるでしょう。この一連の作業手順はちょっと変則的のようにも思えますが、実はローバーの工場でも行われている標準的なものです。

"ROVER JAPAN" (今はもうありません。)
"Seven-days with COUNTRY MAN" (MINIショップを紹介してくださったmorimikiさんのHomepage。サイトがなくなってしまったようです。)
"Turtle Trading Ltd.「英国車のための自由空間」" (我が家の初代MINIはここから来ました。今もなにかとお世話になってます。)
MINIのある風景・・・
"Windy Garden" (Niftyserve輸入車フォーラム=MINIの部屋に参加されているアルテミスさんのページ)
"Takubo's HomePage" (MINIもいいけど、動くねこちゃんがミョーのかわいいのである)
"社会的不適合車協同組合" (なんでわざわざそんな車に乗ってるの?)・・・娘は会員番号 No.1705

http://www.op316.com/rover/hrovmini.htm

5. 中川隆[-14924] koaQ7Jey 2021年12月02日 17:56:13 : sPZpxVrBLy : Zm03RHZCRWZRNGc=[36] 報告
ROVER 75
ローバー75そのBritishな世界
http://www.op316.com/rover/hrov75.htm

"ローバー"に乗るということは、流行を追ったり、周囲の意見や視線を気にしたり、皆と同じでいたいと思ったり、そういう考え方とは異なる生活観・価値観がベースとなっているということに気がつかなければなりません。高い信頼性、迅速な修理、安価なメンテナンス、なんていう常識的なサービスを要求する正しい日本人であるあなたは、間違ってもROVERなどという英国車に手を出してはいけません。しかし、あえてROVERを選ぼうとしているあなたは、きっと、多くの国産車のコストに縛られたデザインの凡庸さや、エレクトロニクスが目的化してしまった贅沢機能や、様式感が欠落したままの偽豪華内装に疑問を感じ、自らの感じるままに行動しようとしているのだと思います。実に、自らの感じるままに行動するということは、とても勇気のいることなのです。

75にしてから、後席の利用頻度が激増した。セダンがこんなにも楽しく、居心地の良い車だったとは・・・
♪よりよきローバーライフのために♪ 「ROVER 75 オーナー心得」 2008.1.10
♪いまさら書くのもなんですが♪ 「ROVER 75 インプレッション」 2001.10.11

♪私の/あなたの♪ 「ROVER 75 トラブル&メンテナンスお助け情報」 2005.2.27

♪英国車の謎♪ 「ROVER 75 七不思議」 2001.11.13

♪知られざる♪ 「ROVER 75 隠し機能」 2002.4.7

♪作ってみよう♪ 「ROVER 75 ヘッドレスト・カバー」 2002.4.11

♪流石、英国のカタログはこんな感じ♪
「ROVER 75 UK Original Catalogue / Specifications(主要諸元)」

♪比べて見たい / 比べてはいけない♪ 「620 vs 75」 2001.7.13

「EURO NCAP Safety Test Report」 2001.6.9 / 「運輸省燃費データ」

♪ROVER 75のすべて♪ 「ROVER 75 テクニカル・データ」

♪ いつまでも大切にね ♪
我が家のROVER 75メンテナンスの記録

賛否両論分かれるところのオレンジ色のインパネ照明。

◆5600km ・・・初回オイル交換は是非とも(もっと)早目に!
マニュアル上では、通常走行の75は走行24,000kmまでオイル交換は不要とあります。しかし、大切な75を維持してゆくのに「それはないだろう」というのが私の感想。そこで、走行5600kmで、オイル及びエレメントを交換してもらいました。しめて約20,000円。ちょっと高いな。
その結果は・・・やっぱり、やってよかった。ずっと、1500rpm〜2000rpmあたりの低速域での加速時のゴロゴロ感が気になっていたのですが、これがきれいにとれて振動は見違えるほどに減ったし、全般的にもシルキーさが出てきました。こういうスムースな感じは納車以来経験したことがありません。KV6エンジンってこんなもんなのかな、と思っていたんですが、やっと今になってこのエンジンのフィーリングがわかってきたというわけです。75オーナーに皆さん、75を末永く乗るつもりならば、早目に初回のオイル交換してあげましょう。

◆9,000km ・・・おさらば GOODYEAR
ROVERサルーンおなじみの駄タイヤ"GOODYEAR"とおさらばする日が来ました。納車時に標準でついてくるGOODYEARは、荒れた舗装路面でたちまち馬脚を現わし、ゴウゴウと大きな音を立ててくれます。ゲストをお乗せした時などは、ロードノイズの大きさを指摘されるのではないかと実にひやひやものでした(実は、口に出しこそしないまでも、どなたも、この車は内装の上品さの割にはうるさいなあ、と思っていたらしいです)。
「ROVER 75の掲示板」のみなさんの何人かが、さっさともっと静粛なタイヤに履き替えているというお話を聞き、私も、約9,000kmの付き合いのGOODYEARとおさらばする決心したのでありました。さて、どのタイヤにするかですが、どうやらBSのREGNO GR-7000が人気のようです。静粛なだけではなく、粘りがあるといいます。私も、一旦は気持ちがREGNOの動いたのですが、AQドーナツの減りの速さがどうしても気になり、結局、YOKOHAMA DNA dBを選ぶことにしました。インターネットで近所でYOKOHAMAタイヤを扱っている店を調べて、いきなりおしかけました("http://www.yrc.co.jp/")。金額は工賃、税金込みで57,000円。店主によれば、静粛性ではDNA dB、持ちの良さではミシュランだということです。

さて、インプレッションです。はっきりいって、静かです。GOODYEARとは比較にならないくらい静かでジェントルです。今までは、「エンジン音<タイヤのロードノイズ」だったのですが、今では逆転して「タイヤのロードノイズ<エンジン音」となりました。ROVER製KV6エンジンの心地よいサウンドが聞こえてくるようになりました。車を運転しているのだ、という悦びが伝わってきます。悪いことは言いません。今すぐ、(借金してでも)GOODYEARとおさらばしましょう。

◆13,000km ・・・12ヶ月点検
2001年7月、ぶつけてしまった個所の修理を兼ねて、走行13,000kmのわが75を世田谷サービスセンターに12ヶ月点検に出しました。
気になっていた不具合は、納車以来点灯したことのないハイマウント・ストップ・ランプ、右サイドウィンカー内の結露、フロントドア上部の樹脂部のビビリ、エンジン始動後負荷時のボンネット内カラカラ音の4点。ハイマウント・ストップ・ランプは、ランプユニットの不良だった。サイドウィンカー内の結露は、ランプハウス交換。樹脂部は増し締めして様子見。カラカラ音はアイドラープーリーを交換して様子見、となりました。

12ヶ月点検ですが、交換部品なし、工賃のみで¥31,500。エンジンオイル交換は2度目になりますが、オイル代が¥7,500、工賃は¥1,500でした。結局支払った合計は、消費税込みで¥42,840。 ブレーキパッドの残りは、前6.8mm、後7.4mmありましたので、交換しませんでした。

◆22,000km ・・・ブレーキパッドとエンジンオイルの交換
2002年4月、走行22,000kmにしてブレーキパッド警告灯た点灯しました。太陽マークのこの警告灯がつくのははじめてです。それから、前回のオイル交換(2回目)が13,000kmだったので、ぼちぼちタイミングかなとも思っておりました。ROVER 75のコンピュータは、オイル温度と走行距離をベースに「あと何kmの走行でオイル交換しなさい」という情報を計算して(エンジン始動時に)表示してくれますが、我が家の場合は19,000kmで交換時期がきました。おりしも、75の定番トラブルである「ドアロックの動きが渋くなる」というのが助手席側ドアで発症し、運転席側ドアに広がったのでこれも見てもらいましょう。RSCに電話をしたら、こちらの都合がつき次第いつでもどうぞ、とのこと。一泊の入庫となりました。
交換直後のブレーキパッドの調子はすこぶる良好で、鳴きもなく、停止時もスムーズです。エンジンオイルを交換した結果、気になっていた振動が激減し、静かさが戻ってきました。ドアロックは、運転席側は非常に調子良くなりましたが、助手席側はいまいちの感じがします。様子を見て、再度の持ち込みになるかもしれません。

◆これまでのまとめ

自動車評論等の業界・マスコミ関係へひとこと
この車は英国車であり、しかもローバー製である。ローバーからいつもよりもちょっと出来の良い車が出たからといって、調子に乗って、まともな独逸車などと足回りなどを比較しないでいただきたい。英国紳士と独逸軍人を並べて、一体何を比べようというのだ。それから、パネルがはがれたとか、めっき部品がとれたとか、そういう程度のことで騒がないで頂きたい。走っているうちに、いろんなものがとれるのは、英国車としてはよくあることなのである。しかるに英国車のオーナーは、そういう時のために、例外なく愛車のトランクに両面テープだのガムテープだのを載せているのだ。

75はHONDA系のROVER車にはなかった、存在感のあるがっしりとした体格を持ち、それが走りにも現れている。
自動車評論等の業界・マスコミ関係へもうひとこと
ROVER 75というと、必ず話題になるのがその内装である。多くのローバーサルーンが当たり前に装備しているあの内装に対して「豪華」だなんて言うのはやめていただきたい。豪華でもなんでもない、ちょっと趣味が上品で、質が高いだけではないか。床と椅子の文化圏において、少々の教養と、ちょっと背伸びした趣味の良さと、誰もが好感を持つような上品さを求めたならば、家庭のインテリアにおいてもあの程度のものになるのは至極当然なことなのである。ROVERサルーンを選ぶということは、自分が住んでいる住宅環境と、車のセンスとをマッチさせただけのこと。
だから、「豪華」などと騒がないでいただきたい。そもそも、ローバーサルーンの内装について「豪華」という表現をすること自体、美的感覚があさってを向いているといわざるを得ない。倫敦にあるホテルやBBの内装を見たらすぐにわかる。お手軽料金のBBであっても、家具や調度、カーテン、食器に至るまで、日本のホテルがとても及ばないくらい、ちゃんとコーディネートされているではないか。ROVERというのは、そういう国民が作ってきた車なんである。


75のカップホルダーはグラスが似合う。缶飲料なんかを置いてはいけない。
スマート・ローンの顛末〜雹害車〜皆既月食の晩に何かが起こる

75のシートのヘッドレストに合わせて作ったカバー。パイピング・パターンが特殊で合わせるのが難しい。
とにかく、うちのおくさんは器用なのである。ちょいちょいと採寸してあっという間に作ってしまった。
洋裁の心得のある方には型紙のコピー差し上げます。

1997年、43歳にして運転免許を取り、いきなり"ROVER 620"などという英国車の虜になってしまった私であるが、当初は、その620をずっと乗りつづけるつもりでいた。そして、購入時は、例のROVERスマート・ローンというやつを使った。価格の1/3程度を最終回まで保留にした3年ローンを組み、最終回を前にして、(1)車を返却してチャラにするか、(2)残金を支払って車を100%自分のものにするか、決めるというシステムである。しかし、ご存知の通り、返却時の査定ひとつで車のオーナーは何万円、十何万円、あるいはそれ以上の負担をしなければならない。思ったほどに高くは引き取ってもらえない。ROVERのように、世間一般に流通していない車は、中古車としての販売に非常なリスクが伴う。3年後に一体まともな下取りに値する車であるかは、全くの賭であろう。であるから、スマートローンを選んだからといって、3年後にまともな価格で引きとってもらおうなどということは微塵も考えてはいなかった。HONDAのエンジンを積んだROVERなんて二束三文だろうな、くらいに思っていたのだ。長く乗りつづけるつもりだったから、そんなことは関係のない話だった。

3年目を迎えること数ヶ月前、ローン会社から「意思表示をせよ」というメールが来たので、迷わず「残金を支払って乗りつづける」旨の意思表示をした。エンジン絶好調といえどもあちこちがへたってきている感じがするし、ローンの意思表示の確認確認ついでに、相談して工場に入れようかな、くらいの気持ちで、ある日、かみさんと一緒にディーラーをたずねた。

今や、BMWの策略によってローバーディーラーの店内には、MGも200から800までのローバーも1台もなく、あるのはMINIとRANGE ROVER関係とそして75だけだった。せっかく来たんだから、ということで「75に乗ってみたい」と言ったところ、営業氏は「そんなことしたら、気が変わっちゃいますよ」とおっしゃる。やっぱり乗ってみたいじゃないですか、というわけで、75の試乗をしてしまったわけ。で、かみさんが一発で気に入ってしまったらしい(ということにしておく)。そこですかさず、営業さんからひとこと。先日の雹に遭った車を雹害車として割り引きするという。もちろん、完全に修復しての引渡し。駄目駄目、75なんて少々値引きしたところで、そんなもん買えますかいな。雑談するうちに、今でも、New British Racing Greenの600は人気があるのだという話になった。つまり、(格好良く言うと)我が620も、好きで大切に乗ってくださる方がかなりいらっしゃる、というわけである。ああ、こういう言葉に弱いのだ、私は。「75でもClubだったら、なんとかならないかな」などという不謹慎な考えがよぎる。

帰宅したものの、どうにも気持ちは"75"である。家族全員「(お金さえあるなら)欲しい」コールである。ああ、悪魔のような家族だ。こういう時、一家の主たる私は冷静であらねばならぬ。そこで、パソコンを取り出し、Excelを起動する。車両の価格、値引き額、消費税、登録諸費用、ローン金利等々を入力すると、月々のローン支払い額が出るしかけを作ったりしてみる。そこであたりまえなことに気がついたのでした。620のローンの最終回のために取っておいた約100万円は、75に買い換える際のローンの頭金になるではないですか。ほう、そういうことだったのか。と、その時、電話が鳴りました。かみさんの友人からの電話です。「皆既月食がはじまってるわよ。」そうだった、今日は皆既月食の日。早速ベランダに出て、今、まさに闇に包まれようとしている天空を見上げます。月はみるみるうちに痩せ細り、やがて、宇宙は闇に包まれました。満月の夜には何かが起こる。ましてや、それが皆既月食ともなれば、大事件が起こるに決まっている。そして、そのとおりになった。


我が家の玄関先にて。75の後ろにいるのはMINI Mayfair'92。
* * *
※高い査定の条件・・・改造しないこと。ローバー指定工場で、定期点検を欠かさないこと。大きな傷などはローバー指定工場で必ず修理しておくこと。内装は汚さない、傷つけないこと。ホイールをいつもきれいに、そして傷をつけないこと。余計な器具を取りつけないこと。ディーラーと仲良くすること。ローバー車を愛し、乗り継ぐこと。

※雹(ひょう)害車・・・素人考えだと、雹(ひょう)のひどいのを食らったら、ぼこぼこになってしまって板金でもしないと駄目みたいに思えますが、実態はそうではありませんでした。それに、雹害に遭った車はちゃんとシートをかぶっていたとのこと。事実、引渡し時に、雹害についての説明があり、無傷の状態の車を引き渡す旨の書面が提示されました。そりゃそうだよね。
http://www.op316.com/rover/hrov75.htm

トラブルお助け情報 2010.2.17
http://www.op316.com/rover/guide75.htm

6. 中川隆[-14923] koaQ7Jey 2021年12月02日 18:04:04 : sPZpxVrBLy : Zm03RHZCRWZRNGc=[37] 報告

木村 哲 東京の郊外と街のドライビング
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/540.html

木村 哲 音楽論集
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/539.html

木村 哲 私のアンプ設計&製作マニュアル
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1731.html  

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