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木村 哲 音楽論集
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/539.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 12 月 02 日 05:27:33: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: knaclub | Hans Knappertsbusch Fun's Page ハンス・クナッパーツブッシュ研究 投稿者 中川隆 日時 2021 年 11 月 08 日 14:05:47)

木村 哲 音楽論集

-SINCE 1996
- 東京都市生活 + 真空管Audio + 視線入力 + 音楽 + 英国車
- Tokyo Metropolitan Life & Tube Audio & Eye Tracking & Backstage of Musik & British Vehicle
http://www.op316.com/

音楽の舞台裏&ウィーンの音楽
http://www.op316.com/musik/index.htm

音楽のおすすめソース
http://www.op316.com/reference/reference.htm


木村 哲 私のアンプ設計&製作マニュアル
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1731.html  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 中川隆[-14933] koaQ7Jey 2021年12月02日 12:00:13 : sPZpxVrBLy : Zm03RHZCRWZRNGc=[26] 報告
木村 哲 美しき英国車の生活
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1354.html
2. 中川隆[-14922] koaQ7Jey 2021年12月02日 18:04:24 : sPZpxVrBLy : Zm03RHZCRWZRNGc=[38] 報告
木村 哲 東京の郊外と街のドライビング
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/540.html

木村 哲 音楽論集
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/539.html

木村 哲 私のアンプ設計&製作マニュアル
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1731.html  

3. 中川隆[-14916] koaQ7Jey 2021年12月03日 02:39:51 : G5ABra6JXc : RVZDMkZkZll6d2M=[3] 報告
「シーズン」って何?
音楽のシーズンを楽しむ
http://www.op316.com/musik/music-seasonality.htm


シーズンとは
クラシック音楽の世界では「2015〜2016シーズン」という風に、2つの年にまたがった言い方をします。毎年、シーズンのはじまりは毎年9月初旬で、終わりは翌年の6月末前後です。

ウィーン国立歌劇場・・・2014年9月3日ワーグナー「さまよえるオランダ人」が初日で、2015年6月30日ヴェルディ「リゴレット」まで。
ウィーン・フィルハーモニー・・・2014年9月10日グスターヴォ・ドゥダメルが初日で、2015年6月23日マリス・ヤンソンスまで。
新国立劇場・・・2014年10月2日ワーグナー「パルジファル」で開幕し、2015年6月30日松村禎三「沈黙」まで。
このように、秋から夏の前までをひとつのシーズンとして全公演プログラムが企画されて発表されることになっています。欧州ではあたりまえですが、日本ではあまりなじみがありませんね。それでも新国立劇場も「2015〜2016シーズン」という言い方をします。NHK交響楽団の会員券にもシーズンの考え方があって、9月〜6月を一シーズンとしています。
要するに、夏休みはみんな田舎に遊びに行ってしまい、街は誰もいなくなってしまうのでコンサートやオペラができないわけ。そのかわり、田舎ではさまざまな音楽祭が開かれます。

どの劇場やオーケストラも、次のシーズンの全プログラムが発表されるのは4月頃です。その頃になると楽友協会から次シーズンの分厚いプログラムが送られてきます(右画像)。こういうのを見てにやにやしながら、いつ頃行こうかなあと飛行機のチケット代など調べつつ、シーズンの幕開けを待つわけです。

夏休みとお祭り

シーズンが終わって次のシーズンが始まるまでの間には「夏休み」があります。この期間は夏休みですから、歌劇場はお休みです。新国立歌劇場も7月と8月はオペラやバレエの公演はありません。では音楽家達は夏休み中はずうっとバカンスで休んでいるのでしょうか。いえいえ、主に8月ですが音楽のお祭りがたくさんあるので結構忙しいのです。

ザルツブルク音楽祭・・・2013年の場合は、7月18日〜8月30日に開催され、ほぼ毎日コンサートやオペラが上演されました。世界中からさまざまな音楽家がやってきますが、常連のウィーンフィルの場合、ほとんど毎日休みなくプログラムが組まれていました。
ということは、ウィーンフィルの団員達がゆっくりと休めるのは、シーズンが終わった7月の始めからザルツブルク音楽祭がはじまる7月中旬までのほんの2週間ということになります。もっとも、シーズン中はウィーン国立歌劇場管弦楽団の仕事とウィーンフィルという自主的活動の両方がありますから本当に多忙ですが、ザルツブルク音楽祭の期間中はコンサートかオペラのどちらかしかありませんからかなり楽になるだろうと思います。ウィーンフィルの団員の多くは家族揃ってザルツブルクの夏を楽しむそうです。
夏休み期間中には各国でさまざまな音楽のお祭りがあります。

ルツェルン音楽祭・・・スイス、8月中旬〜9月中旬
バイロイト音楽祭・・・ドイツ、7月下旬〜8月末
プロムス・・・英国、7月中旬〜9月上旬
ヴェローナ・オペラ・フェスティバル・・・イタリア、6月中旬〜9月上旬
草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル・・・日本、8月中〜下旬
ウィーンフィルのスケジュールを見てみると、毎年ルツェルン音楽祭とプロムスにも出ていますから、夏は結構忙しいといえるかもしれません。しかし、お祭りはお祭りなので団員達も結構楽しんでいる風があります。
草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルは、小規模ながら歴史も実績のあり、海外から優れた演奏家が講師としてやってくるので、講師陣によってかなり充実したコンサートが毎日のように開かれます。ウィーンフィルの現役およびOBの首席奏者が何人もやってくるので、私はこれを聞きに草津までクルマ走らせることがあります。もっとも、これに来てしまうとザルツブルク音楽祭には出られなくなるわけで、それもあってか来日する講師は1年おきに交代でやって来るルールを作ったそうです。

海外遠征

そして、夏のお祭りが終わるか終らないかのうちに次のシーズンに突入するのですが、9月〜11月というのは海外遠征の季節でもあります。クラシック音楽で年間の来日アーティストの数は、10月と11月がダントツに多く、次に多いのが6月です。つまり、シーズン初めとシーズンの終わりが来日しやすいということなのでしょう。

7月からは夏休みでコンサートはありませんから、6月中は次のコンサートのためのリハーサルがありません。それで海外に出やすいというのがあります。

秋に来日が多いもうひとつの理由は、日本の企業やお役所の予算制度が関係しています。日本では、多くの組織で事業の新年度は4月から始まるため、予算の実行も4月からという制約があります。来日公演のためのプロモーションや準備ではかなりの費用がいりますが、それが使えるのは4月以降になります。9月〜11月のコンサートのチケットの発売は5月〜6月頃ですから、新年度予算がプロモーションになんとか間に合うわけです。

あるアーティストに「なんで毎年秋に日本に来るの?」と聞いたら「別にこの季節に来たいわけじゃないよ、コンディション的には2月くらいがベストなんだけどその時期は日本からは全く声がかからない、だから米国に行く」という返事でした。

ウィーンフィルが日本にやってくるのはいつも秋ですね。早くて9月、遅くて11月です。8月はザルツブルク音楽祭がありますから来れません。来れるのは、早くてルツェルン音楽祭が終わる9月中〜下旬からです。ルツェルン音楽祭で演奏したプログラムをそのまま日本に持って行けば、リハーサル回数を節約できます。ルツェルンの後にルーマニアのエネスク音楽祭が挟まることもあります。海外遠征は9月〜6月のオペラシーズンと重なりますから、ウィーンフィルの場合、国立歌劇場で毎日オペラをやる留守番組と、海外に出っ放しになる遠征組とに分かれます。ウィーンフィルの北米ツァーは2〜3月が多いです。

12月に来日がないのは、多くの団員がクリスマス前後に休暇を取りたがるそうなので、人手不足で海外に行けるような余裕がないからだと思います。それに年末から元旦にかけてニューイヤーコンサートがありますからね。

季節と音楽

年末の第九

年末の音楽的行事として、年末の第九(L.v.Beethoven 交響曲第9番 ニ短調)のコンサートがあります。何故、日本で年末に第九が演奏されるようになったのかというと、どうやらオーケストラのボーナス捻出が目的のようです。ですから、オーケストラはプロですが、合唱は金がかからない音大生や市民合唱団が多いのです。ちなみに、第九歌いで有名なある声楽家は、年収の50%を12月の第九出演で稼ぐそうです。しかし、年末に第九を演奏するのは日本の専売特許ではありません。ウィーンでも12月30日と31日にウィーン交響楽団が第九を演奏します。

「くるみ割り人形」と「ヘンゼルとグレーテル」と「ラ・ボエーム」

・・・と言えば、クリスマスを思い浮かべる音楽ファンは多いと思います。私も、年末になるとこの3つのどれかを観に行きたくなります。P.I.Tchaikovskyのバレエ「胡桃割り人形」はまさにクリスマスの夜のファンタジーですから、クリスマスにやらずにいつやるの?という感じがします。雪景色の中に建つ立派なお屋敷に、大人や子供たちが集まってくるオープニングは何度見てもわくわくします。E.Humperdinckのオペラ「ヘンゼルとクレーテル」も欧州ではクリスマスの定番のひとつです。ストーリー中にはクリスマスらしいものは全く出てきません。これはHumperdinckがこの曲を婚約者にクリスマス・プレゼントしたこと、そしてクリスマスの前々日に初演されたこと、子供も楽しめる内容であることが理由のようです。G.Pucciniのオペラ「ラ・ボエーム」は第一幕がクリスマスイヴの場面で開くこと、第二幕もクリスマスの街の喧噪場面ではじまることで、クリスマスにふさわしいオペラという感じがします。

大晦日に「こうもり」

このオペレッタの場面設定は、「1874年の大晦日から元旦までの1日のできごと」を描いたものです。ですから、ウィーン国立歌劇場とフィルクスオパーでは大晦日の定番になっています。わくわくする音楽、華やかな舞台、すてきな衣装、どきどきはらはらな男と女の駆け引き、いたるところで笑わせてくれる最高傑作ですね。日本ではなかなか年末の上演がないのが残念です。大晦日だけでなくお正月に入ってからも上演があります。

ウィーンフィルのニューイヤーコンサート

元旦といえばウィーンフィルのニューイヤーコンサートですが、実はこれは同じプログラムで、12月30日のプレビュー、12月31日のジルべスター、そして元旦のニューイヤーの3回があって、テレビで生中継される元旦のは最終回なのです。なお、ホールを飾る花が設置されるのは30日のプレビューの後なので、30日はまだ花はありません。

これを模して、日本でもそれっぽいコンサートがいくつも開かれますし、ウィーン・フォルクスオパー管弦楽団は毎年サントリーホールにやってきますね。日本のお正月でおなじみのウィーンリングアンサンブルは、じつは年末にウィーンの楽友協会ブラームスザールで同じプログラムでコンサートをやりますから、年末年始のウィーンに行く機会がありましたら、これを逃す手はないでしょう。

・・・(工事中)

http://www.op316.com/musik/music-seasonality.htm

4. 中川隆[-14915] koaQ7Jey 2021年12月03日 02:41:45 : G5ABra6JXc : RVZDMkZkZll6d2M=[4] 報告
ウィーン滞在を快適に過ごすために
ウィーン渡航&滞在ガイド
http://www.op316.com/musik/stay-wien.htm

■はじめに■
海外の旅をどのようデザインしどのように過ごすのかは人それぞれですので、そのことについて余計なお節介を焼くつもりはありません。ここではちょっとした知恵やヒントらしきものをいくつかご紹介するにとどめます。旅慣れた方はわざわざお読みいただく必要はありません。

■渡航・滞在のヒント■
渡航とパスポート
オーストリアはEUに加盟しているので他のEU諸国と同じ渡航条件です。日本人の場合は有効なパスポート(シェンゲン領域国からの出国予定日から3か月以上残っておりかつ10年以内に発効されたパスポート)があればビザなしで渡航できます。米国への渡航で必要なESTAのような手続きもありません。シェンゲン協定加盟国からの渡航では国境検査なしで入国できますので、飛行機の場合は国内線扱いになります。たとえば、日本を出てスイスのチューリヒ経由やフィンランドのヘルシンキ経由でウィーンに行く場合、チューリヒやヘルシンキでEUに入国するので、チューリヒあるいはヘルシンキ〜ウィーン間は出入国手続きがありません。但し、観光目的でない場合、180日(場合によっては90日)以上の滞在になる場合は条件が変わりますのでご注意ください。

年末年始は要注意

ウィーンで年末年始を過ごそうという人は非常に多いため、この季節のウィーン行きの便やホテルはとても混雑します。乗り継ぎで便利なのはフィンランド航空ですが、フィンランド航空は日本航空との共同運航なのでウィーン行きは日本人で一杯になります。大晦日のウィーン市街中心部は、ウィーンで年越しを楽しもうという人々で歩けないくらいごった返します。ということは、ウィーンのホテルも一杯になります。

年末年始にウィーンに行こうという方は、できるだけ早くにフライトとホテルを確保されることをおすすめします。どれくらい早い方がいいかというと3ヶ月から半年くらい前です。時期が遅くなるほどに、希望のフライト、希望の座席、希望のホテルが取れなくなります。

季節と時差と日照

ウィーンは日本よりも気温が5℃〜10℃くらい低いので、夏は快適ですが冬はかなり寒いです。例外は3月頃で、日本よりも穏やかで暖かく感じる日が多いように思います。夏が快適だといっても、ウィーンフィルは7月に入ると2週間の夏休みになりますし、その後は全員ザルツブルク音楽祭に行ってしまいます。7月から8月末までのウィーンはオペラもコンサートもありませんから、音楽を聞く目的で真夏にウィーンに行くというのは不可能です。春と秋は気温の変化が激しいので、シャツ1枚で外出できる日もあればコートが必要な日もあります。ウィーンの人々はじつにこまめに気温の変化に応じた服装に切替えて外を歩いています。

通常期の日本との時差は8時間です。ウィーンのお昼の12時は、日本の夜の20時です。サマータイム(夏時間)では時差は7時間になります。サマータイムの期間は、3月の最後の日曜日から10月の最後の日曜日までです。

高緯度の欧州の夏は昼が長く、冬は夜が長いです。日没時刻は、6〜7月=20時半〜21時、11〜1月=16時〜16時半。冬は早くに日が沈んであという間に真っ暗になります。しかし、それで1日が終わってしまうわけではなく、12月の夕暮れはクリスマスマーケットで賑わいますし、冬の間じゅうコンサートが盛りだくさんです。

ウィーン行きの空の便

日本(成田)からウィーンへの直行便は2016年秋、オーストリア航空の撤退でしばらくありませんでしたが、2018年5月中旬に復活します(喜!)。

StarAlliance系・・・ウィーン発着が多いオーストリア航空はルフトハンザの子会社なので、ウィーンに行く場合の利便性はルフトハンザおよびその子会社が一番でしょう。ANAもStarAllianceですが、乗り継ぎ空港〜ウィーン間はルフトハンザのコードシェア便を使うため、座席を自由に選べない、オンラインチェックインができない(ことが多い)などの制約があります。経由地はミュンヘンが最も無駄がありません。スイスインターナショナルエアーの場合はチューリヒ経由になります。SASはコペンハーゲンでの乗り継ぎなので無駄がなさそうですが、待ち時間が短い乗り継ぎ便が少ないようの思います。ブリティッシュエアーは羽田発がありますがヒースローまで連れて行かれるので時間的にはちょっと不利です。


プレミアムエコノミー待遇No.1といえばルフトハンザ(左)ですがANAのシートも悪くない(右)

OneWorld系・・・フィンランド航空は、成田〜ヘルシンキ〜ウィーン間に連絡の良い便を持っているので時間的に無駄がなくOneWorld系ではおすすめです。JALとフィンランド航空の共同運行もあり、いずれも乗り継ぎはヘルシンキ・ヴァンター空港になります。


ヘルシンキ・ヴァンター空港の眺め / フィンランドといえばマリメッコとムーミン / デザインセンスあふれる空港ラウンジ

ミュンヘン空港での乗り継ぎ・・・ルフトハンザやANAの便はターミナル2のHゲートに着きます。降機してすぐに入国手続きをしてから、ウィーン行きの便のゲートに移動します。ウィーン行きの便の多くはサテライトターミナルのKゲートですが、サテライトターミナルは離れたところにあるので地下を走る無人のトラムに乗って移動します。サテライトターミナルに行かずにターミナル2でのんびり食事などしているとウィーン行きに乗り損ねるので注意してください。日本に帰る時はこの逆になります。

フランクフルト空港での乗り継ぎ・・・あまりいい話を聞かないので私は敬遠しています。使ったことはありません。荷物を送った時も、フランクフルトの税関でケチをつけられて日本に送り返されたし・・・。

ヘルシンキ空港での乗り継ぎ・・・ヘルシンキ・ヴァンター空港は、日本からの便が着くターミナルとウィーン行きのターミナルが短い通路でつながっているので流れがスムーズです。入出国手続きは2つのターミナルの中間にあります。

特急列車でウィーンへ・・・ミュンヘンで降機してミュンヘンから高速特急でウィーンに入るという方法もあります。ミュンヘン〜ウィーン間は航空機の便数が多いだけでなく、レイルジェットという高速特急に乗れば、一本でザルツブルク〜リンツ〜ウィーンと移動できます。ミュンヘンには音楽的にウィーンに近いバイエルン国立歌劇場がありますから、ここでオペラを観てからオーストリアに移動するというのもアリだと思います。

全航空会社を網羅し、料金から所要時間まですべてがわかるこのサイト(http://www.skyscanner.jp/)が便利です。

航空券を予約&購入したら、航空会社のWebサイトからパスポート情報を登録しておきます。パスポート情報が登録されていると、事前チェックインが簡単(あるいは自動)になるのと、パスポートさえ持っていれば空港で自動発券が可能になります。

ユーロへの両替

オーストリアの通貨はユーロです。渡航時の両替は、手軽さもあって成田空港の出発ロビーにある常設の両替所を使っています。額面が50ユーロ以上の高額紙幣は非常に使いにくくカフェなどでも嫌がられるので、用意するのはもっぱら10ユーロ紙幣です。ウィーン空港に着いてすぐに現金を使う場面というと、空港にあるSPARで食品購入とCATや地下鉄の切符あるいはタクシーですから、10ユーロ紙幣がないと困ります。切符の自販機も、日本だったら普通に5千円や1万円札が使えますが、ウィーンの自販機は20ユーロが使えればいい方です。私は、10ユーロ紙幣をドッサリ、残りは20ユーロ紙幣になるように券種を指定して両替するようにしています。

最近は、両替のWebサイトがあって、銀行よりも良いレートで両替できるところが増えてきました。Webサイトから申し込んで指定口座に振り込むと、現金を簡易書留(日本国内では外貨はお金ではなモノなのです)で送ってくれます。

ケルントナー通りやシュテファン寺院の付近などの中心部には、あちこちに両替窓口があって銀行が閉まっている時でも営業しています。書類を書く必要もなく現金さえ渡せばすぐに交換してくれるのでとても便利ですが変換レートは割高です。しかし、休日でもやっていて便利なので私はユーロが足りなくなると時々利用します。

ウィーン空港からウィーン市内へ

移動手段などはガイドブックを見ていただくのがベストだと思いますが、私がよく使う方法をご紹介しておきます。

ウィーン空港に着いて到着ロビーを出たら、とりあえず右に進んで目の前にあるスーパー「SPAR」に入ります。そこで当座の生活を支えるサンドイッチや牛乳、ヨーグルトなどを買います。到着した日は結構疲れているので食事はあまり外出しないで部屋でとり、さっさと寝てしまうことが多いからです。日曜日の場合は、ウィーン市内の店はほとんど閉まっていますので、ここで仕入れておかないと食べるものがなくなります(高級レストランや大きなカフェは営業しています)。

SPARの目の前に地下の空港駅に続くスロープがあるのでそこを降りてゆくとCAT(City Airport Train)のグリーンの自動販売機があるので、そこで往復割引切符を買い、ホームに降りてゆきます。ここにはCATのほかに普通の電車(OBB)のホームも並んであります。OBBはすこし時間がかかりますが安いです。CATを使う理由は、速いということと帰国する時にウィーン市内のWien Mitte駅でチェックイン※ができるのでスーツケースを運ばなくていいし、飛行機の座席も早くに確定します。(※のWien Mitte駅でのチェックインは、CATに乗車しなくてもできます。但しStarAlliance限定。)

CAT(City Airport Train)は30分に1本走っており、発車時刻は、ウィーン空港発(行き)・Wien Mitte発(帰り)いずれも毎時06分と36分なので覚えやすいです。

CATはグリーンの巨大な車両で、ドアは自分で開けて乗ります。ドアに押しボタンがあるのでそれを押せば開きます。全自由席で満席になることはまずありません。必ず車内検札が来ますので切符なしで乗ることはできません。日本の電車と違って発車のベルは鳴りませんから、時間になると音もなく発車します。途中で停車する駅はなく、ウィーン市内Wien Mitte駅に直行します。Wien Mitte駅からは、地下鉄に乗り換えるか、タクシーをつかまえてホテルまで行くことになります。

ウィーン空港とウィーン市内をつなぐバス(Vienna Airportlines)もあります。行き先は、U2/U4のMorzinplatz/Schwedenplaz行きとU3/U6のWestbahnhof行きの2つです(2016.1現在)。行き先が微妙に市の中心をはずしているので私は使ったことはありません。

ちょっと贅沢をするならリムジンタクシーがあります。空港にカウンターがあってそこで申込みができますが、Webでの予約を受け付けている業者もあります。これですと一発でホテルまで行けます。通常のタクシー乗り場は、空港を出たら目の前にあります。ホテル名を言えば大概はわかりますが、どの通りなのかを言えばより確実です※。ウィーン空港からウィーン市内中心部までのタクシー料金は40〜45ユーロ+チップで、所用時間は道路が空いている時で20分くらい、少々混んでも30分程度でしょうか。日本のようなひどい渋滞はありませんが、市内は一方通行だらけなので目的地近くでとんでもない遠まわりをすることがよくあります。

私は、ホテルを予約した時にオプションとして空港でのPick up service(迎車)も依頼してしまいます。帰りはホテルのフロントでタクシーを呼んでもらうのですが、空港までだと大概定額のサービスがあって割安なことが多いです。

※日本では住所を町名で表しますが、欧州では通りの名で住所を表します。そのためタクシー・ドライバーは街のあらゆる通りや路地の名前を暗記しているのです。また、建物には連番がついているので、通り名+建物番号を言えば目の前につけてくれます。
ウィーンカード

ウィーン市内の地下鉄・トラム・バスが載り放題で、これを提示すると美術館や買い物やコンサートが割引になるカードです。時間制限があるのでのんびり長期滞在する人には合いませんが、3日以内にでウィーンを集中的に楽しもうという人にはかなり強力です。

レッドカードの場合:
24時間・・・13.9ユーロ
48時間・・・21.9ユーロ
72時間・・・24.9ユーロ
空港で買えばCATが1ユーロ引き、地下鉄やトラムは1回2.2ユーロですから、CAT+1日4回×3日間で25.6ユーロになるのでこれだけで元がとれます。美術館は1ユーロ〜3ユーロの割引があり、コンツェルトハウスとフォルクスオパーが10%引きがあります。国立歌劇場のショップ「アルカディア」が10%引き、アウガルテン、プラーター公園の大観覧車もちょっと割引きになります。カフェはSchwarzenbergのみ10%引き。計画がはっきりとしていればお得なカードですが、無計画だと損するかもしれません。
交通機関の切符と自動販売機と刻印機

ウィーン市内では徒歩が結構有効で、交通機関としては地下鉄(U-Bahn)や路面電車(Strassenhbahn)やバス(Bus)ですべて足ります。ウィーンでは、これらに乗る時にいちいち切符を買わない人がほとんどです。地下鉄、路面電車、バス共通の割引切符があれば改札は通り抜け自在になります。1回券(2.2ユーロ、2015.3現在)と24/48/72時間割引の切符は使い始めに改札にあるブルーの刻印機でスタンプします。刻印すべきキップを刻印しないまま乗ってしまうと悪意ある無賃乗車として罰金がかかり言い訳は通用しません。

・1回券(1 Fahrt)・・・1回限りのキップ。乗る際に刻印する。
・24時間、48時間、72時間フリー切符(24 / 48 / 72 Stunden)・・・切符を買って駅で刻印した時から起算して乗り放題になる切符。最初に使う時に刻印する。
・1週間切符(Wohenkarte)・・・月曜日から翌週の朝9時まで乗り放題の切符。販売時に自動的にいつからいつまでかを印字されるので刻印は不要。

私は1週間切符(Wohenkarte)を基本にして他と組み合わせることが多いです。上記以外のパターンもあるので必ずガイドブックで確認しください。

切符の自動販売機は各駅にあります。ドイツ語のほかに英語に切替えることができます。注意点としては、50ユーロ以上の額面の紙幣は使えないこと、中には20ユーロ紙幣がダメな販売機もあります。痛んだ紙幣もダメです。

自販機→ ←刻印機

左下:刻印(entwerten)した一回券(1 Fahrt)。「12Mo」は年の初めから数えて第12週目の月曜日(2017年3月20日)という意味。「HZ」は駅名コードでHerrengasseの意味。
右下:月曜日の朝から1週間乗り放題のWochenkarte。「11/2017」は、2017年の初めから数えて第11週(3月13日〜3月19日)という意味。

1 Fahrt→ ←Wohenkarte

ウィーンの電源事情

<コンセントの穴やプラグの形が違う>
コンセントの穴は「Cタイプ」と呼ばれる丸い2つの穴ですので、日本で使っているプラグは使えません。左下の画像では中央の2つがこれにあたります。白い方はウィーンの電気店で売っていた工作用のプラグで、黒い方は日本で買った変換アダプタです。変換アダプタは大手の電気店や通販や百均ショップで廉価に購入できます。右下の画像は、日本で売っているテーブルタップのプラグをCタイプに取り換えたもので、これがあればいちいち変換アダプタを使わなくても日本仕様のプラグが使えますので、海外滞在で重宝しています。

(クリックで拡大)

<電圧が違う>
ウィーンをはじめとする欧州のほとんどは商用電源の電圧が220V〜230Vです。そのため、日本から持って行った電気製品には、そのまま使えるものと使えないものとがあります。下の2つのACアダプタを見ると、左側は100Vしかダメなので欧州では使えませんが、右側は100V〜240Vに対応しているので欧州でも使うことができます。

100V仕様→←100V〜240Vのユニバーサル仕様(クリックで拡大)

海外で使えるかどうかはかならず器具の表示を見て確認してください。100V仕様のものを220V〜230Vで使うと火災になるなど恐ろしいことが起きます。携帯電話やパソコンやシェーバーの充電器などは、そもそも海外での使用も考慮したものがほとんどですので大概OKです。ダメなのはドライヤーや電気ポットなど大電力を食う器具です。大概のホテルの部屋にはドライヤーや電気ポットがありますが、ないホテルも存在するので持って行く必要があるかどうか事前にホテルのWebサイトなどで確認してください。

<電池>
欧州には、日本のようなコンビニがありませんので、電池はなかなか売っていない上に非常に高価です。予備の電池は日本で買って持って行くのが正解です。

ホテル生活を快適に

<インターネット>
電子メールやWebでの検索のほか、コンサートのチケットの予約、帰りの便のオンラインチェックインなど旅先でインターネットが使えないとなにかと不便です。

ほとんどのホテルで無線LANまたは有線LANが使えます。無線LANはSwisscom(HOIST)を使っているホテルが多く、フロントでフリーのIDとパスワードを印字した紙切れをもらってきてログインする方式が普及しています(右の画像)。ひとつのIDで複数のPCや携帯端末を利用できます。まれにインターネット設備が十分でないホテルもありますので、事前に確認してください。

ホテル以外では、空港のほかCafeの多くでフリーWifiが使えます。場所を問わずどこにいてもWifiが使えるようにしたい場合は、Global WifiやWi-Hoなどの海外Wifiレンタルを利用することになります。

<バスルームのタオルのルール>
欧州の多くのホテルで行われている環境への取り組みのささやかなルールについて書いておきます。

ホテルに連泊した方が外出から戻ってみるとタオルが交換されていなくて「あれっ?」と思うことがあります。これはチップが足りないわけではなく、ホテルがタオルの交換をさぼったわけでもありません。あなたはきっとこんなメッセージが書いてあるカードをバスルームで発見するでしょう。

Help our environment!
Dear Guest,
If you are happy to use your towels again, please hang them up.
If you prefer freshly launded towels, please leave them on the floor in the bath.
Thank you.

替えてほしいタオルはバスルームの床に落としておけばいいというわけです。

<空調>
ウィーンのホテルの空調には概ね2パターンあるように思います。

エアコン式・・・日本や米国のホテルと同じで、天井の通風口から温風や冷風が出てくるタイプです。室温は壁についているコントローラで設定します。

温水式・・・クラシックなホテルは大体これです。通常は窓際に設置してあり、横についているバルブを開くことで温水を循環させて温める方式です(右画像)。昔は蒸気循環(スチーム)でしたが、カンカンうるさいので今は静粛な温水式(Heizung)が標準です。ファンの音がないので静かだし、部屋がホンワカと暖まるし、バスルームにもついていることが多いのでタオルや洗濯物もこれに乗せておくとすぐに乾きます。私は温水式の暖房のホテルを定宿にしています。この方式は暖房だけなので、冷房のための追加でエアコンをつけているホテルもあります。

<ルームサービス>
高級ホテルになるとルームサービスがありますね。ルームサービスは、かなりきちんとしたセッティングをしてくれるし、周囲を気にすることなく、そして時間の制約なしに部屋でゆっくりとお茶や食事ができるので私は好んで利用します。右の画像のデカい横長のお皿はチキンサラダ1人前でパンは普通についてきます。あちらではサラダは立派な料理なのでサイドメニューだと思って別にメインを注文するとえらいことになります。中央のお皿はポテトチップスにまみれたサンドイッチ。

ルームサービスは部屋に置いてあるメニューを見ながら部屋から電話で注文します。料理が出来上がると、大きなトレーに食器、カトラリー、ナプキンなどを一式乗せてやってきて、部屋のテーブルにセットしてくれます。これだけのことで部屋がレストランに変貌するのがルームサービスの妙ですね。

この時、計算書も持って来ていますのでそこにサインします。そのために、チェックインの時に照合用の書類にサインしたと思います。計算書にチップを書き入れる欄がある場合はそこにチップの金額を書き入れます。記入欄がない場合は、その場で現金で渡したらいいでしょう。だいぶ前のことですが、なかなか帰らないでもじもじしているのでようやくまだチップを渡していないことに気付いたことがありました。

食事が済んだら、トレーごと部屋の外の廊下に出しておきます。食器を洗う必要はありませんし、終わったことを電話などで伝える必要もありません。

ウィーンの治安・・・スリが多い

ニューヨークやロサンゼルスのような身の危険を感じるような場面はまずないという意味ではかなり良いと思いますが、観光スポットや地下鉄などには欧州特有のスリが結構います。混雑した土産物店や観光名所は特に注意がいります。たとえば、シェーンブルン宮殿の婦人用トイレではかわいらしい女の子現れて愛嬌をふりまいたりしますが、気が付いたらバッグから見事に財布を抜き取れられています。地下鉄では、観光客が多い路線が要注意で、子供のスリグループがかなりいます。子供が話しかけてきたら、スリだと思って間違いありません。気をそらせているうちに見事にやられています、しかも我々全員が!

ウィーンのトイレ事情

欧州諸国はどこもそうですが、日本のように駅やコンビニなどあちこちにきれいなトイレがあるというわけでは全くありません。トイレは基本的に有料でしかも数は非常に少ないです。料金は40〜50セントで1セントや5セントといった細かいコインは使えませんし、おつりももらえません。

トイレ事情→ http://www.geocities.jp/heuriger2005/verkehr/toilette.html
オーストリア主要都市のトイレマップ→ http://www.blasengesundheit.at/downloads/

確実なのはカフェやレストランです。カフェやレストランのトイレは店の最奥または地下にあるのが一般的。主要駅のいくつかにも有料トイレがあります。公共のトイレとしては、リング内中心部のグラーベン通りの西寄りの地下に有料トイレがあります(下の画像)。中におばさんがいて、お金を払うと「このボックスに入りなさい」と箱を指定されます。問題は用が済んでからでして、水を流すレバーや紐が見当たらず、どこをどうやったら水が流れるかがパズルなのです。

BOX内からの眺め(左)、クラシックな便器と水タンク(右)。

日本では当たり前なシャワートイレはありません。TOTOとPanasonicからポータブルなシャワートイレが出ていますのでこれはおすすめです。Panasonic製は、ケースをはずしてそこに水を入れてから本体とつないで使用します。ペットボトル用のアダプタもついていますが、ボトルがかさばるので私は使っていません。TOTO製は、ケースをスライドさせてそこにできた空間に水を入れる一体型なので部品をなくす心配がありません。どちらも良くできています。

Panasonic製(左)、TOTO製(右)。

土曜日と日曜日にご注意

欧州のほとんどの国では土曜日と日曜日はお店の営業がありませんが、ウィーンも例外ではありません。地元の人々は、週末は自宅で大工仕事をしたり、誰かの家の集まって楽しく過ごしますが、旅行者はの行動は著しく制限されます。商店やレストランは閉まってしまうので、何かを食べたくてもにっちもさっちもいかないことが多いのです。特に注意したいのが、土日にウィーンに到着するケースです。レストランが閉まっているので着いた日の晩ごはんを食べ損ねる、という悲劇が起こります。この問題を回避する方法は以下の通りです。

日曜日も営業しているスーパー「SPAR」が数か所あるので、そこでサンドイッチやフルーツなどの食品を買ってからホテルに向かう。
宿泊するホテルに、夜も営業しているレストランがあるかどうか確かめておく。
リング周辺のカフェを使う。
日本から、カップうどんなどの食品を持ってゆく(私がよく使う手)。
ウィーン市街中心部で土日曜日に営業していスーパーというと、Museumsquartier駅の交差点にあるSPARがあります(下の2つの画像)。地下鉄のWestbahnhof駅の改札フロアに隣接した小さなスーパーが日曜日に開いているのを見ました。国立歌劇場の斜め向かいの角にあるSPARも日曜日に営業していたように記憶しますが確かめていません。リング内および周辺の比較的規模の大きなカフェは通年営業しているところが結構あるので、ここで食事をするという手もあります。Mariahilfer Str.沿いは平日はとてもにぎやかですが、日曜日はジェラテリアや一部のファーストフード店を除いてほぼ全滅です。

エレベータとエスカレータ

欧州の1階は日本の2階です。ウィーンも同様で、日本でいう1階は「E」あるいは「0」、2階は「1」、3階は「2」です。地下は「Keller」なので「K1」、「K2」という風に表示してあります。ウィーンではエスカレータは右側に立って乗り、急ぐ人のために左側を空けます。地下鉄のエスカレータは故障や保守で止まっていることが多いです。

ウィーンのカフェ

<座席は勝手に選んで座る>
カフェでは、混んでいなければ席は自由で選んで勝手に座っていいことになっています。但し、コンサート前のCafe Schwarzenbergなどはとても混雑するので、ほとんどの席にReseviertの札が立っていて勝手に座れません。そういう時は、ウェイターに席を決めてもらうのがスムーズです。彼らは席をどうやりくりするかを心得ていて、そろそろ空きそうな席がわかっています。「あそこが空くからちょっと待ってて。空いたらあそこに座っていいよ」なんて言ってくれます。

<ウェイター/ウェイトレスの顔は絶対に覚える>
カフェでは、ウェイター/ウェイトレスごとに担当する席が決まっているので、自分の席は誰が担当しているのかわかっていないと追加注文やお勘定の時に困ったことになります。ですから注文を取りに来た時に顔を必ず覚えなければなりません。

<カフェのコーヒー>
ウィーンのカフェに入って席につくと早々にウェイターがやってきます。メニューを見てゆっくり考えたい時でも、とりあえず飲み物は何にするか聞いてきますので、自分の好みの飲み物を最初にオーダーしてからメニューを見ながら食べ物をゆっくり考えておいて、飲み物が来た時に注文すると流れがスムーズです。欧州では水は有料のことが多いですが、ウィーンのカフェでコーヒーを注文すると必ず冷えていない水がついてきます。しかも何故かスプーンがグラスの上に乗っかっています。これは、この水とスプーンはまだ誰も手をつけていなよ、という意味だそうです。ウィーンのカフェのコーヒーには以下の定番メニューがあります。

Kleiner Schwarzer ・・・シングルのデミタスサイズのブラックコーヒー
Grosser Schwarzer ・・・ダブルサイズのブラックコーヒー
Kleiner Brauner ・・・シングルのデミタスサイズのブラックコーヒー(少しのミルク入り)
Grosser Brauner ・・・ダブルサイズのブラックコーヒー(少しのミルク入り)
Wiener Melangeまたは単にMelange ・・・泡立てたミルク入りのコーヒー
Einspaenner ・・・コーヒーに生クリームを載せたもの(日本でいうウィンナーコーヒーに近い)
Kapuziner ・・・いわゆるカプチーノ
ウィーンのカフェは紅茶もとても充実していますので、無理にコーヒーばかり注文する必要はありません。煎茶やほうじ茶を出すカフェも少なくないのです。
Cafe DiglasのMelange(左)とCafe HeinerのMelange(右)

<カフェのメニュー>
ウィーンに限らず、カフェはコーヒーとスイーツにとどまらず、実にさまざまな使い方があり、メニュー※も豊富です。

・朝ごはんを食べるところ。
・軽い食事をする場所。
・しっかりとした食事をする場所。
・本や新聞を読む場所・・・時間制限はありません。
・コーヒー一杯で暇をつぶす場所・・・時間制限はありません。
・友達をおしゃべりをしたり、打ち合わせ、相談をする場所・・・時間制限はありません。
・お酒を飲む場所。
・トイレがある場所・・・多くのカフェやレストランでは、トイレは店の奥か地下にあります。

※ウィーンではメニューのことをSpeisekarteといいますので、メニューを持って来てほしい時は「Speisekarte, bitte」と言います。Menuは定食の意味なのでご注意ください。

スイーツは、力を入れて品揃えも豊富な店とそうではない店に分かれます。前者には、Demel、Oberlaa、Heiner、Central、Diglasなどあり、後者にはFrauenhuber、Schwarzenberg、Sperlなどがあります。

お料理は、午前中は朝御飯メニュー(Fruehstueck)で、昼から軽い食事(Kleine Geschichte/Kleine Speisen)やしっかりとした食事(Hauptspeise)になります。軽い食べ物としては、スープ、ソーセージとパン、ハムとチーズのトースト、キッシュ、サンドイッチなどがあります。スープといっても大概パンがつきますし、サンドイッチともなると山盛りのサラダと何種類ものハムが来たりします。とりあえずメインの一品だけ注文すれば万事OKで、前菜と肉とサラダなんていう風に二品も三品も注文したらえらいことになります。下の画像はいずれも軽い食事メニュー。

左・・・Cafe Schwarzenberg、手前左はチーズとハムのサンドイッチ(パンが見えない)、向こう側はキッシュ、手前右はキッシュについてきたパン。
中・・・Cafe Sperl、チーズとハムのトースト、スイーツ1品、葡萄ジュース500cc、カプチーノ。
右・・・Cafe Restaurent Augarten、フランクフルター(1ペア)+グレービーソース。

左・・・Cafe Restaurant Frauenhuberは料理で有名。Kleine Speisenから、手前左はHam & Eggs、向こう側はSacherwuerstel mit Gebaeck。
中・・・Cafe Oberlaa、手前はShinkenrolle、向こう側はEiernocker、ともにmit Gebaeck(パン付き)。

しっかりとしたメニューの代表は、ウィンナシュニッツェル(豚肉と牛肉の2種類がある)、グヤーシュ(牛肉とスパイスの煮込み)、ターフェルシュピッツ(牛肉のスープ煮)です。

<カフェでの支払い>
欧州では各国にカフェがありそれぞれにすこしずつルールが異なりますが、以下に一般的なルールについて書いておきます。

・デメルなどスイーツが主役のカフェでは、席に着く前にお菓子を決めてからはいる。デメルの場合はショウウィンドウのお菓子の番号を言う。
・カフェではテーブルごとに担当のウェイターが決まっている。
・お勘定は担当のウェイターに支払う・・・人を間違えないようにしっかりと顔を覚えておくこと。
・そこそこのチップを上乗せする。

日本人はチップの支払いに慣れていないのでどぎまぎ慌てることが多いように思います。チップの支払いは慌てずきちんとやるのが基本です。たとえば、請求が21ユーロの時に10ユーロ紙幣×3枚で支払う場合はどうしたらいいか。チップとして2ユーロを足したい場合は合計で23ユーロになりますね。30ユーロを手渡しながら「You have teanty three(英語)」あるいは「7 Euro zurueck(ドイツ語)」と言えばいいのです。「Danke schoen」とかいいながら7ユーロのお釣りをくれます。お釣りはいらんよ、という場合は「You take change / Change for you(英語)」「Stimmt so(ドイツ語)」でOK。

会話が苦手な方は、以下のようにしたらいいでしょう。たとえば、合計が12.5ユーロの時に10ユーロ紙幣を2枚手渡します。ウエイターは腰に下げた革財布からおつりとして7.5ユーロを取り出して渡してくれますから、そこから1ユーロとか1.5ユーロを取り出して手渡せばいいのです。7.5ユーロを手のひらに載せて差し出してきた場合は、チップ分だけ残してつまみ取るというやり方もOKです。

代金を支払うタイミングですが、飲み物や食べ物を受け取った直後に都度支払うというのが基本ですが、もちろん店を出る時でもかまいませんし、そろそろ出ようかなというタイミングでもかまいません。追加注文をする場合も、都度支払えばいいだけのことです。ウェイターは、忙しかったり常連客と話し込んでいたりしてなかなかこちらの席に来てくれないことがよくあります。これには地元の人も困っているそうです。急いで出たい時などははらはらどきどきしますから、早めに支払っておくのが賢明です。店によってはあとでまとめてレジなどで支払う場合もありますが、そういう店の場合はそうだと言ってくれますから、言われたとおりにすればいいだけのことです。

スーパーでの買い物・・・買い物バッグをお忘れなく

ウィーンのスーパーには、MERKUR(やや高級指向)、BILLA、SPARがあり、店舗の数はとても多いですが、日本の大手スーパーほどの豊富な品揃えではありません。Julius Meinlはスーパーというよりは、明治屋か紀伊国屋のような位置づけです。

果物や野菜の多くは自動化された量り売りです。たとえば、林檎を買いたい時はその林檎を近所に設置してある秤に乗せます。MERKURでは、林檎の値段は種類に関係なく均一なことが多く、秤の画面のApfelの絵をタッチするとその重量に応じたシールが印字されすので、それを貼ってレジに持って行きます。Julius Meinlでは果物の種類は豊富なのでひとつひとつに番号が表示してあって、秤の画面では番号をタッチします。いずれにしても、自分で量って、ラベルを印字してペタッと貼るということに変わりはありません。

ウィーンのスーパーのレジは日本とかなりルールが違います。日本ではかごごとレジに持ち込むみますが、ウィーンではかごはレジの前に置いて商品だけベルトの上に乗せます。空になったかごはレジの後方のどこかにある置き場に自分で戻します。かごを持ってレジを通ろうとするとオバサンに叱られます。

ベルトはレジ係の操作で横に動きます。ベルト上では、仕切りの棒を使って前後の他のお客さんが買った商品とまざらないようにします。会計が終わった品物はレジの先の斜面をころがり落ちて溜まりますから、その場で自分で買い物バッグに入れます。もたもたしていると次の人が買った品物がころげてきて混ざってしまうという事態になります。レジ袋はありませんので買い物袋を持って行かないと困ったことになります(高級店のJulius Meinlは紙袋があります)。

日本への帰国

航空会社の多くはオンラインチェックインができます。オンラインチェックインは通常24時間前に可能になりますが、航空会社によって条件が異なりますのでご自身で確認してください。日本の航空会社で購入したコードシェア便の場合、オンラインチェックインもCATでのチェックインもできなくてウィーン空港まで行ってからのチェックインになることが多いです。

空港行きのCATが出るウィーンMitte駅にはStarAlliance系の航空会社のチェックインカウンターがあり、出発24時間前から75分前までそこでチェックインできます。FinnAirなどのOneWorldは、ここではチェックインできませんので空港まで行ってチェックインになります。ここでチェックインできた場合はトランクなどを預けてしまえるので、身軽な格好でCATに乗って空港に向かうことができます。最新の案内はこちら→http://www.cityairporttrain.com/Services/City-Check-In.aspx

ウィーン空港(http://www.viennaairport.com/)でのチェックインは航空会社によって3か所に分かれているのでご注意ください。チェックイン・ターミナルは、1、1A、2、3です。StarAllianceは3、OneWorldなどStarAlliance以外は基本的に1です。OneWorldのターミナル1は、空港ビルの外、道路を隔てた向かい側にあり(右画像のグリーンの矢印)、これに気づかずにいきなり空港ビルに入ってしまうとわけがわからなくなって迷子になります。タクシーで空港に行く場合もあらかじめターミナル番号がわかっていないとどこで降りていいかわかりません。

ウィーン空港でのチェックインは、セルフ式のチェックイン機がずらりと並んでいてほぼ完全に自動化されています。手順は以下の通り。

(1)チェックインして搭乗券を発券する。パスポートの写真のあるページを機械で読み取ると、予約された情報が表示されるので、あとは画面の指示に従って先に進んでゆけばいいです。わからなかったら、アシストのおねえさんにやってもらったらいいでしょう。

(2)スーツケースなど大きな荷物がある場合は、荷物を預け入れるコーナーに移動します。こちらも完全に自動化されたセルフ式です。スーツケースをベルトの上に乗せて、発券されたチケットを機械にかざすと手荷物タグが出てくるので、糊がついた面をはがしてスーツケースのハンドルのところに巻きつけます。バーコードリーダーを手にとってタグのバーコードを読み取ると、ベルトが勝手に動いてスーツケースを運んでゆきます。

手荷物を預けたら、セキュリティチェックを通って搭乗ゲートに向かいます。シェンゲン協定の国での乗り継ぎで帰国する場合は乗り継ぎ空港で出国しますので、ウィーン空港での出国手続きはありません。搭乗ゲートには免税店、お土産店、カフェ、レストラン、ラウンジなどがあります。

http://www.op316.com/musik/stay-wien.htm

5. 中川隆[-14914] koaQ7Jey 2021年12月03日 02:43:30 : G5ABra6JXc : RVZDMkZkZll6d2M=[5] 報告
ウィーン音楽散歩.
http://www.op316.com/musik/wienermusik.htm

photo by Tetsu Kimura
楽友協会 / Musikverein:
ウィーンフィルの活動拠点。
歴史はウィーンフィルよりも古く、設立は1812年。
この建物ができたのは1870年。
音響の良いことで知られるGrosser SaalとBrahms Saalがある。
音楽好きなら一度はここで聴いてみたい。

リングの中心部からだったら歩く。
地下鉄で行くなら、
Karlsplatz駅の"Musikverein出口"を出ればもう目の前。
チケットのBOX Officeは画像の左を回り込んですぐ。


楽友協会 / Grosser Saal:
おなじみ、黄金の大ホールです。
上の画像は音が良いと言われるBalkon Mitteから、
終演直後の様子。
下の画像は眺めの良いParterre Logeから、
開演前の様子。
どの席で聞いてもいい音です。



楽友協会 / Brahms Saal:
ブラームス・ザールといいます。
左隅にブラームスの像があるでしょう?
ウィーン風室内楽の殿堂ですね、ここは。

このような小ぶりのシューボックス型のホールは
日本にはありません。だから、
濃密なアンサンブルのサウンドは
ここでしか聴けません。


楽友協会 / Glaeserner Saal:
楽友協会の地下にはこんなホールもある。
地下1階からさらに下におりてゆくとあるんですが
はじめての人は絶対に迷う。

大ホールやブラームスザールと違って、
このホールは音はかなりデッドです。だから
音響は期待しちゃだめ。


Geigenbauer:
楽友協会の脇でみつけました(左)。
Geigeとはヴァイオリン、
Geigenbauerは弦楽器職人のこと。

ウィーンならではの職業で
街を歩いているといたるところで目にする。
右のはコンツェルトハウスの近所でみつけた。


コンツェルトハウス / Konzerthaus:
ウィーン交響楽団の活動拠点。
ご覧のとおり、ウィーン世紀末様式。

大中小さまざまなサイズのホールがあり、
クラシックだけでなくあらゆるジャンルの
コンサートやイベントが開かれる。


コンツェルトハウス / Konzerthaus:
1階のメインロビー。
この広いロビーのあちこちに、
各ホールに上がってゆく階段がある。

オープンで庶民的な雰囲気。
格調の高さでは楽友協会には及ばない。


コンツェルトハウス / Konzerthaus:
室内楽でよく使われるMozart-Saal。
ここよりもひとまわり小さいSchubert-Saalもある。

椅子の座面が広いので、
おしりが大きい人でも余裕で座れる。


ドレス:
私がコンサートに行く時は、
こんな手軽なブレザーで済ませることが多いです。

バル(舞踏会)は流石にホワイト・タイですが、
元旦のニューイヤーコンサートも、
ウィーンフィルの定期演奏会も、
夜のオペラもこれでOK。


Museumsquartierにて:
VolksoperによるFlashmobをお楽しみください。
曲はOscar Strausのオペレッタ「Ein Walzertraum」から
良き20世紀を代表するウィーンの娯楽音楽。


Westbahnhofにて:
VolksoperによるFlashmobをお楽しみください。
曲はCarl Orffの「Carmina Burana」から。
冒頭で3人の歌手が交代で歌っているのに声が全く同じ、
音声は後でMIXしていますね。


Doblinger u. Musik Mueller:
音楽好きならDoblingerの名前はご存知でしょう。
Muellerはケルントナー通りからちょっと東に入ったところ。
ウィーンで楽譜を探すならとりあえずこの2軒。

楽譜は棚の引き出しに入っていて、
勝手に出すことはできないので、
必要なものをリストにして持って行くのが○。


EMI AUSTRIA:
ウィーン市内でCDを買うとしたら、
ケルントナー通り中ほどにあるEMIを教えられる。

クラシック関係は3F。
そこにいるおねえさんに聞けば
何があって何はないのかすぐにわかる。


Staatsoper:
ウィーン国立歌劇場。
オペラとバレエがメインだが、
2FのMahler Saalでは月に1回
ウィーンフィル団員による室内楽が開かれる。

もっともにぎやかなケルントナー通りの入り口にあり
斜め向かいには手ごろな食品スーパー、
裏手にはHotel Sacherや観光協会がある。


Staatsoper / 野外スクリーン:
国立歌劇場の前に設置された大スクリーン。
早めに行ってベンチを確保すれば、
タダでオペラを楽しめる。
ご丁寧にプログラムも売りにきてくれる。
路面電車の音がしたり
後ろの通りを救急車が走り去ったりして、
なかなかオツなもの。



Staatsoper:
オペラのシーズンは、
9月にはじまって翌年の6月末まで。

ポピュラーな演目や、
人気歌手が出るものは早くに完売してしまう。


Staatsoper / カーテンコール:
国立歌劇場のステージ。
カーテンコールは延々と続くが、
オーケストラの面々は
さっさと帰ってしまってカラッポ。

さて、問題。
この衣装、この男女構成のオペラは何?


Volksoper:
Staatsoperよりも庶民的。
親しみやすいオペラや楽しいオペレッタが中心。

U6のWaehringer Strasse-Volksoper駅前。
駅の目の前にあるんですが
おなじみの入り口があっち側を向いているので
はじめての人は「どこにあるの?」とあせる。

左は開演前、右は休憩時間。


Wir am Fenster:
Wir am Fensterは、
チェリストのPeter Schneiderが企画している、
小さなカフェで開かれている室内楽ライブ。
コンサート案内に載らないような、
ローカルなコンサートはかなり多い。


チケット代は寄付で:
この種のミニコンサートは案内のみで
チケットは存在せず無料。
終わってからビンや壷に寄付を入れる方式。
このやり方は欧州では普通。


Theater an der Wien:
W.A.モーツァルトのファンなら、
一度は足を運んでみたいと思う場所にひとつ、
「魔笛」の原作者E.シカネーダーが建設した
ここアン・デア・ウィーン劇場。

こちらは現在の正面玄関。
長らく演劇中心の劇場だったが、
オペラの上演回数が増えた。


Theater an der Wien:
路地を入った側にあるのが、
かつての玄関であり
パパゲーノが笛を吹いている「パパゲーノ門」。

この劇場は、
L.v.ベートーヴェンが住んで
「フィデリオ」を作曲したことでも知られる。


Antonio Vivaldi:
なんだろうと思って
よーく見たら、
Vivaldiが滞在した家らしい。
Hotel Sacher脇。

まあ、このてのものを探しはじめたら、
きりがない街なんですけどね。


Josef Strauss:
こちらはJosef Strauss。
ここで生まれたらしい。
Hotel Kummerの外壁で見つけた。

Josef Straussが亡くなったのは1870年で、
Hotel Kummerができたのは1872年。
ということは、
このホテルができる直前までここにあった建物で
生まれたってことになる。


ベートーヴェン像:
あら、こんなところに、
という感じの出会いでした。
コンツェルトハウスの向かいの公園にある。


Stadtpark:
この公園には、
良く知られた音楽家の像がたくさん。

左から、
F.Schubert、
R.Stolz、
A.Bruckner、
J.Strauss Sohn。


Beethoven Pasqualatihaus:
ベートーヴェンにちなんだ場所はいくつかあるが
ここもそのひとつ。
入り口は右の角を回り込んだところにある。(2015.3現在)
高台にある上にさらに階段で5階まで上がるので、
しんどい!
「ベートーヴェンさんなんでこんなとこに住んだの?」
と思ってしまう。


Johann Strauss Wohnung:
ヨハンシュトラウスIIの住居は、
この建物の2階にあった。
正面の扉を入り、右手にある呼び鈴を押すと、
音がして鍵が開くのですばやくドアを開けて中に入る。


Haydnhaus:
ハイドンが晩年を過ごした家は、
リングの西側、
マリアヒルファーStr.から少し下ったところにある。

ブラームスの遺品も同居しているの何故だろうと思ったら、
ブラームスの住居はすべて取り壊されてしまい
行き場がないんだそうだ。

最寄駅はZieglergasse。


Casino Baumgarten:
コンサートホールとしての
Casino Baumgartenであり、
レコーディングでは
Studio Baumgartenとして知られています。

「行ってみたいな」とつぶやいたら
いきなり「是非いらっしゃい」というメールがきた。

そこにいるのは、
見物中のかみさんとマネージャのMartin。


Studio Baumgarten:
アナログ機材が充実しており、
1962年製の
WSW(Wiener Schwachstrom Werke=Siemens Wien)のコンソールが現役で使われている。
マスターレコーダーはSTUDERのオープンリール。
室内楽の多くがここでレコーディングされている。

このがかっこいい!


PREISER RECORDS:
じつは、PREISER RECORDSは
ここCasino Baumgarten内にある。

世界に知られているのに、
行ってみたらスタッフ数人のちいさなレーベルだった。


中古LP屋:
Mariahilfer Strasseの裏道には、
中古LP屋がたくさんある。
ここは最大規模のTEUCHTLER。
マスクを持っていかないとホコリでむせる。


問題の答え:
右から、
音楽教師バジリオ、
?、
医者バルトロ、
バルバリーナ、
フィガロ、
軍服を着たケルビーノ、
マルチェリーナ、
アルマビーヴァ伯爵、
スザンナ、
指揮者(リッカルド・ムーティ)、
スザンナに扮した伯爵夫人、
演出家。
というわけで「フィガロの結婚」でした。

http://www.op316.com/musik/wienermusik.htm

6. 中川隆[-14913] koaQ7Jey 2021年12月03日 02:44:48 : G5ABra6JXc : RVZDMkZkZll6d2M=[6] 報告
ウィーン休日散歩.
http://www.op316.com/musik/viennahol.htm

photo by Tetsu Kimura
風致保存地区Spittelbergの家並み。
Demel:
Demelといえば王室御用達の正統派ウィーン菓子ですが、
通りに面したところでジェラートも売ってました。
絵になっていたので思わずパチリ。
Demel:
いやはや、でかいです。
お持ち帰りにするとすてきな包装をしてくれますよ。
Introduce Demel→


Demel:
2階へ上がる階段の途中から、
厨房内を見ることができます。
この日は、クリスマス用のお菓子を作っていました。
あまり知られていませんが、
地下にはDemel Museumがあります。


Cafe Sacher:
ここはザッハトルテでおなじみですね。
かみさんは、
「食感はDemelだけど味はこっちね」と申しております。
僕は「どっちもOK」です。

スイーツで有名ですがもちろんお食事もOK。


ALTMANN & KUEHNE:
チョコレートで知られた店はたくさんありますが、
この店のパッケージは小さくてすてき。
おみやげに是非どうぞ。

LESCHANZ:
チョコレート好きならここもはずせないですね。
Demelのトップ・ショコラティエが独立して開いた店。
こちらも、おみやげに是非どうぞ。
Promotion Video→


Figlmueller:
巨大なウィンナシュニッツェルで知られた店。
2枚を3人で食べています。
でかいのまるごとはウィーンフィルのチェロのN氏。
じつは、サイドでとったジャガイモのサラダがおいしい。
お昼時は行列ができます。
時間をずらして昼下がりに行くのが正解。


Ottakringer:
ウィーンを代表するビール。
コンサートから帰って、ホテルで一杯!
ちなみに、地下鉄U3の終点はOttakring駅です。
Austrian Airlinesに乗って、
機内のドリンクサーヴィスで「Beer or Wine?」て聞かれたら
すかさず「Ottakringer bitte!」と言うとめちゃウケます。

しかし、Austrian Airは2016年秋に日本乗り入れから撤退。
ウィーンへの直行便はなくなりました。


Cafe Schwarzenberg:
私たちのお気に入りのCafeを2つばかり。
Cafe Schwarzenbergは楽友協会に近いので、
コンサート前の時間つぶしや腹ごしらえに便利。
フィルハーモニカー達とここの従業員は顔なじみ。

Cafeは、
予約なしに廉価に手軽に食事をするのにも都合がよいところ。
キッシュとサンドイッチを注文したらこんなにたくさん!
2人合わせて10ユーロちょっと。


Cafe Sperl:
ここは1880年の創業当時の内装が残っています。
リングの喧騒からすこし離れているので静かで居心地がよろしい。
Cafeでは、何時間も居座って本を読んでいてもOK。
でかい500mlのグラスはウィーンの定番ドリンクで、
ジュースを炭酸で割ったもの。

ここで収録されたすてきな映像→


Cafe Restaurant AUGARTEN:
アウガルテン窯のカフェ&レストランで
ブラウナーとソーセージを注文したらこんなのが出てきた。
Cafe RITTER:
僕らの定宿の裏にある庶民的なカフェ。
いつも泊まる部屋が決まっていて、その窓からの眺め。
ホテルルームでごはん:
外食ばかりだとなにかと体の負担が大きいので、
ホテルの部屋でゆっくり食事をすることも多いです。
お湯を沸かすポットは部屋に必ずあるし、
食器やカトラリーもご覧のとおり。
うちのママは、
茹で卵などは部屋にあるもので簡単に作ってしまう。


ユリウスマインル / Julius Meinl:
ウィーンを代表する高級デリカテッセン。
店内を見て歩くだけでも楽しいです。
コーヒーや紅茶などおみやげにもいいです。

ALT WIEN KAFFEE:
地元に人に教えてもらった有機栽培コーヒー豆店。
私らはここのScarlattiブレンドが好きなので、
ウィーンに来たら必ず買って帰ります。
「ペーパードリップ用」と言って挽いてもらうと、
日本ではありえないくらい細かく
粉のように挽いてしまうのでご用心。


ARTHUR GRIMM:
とんでもなくわかりにくい路地にある
ウィーンで最古といわれるパン屋。
他の店が機械化されても、
あいかあらず古い方法で手をかけて作っています。

GIGERL:
ウィーンでお酒を飲みに行くところといえば
ホイリゲ(HEURIGER)。
ホイリゲが集まっているのはウィーン郊外の北西部ですが、
GIGERLはウィーン市街のど真ん中にあります。
ここは楽友協会からも国立歌劇場からも近いので、
本番を終えたウィーンフィルの団員達がやって来ます。


Strassenbahn:
ウィーンの路面電車はすてき!
最新型はごついデザインでいまひとつな感じですが、
好きなのは流線型のひとつ古いモデル。
Wohenkarteを持っていれば1週間乗り放題。

Strassenbahnの音。
ドアが閉まるところから始まります。


electriCITY BUS:
Cafe Schwarzenbergの前で充電中のウィーンの電気バス。
2013年から世界にさきがけて走り始めた。
始発駅でパンタグラフ上げて充電するけど、
走る時はパンタグラフは下げてしまって使わない。
ルートを1回走る分だけ充電すれば足りるのが◎。



Stadtpark駅:
観光案内にも載らないようななんでもない駅なんですが、
十分美しいデザインだと思います。
それがウィーンの立派なところ。
この駅を下りると、あの有名なJ.Struass像まで歩いて3分。
ところで、ウィーンでは地下鉄や市街電車で
切符を買って乗る人はごくわずかで、
ほとんどの人は駅の入り口で何も出さずに
すいすいと電車に乗ってしまいます。

それは、Wohenkarte(1週間乗り放題)などの
期間割引切符があるからです。


Secession:
おなじみの分離派会館です。
保守的なキュンストラー・ハウス(芸術家協会)と
縁を切って「分離」したことからこの名がつきました。
裏手からはNaschmarktがはじまり、
斜め向かいにはCafe Museumがあります。


オーストリア郵便貯金局:
オットー・ワーグナーのデザインによる建築のひとつ。
リングのはずれにありますが、
シュテファン寺院からでも歩いて行けます。
MAK / Museum for Applied Arts:
New YorkのMOMAのようなところ。
建物の窓一式がはずされて道端に置いてありました。

他の著名観光サイトに押されて地味な存在です。
おみやげショップにあるものがね、なかなか秀逸だと思います。
それだけの目的で行ってみてもいいかも。


Ludwig Nowotny:
私は、
手芸とか刺繍とかよくわかりませんが、
ここは知る人ぞ知る大変なお店だそうです。
場所は、ペーター教会の裏から少し北に移転。
2015年3月時点でまだ工事中でした。


Stefansdom:
シュテファン寺院、
あまりに大きくて、超広角レンズでも全部収まらない。
こちらは南塔。
Stefansdom:
予算不足で高さが低い北塔にはエレベータがある。
低いからといって甘くみてはいけない。
5.5ユーロで上がってみる価値はあると思う。
高所恐怖症の人は、
エレベータから出ることすらできないだろう。
Zahnweh-Herrgott:
歯痛のキリスト像、
シュテファン寺院の内部と後ろ側の壁の2個所にある。
別にキリストさんが歯痛なわけではありません。
Schottenkirche:
Schottenとは、
ドイツ語でスコットランド人のことです。
しかし、この教会を立てたのはアイルランドの修道士。
ここのパイプオルガンの音はすばらしい。
ショッテン教会は大きくて立派ですが、
何故か横を向いている。
Pflaster der Freyung:
ショッテン教会の前に残る、
西暦1200年頃の石畳。
このあたりはヴィンドボナ(古代ウィーン)の西の端。
MARX AUGUSTIN:
日本ではオーガスティンとして知られています。
その逸話はこちらでも見てください。↓
http://www.onyx.dti.ne.jp/sissi/episode-08.htm
Griechengasse:
MARX AUGUSTINのところの路地です。
両側にある岩の出っ張りは
馬車の車輪で壁がこすれるのを避けるため。
京都の犬やらいを同じ目的のものです。
AUGARTEN:
「いつか僕たちもアウガルテン・・・」
そんな夢を持つようになって30年ほど経ったある日、
ウィーンに滞在中に思い立ってアウガルテンを訪れた。
ここに来て驚いたのは、
この建物がアウガルテンのすべてという規模の小ささだった。
工房のすべてを見せてくれるツァーは真におすすめ。
ここでも買うことができますが、
税金還付などを考えたらグラーベンの直営店がいいでしょう。


風致保存地区Spittelberg:
古いウィーンの街並みが残る一角です。
このあたりは散歩に来る人も多く、
日曜日でも営業しているレストランがいくつもあります。
街を歩いていたら面白いものをみつけました。
Sala Terrenaで開かれる室内楽コンサートのポスター。
出演するのはウィーンフィルの団員たちとその家族。


プラーター公園:
・・・といえば、映画「第三の男」にも出てくる大観覧車。
お客の乗り降りのたびに停止するので、
動いては止まり、また動く。
貸し切りのパーティー・レストランにもなる。
Liliputbahn:
1929年にできたという、
プラーター公園内を巡るクラシックなミニ列車。
広い公園内をガタゴト走る。

Fruehlingsstimmen:
2013年4月のウィーンは
まだちょっと寒いのでコートが必要。
ウィーンに着いた時のホテルの裏庭:左。
日本に帰る日のホテルの裏庭:右。

Hotel Kummer:
僕達の定宿です。
市の中心から離れたリングの外側、
地元の人々が行き交うマリアヒルファー通り沿い。
あまり大きくないホテルなので落ち着く。
Cafe Gersterの経営なので料理がおいしい。

Hotel Kummer:
泊まる時はいつも同じお気に入りの部屋を指定する。
部屋を出てこの階段を下りるとすぐに正面玄関。

CITY AIRPORT TRAIN(CAT):
ウィーン市街と空港をつなぐ列車。
Wien Mitte駅〜Flughafen Wien駅間17分。
みかけによらず、のろのろと走る。
切符は往復で買っておくととても割安。
空港に向かう時はWien Mitte駅で荷物のチェックインができる。

ウィーン空港のDEMEL:
ウィーン空港の日本行き直行便はすべてGゲート(でした)。
ディレイした時の暇つぶしに適したカフェが3〜4つあって、
出発間際までスイーツを食べたかったら
DEMELですかね。

http://www.op316.com/musik/viennahol.htm

7. 中川隆[-14912] koaQ7Jey 2021年12月03日 02:47:47 : G5ABra6JXc : RVZDMkZkZll6d2M=[7] 報告
愛すべきフィルハーモニカー達
ウィーンフィルここだけの話
http://www.op316.com/musik/wp-story.htm


おことわり
本稿は、ウィーンフィルという組織や彼らの音楽の特殊性についてある程度の理解と免疫がない方にとっては有害な内容も含んでおりますのでご注意ください。逆に、ウィーンフィルについて十分な理解と知識がある方にとっては既知の内容にすぎないかもしれませんのでそこのところもご了解ください。なお、ここに書かれている内容については他所において異なる記述が存在することもまたご了解ください。時々「出典はどこか?どこに書いてあるか?」というご質問をいただきますが、私が見聞きした事実が基本ですので、どこかの記事や文献を元に書いているわけではありません。

また、指揮者の誰がどうだったとか、いつの演奏がどうだったといったような音楽活動に関する記述はほとんどありません。ゴシップめいた話題はパブリックな場にふさわしくないので書きません。その種の話題は他をあたってください。

■自主運営組織ということ■
(2016.11.1)
ウィーンフィルが他のいかなるオーケストラとも異なるのは、オーナーがおらず、誰にも雇われてもおらず、特定の誰かが権力を握ることもない組合のような自主運営組織だということです。このことについては多くのウィーンフィルの研究家によって指摘・説明されていますし、オットー・シュトラッサー著「栄光のウィーン・フィル―前楽団長が綴る半世紀の歴史」(絶版)にも詳しく書かれているので、ここで重ねて語ることは控えます。この本が世に出たのは1974年、日本語訳が出版されたのは1977年のことですが、40年も経った今でもここに書かれていることの基本は変わっていません。
わかりやすく言うと、組織の経営、指揮者の選定・招聘、プログラムや海外遠征の企画、楽譜および楽器の管理、チケットの管理、人事制度、団員の育成、財務、管理会計、内部監査、その他雑用に至るまですべて団員による執行部が主体となって運営し、重要な決定に際しては役員会や団員の投票によって決定しています。ウィーンフィルのホームページやFacebook、公式のカレンダーなどで使用されている写真は団員達が分担して撮影したものですし、定期会員の申し込みをするとチケット係の団員から直筆の返信がきます。そして、役割だけでなく利益もリスクも団員達で分け合い分担しているということです。たとえば、不慮の事故やトラブルなどで準備していた海外公演がおじゃんになったとしましょう。あてにしていた収入がないのに経費はかかりこの年の収入減はどうするのか・・・これは団員全員で負担し合うのだそうです。

世のほとんどのオーケストラは、自治体あるいは企業の財政的な保護の下で運営されていますが、ウィーンフィルはそうではありません。そもそも何故ウィーンフィルが存在するのかという非音楽的かつ重大な理由として、国立歌劇場管弦楽団の給料が少なすぎてそれだけでは一流音楽家として経済的に成り立たないからというのがあります。何らかの副業をせざるを得ないため、皆で協力し合ってウィーンフィルという副業を維持しているわけです。もちろんそれが本来の目的ではありませんが、そういう側面もあるというのは歴史的現実です。自力で財務を運用していますので、過去には何度も財政的危機が訪れましたし、ベルリンフィルのように市が財政援助をすることでギャランティーの高い優れた指揮者を長期間確保するなどという芸当はできません(カラヤンがベルリンに居ついたのはそれが理由でしたね)。しかし、これを書いている現時点(2016.11)でのウィーンフィルの財務状況は十分に健全であるといえます。

私たちは国立歌劇場とウィーンフィルをニアリーイコールとしてとらえがちですが組織的には全く別物です。国立歌劇場管弦楽団としての立場は国家公務員ですが、ウィーンフィルは一種の自主組合ですので、ウィーンフィルとして活動している間彼らは国立歌劇場としてではなくいちいち休暇を取っています。ウィーン国立歌劇場に所属する限り、毎年9月のはじめから翌年の6月末まで、ほとんど毎日のようにオペラで演奏しなければなりません。この仕事の合間、すなわち休暇をとってウィーンフィルをやっていると言っていいでしょう。ちなみに彼らが国立歌劇場のオケピットで演奏する回数は1年間に約300回、ウィーンフィルとして行うコンサートは120回以上です。後述するようにこの2つを両立させるというのは並大抵のことではないのです。保有資産についても同様で、国立歌劇場管弦楽団として使用する楽器とウィーンフィルとして使用する楽器と個人で所有する楽器が厳格に区別されているということはあまり知られていません。

ウィーンフィルの楽器は団からの支給が基本です。楽友協会大ホールのステージの真下に楽器庫があり、そこで管理されている楽器を使って演奏します。各パートは定員制ですので欠員が生じると新しい団員をオーディションや試用期間を経て採用するわけですが、たとえば新たに第二ヴァイオリンとして入団した時は、その時に退団した第二ヴァイオリン奏者の楽器を引き継ぐわけです。前任者の使い方がしみついた楽器ですから、すぐに自分の楽器としてなじむわけではありません。それを何年もかけて自分のものにしてゆき、そうやって楽器の音も引き継がれてゆきます。

■団員達の結束■
(2016.10.6)
ウィーンフィルが、利益もリスクも皆で分け合う特殊な組織であるということはよく認識しておく必要があります。自然のなりゆきとして団員の結束は固くなります。自分がへまをしたら自分だけでなく皆に迷惑がかかるからです。ウィーンフィルは、正規の団員と待機団員を合わせて定員制となっていますが、団員の総数はそれほど多くありません。海外遠征中は遠征組と留守番組とに分かれることになり、団を二つに分けてしまうとほとんど余裕がなくなります。従って、ウィーンフィルとして同時に2つのコンサートはやらない、というのが基本です。
オーストリア国内にいる場合でも、オペラと定期演奏会のリハーサルや本番がぶつかることは日常的に起きます。ウィーンフィルに属さないウィーン国立歌劇場管弦楽団員もいますので、オペラまで含めると人数には若干の余裕ができます。エキストラを入れることはできますが、許される人数はパートごとに決められていてその数は多くありません。またエキストラといっても全くの借り物奏者というのは滅多になく、引退した超ベテラン団員やウィーン音楽院の教授など、正団員よりも質の高い奏者が入っていることが多いです。また、ウィーン国立歌劇場管弦楽団員やその引退団員以外からもエキストラが参加することもありますが、正団員並みの実力を持った奏者あるいはその将来を見込まれた無名の若手奏者がステージに乗っていることもありますし、2016年の日本公演にもそうした奏者が参加していました。

そのため、パートごとのローテーション係は各団員のスケジュール調整で常に頭を悩ましています。基本的には自分のかわりがいませんから、体調不良などの理由で無闇に休めないということを意味します。団員達はそれぞれに健康について厳しく自己管理をしなければなりません。また、パート内では互いに助け合わないとやっていけないので、パートごとの結束はより強いものになります。ある若手団員は「ウィーンフィルに入団して最初に覚えなきゃならないのは、すべての団員とその家族の顔」と言ってました。

しかし一方で、音楽家という人種はとても個性が強く、好き嫌いが激しい人もいます。同じウィーンフィルの団員だからといって皆が仲良しであるわけではありません。誰と誰は犬猿の仲、という話も時々耳にします。サイン会やウィーンフィル友の会の懇親会などの会話で、不用意に他の団員の名を話題にするのはやめておいた方がいいかもしれません。

■フィルハーモニカー達の日常生活■
(2015.11.4)
シーズン中のウィーンフィルおよび国立歌劇場管弦楽団のスケジュールを見ると、彼らがいかにすごいスケジュールで動いているのか、そしてタフな連中であるかがわかります。
たとえば、午前と午後はウィーンフィルの定期コンサートのリハーサルでベートーヴェンをやり、これが終わるのが18:00です。終了すると楽器を楽器庫に戻し、手ぶらで楽友協会を出てすたすたと歩いて国立歌劇場に行きます。そして19:00からは完全に頭を切り替えてオペラ「エフゲニ・オネーギン」を演奏するのです。そして次の日も朝から夕方まで別の指揮者でリハーサルをやり、19:00から昨日とは別のオペラ「オテロ(フランス語版)」を演奏します。毎晩のように異なる内容のオペラ・プログラムの本番をこなしながら、その本番の直前まで別のプログラムのリハーサルに集中するわけです。

ウィーンフィルの定期演奏会では大概マチネのプログラムがあります。マチネの開演時刻はまれに10:00、通常は11:00や15:30です。これがあるからといって夜のオペラがないわけではありません。2014年1月11日をみてみると、11:00ウィーンフィルの室内楽、15:30定期演奏会、19:00ドン・ジョヴァンニとなっています。これらができるだけかぶらないようにローテーションの調整があるとは思いますが、世の中なかなかうまくゆかないもので、これら全部に出ることになる団員がいるかもしれません。しかし、これくらいのことはやってのけるのがフィルハーモニカーのすごいところです。勤務時間の長さもさることながら、きわめて短時間に頭の切り替えが要求されます。強い精神力と自己管理能力がないとこのような生活はできません。これがいかに超人的な技であるか、音楽をやったことがある方はおわかりになるでしょう。

おそらく、オペラを演奏した後はくたくたになって帰宅し、そのまま眠って翌朝また楽友協会に出かけるということになるだろうと思います。そうした日々の合間に、アムステルダムやらロンドンやらに一泊二日あるいは二泊三日ででかけて本番をこなします。米国や日本を含む演奏旅行は大概複数の国をはしごしますので、ウィーンを一度出たら一か月くらいは戻ってきません。運よく戻れてもすぐに出発になるので1日で次の出発の準備をしなければならない、つまり「家に戻ったらとりあえず洗濯!」とある団員が話してくれました。

オペラとコンサート(演奏旅行も含む)の両方がある日は2グループに分かれることになるので、どちらのグループも人的な余裕はありませんが、そのようなことは日常茶飯事です。さらに、その合間に、国立歌劇場の月例の室内楽コンサートやら自分達で企画した室内楽コンサートをやります。室内楽コンサートをやるということは、最低でも数回程度のリハーサルは欠かせませんから、そうした時間もどこかで捻出しなければなりません。もう超人的としか言いようがないというのが私の印象です。

事実、フィルハーモニカー達はいずれも超人のようです。何故ならば、このような忙しい音楽活動をするだけでなく、多くの団員がそれ以外に・・・たとえば弁護士とか会計士とか飛行機パイロットとかバイク野郎だとか詩人だとかアスリートだとか・・・ディープなものを持っている人がワンサカいます。ウィーンのあるレコーディングスタジオのマネージャは、「フィルハーモニカーはみんなバカみたいに忙しく、どいつもこいつもクレージーだ」と言っていました。

■室内楽という研鑽の場■
(2017.4.2)
ウィーンフィルの人々は、歴史的にも数多くの室内楽活動を行ってきました。このことは今も変わることはありません。
日本で知られる室内楽のアンサンブルというと、古いものではロゼー四重奏団、バリリ四重奏団、ウィーンコンツェルトハウス四重奏団、ウェラー四重奏団などがあり、以後もキュッヒル四重奏団(別名ムジークフェライン四重奏団)、ウィーン弦楽四重奏団、シュトイデ四重奏団、ウィーン室内合奏団、アンサンブルウィーン、ザイフェルト四重奏団、ウィーン・ガイゲン・カルテット、ニコライ四重奏団などがあります。しかし、よく調べてみるとこれらのほかにもおびただしい数のアンサンブル活動が行われていることに気づきます。さらにウィーンフィルの枠組みを越えて、ウィーン交響楽団や他のオーケストラ、ソリストなどによるアンサンブルの存在も非常に重要な役割を果たしています。

オーケストラの5つの弦楽パート(ヴァイオリンからコントラバスまで)は、通常、2人以上の奏者によって構成されます。一方、室内楽は1パートに1人の奏者が基本です。ひとつのパートを複数の奏者で弾く時は、一般に「皆で合わせてひとつの音を出す」弾き方になるわけですが、室内楽ではそのパートを弾くのは自分ひとりしかいません。パートとしての責任すべてが自分にかかってくるわけです。ということは、奏者ひとりひとりの音楽がどうであるか、その人としての音楽が確立しているかが問われます。

オーケストラの団員、とりわけ弦楽器奏者が室内楽に深く関わるということは、奏者ひとりひとりの音楽を作り上げる働きがあると私は考えています。オーケストラという集団でひとつの音楽を作り上げるためには、揃った奏法、揃った音色、揃ったタイミング・・・そうしたものが要求されるわけですが、それ以前にひとりひとりが個性ある主体的で積極的で独立した奏者であることが重要であると思うのです。ウィーンフィルで特徴的なのは、同じパート内で一糸乱れぬように揃うことよりも、ひとりひとりが他のパートの音に注意を払いそれに合わせて音楽を作り上げてゆくことをより重要視している点です。

アンサンブルをするということは、周囲の他のすべてのパートを音に耳を澄ませる、そして自分の音とのバランスをとる、という訓練になります。本番中には、良い意味でも悪い意味でもいろいろな音楽的な事件が起きます。周囲の音を聞き、それに臨機応援に対応する能力が高いと絶妙なアンサンブルが誕生します。特に、内声部が充実するように思います。ウィーンフィルでは、歴代優れた第二ヴァイオリン奏者やヴィオラ奏者が輩出していますが、背景にはこのような基盤があるからだと私は思っています。そして、こうしたことが相互に作用しあってウィーンフィルという独特のサウンドを作り上げているのだと思うのです。

ウィーンフィルの団員達の室内楽で特徴的なのは、超ベテランと成長中の中堅あるいは若手とが混ざっている場面によく出会うことです。長く続いているアンサンブルで時々行われるメンバーの入れ替えをよく観察すると、次世代の団員の育成を考慮している意図があることに気づきます。室内楽活動を通じて団員が徹底的にしごかれ鍛えられている、と言っても過言ではないでしょう。また、若手団員達も、機会あればアンサンブルを組んでコンサートを開いています。このようにして、常に個としての奏者が作り上げられる組織文化があります。

ウィーンフィルが他のオーケストラと異なるもうひとつの特徴は、彼らが顔を合わせ共に過ごす時間が異常なくらい長いということです。オーケストラの団員というのはリハーサルや本番以外の時間は個々に自分の時間を持ち別行動するのが一般的です。ところが、ウィーンフィルの団員はウィーンフィルとして過ごす時もウィーン国立歌劇場管弦楽団員として過ごす時も概ね同じ顔ぶれです。さらに演奏活動以外のさまざまな事務作業や取り組みもありますから、ほとんど毎日朝から深夜まで一緒にいることになります。時間的な重なりは彼らの音楽をひとつにする要素のひとつなのです、とある団員が語ってくれました。

ウィーンフィルの団員による室内楽活動として成功を収めつつあるのが、シーズン中に毎月1回ある土曜日に国立歌劇場のグスタフマーラーザールで開かれている室内楽コンサートです。このコンサートは団員たちが自主的に企画して行われるため、さまざまな団員の組み合わせでいろいろな曲が演奏されます。変則的な編成であるがためになかなか演奏されない曲も多く選ばれる魅力的なコンサートでもあります。全自由席であるため開場前は早くから長蛇の列ができますが、そのことからもこのコンサートの人気の程が伺い知れます。私も、ウィーンを訪れる時は必ずこのコンサートを日程に入れるようにしています。

このシリーズを企画し実現させたのは第1ヴァイオリンのギュンター・ザイフェルト氏ですが、氏が引退した後は同じくは第1ヴァイオリンのダニエル・フロシャウアー氏が引き継いでさらに大きな貢献をしています。フロシャウアー氏は、国立歌劇場での室内楽コンサートだけでなく他のさまざまな室内楽コンサートにもウィーンフィルの団員が参画することを推進し、2015年度にはその範囲は全団員の60%に及んでいます。これほど多くの団員が日常的に室内楽活動を行っているオーケストラは世界に類がありません。

■ウィーンフィル団員の条件■
(2017.12.24)
「ウィーンフィル 入団 条件」という語でインターネットを検索すると、オーストリア出身でないとダメだとか、いやウィーン人でなきゃダメだ、ウィーン音楽院出身の演奏家しか採用しないとか、純血主義といった文章が見つかりますが、私は別の視点でこのことについて考察してみようと思います。
歴代のコンサートマスターや首席奏者達をみると、非常に若くしてその地位についた人が多いことに気づきます。最近では、Albena Danailovaがそうですし、クラリネットではDaniel Ottensamerもそうですね。彼らがすでにウィーンフィルの団員として完成された能力を持っていたからというわけではありません。あのGerhard Hetzelですら、コンサートマスター就任当時は「そりゃヒドかった・・・俺たちはやつの現在ではなく未来を買ったんだ」と言われ、基礎から徹底的に鍛えられてやがて「3年でモノになったね」と言われたのでした。

ウィーンフィルに入団するための手続き的なことについては多くの解説がありますのでここで説明を重ねることは避けます。私が感じるのは、ウィーンフィルに入団する人は共通して、それぞれに自分の音楽が確立しているということです。ウィーン風に弾くのがうまい、ということ以前に個としての自己の音楽が確立していないとダメなのだということを私に言ったフィルハーモニカーがいました。自分の音楽がしっかりとできているところに十分な演奏テクニックがあるからこそ、入団してからウィーンフィルの音を引き継ぐことができるのだと思います。よく「生粋のウィーンっ子じゃなきゃダメだ」なんていう人がいますが、その方はウィーンと中心とする東欧の音楽文化圏をご存知ないのでしょう。ウィーンの音楽は、ウィーンを含む周辺諸国の複雑な音楽文化が集まったものです。ザツルブルクやグラーツやオーストチロル地方やプラハやブラチスラヴァやブダペスト・・・こういった地域なくしてウィーンの音楽は存在しえません。

異なる文化を持ったひとりひとりが自分の音楽を持ち、しかもウィーンフィルとして集まるとウィーンフィル独特の音を奏でる一員となり、さらに豊かな音楽性を磨くには、音楽的文化の壁を作っていたのではダメなんですね。歴代の名奏者をみてもそれぞれに個性があり、決して同じではありません。同じではないけれども、一緒になってオーケストラとして同じ音を作り出そうという態度があります。ある団員がこのことを「集団記憶なのだ」と言いました。異なる楽器のパートすら超えて、団員全体としてウィーンフィルの音を記憶し、それを次の世代に伝えるという見えない仕組みが働いているというのです。

「オーストリア出身でないとダメ」、「ウィーン人でなきゃダメ」という表面的かつ短絡的な発想は恥をかきますので早々におやめになった方がいいと思います。たとえば、ウィーンフィルファンなら誰でも知っているスウェーデン人の父を持つ一家はどうなのでしょうか。彼らの音楽的ルーツをたどるとなんとアルノルト・ロゼに師事したあるウィーンフィル団員に行き着きます。ウィーンを出て、スウェーデン〜ザルツブルクを経て再びウィーンへというわけです。ウィーンフィルをとりまく音楽家達の関係はとても複雑です。日本のウィーンフィル友の会発行の団員名簿に書いてある「ウィーン出身」という文字はあまり意味をなさないということです。

ウィーンフィルの団員になるにはある覚悟が必要なのだと言われています。それは、過酷かつ多忙なスケジュールに身を置くこと、そのための自己管理をきちんとやるということです。この覚悟ができていないと、早晩、脱落することになります。また、団の運営に関わるさまざまな作業も団員達が分担して行なわなければなりませんので、団員には演奏能力だけでなく事務能力やコミュニケーション力、調整力や交渉力なども要求されます。音楽バカでは務まらないということですね。

ウィーンフィルに入団するというのはどういうことなのか。おそらく他のオーケストラに所属してそこで首席をやっているのが収入においても時間的にみてもいちばん楽ではないかと思います。それなのにあえて超多忙かつ好きでもないオペラであってもシーズン中べったりやらなければならない、そんな境遇に自分を置くというのには、相当の覚悟とやる気が必要ではないかと思うのです。つまり、「やる気」と「エネルギー」と「好奇心」と「体力」と「自主性」がある人しか入ってこないということになります。あるオーケストラの首席奏者がウィーンフィル団員となることをめざして国立歌劇場のオーディションを受けようとした時、そのオーケストラの団長は「過酷な時間管理をする覚悟ができているか?」と言ったそうです。

■ステージの上のウィーンフィル■
(2016.1.17)
ウィーンフィルのコンサートに来た人は始まる前に面白い光景を目にします。ステージ上には打楽器奏者と管楽器奏者は全員席についているのに弦楽器奏者が誰もいません。そうこうするうちに第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン・・・パートごとに揃ってステージに現れるのです。こんな登場の仕方をするオーケストラは他に例を知りません。何故、このような登場のしかたをするのか、機会があったら是非聞いてみたいと思いつつ、いつも聞き忘れてしまうのでした。私の勝手な妄想ですが、高校野球のように首席奏者を中心に円陣を組んで「行くぞ、オーッ!」とかやっているのでは・・・・やってませんって。
管楽器は基本的に1パート1人ですから、たとえばクラリネットが第一と第二の2パートある曲ではクラリネットは2人になり、席次はおのずと決まります。では弦楽器はどうなのでしょうか。彼らはどんな順番で座っているのでしょうか。どの文献にも書いていなかったので、ある時団員の一人に聞いてみました。その答えは「入団した順番です」でした。前にいるから地位が高いとか、後ろだから下っ端だというわけではありません。待機団員はいろいろな団員の隣で弾いた方が良いので、後方ではなく正規団員の隣になるようにローテーションするのだそうです。なお、エキストラは基本的にすべての正規団員・待機団員の後ろです。しかし、比較的若手の団員がかなり前に座ることもあるようなのでそれ以外にもいろいろな都合があるのではないかと思っています。機会があったら誰かに聞いてみようと思います。

ところで、出演者はいつ急な病気や怪我などの事故で出演できなくなるかもしれません。そのため、どのオペラやコンサートでも、病欠待機というのがあります※。病欠待機になった団員は、出番がなければその日は暇になるわけです。日本などへの遠征も同様で、常に必要人数プラスアルファの構成でやってきています。また、大阪や名古屋や東京で同じプログラムでの複数回の公演があっても、ステージに乗る団員が毎回同じであるとは限りません。同じプログラムなのに公演によって団員が入れ替わるケースでは、そのプログラムに関わるすべての団員がプローベに参加できるように工夫されるのだと聞いています。

※日本でも海外から呼んだ有名歌手がいつどんな事情で出演できなくなるかもしれませんので、新国立歌劇場などほとんどのオペラ公演では必ず日本人歌手が待機しています。待機の歌手はすべてのリハーサルに出ますが、事故がなければステージに上がることはありません。完全に拘束されますので出演しなくてもギャランティは支払われます。また、若手が認められるチャンスでもあります。
日本ではアンコールがないコンサートなんてまず出会ったことがありませんが、ウィーンフィルの演奏会で気付くのは、基本的にアンコールは用意しないということです。スタンディングオーベーションになるようなすばらしいコンサートであっても、アンコールがあるとは限りません。お客は総立ちで指揮者は何度もステージに現れましたが、ウィーンフィルの団員達はさっさと帰ってしまった、という場面に何度も出会っています。Wikipediaの「アンコール」の解説には「ヨーロッパの一流オーケストラは定期演奏会において基本的にアンコールを演奏しない」と明記されていますが、まさにそのとおりだと思います。
ウィーンフィルは時々アンコールに応えて演奏することがありますが、その日に演奏された曲のいずれかの楽章が選ばれるのが普通です。このことは彼らは出演する室内楽においても同様です。日本で普通に行われているようにわざわざアンコール用の曲を用意するわけではありません。日本人は、最低1曲できれば2曲のアンコール込みでチケット代を考える傾向がありますが、それは日本だけの悪しき慣習だと思った方がいいでしょう。要するに、アンコールに余計な期待をしないで本プログラムの曲をちゃんと聞きなさい、ということです。例外としては、ニューイヤーコンサートが慣習的にアンコールを3曲演奏します。また、アンサンブルウィーンやウィーンリングアンサンブルがワルツやポルカを中心とした楽しいコンサートを行った場合は、アンコールに応えて何曲も演奏します。

■ウィーンフィルのプローベ(リハーサル)■
(2016.1.17)
ウィーンフィルのプローベは大体時間帯が決まっていて、午前は10:00から12:30まで、午後は15:30から18:00までというのが多いようです。終了時間は厳格に守られており、時間オーバーすることはありません。みなさん多忙で次の予定が詰まっていますし、午後のプローベ終了後は19:00からオペラがありますからなにがなんでも時間通りに終わらないとまずいのだと思います。もっとも、日本のオーケストラもプローベは時間通りに終わるのが普通ですのでこれは世界共通のようです。面白いのは、楽友協会では、プローベの休憩時間にホワイエのカフェが営業することです。コンサートの時はお客で一杯になるカフェが、プローベの休憩の時は団員達で一杯になり、わいわいがやがやとにぎやかな休憩時間になります。
ウィーンフィルのプローベは基本的に非公開ですので関係者しか見学することができませんが、時々公開もあります。公開プローベでなくても、関係者を通じて申し込んで許可が下りれば見学することができます。その場合はいくつかのお約束があります。関係者に同行してもらって守衛所がある楽屋口から入館すること、開始時刻すこし前にはホールに入ること、団員が客席に楽器を置いているので決して近寄らぬこと、中央の通路から前には入らぬこと、静粛にすること、撮影や録音は禁止、トイレなどで出入りする時は演奏中で音が大きい時の方がいい、それなりの服装や格好が好ましく買い物袋を提げて来た人が顰蹙を買ったことがあるらしい、静かに途中退出してもかまわないなどです。

ある公開プローベの時、曲が始まるなり携帯で動画を録りはじめた2人の東洋人(日本人ではない)がいたそうです。その姿は団員全員から丸見えなわけで、誰もが「それはないだろ、とんでもない奴だな」と思いつつ演奏していました。その様子を見て腹に据えかねた打楽器奏者のA.M氏がステージから姿を消したと思ったらいきなり客席に現れて、撮影中の2つの携帯を叩き潰したそうです。

■ジルベスターコンサートとニューイヤーコンサート■
(2015.12.31)
世界中のクラシック音楽ファンが知っている元旦に世界同時中継されるあのコンサートです。この特別なコンサートに関する歴史はさまざまな場所で語られているので解説はそちらに譲るとして私が知っていることを少しだけ書いておきましょう。
ウィーンフィルのニューイヤーコンサートは、じつは全く同じプログラムで3回行われます。1回目は12月30日11:00開演の"Vorauffuhrung Nuejahrskonzert"でこの時は華やかなお花の飾りつけは完全ではありません(下の画像)。2回目は12月31日19:00開演の"Silvesterkonzert"です。そして3回目が元旦11:15開演の"Neujahrskonzert"です。日本との時差は8時間ですので、日本における実況放送では元旦の夜19:15に開演となります。

←Vorauffuhrung Nuejahrskonzert 2015/2016(Foto by BD)

このコンサートはそもそもはウィーンフィルがローカルに開催していた年末年始の行事でした。しかし、あまりに楽しいイベントであるために、回を重ねるごとに世界中に知られるようになり、ウィーン以外の各国の音楽ファンもこれを聞くためにわざわざウィーンまでやってくるようになりました。世界各国に衛星中継されるに至って誰もが一度は聞いてみたいあこがれのコンサートになってしまい、今やかなりのプレミアムがつくに至り、ニューイヤーコンサートのお祭り化・マスメディア化が批判されることも多くなったと思います。

しかし、このコンサートの準備のために奔走し、またステージで演奏しているフィルハーモニカー達の姿をよく観察すると、騒いでいるのは外野ばかりで、このコンサートの本質は当初から今日まで伝えられていることに気づきます。もちろん、これほどに社会的認知が高くなってしまった以上、ウィーンの田舎のローカルイベントとは言い難いものであることは確かですが、肝心の彼らの音楽が失われたわけではないというのが私の率直な感想です。

年末年始のウィーン国立歌劇場では恒例のオペレッタ「こうもり」が上演されます。このオペレッタ自体が大晦日のバートイシュル(ザルツブルクに近い湖が点在するリゾート地)を舞台としていますから、大晦日にこそ上演がふさわしいわけです。上演は通常、12月31日、1月1日、1月3日の3回です。ということは、ニューイヤーコンサートとオペレッタ「こうもり」は時期が重なってしまうため、団員は二手にわかれてどちらかに出ることになります。ある年にニューイヤーコンサートに出た団員は翌年のニューイヤーコンサートには出ない、というのが基本ルールらしいです。

ところが、厳密にはそれらに出演する団員がきれいに2つに分かれているわけではありません。オペラとニューイヤーコンサートでは必要人数がかなり違いますし、パートごとにさまざまな都合があります。そのためニューイヤーコンサートで弾いた団員がその日の夜の「こうもり」に出ていたりします。オペレッタ「こうもり」をはじめとする彼らのレパートリーのオペラはいつでも誰でも演奏できますので、1回ごとにオケピットに入る奏者が入れ替わるということは日常茶飯時なのです。

ニューイヤーコンサートのチケットの扱いは別格です。ウィーンフィルの定期会員でも購入することはできません。年末になるとウィーンフィルのWebサイトに次回のニューイヤーコンサートの抽選申し込み受付に関する案内が掲示されます。3回あるうちの何回目のコンサートにするか、どの価格帯の座席を希望するかを選んで申し込んでおくと、やがて抽選が行われて結果が送られてきます。この抽選は「プレミアムがつかない正規料金で購入できる権利」を得るためのものです。この種のチケットの通例として、しかるべき超過料金や手数料を支払えば入手は可能です。

←2016年元旦のニューイヤーコンサート

国立歌劇場の「こうもり」は通常、大晦日と元旦と3日に上演されます。チケットの入手が最も難しいのは大晦日の分ですが、50%程度の手数料を積めばほぼ確実に入手することは可能です。「こうもり」はフォルクスオパーでも大晦日に昼と夜の2回上演されます。

■団員は招待券枠を持っていない■
(2017.3.31)
ウィーンフィルの団員は無料で人を呼べるような招待券は持っていません。団員に頼めばそういうものが手に入ると思っている人が結構いるようですが、それは大きな間違いです。団員は自分の家族や恋人のために戻りチケットを融通することがありますが、そういう場合でも正規の料金を支払っています。ウィーンフィルはお金に関しては本当に潔癖な組織です。このルールはウィーンでの定期演奏会だけでなく、海外でのコンサート(日本を含む)でも同様です。もし、団員の誰かがあなたのためにチケットを手配してくれるようなことがあったら、その団員が自分の財布からお金を支払ったということであり、本当に特別なプレゼントだということになります。
■フィルハーモニカーのコンサートにやってくる人々を観察する■
(2016.1.17)
フィルハーモニカー達は、オペラ座の管弦楽団の団員として、ウィーンフィルの団員として、そして室内楽を行うさまざまなアンサンブルの一員として、さらにソリストとしての顔があります。ここでいうコンサートとは、ウィーンフィルのコンサートだけでなく上記のさまざまな形態でのコンサートすべてを含みます。
彼らのコンサートに出かけて行って常に感じるのは、聴衆達の厳しくかつ暖かくフレンドリーな雰囲気です。楽友協会の大ホールやブラームスザールの開演前のFoyerやホール内は、和やかな会話とものすごい期待感の両方が混ざった独特の雰囲気に満たされます。ここは社交の場でもあります。家族、友人、幼なじみ、師弟関係、音楽関係者・・・そうしたさまざまな人々が通路やホールにあちこちでわいわいと会話を楽しむ姿があります。特に目立つのがお歳を召したご婦人方で、同じご婦人の姿をあちこちのコンサートで見かけます。このご婦人達はほとんど毎週どこかのコンサートに出かけているのではないかと思います。

開演前や休憩中には、聴きに来た人々とフィルハーモニカー達とがあちこちで手を振ったり談笑している場面に出会います。こういう場面は、日本や他の国でもファンに支えられているオーケストラではよく見かけます。フィルハーモニカーは、ファン達によって格別手厚く支持されているという印象を受けます。演奏が終わった時の拍手の音を聞くたびに感じるのですが、それは爆発するような万雷の拍手ではなく、ブラボーの叫び声でもなく、曲の最後の響きが消えた後にじわじわと会場に広がり、いつまでも続く暖かく力強い独特のサウンドなのです。

これは2014.1.12の定期演奏会におけるブルックナー交響曲6番が終わった時の拍手です。聴衆は、曲が終わってその余韻が消えるのを息をこらして待っているのがわかります。それからじわーっと拍手がはじまります。来日公演のどこかの都市のように、余韻どころか楽譜上の音がまだ続いているのに「ブラボー」のフライングが飛び出すなどという馬鹿げたことは起きません。

楽友協会での余韻と拍手→ wp-bruckner6-sample.mp3 (1.23MB)

あるフィルハーモニカーがこう言っていました。「私達は暖かくしかも優しいファン達に支えられている。不幸にしてコンサートが失敗となってしまうようなことあってもファン達はそれを暖かく見守ってくれて、また来てくれる。だから一生懸命練習し演奏するのだ」と。

しかし、残念なことにお行儀の悪い聴衆の数が増えていることもまた事実です。ステージからは客席がよく見えますので、お客の困った行動はしばしば団員達の間でも話題になるそうです。2016年のニューイヤーコンサートでも左側ロージェ4番の端でiPadを持って撮影中の年配の日本人の姿がテレビにもはっきりと映っています。私のすぐ近くでしたがその人は頻繁に撮影していてなんとも恥ずかしい光景でしたし、終演後にある団員からも「あれはひどかった」と指摘されました。

■楽友協会ブラームスザールのサウンド■
(2014.12.1)
ウィーンフィルの団員達による室内楽コンサートのいくつかはブラームスザールで行われます。ウィーンフィルの団員によるアンサンブルの録音の多くもここブラームスザールで行われています。レコーディングスタジオとしてはほかにウィーン郊外にあるカジノ・バウムルテンがよく使われますが、音響の豊かさという点ではブラームスザールにまさるものはないでしょう。私がウィーンを訪れる時は、必ず彼らによるブラームスザールでの室内楽コンサートの日程に合わせるようにしています。それくらい、このホールで聞く室内楽を楽しみにしています。
ところで、このブラームスザールはじつに不思議な構造をしたホールです。ステージの中央に邪魔な柱が2本立っているため、奏者はその柱とステージのへりとの限られたすきまで、客席側のフロアに落ちそうになりながら演奏しなければなりません。小オーケストラの場合は、管楽器奏者達は柱ごしにコンサートマスターがよく見えないポジションで演奏することになります。また、ステージへの出入りはステージ中央正面の出入り口しかなく、しかもそこに階段があるため、奏者たちは拍手を浴びながらそして聴衆に見守られながらその階段を転ばないように上り下りしなければなりません。どうにも格好がつかないという感じがします。

ステージの真上には73の座席があり、そのうちの59席はステージが全く見えないというとんでもないことになっています。最前列の14席はステージが見えることになってはいますが、奏者を後方真上から見ることになるのでこれで見えるといえるのか、と思います。それも普通に座ったままでは全然見えなくて、亀さんのように首を前の方にニュウと突き出さなければ見えません。しかし、その席からキュッヒル四重奏団を見ても、見えるのはキュッヒルやコルの禿げ頭だけ・・・。

ステージが見えないあるいは視界が制限される座席はこのほかにも40席以上あります。そんな変てこなホールではありますが、音響的には室内楽用のコンサートホールとしてこれ以上望めぬほどに優れたものがあり、全く謎としか言いようがありません。日本のホールで、ステージが見えない座席などありえないわけですが、ステージが見えても音響的にひどい席ならいくらでもあります。しかし、ここブラームスザールは、たとえステージが見えないような席であっても豊かで濃密で生き生きとした音が聞けるのです。僕の奥さんは「見るホールと聴くホールの違いね」と申しております。

「真珠の宝石箱」とも呼ばれているこのホールが完成したのは1870年のことですが、そのプルミエでピアノ協奏曲を弾いたのがクララ・シューマンです。種明かしをしますと、当時のこのホールはブラームス像を背にしてステージがあり、ホールを横長に使っていました。後に改修して現在の縦長に変更されたのです。それでも、ステージの真上に座席がくることには変わりありませんが、ステージが全く見えない席の数は現在よりもうんと少なかったはずです。

■楽友協会大ホールのサウンドと黄金色の瞬間■
(2014.12.1)
楽友協会大ホールの音響は、楽器の音が間近に聞こえるだけでなく、残響を含む音全体が豊かで濃密で、世界に類のない音楽的な響きがするホールです。何故、これほどに素晴らしい音響が得られたのか・・・全く偶然産物である、音が女神に反射するから等々、さまざまな説が流れていますが、私は以下に述べるように非常に簡単なことだと思っています。
大ホールは収容人数が1700人くらいしかありません。この数ですとホール業界の常識からいってちょっと大ホールとはいえないくらいに少なめな座席数です。しかも、このホールの座席は前後左右ともに間隔がとても狭く、さらに通路のためにとられたスペースがほんのわずかしかありません。楽友協会大ホールの容積は15,000立法メートルですが、サントリーホールは21,000立法メートル、NHKホールに至っては25,200立法メートルもあります。さらに、サントリーホールは音が拡散するヴィンヤード型であるのに対して、楽友協会大ホールは音が凝縮するシューボックス型です。それもただのシューボックスではなく、非常に幅が狭いという特徴があります。あまりに狭いので、音が拡散&減衰しないで後方座席までとどき、それが反射してステージまでしっかりと戻ってきます。

世の多くの大ホールは、ステージ上で演奏した時の自分の音が十分に返ってこない、自分の音がよく聞こえないという弱点がありますが、楽友協会大ホールはそのような問題がありません。聴衆だけでなくフィルハーモニカー達もとても心地良い音を聞きながら演奏しています。おそらく、彼らはここでリハーサルし本番を演奏することに非常な快感を持っているのではないかと思います(実際、そういう声を良く聞きます)。音楽を演奏する上で、自分が出した音がバランスよくかつ心地よく自分の耳に返ってくることが、コントロールされた良い演奏に不可欠な要素であることは、実際にステージで演奏される方であればよくご存知だと思います。ついでに言っておくと、居心地の良い楽屋もネ。

モーツァルトと対立したとして悪者扱いされがちなアントン・サリエリですが、サリエリは楽友協会の設立に多大な貢献をしています。しかも、音楽家だけでなく音響学の研究者としても第一人者であり、楽友協会大ホールの音響設計にサリエリが関わっていたということは案外知られていないようです。モーツァルトの音楽を最高の条件で聞くためには、サリエリが設計したホールが不可欠だというわけです。

このホールが何故、黄金のホールと呼ばれるのか。たしかに、ホールじゅうの内装が黄金色で覆われているわけですが、それだけで黄金のホールと呼ばれているわけではないようです。私は幸運にも、春のある日の午後にその瞬間を見ることができました。それはマリス・ヤンソンスの指揮でハイドンの交響曲第94番のリハーサルを聞いていた時のことです。リハーサルが進むにつれて午後の陽が傾き、やがてホール後方の窓から差し込んだやわらかい光がステージ全体を黄金色に染めたのです。そして、最後の瞬間にパイプオルガンの上に刻まれた、今まで見えなかった文字がくっきりと浮かび上がりました。リハーサル終了後、あるフィルハーモニカーが私のところにやってきて「今、ホール全体が黄金色に染まったのをご覧になりましたか?」と言いましたので「もちろん、私たちはその中におりました」と答えました。

楽友協会が何故、表通りの対して90度の角度がついた変な向きに建てられているのか、それはこの瞬間を計算に入れて設計したからなのだそうです。日が傾く時間帯に催されるコンサートに出会えたら、あとは程よい晴天に恵まれることをお祈りいたします。

■海外公演ツァー■
(2016.10.6)
ウィーンフィルがほぼ恒例としている海外公演ツァーとして挙げられるものは、8月末の英国(プロムス)、9月のスイス(ルツェルン)、9月〜10月頃の日本、そして2月〜3月頃の米国が挙げられます。このところウィーンフィルはほとんど毎年日本にやって来ていますね。一昔前では考えられないくらい贅沢なことだと思います。彼らが日本にやってくるのはルツェルン音楽祭の直後であることが多く、指揮者やプログラムも大概同じです。
来日では、初日に大阪入りして大阪を拠点に博多まで足を伸ばしたりしつつ、各都市を経由して東京にやってくるというパターンが多いように思います。宿泊ホテルを転々と移動するのはとてもきついので、できるだけ泊まるホテルの数を減らし、広島や名古屋はコンサートがあったとしても基本的に通過することが多いようです。つまり、朝に大阪を出て名古屋に入り、本番を終えたら大急ぎで新幹線に飛び乗ってその日のうちに東京にやって来ます。名古屋公演の開演時刻が早めに設定されるのはそういう事情があるからです。来日ツァーの最終日は東京であることが多く、そういう日程の時は最終日の翌日の昼頃には成田を発ってしまいます。

オーケストラの演奏旅行で最も大変なのは、楽器や機材の運搬です。ウィーンフィルは非常に手厚い運搬システムを持っており、団員は基本的に体一つで移動ができるという、日本のオケでは考えられない充実ぶりです。楽器だけでなく、燕尾服やエナメルのステージシューズのための専用の運搬ケースもあります。しかし、これはウィーンフィルとしての活動に必要なもののためだけなので、私物は自分で運ばなければなりません。そのあたりは結構きちんとしたケジメがあります。

日本滞在中は、彼らはなにかにつけて日本のウィーンフィルファンと接触することになります。ファン達の多くは心をこめて何らかのおみやげやプレゼントを渡したり食事に招待しようとします。しかし、ここでちょっと注意しておきたいことがあります。彼らを食事に招待する場合、そのほとんどがお寿司や天ぷらやとんかつなどになってしまうという現実です。来日中のある団員に「何が食べたい?」とたずねたところ「お寿司と揚げ物以外にしてほしい」という返事でした。確かにお寿司も天ぷらも我々日本人にとってもご馳走ですが、それが毎日続いたら流石に健康上の危険を感じるでしょう。

おみやげやプレゼントについてもちょっと考えていおきたいことがあります。明日はウィーンに帰るという最終日の晩に、ちょっとした用で団員が滞在しているホテルを訪ねた時のことです。「クルマで来ているんでしょう?申し訳ないが捨てるわけにはゆかないのでこれをみんな持って帰って皆で分けてもらえないだろうか?」と言って指差した先には、お菓子やチョコレートやお酒の山があったのです。テーブルの上には、1個食べただけのGODIVAのチョコレートの大箱がありました。一箱もらったとしても、その多くは開けられることなく処分になり、開けたとしても1個手をつけるのがせいぜいなわけです。

彼らの荷物を見ると、そのほとんどがこれで1ヶ月も滞在できるのだろうか、と思うくらいコンパクトなスーツケースで済ませていることに気づきます。ですから、菓子箱や酒瓶を入れるスペースなどないと思った方がいいでしょう。そういう意味では、限りなくコンパクトなものか、モノではない良き思い出か、気兼ねなく処分できるお花の方が現実的です。

■日本公演は手抜きか?■
(2016.11.1)
戦前の海外遠征は非常な困難を伴ったようですが、航空機が発達した現代の海外遠征というのは、彼らにとっては良い意味で特別なもののようです。日本公演期間中は、予定されたプログラムのコンサートがあるだけで、オペラもなければ雑用もありません。そうした面倒な仕事は全部留守番組が引き受けます。というわけで、日本滞在中のフィルハーモニカー達には余裕ができ、「よーし、やるぞ」という気分になってコンサートに集中できるのだそうです。
2013年11月の公演内容をみると、ベートーヴェンの交響曲9曲およびピアノ協奏曲5曲の全曲演奏となっており、とてもハードなプログラムのように思えますが実はそれほどでもありません。欧州で同じ指揮者で何度もコンサートをこなして曲が出来上がっています。そもそも彼らにとっては日常的で熟知した曲ばかりですから、むしろ楽しいコンサートだといえます。当然、やる気満々で日本にやってくるわけです。歴史に残る名演が何故か東京で多いのはそういう理由があるからです。もちろん、生演奏の常として、出来不出来のばらつきは生じますから、常に名演というわけではないと思います。聞きに行ったファンとしては、自分が聞いたコンサートこそ名演であって欲しいと願うわけですが、そんなことは誰も保証できません。私も何度か内容に疑問に感じる公演に出会いましたが、そもそもコンサートなんてそんなものです。オペラを別にして年間に120回以上のコンサートをこなすわけで、誰もが認める名演が一体何回できるのでしょうか。

音楽ファンの中には「日本公演なんて手抜きに決まっている」「日本のお客はナメられている」という声をよく聞きます。人がどう思おうと自由ですが、たぶん違いますね。音楽家というのは好きでないとやれない職業ですので、本当にお客をナメて手抜きの演奏をするという前に楽器を弾くのを辞めてしまうでしょう。来日メンバーの顔ぶれをチェックしてエキストラの人数を数えては「手抜きだ」と騒ぐ御仁の姿もあるようですが、コンサートごとの各パートのエキストラの人数にはウィーンフィルとして規定があり、これは守られています。私がみる限り、来日メンバーと留守番組を比べたら、来日メンバーの方が圧倒的にベテランが揃っています。ということは、留守番組は規定ぎりぎりのもっと厳しい状況で毎晩のオペラをまわしていると思ったらいいでしょう。パートごとの団員の人数を考えたらそんなことは自明です。そのことに不満を言うのでしたら、そもそも彼らを海外に連れ出してはいけないということになります。

エキストラについて少し補足しておきます。団員リストに載っていない奏者だからといって単純に色分けはできません。ウィーンフィルをとりまくアーティストの交友関係は非常に複雑で、団員か団員でないか、という単純な切り分けはできません。むしろ、コンサートプログラムに名前が出ていないで舞台に乗っている奏者ほどすごい人だったり、現役団員の先生の名があったりで日本公演はむしろ恵まれていると思います。国立歌劇場管弦楽団にも属さない若い奏者が加わることもありますが、素性を聞いてみれば「なるほど」と納得できる人ばかりです。定年引退組を分けることにも疑問があります。健康に恵まれた弦楽器奏者では、60歳から70歳くらいまでが最高の演奏レベルを発揮するからです。ご高齢の長老がエキストラとしてステージで弾くというのはウィーンでもごく日常的なことですし。もちろん、低迷期にあるパートでは本当に人材が枯渇していてやりくりに苦労することも起こりますが、それをあげつらって批判する態度はどうなのだろうと思います。

じつは、日本公演におけるこの種の批判があることをあるフィルハーモニカーに率直にぶつけてみたことがあります。それに対する回答は以下のとおりでした。「プロの演奏家して毎年のように呼んでもらうためには、手抜きなどできるわけがありません。自分達の音楽をいかに気に入ってもらえるかを常に気にしています。嫌われて呼ばれなくなったら我々はおしまいなのです」と。そして、日本公演を行うために、メンバーのやりくりでどれほど苦労しているのかを話してくれました。

もうひとつ補足しておきましょう。来日回数が多い団員ほど日本に親しい知り合いができており、そうした人々の多くはとりわけ厳しい耳を持っています。よく知った顔がホールの座席のあちこちに見える中で、はたして人として手抜きの演奏ができるものでしょうか。

http://www.op316.com/musik/wp-story.htm

8. 中川隆[-14911] koaQ7Jey 2021年12月03日 02:48:48 : G5ABra6JXc : RVZDMkZkZll6d2M=[8] 報告
ウィーンのコンサートガイド
コンサート事前準備・情報収集
http://www.op316.com/musik/konzert-info.htm

■渡墺前編■
日本からインターネットで情報収集
コンサートには、直前でもチケットが買えるものと、かなり早くから手配しておかないと手に入らないものがあります。どんなコンサートでも発売直後に購入した方が自由に席が選べます。旅行日程が先に決まっていてその日程に合わせてよさそうなコンサートを探す場合と、聞きたいコンサートが決まっていてそれに合わせて旅行日程を決める場合があると思いますが、いずれにしても渡墺前から情報を入手して、できればチケットを押さえておいた方が安心でしょう。もっとも、コンサート通の方の中にはいきあたりばったりで現地でどんどんチケットを確保してしまう人もいますけど、ペアで良いシートを取ろうとするとやはり準備が必要です。

オペラのシーズンは、9月のはじめから翌年の6月末までと決まっています。つまり、7月と8月はお休みというわけですので夏にウィーンに行っても何もやっていません。やっているのは観光客向けの見せるコンサートだけです。そのかわり8月にはザルツブルク音楽祭があります。ウィーンフィルは6月末にシーズンが終わると2週間ほどの休暇になり、その後は家族ごとザルツブルクに行ってしまいます。オペラの公演スケジュールは前シーズン中の4月〜5月から公開されていますので、各劇場のWebサイトでチェックするようにします。人気歌手が出るオペラですと、発売と同時に完売してしまうこともありますので、誰が出るかもチェックしておいた方がいいでしょう。なお、発売は楽友協会は概ね2ヶ月前(変動あり)、国立歌劇場は2ヶ月前、フォルクスオパーは前月の1日からです。

左下は、2013年5月2日時点で人気演目であるG.Pucciniの「トスカ」チケットの6月の残り具合をみたものです。いい歌手が出ていると大体こんな感じになります。6月6日は完売、6月12日はわずかに残っています。右下は6月12日分の空席の分布ですが、これは2席以上続いたところが残っていてかなりいい方だと思います。普通はこれくらいの残数になると空き席はばらばらになっています。BOX席の残りは完全にばらばらでしかも舞台がまともに見える最前列は完売で、残っているのは舞台が全く見えない席ばかりですね。


ウィーン国立歌劇場のオペラは公演日の2ヶ月前に発売になりますが、ポピュラーな演目は1日〜2日中にほぼ完売しますし、人気演目ですと発売前に完売という不思議なことすら起きます。それは、スタンバイ方式といって発売前に金額を上乗せして予約する制度があるためであり、またかなりの席が企業などによって事前にリザーブされてしまうことも理由のひとつだと思います。一方、フォルクスオパーの場合は、月初に翌月の1日から月末までの全公演チケット販売が一斉に行われますが、発売初日であればどんな席でも余裕で確保できます。しかし、発売日を過ぎてしまうと時間とともに座席の選択肢がなくなってきます。どちらも正規の販売窓口であるCulturallが販売代行をしています。Cilturallについては後述します。

楽友協会で開催されるコンサートの場合は発売日が一定ではないので、楽友協会のWebサイトにアクセスしてひとつひとつチェックする必要があります。また、会員のための先行販売があるので、ちょっと人気のあるプログラムだったら一般販売になる頃には残席はぱらぱらになっています。どうすれば良い席が手に入るかも後述します。

ウィーンフィルの定期コンサートはすべて会員制で一般販売されません。ウィーンフィルの定期コンサートやSold outになっているオペラのチケットを手に入れるには、Otelloなどその種のチケットを扱っている仲介業者に依頼することになります。Otelloは公認のダフ屋みたいなもので、手数料さえ払えば入手困難なさまざまなチケットを手に入れてくれる便利な窓口でもあります。なんと発売前のチケットさえ手に入れてくれます。日本語サイトもありますし、サポートもしっかりとしています。

2種類のコンサート

もっぱら観光客用のコンサートやショウ・・・観光プログラムに組み込まれた観光客のためのコンサートです。ほとんど毎日、決まった場所、決まった時刻、決まった内容の演奏が繰り返し行なわれます。観光ツァーのオプションとして申込みしたり、シュファン寺院の前でチケット売りをしているおじさん達が販売しています。せっかく音楽の都ウィーンに来たんだから何か一つくらい聞いてみたい、そういう雰囲気を味わいたい、楽友協会の黄金のホールで音を聞きたい・・・という目的には合っていると思いますが、優れた演奏に接したいという要求にはフィットしません。観光用コンサートは、音楽ファンではないお客を飽きさせないために有名曲の部分をかき集めた内容がほとんどで、まとまりのあるプログラムではないのが普通です。また、音楽ファンではない見物目的のお客が多いので鑑賞マナーはかなり悪いそうですが、目的が音楽を聞くことではなく観光なのですからいたしかたないでしょう。

このサイトの最初のページに出てきているコンサートはすべて観光用と言っていいでしょう・・・http://www.classictic.com/ja/スペシャル/vienna-concerts/280/

音楽ファンのためのコンサート・・・上記以外の国立歌劇場やフォルクスオパーで行われるオペラ、ウィーンフィルやウィーン交響楽団などによる定期演奏会、そのほかの多くのコンサートです。お客の大半は地元の人々で、その中に点々と外国人が混ざっているという感じです。特に座席の前の方は、眼光鋭く耳が肥えた杖をついた常連のおばあさん達で占められています。

* * *
<ウィーン市内のコンサートホール&劇場>

Wiener Staatsoperr (ウィーン国立歌劇場) ・・・オペラ/バレエのほか、ウィーンフィル団員による室内楽もある。
Volksoper Wien (ウィーンフォルクスオパー) ・・・やや庶民的なオペラ劇場。オペレッタなど気軽な演目が多い。
Musikverein (楽友協会) ・・・ウィーンフィルの本拠地。主にクラシックの大小さまざまなコンサートが開かれる。
Wiener Konzerthaus (ウィーン・コンツェルトハウス) ・・・楽友協会と並ぶコンサートホール。ジャンルを超えたさまざまなコンサートやイベントが開かれる。
Theater an der Wien (アン・デア・ウィーン劇場) ・・・演劇が中心だがたまにオペラの掘り出し物があるので要チェック。
<ウィーン市内の教会コンサート&ミニコンサート>
St. Anna Kirche (聖アンナ教会) ・・・常設のアンサンブルによる室内楽コンサートをほぼ毎日行っている(有料)。
PetersKirche Wien (ペーター教会) ・・・充実した2つのコンサートシリーズがある。Musik actuell(全コンサート)、Musik Kirche(無料)、Musik Krypta(有料)。
Karlskirche Wien (カールス教会) ・・・モーツァルトのレクイエムなど結構大きなコンサートがある(有料)。
Mozarthaus (モーツァルト・ハウス) ・・・結構知られたアーティストが出演する(有料)。
Klimt Vila (クリムト・ビラ) ・・・不定期にコンサートがありびっくりするようなゲストが出たりする(有料)。
左下の画像は聖アンナ教会に貼ってあったコンサートの案内。中央下の画像はマリアヒルファー教会のコンサート案内、右下はショッテン教会のコンサート案内。京都ではそこいらじゅうに寺社があるように、ウィーンはそこいらじゅうに教会があります。

下は、2017年3月にウィーンでみつけたカフェ(http://www.allergikercafe.at/)で開かれるミニコンサート。2017年9月に日本のサントリーホールでデビューするピアニストです。欧州ではこの種の自主コンサートは入場料が決まっておらず、それぞれがドネーション(寄付)を決めて支払うというのが一般的です。

<ウィーン郊外のコンサートホール>

Buehne Baden (バーデン市立劇場) ・・・ウィーンから直通の路面電車で1時間くらいで行ける。ウィーンではなかなかやらない軽いオペラやオペレッタが目玉。
Festspielhaus St. Poelten (サンクトペルテン祝祭劇場) ・・・ウィーンから電車で40分くらいで行ける。有名アーティストが来るので要チェック。
オペラの演目の選定と事前学習

オペラには、初心者が見ても十分楽しめる演目もあれば、余程の音楽好きであっても敬遠したくなるくらい厄介な演目もあります。せっかくウィーンに行くのだから何でもいいから観ておきたい、という考えだと悲惨な目に遭うかもしれないのです。ですから、どんな演目が上演されているのか、その演目は一体どんな内容なのかをよく調べてください。私の場合は、演目に合わせて訪墺日程を決めているくらいです。

音楽が美しく、ストーリーもわかりやすく、初心者にもなじみやすい喜劇といえば、「こうもり」、「魔笛」、「フィガロの結婚」、「愛の妙薬」、「チェネレントラ(シンデレラ)」、「セヴィリアの理髪師」あたりでしょうか。音楽が美しく、ストーリーもわかりやすく、初心者にもなじみやすい悲劇となると「ラ・ボエーム」、「椿姫」、「トスカ」、「蝶々夫人」、「リゴレット」ですね。音楽が美しく、芸術性も高く、しみじみとしたストーリーとなると「ばらの騎士」、「アラベラ」、「エフゲニー・オネーギン」、そして音楽が難解でストーリーも悲惨・怪奇なのが「ムツェンスク郡のマクベス夫人」、「ヴォツエック」あたりです。「サロメ」は音楽は素晴らしいですが、生首が出てきますし、上演時間が短いのにお値段は高いです。

オペラになじみがない方は事前学習が必須です。交響曲などのコンサートであれば、はじめて聞く音楽でもそこそこ楽しめますが、オペラは筋がわからないと退屈しますし、もう寝るしかないかもしれません。最低限、Webサイトなどで登場人物とストーリーを調べておき、特に登場人物は暗記するくらいがちょうど良いです。オペラの登場人物は、脇役であっても必ずその存在に意味があるからです。特に「こうもり」と「フィガロの結婚」は登場人物が非常に多い上にストーリーが複雑なので、観慣れた人にとっては最高に面白いのですが、初めての人はかなり混乱すると思います。面白いオペラは何度観ても面白いですから、事前にDVDで観て学習しておいた方がいいでしょう。

もうひとつ注意すべきは、アンナ・ネトレプコなど超人気歌手が出る演目はそもそもチケットが取れない上におそろしく高騰します。そういう歌手が出る場合は必ず表示されます。

■現地編■
月間コンサートプログラムを手に入れる
ウィーンの観光案内所(Tourist-Info)に行くと、毎月どこでどんなイベントやコンサートがあるのかをまとめた「Wien-Programm」というとてもありがたい冊子をもらえます(左下画像)。この冊子には、マラソン大会からJazz/Popsコンサート、クラシックコンサート、著名なアーティストが出演するあまり知られていないコンサートまで載っています。これを手に入れないとウィーンの休日ははじまらないと言ってもいいくらいです。

観光案内所はウィーン国立歌劇場の裏手、Hotel Sacherの北側でCafe Mozartの向かいの角にあります(下の地図、クリックで拡大)。ついでに観光地図「Stadtplan & Museen」ももらっておくといいでしょう。観光地図にはすべての美術館、博物館の開館時間も載っています。

中央下の画像(クリックで拡大)は、オペラや演劇ばかりを集めて劇場別に記載したページです。ここでみつけたら、各劇場のWebサイトアクセスして予約を入れるわけです。日付の記述法は日本と逆で、左側が日で右側が月ですのでお間違いのなきよう。

右下の画像(クリックで拡大)は、オペラや演劇以外のコンサートばかりを日別に記載したページです。これを見ると、毎日のようにどこかで魅力的なコンサートが開かれていることがよくわかります。

ホテルでコンサート予約

ウィーンのホテルもインターネット環境はどこも充実していますので、ノートPCやタブレットは必ず持って行きましょう。旅先でインターネットが使えないとコンサートの予約で苦労します。ケーブルによるネットワーク接続もできますが、無線LANによる接続が主流です。フロントで無線LANアクセスのためのユーザーIDとパスワードをもらいます。ほとんどのホテルは無料でくれますが、安いホテルでは有料のこともあります。私が泊まるホテルの例ですが、フロントのところに最初にログインしてから24時間有効なユーザーIDとパスワードを記載した紙切れが積んであって、必要な枚数だけ持って行っていいことになっていました。

大きなホテルであればコンシェルジュがありますので、そこにコンサートのチケットの手配を頼むという方法もあります。但し、そこ頼んでも結局はOtelloなどの仲介業者に投げるだけなので、二重の手数料がかかります。それくらいなら自分で直接Otelloにアクセスしたり、街のチケット屋で探した方が安く手に入ります。「手間=お金」ですからお金をどう使うかはご自身で決めてください。

http://www.op316.com/musik/konzert-info.htm

9. 中川隆[-14910] koaQ7Jey 2021年12月03日 02:49:53 : G5ABra6JXc : RVZDMkZkZll6d2M=[9] 報告
ウィーンのコンサートガイド
チケットの予約〜受け取り編
http://www.op316.com/musik/konzert-ticket.htm


■楽友協会のチケット■
楽友協会(Musikverein)には大小7つのホールがあり、さまざまなコンサートが開かれます。楽友協会で開かれるコンサートのチケットは、ウィーンフィルの会員コンサートを除いて、基本的に楽友協会自身が運営するシステムによって販売されます。日本からでも、楽友協会のWebサイトからチケットを予約・購入することができます。ウィーンフィルのコンサートでもごく少数ですが楽友協会が主催するものは楽友協会で予約できるものがあります。
<先行販売と楽友協会の会員制度について>

楽友協会で行われるコンサートのチケットは、ウィーンフィルの定期演奏会を例外※として、基本的に楽友協会のサイトで予約して購入します。楽友協会のWebサイトでチケットを購入するには、最低限無料会員になって顧客番号(Customer-ID)をもらう必要があります。チケットの発売は概ね2ヶ月前からですが、無料会員への販売はシーズン会員よりも1週間遅れての発売になります。人気のあるコンサートは以下に述べる通し券やシーズン会員でほとんど売れてしまうので、無料会員が買える席は後ろやはじっこになります。ペアで並んで買える席はさらに条件が悪くなります。

楽友協会のコンサートは、カテゴリごとにチクルスを組んで一シーズンまとめた通し席で販売されており、良い席の大半は通し席のお客が買ってしまいます。次に、先行販売で買える有料のシーズン会員というのがあってこのシーズン会員が次に良い席を買います。従って、無料会員である旅行者はその残りを買うことになります。

シーズン会員は会費制で1シーズン(9月から翌年の6月末まで)あたり70ユーロ(2016年現在)で、Webサイトから簡単に申し込むことができます。支払いが完了すると右画像のごときレターが来ます(クリックして拡大)。無料でも有料でも会員番号は変わりませんがログインしてできることが違います。会費を支払えばシーズン会員となり、支払わなければ無料会員の扱いになるだけです。無料会員からシーズン会員への切り替えはいつでもできます。

しかし、1回のウィーン旅行で70ユーロを支払うのがいいかどうかは悩ましいところです。私は1回のウィーン滞在で楽友協会で2回以上のコンサートを聞きますので、確実に良いペア席を確保するために70ユーロを支払ってでもシーズン会員になってしまいます。シーズン会員にはいくつか特典があります。(1)先行販売、(2)約10%の割引、(3)隔月の会報、(4)次シーズンの全プログラムを掲載した冊子、(5)CDなどプレゼント、といったところでしょうか。日本の住所で登録すると日本に送ってくれます。

シーズン会員にならずに1回限りでそこそこ良い席を確保したいのであれば、チケット手配業者のOtelloに依頼するのがいいでしょう。Otelloはほぼ確実にチケットを取ってくれますが、座席を自由に選ぶことはできませんし、それなりの手数料がかかります。

※ウィーンフィルの定期演奏会は完全定期会員制なので一般の販売はありません。ウィーンフィル定期会員になるための待ち期間は数年で、申し込みのためのWebサイトはありませんのでドイツ語または英語でレターを書いてウィーンフィルに送らなければなりません。
<楽友協会でのチケットの申し込み〜受け取りの流れ>
(1)楽友協会のWebサイトから、希望するコンサートのチケットの申し込みをする。買い方はいわゆる買い物かご方式。Webサイトの「Concert」を選ぶとカレンダーが出てくるのでそこで希望のコンサートを選ぶ。このサイトは日本語もあるが文字化けしやすいので英語を選んだ方が確実。ドイツ語がわかる人はもちろんドイツ語でどうぞ。

(2)チケットが残っている場合は楽友協会のBOXオフィスの窓口でも購入できます。BOXオフィスの営業時間は、平日は9:00〜20:00、土曜日は9:00〜13:00、日曜日はお休みですが楽友協会主催のコンサートがある時は開演1時間前にもオープンします。

(3)発売前のチケットの予約はできなかったと思います。そのかわり、発売になった時にお知らせメール(Advance Booking Start - Reminder)を登録できます。登録画面には、以下のメッセージが出ます。お知らせメールは発売日の深夜に送信されますが、メールを受信した直後はまだ購入できません。確かなことはわかりませんが、現地時間の午前9時くらいから購入可能になるみたいです。

If you want to be reminded of the advance booking start of this concert click on "remind me of this concert". Afterwards an e-mail will be sent to you on the first day of the advance booking which includes a link to your selected concert for convenient ordering!
(4)座席は自分で選ぶ方法(Wunschplatzkarten / Choose your seat location)とお任せ(Bestplatzkarten / Find me the best available seats)とがあります。最近(2015.3)になって、ほとんどのコンサートがお任せの「Bestplatzkarten / Find me the best available seats」のみの設定になったように思います(確証なし)。この場合、残席があるカテゴリのみがプルダウンリストに現れます。希望する席数を決めてボタンを押すと、自動的に良い席から選んで席番が表示され、買い物かごに入ります。私の印象ですが、ウィーンの人々は座席の位置に細かい注文をつけず、聞きに行ければ十分という方が多いように思います。
「Wunschplatzkarten / Choose your seat location」における座席の選び方は、飛行機や新幹線のWeb予約のイメージと同じですが、ブラームスザールなどの小ホールのコンサートでは自由席(Za"hlkarten / Free seating)のものも結構多いです。

下の画像は大ホールの座席選択画面の例です。まずホール全体がブロックごとに表示されます。色がついてるところは残席があるので選択できますが、白いところは完売なので選択できません。この例ですと、Parterreの中央後半部分には7席の空きがありますが、斜面になったおいしいエリアは完売です。座席はひとつずつ複数を選ぶことができます。


(5)チケットを選んだらチェックアウトで支払いをします。楽友協会の予約は顧客番号制なので登録する必要があります(無料)。支払いはMaster/VISA以外にPaypalもOKですがJCBは使えません(2015.1現在)。

(6)購入が完了するとすぐに確認メールが送信されます。確認メールに、顧客番号(Customer-ID)や予約番号(Order-#)が記載されてるのでこれをプリントするかメモで控えておくと受け取りがスムーズです。

(7)購入したチケットは、事前に楽友協会のBOXオフィスで受け取ることができます。大ホールのコンサートの場合は開演直前はとても混雑するのでぎりぎりに行くと慌てることになります。ウィーンに着いたら早めに受け取りに行ってもいいです。複数のチケットを購入している場合は、Customer-IDを伝えるだけでその場ですべてのチケットを発行してくれます。メールのプリントアウトを見せればいいので、言葉がわからなくても大丈夫です。チケットそのものを日本に送ってもらうことはできません。

←こんな風に勧進帳のごとくつながっている

(8)BOXオフィスは、楽友協会の建物の裏手ベーゼンドルファー通り側に入り口があるのですぐにわかります。右側のKONZERTKASSAと書かれたところがBOXオフィスで、左側が楽屋口。コンサート直前を除く通常の営業時間は、平日は9:00〜20:00、土曜日は9:00〜13:00、日曜日はお休みです。

<楽友協会大ホール(Grosser Saal)の座席案内>・・・grossersaal.pdf

楽友協会大ホールで一度でも聴いたことがある方はわかると思いますが、このホールの音響は日本のいかなるホールとも異なるので、日本のホールの感覚で座席を選ぶと失敗します。日本のホールは、ステージから離れるにつれて音量感がどんどん減ってしまうので、とにかく1メートルでもステージに近い席を選ぶ癖がついていると思います。また、ホールの横幅が極端に広いため、左右両側の1/3の席は敬遠したいと思っているでしょう。楽友協会大ホールではその考え方は全く通用しません。

とにかく音が近くに感じ、また遠くても音痩せしないので、ステージに近寄り過ぎないようにするのがポイントです。また、極端に縦長なので左右の端の席でも端っこの感じがしません。どんな席でも十分な音量&迫力が得られますし、たとえ視覚的に不利でも音はちゃんと聞こえるのです。サントリーホールの音が良いと思っている方は、一刻も早くこの音を聞いて良い音のホールとはどんなものか認識を改めることをおすすめします。なお、日本のホールと異なり、席番が左右それぞれに1番から付番されているので注意してください。

■=ステージが全く見えない席、■=視野が制限される席。

Cercle・・・1階平場の前方。前から3列目までは良くない席なので安くなっています。ステージはほとんど見えませんし音は上を飛んでゆき、バランスも良くありません。4〜6列目くらいもどちらかというと悪い席ですのでちょっと安いです。このあたりの席はステージを見上げる感じになって、オケ全体が見えません。このあたりは日本でいえば特上のS席になるわけですが、このホールではその認識は通用しないと思ってください。Cercleを選ぶのであれば、最後列かその3〜4列前くらいまでにしておくのがよろしいかと思います。
Parterre・・・1階平場の中央と後方。音にどっぷり浸りたいのであれば、Parterreの前半分くらいがいいでしょう。眺めもいいし音の渦に巻き込まれる快感があります。バランス良く心地よく聞きたいのであればParterreの後ろ半分がおすすめです。オケが遠い感じはあまりなく、音量感は十分にあり、かつホールの響きを楽しむことができます。特に、後ろの5列くらいは斜面がついていて見通しも良いのでウィーンフィル団員の多くは「ここが最高」だと言います。
Parterre Logen・・・1階の左右壁際にあるBOX風の席で前から順に1番扉から9番扉まであり、それぞれ入る扉が違います。壁際だし横向きではありますが、なかなか良い席だと思います。1番扉は目の前に第一ヴァイオリンなどの弦楽器奏者に手が届くくらい近いです。結構面白い音が聞こえて来るので一度経験してみるといいかもです。3番扉〜5番扉あたりだとバランスも良くなって聞きやすいです。前後には3列あってもちろん最前列の眺めはとても良いですが、2列目でもそんなに悪くありません。安い3列目が穴場でして、隣がいない&壁にもたれて聞けるというなかなかおいしい席でもあります。常連はここを狙うようで、1列目と3列目から先に売れます。Parterre Logenはただの椅子が置いてあるだけで固定ではありません。
Stehparterre・・・1階最後部の立ち席です。きわめて廉価なので若い元気な音楽ファンが多いです。ステージを見て聞きたかったらはなり早めに行って場所を確保しなければなりません。私が知るあるウィーンフィル団員は、入団する前の若い頃はこの立ち席によく通ったと言います。しかも、立たずに床に座って壁や柱によりかかりながら聞いていたそうです。
Balkon Mitte・・・2階の中央席です。ステージから遠いように思えますが、実際はそんなに遠くありません。特に最前列は端から端まですべてが最高のポジションといっていいので発売とともにアッと言う間に売り切れます。かなりの斜面がついているので2列目以降もなかなか良い席だと思います。いちばん後ろの1列は狭苦しいのが難点です。
Balkon Logen・・・2階の左右壁際の席です。この席は特殊な条件があって、最前列はステージが見えますが、2列目と3列目はステージが見えないため割安になっています。1〜2列目は普通の椅子ですが、3列目はコントラバス奏者が使うような背が高い椅子です(でも立ち上がらないとステージは見えません)。
Galerie・・・いちばん後ろの3階の席です。ここまでくると音響的にも視覚的にも不利になってきますが、もちろんここはとってもお安いです。日本の大ホールの3階席よりはかなり上等です。
Orchester links/rechtsとPodium・・・オーケストラ横・後方の席です。コンサートによってはこの席も設定されることがありますが、使われることは滅多にありません。
Orgelbalkon・・・格安の2階のオルガン横の席です。この席は絶望的に視界がありませんし、音響条件もあまりよろしくありません。
Fremden-Loge, Direktions-Loge, Gastloge der Direktion・・・2階左側の眺めの良いこの席は関係者が座ります。かつてのコンサートマスターや有名指揮者の姿をよく見かけますので、是非見上げてチェックしてみてください。
<楽友協会ブラームスザール(Brahms Saal)の座席案内>・・・brahmssaal.pdf

ブラームスザールは、室内楽のためのホールとしては格別に音が良いホールで、多くのレコーディングも行われています。ホール全体に音がゆきわたり、濃密で非常に充実した音がします。特に、壁に反射する音に芯があって明瞭なのが特徴です。室内楽を聞くなら、このブラームスザールが世界一だと私は思っています。

■=ステージが全く見えない席、■=視野が制限される席。

Parterre・・・1階平場は、前方の左右と後方の3つに分かれています。縦長のホールなので左右の端の席でも端っこの感じはしません。ブラームスザールは、大ホールと違ってかなり前でも音響条件は悪くありません。音響バランスが良くかつ眺めがいい最もおいしい席は、中央通路の両側と後方ブロックの最前列中央あたり(11列6〜8番)でしょうか。
Sitze im Stehparterre・・・1階最後尾の席です。この席だけ角度がついていますが、前に柱が2本立っているので席によっては前が見えません。日本のホールでは考えられないことですが、ここでは普通です。かなり後ろであることと、2階がかぶさっているので音響条件は劣ります。
Balkon Mitte・・・2階後方の中央席です。2階は回廊構造になっているので、左右両端からはステージが全く見えません。そもそも2階席は視界が悪いのです。しかし、音は豊かに立ち上ってくるのが不思議です。ここらあたりに座って、時差ぼけした頭で、目を閉じて聞く室内楽はなかなか良いものです。
Balkon・・・2階の左右壁際の席です。この席は一応ステージが見えることになっていますが、体を前に乗り出して首を出さないとステージは見えません。ステージが見えなくても・・・つまり間接音だけなのに音は明瞭かつなかなか良いのが不思議です。
Podium Balkon・・・この席はステージの真上ですから、ステージが見えるわけがありません。最前列だけは亀のように首をニュウと出せばなんとかステージを見ることはできますが、みえるのは奏者の禿げ頭と楽譜だけで顔は見えません。

■ウィーンフィルのチケット■
ウィーンフィルの定期演奏会は、土曜と日曜とソワレ(平日)の3種類ですが、すべて会員制ですので一般販売はありません。つまり、日本で開かれるウィーンフィルの来日コンサートのように根性さえ出せば誰でも買えるというものではありません。定期でない演奏会の場合は一般販売されますので、たとえば上記の楽友協会が主催するコンサートであれば、楽友協会のWebサイトから予約・購入することができます。(右画像はソワレのチケット、楽友協会のチケットは金色だがウィーンフィル定期は白色)
<会員制コンサートでもチケットは入手は難しくない>

しかし、会員制コンサートのチケットでも、キャンセルなどさまざままな理由によってフリーのチケットが流通しています。確約はされませんが大概は手に入りますし、極端な言い方をすれば「金さえ積めば」手に入ります。チケットの手配業者としてはOtelloが有名です。チケットの手配・入手の流れは概ね以下のとおりです。

(1)Otelloなど、手配業者のWebサイトから希望するコンサートのチケットの申し込みをします。
(2)Otello以外にも日本語で申し込みできるサイトがありますが、そのほとんどはOtelloを使っているので、二重に手数料がかかり、結局はOtelloが届けてくれることになります。
(3)申し込むと、空席待ちのウェイティングリストに組み込まれます。キャンセルはできません。
(4)チケットが確保・入手できるとメールで連絡がきます。
(5)チケットは、自分が宿泊するホテルに届けてもらう(15ユーロ)のが無難ですが、日程に余裕があれば日本まで郵送(その方が安い)もしてくれます。ホテルに届けてもらった場合は、ホテルにチェックインする際にフロントで受け取ることになります。ウィーンのホテルに着いて、チェックインする時に封筒に入ったチケットを手渡されるとなんだかわくわくします(右画像)。
<ウィーンフィルの定期会員になるには>
ウィーンフィルの定期演奏会は、土曜と日曜とソワレ(平日)の3種類あって、それぞれに会員枠があります。会員枠は常に定員一杯なので空きが出ないと会員になれません。土曜日および日曜日の会員になるには15年待ち、ソワレで7年待ちです(2014.10現在)。定員枠の空き待ちは、毎年4月〜6月に書面またはメールにて受け付けていますが、決まった書式はありませんので自分でレターを書く必要があります。英語で大丈夫です。受付けされるとシーズンはじめ(9月頃)に「確かに受け付けましたよ」というチケット担当責任者の自筆サイン付きのレターが送られてきます。この空き待ちリストは毎年春に更新されるため(脱落する人もいる)、生きていることを確認連絡しなければなりません。これを7年間とか15年間続けることでようやく定期会員になれます。

5年や15年なんていうのはあっという間ですから、もしあなたが真にウィーンフィルが好きなのでしたら、現役引退後のお楽しみを確保するつもりで申し込んでおくのも悪くないと思います。もちろん、会員になってからは、毎年5〜10回ペースでウィーンを訪れることになりますので、しっかり蓄えを作らなければなりません。

<ウィーンフィルのニューイヤーコンサート>

元旦のテレビの同時中継でおなじみのウィーンフィルのニューイヤーコンサートは、年をまたいで全く同じプログラムで3回行われます。1回目は12月30日11:00開演の"Vorauffuhrung Nuejahrskonzert"でこの時は華やかなお花の飾りつけはありません。2回目は12月31日19:00開演の"Silvesterkonzert"です。そして3回目が元旦11:15開演の"Neujahrskonzert"です。NHKで実況中継されるのは元旦のコンサートで、日本との時差は8時間ですから日本では元旦の夜19:15が開演となります。

ニューイヤーコンサートのチケットの扱いは別格です。ウィーンフィルの定期会員でも購入することはできません。年末になるとウィーンフィルのWebサイトに次回のニューイヤーコンサートの抽選申し込み受付に関する案内が掲示されます。3回あるうちの何回目のコンサートにするか、どの価格帯の座席を希望するかを選んで申し込んでおくと、やがて抽選が行われて結果が送られてきます。この抽選は「プレミアムがつかない正規料金でペアで購入できる権利」を得るためのものです。ちなみに、抽選の申込者は10万人とも言われております。(右の画像は2017-2018の落選通知)

抽選ではずれてもチケットの入手ができないわけではありません。この種のチケットは「金さえ積めば」必ず手に入るという性質があります。正規料金の4〜5倍の50万円+αを積めば相当に良い席が確実に手に入ります。大富豪にとっては大した金額ではないですね。日本の旅行会社のほとんどが、年末年始をウィーンで過ごすツァーを企画販売していますが、そこには必ずニューイヤーコンサートやオペレッタ「こうもり」がオプションでついており、ニューイヤーコンサートのオプション価格は50〜65万円の設定ですから相場どおりというわけです。年末のウィーン行きのFinnAir(JALとの共同運航)のビジネスクラスはその種のツァー客だらけでした。これらは例外なく「金さえ積めば」コースなのでツァーだから安く有利にチケットが手に入るというわけではありません。むしろ自分でOtelloで手配した方が仲介手数料がない分安いでしょう。

日本のウィーンフィル友の会(年会費6,000円)では会員向けに若干数のチケットの斡旋があり、上記の抽選よりはかなり高い確率で入手が可能ですが、残念ながら1枚きりでペア席ではありません。それ以外にも入手の道はありますが、そういうことは大きな声で言ってはいけないことになっております。

■ウィーンフィルの団員による室内楽■
ウィーン国立歌劇場では、シーズン中にウィーンフィルの若手団員による室内楽プログラムが毎月1回開催されており、これがなかなかいいというので話題になっています。自由なプログラムが組めるということもあってウィーンフィル団内での人気も高く、年間10回のコンサート枠の取り合いらしいです。また、2014〜2015年のシーズン内容を見ると若手どころか首席奏者や超ベテラン達がかなり出ています。内容が良いので、2015年のシーズンではパリからお呼びがかかったのでパリ公演もするんだとか某団員から聞きました。
ウィーンフィルは、伝統的に団内での室内楽活動が活発なオーケストラですが、このことが彼らの音楽的センスや演奏技術を磨く重要な役割を担っています。事実、このコンサートシリーズにかける奏者達のやる気は並々ならぬものがあります。団員達も熱心にリハーサルをしているので、演奏の質が高いです。また、客層がとても良く、熱心な音楽ファンやウィーンフィルの家族達の姿が目立ちます。右下の画像を見ると前の方は関係者だらけ(じつは私も写っている)。


左: Tetsu Kimura 2013.4.20 / 右: Terry Linke 2015.3.14

場所は、ウィーン国立歌劇場内の2Fにあるマーラーザールという比較的小さくて音響がなかなか良い部屋です。開演は11:00からなので夜の予定があってもOK。全自由席で35ユーロ(2015.1現在)、チケットはウィーン国立歌劇場のWebサイトから入り、以下で説明するCulturallで購入します。人気があるコンサートなので、開場30分前にはすでに長蛇の列ができます。入り口は、国立歌劇場のリングとケルントナー通り側の角です。

じつは、マーラーザールはウィーン国立歌劇場管弦楽団およびウィーンフィルのオーディション会場でもありまして、若手の団員達はここに来ると心臓バクバク、足はガクガクだったオーディションの時のことを思い出してしまうのだそうです。

左の画像は、2014年11月に行われたオーディションの時のもので、1次選考はご覧のとおりブラインドで行います。

Photo by Jun Keller 2014.11
■ウィーン国立歌劇場・フォルクスオパーのチケット■
ウィーン国立歌劇場およびフォルクスオパーのチケットの販売は、Culturall(「クルトゥラル」と読みます)が一手に引き受けています。予約画面はウィーン国立歌劇場、フォルクスオパーそれぞれのWebサイトから入ります。Culturallでチケットを予約・購入するには会員登録(無料)する必要があります。登録時にはクレジットカード情報も必要です。Culturallのシステムは非常に機能が多いため難解な上に日本語の翻訳が不自然であり、慣れないと何をどうしたらいいのかわからなくなります。私も全貌を把握しているわけではありませんが、わかる範囲で説明します。(誤りがありましたらお教えください。すぐに修正しますので。)
ウィーン国立歌劇場のチケットは人気演目は早くに完売します。特に人気歌手が出る場合は、発売日にアクセスしても購入できる保証がありません。1席だけなら結構ポツンと残っていることもありますが、良い場所で2席以上を取りたい場合は作戦が必要です。

<ウィーン国立歌劇場とフォルクスオパーの大きな違い>

ウィーン国立歌劇場とフォルクスオパーの違いが、出る歌手やチケットの金額の差だと思ったらそれは大きな勘違いです。上演におけるコンセプトが根本的に異なっており、楽しみ方が違うのです。

ウィーン国立歌劇場は原作に忠実に、そして原語で上演するのが基本ですが、フォルクスオパーはフォルクスオパー流に手を加えて、そしてドイツ語での上演が基本です。たとえば、W.A.Mozartの「フィガロの結婚」の場合、ウィーン国立歌劇場では「Le Nozze di Figaro」というタイトルがついていますが、フォルクスオパーでは「Die Hochzeit des Figaro」になっており、フィガロもスザンナもドイツ語で歌いますから、はじめて観に行った人はぶったまげます。私も最初は戸惑いました。ステージの歌手はドイツ語で歌っているのに、私の記憶の中ではイタリア語の歌詞が流れていたからです。

楽譜にも違いがあります。ウィーン国立歌劇場は原作に忠実に校訂された楽譜およびテキストを使うことが多いですが、フォルクスオパーはフォルクスオパー用にアレンジしたオリジナルの手書き譜を使います(右の画像はオペレッタ「こうもり」のViolinパートの手書き譜)。時々聞いたことがない場面で音楽が鳴ったり、1人が歌うはずのところで3人が歌っていたりしますし、思わぬところでジョークを飛ばして笑わせてくれます。演出にも違いがあります。ウィーン国立歌劇場は音楽中心で真面目、フォルクスオパーは細かい演出が凝っていて芝居としての面白さはこちらの方が上かもしれません。それでいて音楽的な価値は下がっていなところがすごいと思います。

もうひとつの違いは、国立歌劇場はゲスト歌手を多く迎えますが、フォルクスオパーは基本的に専属歌手のみでしかも若手が多いです。さらにいうと、フォルクスオパーはソプラノやメゾは大変な美人揃い、テノールやバリトンはいい男だらけでビジュアル的には◎ですね。

私はウィーン国立歌劇場とフォルクスオパーどちらも好きです。

<Culturallでの予約・購入の流れ>

(1)チケットの予約手配(Standby/Order your tickets)、チケットの購入(Purchase)、Sold out時の空席待ち(Standby)の登録などができます。Purchase可能なのか、StanbyになるのかはCultrallのサイトから各公演のスケジュールを開けばわかります。通常は公演2ヶ月前の同日から購入(Purchase)可能となり、座席の残数が表示されて座席表から席を自由に選べるようになります。残席は白抜きになっているので、それをクリックして選びます。支払いは、Master/VISA/JCBなどほとんどのカードが可能です。しかし、その段階ですでにかなりの席が埋まっています。何故でしょうか。

(2)じつは、2ヶ月以前すなわち予約手配(Standby/Order your tickets)の段階でもチケットを購入できるのです。但し、選べるのは価格カテゴリなどの一定の条件で個々の座席を自由に選べるわけではありません。その手順は以下の通りです。

1.希望枚数と最も希望する価格カテゴリの範囲を指定する。
2.許容できる価格カテゴリの範囲を指定image/plan-so.jpg する。
3.希望者数が座席数よりも多い時に何%まで上積みしていいか(accepted commission surcharge)を指定する。
4.いつまで待てるか(ticket accepted until)を指定する。デフォルトは公演前日です。
5.追加の希望条件がいくつか指定できる。
6.決済のクレジットカード情報を入力して完了。
必要な条件を入力しておくと、早ければ数時間以内に「チケットが取れました。席番はどこ、金額はいくら・・・」というメールが送られてきます。

←国立歌劇場の座席選択画面 / フォルクスオパーの座席選択画面→
(3)チケットを購入したと同時に画面に6桁の「Booking CODE」が表示されるのでこれをプリントするかコードをメモしておきます。この6桁の「Booking CODE」を忘れると面倒なことになりますので、必ずメモをとるか予約画面をプリントしてください。「Booking CODE」はチケットをプリントしたり予約内容を確認・変更する際に必要です。

(4)購入したチケットは各劇場のBOXオフィスあるいはチケット販売窓口で受け取るか、またはpdf形式でダウンロードして自宅でプリントすることができます。チケットの受け取り方法は後から変更することはできません。

受け取りを指定した場合は、開演までの時間によって受け取り方法が変わります。ウィーン国立歌劇場でもフォルクスオパーでも、開演2時間以前の早い時期であれば、国立歌劇場の西向かいにあるBundestheaterkassen(国立歌劇場前売りセンター)などのチケットオフィスで受け取ります。開演直前になると、予約購入したチケットはプリントされて当日券売り場に移動し、そこで苗字のA〜Z順に整理されて待機します。受け取り人の識別は基本的に「名前」で行い、補助的に7桁の「Customer CODE」でも確認します。「予約者の名前」と「Customer CODE」を控えたプリントアウトかメモを見せればスムーズに受け取れます。

自宅でプリントを指定した場合は、公演3週間前に案内のメールが送られてきますので、そこからログインしてpdfファイルでダウンロードし、それをプリントすればOKです。但し、ファイルの拡張子が.pdfでないことがあるので、その場合はファイル名をEDITして末尾に.pdfをつけるか、直接Acrobat-Readerで開いてください。プリントすると下の画像のようにA4サイズになり、上1/4の横長の部分がチケットになりますが、切り取らずにA4のまま持って行って見せるだけで入場できます。


左から、Volksoperのpdfチケット、ウィーンフィルの室内楽のpdfチケット、国立歌劇場前売りセンターで発券してもらったチケットとチケットホルダー

おすすめは、開場2時間以上前にBundestheaterkassen(国立歌劇場前売りセンター)まで行って発券してもらう方法です。何故かというと、ここで発券してもらうと質の良い紙にチケットを印刷してカッコいいチケットホルダーに入れてくれるから(右上の画像)。

(5)Sold out時の空席待ちの場合はStandby扱いになります。この場合は、公演の人気の度合いによって登録時の条件が違ってきます。どういうことかというと、正規料金で買える場合もあれば、正規料金の数倍の値をつけないと買えない場合もあるからです。そのため、何%まで上積みする気があるかを入力する欄があります。2014年4月のアンナ・ネトレプコが出る「エフゲニオネーギン」はなんと700ユーロまで高騰してしまいました。

(6)CulturallでSold out時の空席待ちのStandbyを登録してしまうとキャンセルできないようなメッセージが出ることがありましたが、Culturallに問い合わせたところ、キャンセルできるそうです。メニューバーの「カスタマーサービス」をクリックし、現れたメニューの「キャンセル」を選択して行ってくださいとのことです。もし、わからなくなったら「日本語でメール」すれば日本語で丁寧に対応してくれるはずですのでやってみてください。

(7)残席僅少の状態で一見ペア席がないように見える場合でも、ペア席が取れてしまう地元の人の技をご紹介しておきましょう。

右の画像のブルーの四角で囲った席に注目してください。これらの席は隣り合ってはいるものの、異なるボックスに泣き別れています。しかし、隣り合う2つのボックスを仕切る壁は30cmくらい奥に引っ込んでいるため、この2つの席に座った二人は違和感なく会話ができ、並んでオペラを楽しむことができてしまうのです。ですから、ブルーの四角で囲った2席は十分にペア席として楽しめるわけです。もちろん、入るドアは別ですがそんなことはオペラが始まってしまえば気になりません。

<当日券&立ち見券の購入>

当日券の売り場は歌劇場1Fケルントナー通り側から入ってすぐのところ、立ち見券の売り場はその反対側にあります。国立歌劇場は完売のことが多いので、当日券がどうなるかは演目の人気次第で決まります。立ち見券の発売は、開演80分前ですが、専用の待合室が用意されているので冬場での寒い思いをすることはまずありません。立ち見席には、1階平土間(Stehparterre)、3階バルコン(Balkon)の後方、4階ガレリー(Galerie)・・・いわゆる天井桟敷の3種類があります。1階平土間が最も人気がありこれだけは早くから来て並ばないと手に入りません。立ち見券は1人1枚しか購入することができません。

購入したら係の人の案内に従って移動します。立ち見席には手すりがあるので、そこにハンカチなどを巻いて自分の場所を確保します。立ち見席にも字幕画面がついていますので、その場所が1人分ということになります。場所を確保したらその場を離れてクロークやカフェに行くことができます。

<国立歌劇場(Staatsoper)の座席案内>・・・staatsoper-sp.jpg

この劇場もは非常にわかりにくい座席配置や名称がついていますので、はじめての方はどの席を選んだらいいかわからないと思います。そこでできるだけわかりやすく解説してみることにします。国立歌劇場もWebによるオンライン予約では自由に座席を選ぶことができます。

/=ステージが全くといっていいくらい見えない席。

Parkett・・・1階平土間の特上のお席です。日本の劇場と違って劇場全体の左右の幅が狭いので、両隅の席でもそんなにはじっこ感はありません。お値段は、前1/3〜中央1/3〜後ろ1/3の順に安くなってゆきます。楽友協会の場合は前の方の席は良くありませんが、こちらは前の方が楽しめます。
Stehparterre・・・1階土間の後方の立ち見席ですので席番はありません。椅子がないかわりに肘つきのための手すりようなものがあります。皇帝が座る貴賓席"Mittelloge"の真下に庶民の立ち席があるというところがミソです。音響が良く、舞台も良く見えるのに格安です。この席を買うには、開演2〜3時間くらい前から劇場1階にある立ち席専用売り場で並ぶ必要があります。
Mittelloge・・・昔は皇帝が座ったいわゆる貴賓席です。それなりの方々がそれなりの服装でやってくることが多いのでこの場所を取るのは少々の覚悟がいります。価格もParkettの前1/3と同じで最もお高い設定です。しかし、舞台からは案外遠く感じるので、近いのがいい方はParkettをおすすめします。
Parterre Loge、1/2 Rang Loge・・・日本の劇場には存在しないBOX席です。眺めはいいですが左右壁側は横向きで見ることになるので少々首が疲れます。舞台がまともに見えるのは最前列限定でして、2列目の席はやや奥まっているので、舞台の奥やオケピットは見えません。3列目はさらに奥ですので視界は相当に制限されます。そのため、1列目は100ユーロ以上するのに、2列目以降はその1/10の価格です。しかし、椅子は自由に動かせるので、2列目の人はかなり前に乗り出せば結構楽しめます。
BOX席の特徴はその部屋の構造にあります。ドアを開けて入るとすぐにコート掛けがあるので、この席のお客は面倒なクロークをパスできます。ドアを入ってから席まではかなりのスペースがあるのでパルケットの平場のような狭苦しい感じがありません。

Proszeniumslogen・・・舞台横桟敷席とでもいいましょうか。オケピットの真横ですので最前列でも舞台の視界は制限されます。しかし、ここはとてもお安いのです。遠くのGalerieから小さい歌手を見るのと違い、角度こそ無理はありますが舞台もオケも間近なのでそれなりに臨場感を味わうことができます。ただし、一番上のBalkonはほとんど真上からになるので歌手の顔がわかりません。
Balkon・・・かなり高い位置の席ですが、Mitteとその両側は眺めも音響も良いのでお得です。最前列は別格でお値段も高くなっています。じつはMitteよりもお安いSeiteの方が眺めが良くステージに近いのです。舞台からはそれなりに距離があるので歌手の顔の識別は困難です。オペラグラスが欲しくなります。
Galerie・・・非常に廉価にオペラが楽しめる席です。高いところからステージを見下ろす感じになり、しかも床も急こう配なので高所恐怖症の方には無理かも。気楽な服装の人ばかりです。
<フォルクスオパー(Volksper)の座席案内>・・・volksoper-sp.jpg

フォルクスオパーの座席は国立歌劇場とはちょっと趣が異なります。この劇場は1階と2階に柱が何本かあるため、その後ろの席は前がよく見えないという問題があります。もちろん、その席はとてもお安くなっています。フォルクスオパーもWebによるオンライン予約では自由に座席を選ぶことができます。

グレー=柱が邪魔でステージがよく見えない席。

Parkett・・・1階平土間のお席です。値段が一番高い席でも86ユーロですが、フォルクスオパーが日本に来たらS席で3万円以上します。フォルクスオパーの良いところは座席が前後で互い違いになっているため、前の人の頭が邪魔になりにくいということです。私のおすすめはオレンジ色のところですが、特に良いのは左右それぞれの10列6番〜9番、中央に近いのに前が通路で眺めが最高の良いです。
Balkon・・・要するに2階席です。2階は最前列がベストです。中央ブロックは4列目まで最高価格(黄色)ですが、左右のブロックの1ランク安い2列目(オレンジ)の方がずっと良いと思います。
Galerie・・・3階席です。中央の前2列は1階後方よりも眺めが良くお値段も高いですが、ステージからはかなり離れているという欠点があります。
Logen・・・両サイドのボックス席です。ステージに近い上に上から見下ろすのでちょっと面白い景色ですが、この席はほとんど横向きなので最前列であっても視界がかなり制限されます。舞台の奥で何か面白いことをやっていてもさっぱりわかりません。2列目以降は本当に何も見えませんので音だけだと思ってください。Logenのベストポジションは、Parterre logen 4です。
Stehparterre・・・立ち見席は1階(4ユーロ)と最上階(3ユーロ)があります。国立歌劇場の立ち見券は当日に現地に行って並ばなければなりませんが、フォルクスオパーの立ち見券は日本からインターネットで買うことができます。
国立歌劇場もフォルクスオパーも良い席で観たかったら、(1)できる限り早くに・・・発売初日に購入する、(2)1階平土間か、各階のBox席の1列目や2階の1列目から選ぶようにします。もちろん、これらのお席はいずれもお値段もそれなりです。
国立歌劇場の場合、人気歌手が出る演目では発売初日でも全席完売してしまうのがほとんどなので、そのようなケースでより確実に良い席を確保したかったら手数料を支払ってOtelloを使うのが得策です。Otelloは企業持ちなどから流れてきたチケットも持っているので、発売前に確保してくれることが多いです。

面白いことに、国立歌劇場とフォルクスオパーとではチケットの売れ方に違いがあります。国立歌劇場は安い席が早くに売れますが、フォルクスオパーでは高い席から売れてゆきます。国立歌劇場の1階席は170ユーロ以上しますが、フォルクスオパーは36〜80ユーロで買えますからその違いでしょうか。

<チケット手配業者Otelloでの予約・購入>
Otelloはウィーンの劇場チケット代行業者です。手数料がかかりますが、プレミアムがつく上演(超有名歌手が出演するオペラや大晦日に上演されるオペレッタ「こうもり」など)は上述したCultrallによる通常の申し込みではなかなか手に入らないことがあります。

こんな入手困難なチケットでもOtelloなら何故か確保してくれます。たとえば、比較的人気のあるオペラで発売とともに完売しそうなプログラムがあったので、早めにOtelloで申し込んでいたところ、発売前であるにもかかわらず「チケットが確保できた」というメールがきてほどなくチケットの実物が日本に送られてきたのでちょっと驚きました。Otelloで国立歌劇場のチケットを取ったら、Lexus(国立歌劇場のスポンサー)のご招待客のど真ん中の席だったので、周囲は全員日本人、しかもオペラははじめてのようでみなさん大いびきでした(爆)。もうひとつのケースですが、大晦日に上演される喜歌劇「こうもり」のチケットも発売前に入手できました。しかも座席を選ぶこともできたのです。このケースではどうやらダイナースクラブがリザーブしていた席が流れてきたようです。但し、いずれの場合も手数料は30%〜50%がかかります。

Otelloはほとんどの公演で価格カテゴリごとに10席程度を確保しているようです。手数料がかかっても確実に確保した場合はOtelloを使うという選択肢もあるわけです。

本ページの上の方の「■ウィーンフィルのチケット■」のところにも申込みに関する解説がありますので参照してください。

■ウィーン・コンツェルトハウスのチケット■
ウィーン・コンツェルトハウスには大小さまざまなホールがあり、クラシックはもとよりさまざまなコンサートやイベントが開かれています。ここはウィーン交響楽団のホームグランドなのでウィーン交響楽団の定期演奏会が頻繁に開かれます。掘り出し物のコンサートがたくさんあるのでチェックは欠かせません。チケットの発売時期には決まりはなくコンサートごとにまちまちです。
<ウィーン・コンツェルトハウスのWebサイトでの予約・購入の流れ>

コンサートごとに座席のカテゴリで色分けして金額が決まっていますので、カテゴリを指定して枚数を入力します。

一番大きいのが大ホール(GrosserSaal)で、次いでモーツァルトザール(MozartSaal)、その次がシューベルトザール(SchubertSaal)です。以下の画像を参考にしてください。

Schubert-Saal

Mozart-Saal


Grosser-Saal

座席の価格帯表示

<当日券の購入>

<ウィーン・コンツェルトハウスの座席案内>

・・・。

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http://www.op316.com/musik/konzert-ticket.htm

10. 中川隆[-14909] koaQ7Jey 2021年12月03日 02:51:27 : G5ABra6JXc : RVZDMkZkZll6d2M=[10] 報告
ウィーンのコンサートガイド
楽友協会&国立歌劇場&フォルクスオパー
http://www.op316.com/musik/konzert-saal.htm


チケット購入ガイドはこちら
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<楽友協会 / Musikverein>
楽友協会は交通の便が良いところにあるので、公共の交通機関で問題なく行けます。終演時刻でもU-bahn(地下鉄)もStrassenbahn(路面電車)も動いています。ウィーンの地下鉄もStrassenbahnも駅の間隔が短いので、ウィーン中心部にいる限り無理して交通機関を使わなくてもちょっと歩けばほどなく着けると思います。しかし、やや地味な場所にあるのではじめて行く人はすぐそばまで行っておきながらうろうろすることが多いようです。
リング中心部〜ケルントナー通りから歩く・・・シュテファン寺院あたりから歩いても15分くらい、国立歌劇場あたりからであれば6〜7分で着きます。ウィーンフィルの団員達は、これくらいの距離は普通に歩いてますね。目印はHotel Imperialで、楽友協会はその裏になります。

U-Bahn(U1、U2、U4)・・・最寄り駅=Karlsplatz。地図で見ると駅から少し歩くように見えますが、Musikverein出口を出たらほとんど目の前にあります。徒歩3〜5分。開場時刻の頃にU2の先頭車両に乗ると、いかにもこれからコンサートに行きますという感じの紳士淑女の姿が目につきます。

Strasssenbahn(D)・・・最寄り駅=Schwarzenberg-platz。徒歩3〜4分。
Strasssenbahn(2)・・・最寄り駅=Schubertring。徒歩3〜4分。
Strasssenbahn(1)・・・最寄り駅=Karlsplatz。徒歩4〜5分。

Musikverein正面(左)、周辺地図・・・クリックして拡大(右)。
<楽友協会でコンサートがある時の待ち時間のつぶし方>

近所のカフェやレストランで過ごす・・・楽友協会の近所には、Hotel Imperial内にあるCafe Imperialやリングを渡ったところのCafe Schwarzenbergなど、早い夕食をとったりお茶をしてゆっくりと時間を過ごすのに都合の良いカフェがあります。但し、Cafe Imperialはとても格式あるカフェなので安っぽい服装で入店すると確実に浮きますのでご注意ください。Cafe Schwarzenbergなら気楽に入れて食事もできますがコンサート直前はかなり混雑します(左下)。運がよければフィルハーモニカー達の姿を見かけることもあります。楽友協会の向かいにあるKuenstlerhaus Wienの1階(入り口はビルの反対側)には気軽に入れる"Ludwig und Adele"というレストランがあり、ここもフィルハーモニカー達がよく利用します。

楽友協会内のカフェで過ごす・・・楽友協会の地下にはCafe Gerstnerが出店しており、開場前でも軽い食事をしたりコーヒーで一休みできます。カフェらしい座席こそありませんが静かで落ち着いた雰囲気なので、早くに着いてここで時間を潰す人は多いです。私たちもここで軽食を取りながら開場待ちをすることが多いです。椅子はわずかしかないので、杖をついたお年寄りを見かけたら必ず席を譲りましょう(右下)。


Cafe Scwarzenberg(左)、楽友協会地下のCafe Gerstner(右)。
<楽友協会でのコンサートガイド>

チケットの受け取り・・・楽友協会の場合、購入したチケットは前日以前でもコンサートの開演1時間前でもBOXオフィスで受け取ることができます。大ホールのコンサートの場合は開演直前はとても混雑するのでぎりぎりに行くと慌てることになります。ウィーンに着いたら、早めに散歩がてら受け取りに行ってもいいでしょう。複数のコンサートのチケットを購入している場合は、何も言わなくてもCustomer-IDを伝えるだけでその場ですべてのチケットを発行してくれます。メールのプリントアウトを見せればいいので、言葉がわからなくても大丈夫です。国立歌劇場のようなチケットのダウンロードはありませんし、Otelloのようにチケットそのものを日本や滞在ホテルに送ってもらうこともできません。

BOXオフィスは、楽友協会の建物の裏手ベーゼンドルファー通り側に入り口があるのですぐにわかります。右側のKONZERTKASSAと書かれたところがBOXオフィスで、左側が楽屋口。開演30分くらい前になると、団員達が楽屋口からどんどん中に入ってゆきます。コンサート直前を除いて通常の営業時間は、平日は9:00〜20:00、土曜日は9:00〜13:00、日曜日はお休みです。


ドレスコードのことなど・・・どんな服装が相応しいかは、コンサートの格で決まりますから一律に何がいいとは言えません。楽友協会で開かれるコンサートにもいろいろあって、熱心な音楽ファンがやってくるコンサートもあれば、ほとんど観光用と割り切ったツァー向けのコンサートもあります。一般論として、オペラよりも地味だということと、マチネ(11:00開演と15:30開演が多い)の方が軽装でいいというのはいえると思います。夜のコンサートの場合、男性であればスーツかジャケット着用が確実です。女性も同様でそこそこフォーマルな格好であればよろしいかと思います。バル(冬に開かれる舞踏会)のような特別なイベントでもない限り、タキシードとか肩出しドレスなんていうのは完全に浮きますのでやめてください。私が海外に行く時は、ネイビーのブレザー一着でやりくりすることが多いですが、これで過不足はないです。かみさんはスーツ&スカートまたはワンピースに派手でないアクセサリをつけることが多いようです。


クローク・・・1階入ったところに大きなクロークがありますが、各階にも地下にもクロークがあります。劇場法という法律で、入場時に身に着けている衣類とハンドバック以外は劇場内に持ち込んではいけないという規則があります※。コートや大きなかばん類はホールに持ち込むことはできませんので必ずクロークに預けてください。寒がりの人は下着や薄手のセーターなどで工夫するようにします。クロークは有料で85セントくらいだったと思いますが、チップを含めて1人1ユーロがめやすですので、2人分であれば2ユーロを渡します。クロークは何ヶ所かあってA、B、C・・・という風に記号で区別されており、半券にもAとかBという風に記号が印字されています。

※その昔、劇場で大火事があり、持ち込んだ衣類が燃えて大惨事になったため、以来、客席にはコート類を持ち込むことを禁止する法律ができたのだそうです。
ホールに入る・・・チケットは見せるだけで日本のホールのようにモギリません。座席ごとに入り口が分かれており、チケットを見せるとどこから入ればいいか教えてくれます。分かれているのは入る時だけで、中に入ってしまえばホールじゅうどこにでも自由に行けます。階段とエレベーターがありますが、杖をついた老婦人、老紳士が利用されますので、元気な人は階段を使いましょう。
ところで、楽友協会正面から入ってすぐの左右のコーナーにある階段はかなり急です(左画像)。じつは、ゆるやかかつ優雅な階段(右画像)があるのですがそれはクロークを通り過ぎて突き当ってから左右に回り込んだところなので、初めての人はまず気づきません。女性をエスコートしているのであれば、是非こちらの階段をお使いください。なお、ブラームスザールの公演の時は正面向かって左側の階段だけになります。


コンサート・プログラム・・・ホール内のあちこちに案内兼プログラム売りの係が立っています。楽友協会のコンサートのプログラムは基本的にすべてドイツ語で書かれており、英語版や日本語版はありません。私はドイツ語でもかまわないので必ず買いますが、毎回「ドイツ語版しかないが大丈夫か?」と念を押されます。プログラムもチップを含めた金額を渡すのがエチケットです。もっとも、プログラムの値段も、わざと2.7ユーロとか3.7ユーロという風にチップを足すと切りのいい数字になるように設定されています。こういう場合は、私は「You have four」と言って5〜10ユーロ紙幣を渡します。そう言っておけば1ユーロまたは6ユーロのおつりがきます。お釣りがいらない時は「Change for you」とか「You take chage」ドイツ語ならば「Stimmt so」と言えば通じます。

座席番号・・・日本でいう列は「Reich」です。日本のホールでは、席番「Platz」は左端から右端に向かって1番から通し番号がふられていますが、楽友協会のホールは左右両端から中央に向かってそれぞれ1番から番号がふられています。つまり、1つの列に同じ番号が2席ずつあるので、自分の席が右側(Rechts)なのか左側(Links)なのか確認しましょう。

右上のチケットは、大ホールのParterre Logen席(後述)です。「Links」と書いてありますからステージに向かって左側です。Logen席は扉ごとに区切られているので、「7.」は7番扉から入れという意味です。「Reiche」は前から数えて何列目か、「Platz」は横方向の席番です。

右下のチケットは、ブラームスザールのParterre席(後述)です。「Rechts」と書いてありますからステージに向かって右側で、「Reiche」は前から数えて11列目、「Platz」は横方向の席番でこの場合は右から数えて6番目です。

中の座席に入るとき・・・日本のホールに比べて座席の前後の余裕がなく、出たり入ったりが非常に困難です。そのため、中の方の人はできるだけ早めに着座するように気を配り、両端の人はあまり早くから着座しないように気を配るとスマートです。すでに座っている人の前を通って中に入る時は、座っている人におしりを向けないで向かい合うようにして通してもらうところが日本と逆です。

さまざまなエチケット・・・欧米諸国は日本に比べて脚が弱いご老人が目立ちます。両手に杖をついたご婦人がヨッコラヨッコラやってくる姿をよく目にします。こうした方々を見かけたら、荷物を持ってさしあげたり、座席の着く時にサポートしたりしなければなりません。また、脚が弱いご老人は壁や手すりや椅子の背もたれをつかみながら歩きますので、壁際に立たないように気を配るのがエチケットです。

<楽友協会の建物案内>

楽友協会の特に有名な2つのホールの位置関係は概ね下図のように並んでいます。左側がブラームスザールで右側が大ホールで、実際にはもっと接近しています。この2つのホールは互いに1本の通路を隔てて隣り合っており、ホワイエやトイレ、カフェは共通です。1階も2階も床の高さがほぼ同じであり、互いに自由に行き来できます。日本では、大ホールや中ホールなど複数のホールがある建物で各ホールが隔絶されているのは普通ですが、ウィーンではそうではないのが普通です。

右は2011年のニューイヤーコンサートの「美しく青きドナウ」で、ブラームスザールで踊っていたバレエダンサー達が曲の最後のところで大ホールに流れ込んで来る瞬間をとらえた画像です。閉じかけたドアの向こうにブラームスザールの左壁際中央にあるブラームス像が見えていますね。この画像を見ると2つのホールの位置関係がよくわかります。

ですから、たまたま両方のホールでコンサートがあって同じタイミングで休憩になると、ブラームスザールに来ているお客さんが大ホールを見物しに入ってきたりするという面白いことが起きます。ホールのこういう構造はコンツェルトハウスも同じでして、モーツァルトザールから出て向かいの扉を開けると大ホールに入れてしまうのです。

大ホール: 2階Balkon Mitteから(左)、1階Parterre Logen 7扉から(中)、Neujahrskonzert 2016 1階Parterre Logen 4扉から(右)。

■=ステージが全く見えない席、■=視野が制限される席。

大ホールの音響設計にはあのサリエリが関わっていたということはあまり知られていません。映画などもあってとかくモーツァルトの敵対者のように思われていますが、実は音楽振興と音楽家の支援では多大なる貢献をしていたのであり、もっと評価すべき人物であったようです。今日、この素晴らしい音が聞けるのは18〜19世紀を生きたサリエリのおかげなわけです。
このホールはステージの下が引き出し構造になっていて、それを引き出すと一段低いステージが出てきます。オーケストラの人数が多いときや、ステージ上に大人数に合唱団を乗せたいような時にこれを使います。その時はCercleの前の何列かは取り外されます。

客席の床下は高さ2mほどの広い空間になっており、取り外した客席はべて床下に格納できます。天井の上にも空間があり、この2つの空間の存在がホールの音響効果に大いに貢献しているそうです。

楽友協会が建設された当初は、ブラームスザールのステージは現在の場所ではなく、ブラームス像がある側にありました。つまりホールを横長に使っていたんだそうです。後になって縦方向に使うように改造されたため、ど真ん中に柱が2本も立っているという変なステージになってしまいました。また、1階最後部の座席にも視界を遮る柱があるわけです。うちのカミサンは「日本のホールは見るためのホール、ここは聞くためのホールね」と申しております。

このホールも大ホールと同様にステージの下が引き出し構造になっていて、それを引き出すと一段低いステージが出てきて広くなります。また、左右両端には引き出し式の階段が隠れています。


ブラームスザール: 1階後半の最前列席から(左)、ホールの左側にご本人が(中央)、2階Balkonから(右)。
<楽友協会その他のホール>

コンサート専用ホールは上記の大ホールとブラームスザールの2つですが、それ以外に多目的ホールが5つほどあります。

Gottfried von Einem Saal ・・・パーティーもできる多目的なお部屋です。ウィーン国立歌劇場のマーラーザールよりも少し小さい部屋で、ここで室内楽をやったらいい音がするだろうなあと思います。私はまだここで聞いたことがありません。

Gla"serner Saal / Magna Auditorium ・・・ここも多目的な部屋で、コンサートではさまざまなレイアウトが可能になっています。ウィーンフィルのリハーサル用として使う時は、客席のところにオーケストラが乗り、ステージの中央に指揮者が立ちます。非常に深い地下にあり、ここまでたどり着くのにかなり迷います。音響的にはかなりデッドで、ブラームスザールのような濃密な響きを期待するとかなりがっかりします。平場を囲むように周囲の高い位置に固定の座席があり、入り口は別になっています。

左: Tetsu Kimura 2013.4 / 右: Wilfried Hedenborg 2014.12
Metallener Saal ・・・。
Steinerner Saal / Horst Haschek Auditorium ・・・。
Ho"lzerner Saal ・・・。
<楽友協会の楽屋口>

向かって右側がBOXオフィス(KONZERTKASSA)で左側が楽屋口です。入ってすぐ右側にガードマンがいて見張っています。ビジターがここから入るには、楽友協会関係者またはウィーンフィル関係者の同行が必要です。中に入ってまっすぐ進んでゆくと螺旋階段に突き当たります。中央の画像はその螺旋階段から楽屋口を振り返ったところです。この階段を上がってゆくと大ホールのステージ下手通路のところに出ます。ご婦人用トイレのすぐ手前ですね。長い間階段だけでしたが、現在は建物内のすきまを工夫して階段に沿ってエレベータが設置されています。無理やり後づけしたため、とてもコンパクトで変則的な形をした特注エレベータです。

<ウィーン国立歌劇場 / Staatsoper>
ウィーン国立歌劇場はウィーン市街のど真ん中の最も目立つところにあります。ケルントナー通りをリング側に出たところの角で、Karlsplatz駅の場合はOperあるいはStaatsoperの案内のある出口を出たら目の前です。
U-bahn(U1、U2、U4)・・・最寄り駅=Karlsplatz。徒歩2〜5分。
Strasssenbahn(D,1,2,WLB,62)・・・最寄り駅=Ka"rntner-Ring Oper。徒歩1〜3分。

Staatsoper正面(左)、周辺地図・・・クリックして拡大(右)。
<国立歌劇場での待ち時間のつぶし方>

カフェで過ごす・・・国立歌劇場はウィーンの繁華街ケルントナー通りの入り口にありますから、周囲にはたくさんのカフェがレストランがあります。有名なところでは、すぐ北にあるCafe SacherとCafe Mozartでしょうか。どちらも観光名所でもあるのでものすごく混んでますけど。国立歌劇場内にはCafe Operがありますが、やや雑然とした感じがあり、こちらも結構混んでいます。

歌劇場のショップで過ごす・・・歌劇場の1階、ケルントナー通りに面した側にショップ「ARCADIA」があります。国立歌劇場にちなんだCDやDVDのほか、ピアノの鍵盤型の電卓などお土産になりそうな面白いものがたくさんありますので、ウィーンに行ったら一度はのぞいてみる価値があります。

<国立歌劇場でのコンサートガイド>

ドレスコードのことなど・・・コンサートのドレスコードは比較的ゆるいですが国立歌劇場になるとちょっと話が違ってきます。座席によって服装が極端に違うからです。平土間席の場合は一応きちんとした服装であればまず問題なく、むしろ過剰な着飾りをすると浮きます。1/2 Rangのボックス席は、最前列は着飾ってもいいですが、2列目以降なのに着飾るのはどうみてもおかしい感じがします。要注意なのは正面中央のMittellogeです。ここは貴賓席扱いなのでスーツ程度では気遅れすることが多いです。女性の場合は身に着けているジュエリーからして違いますから。ご夫人を同伴する場合は、真珠のネックレスくらいはプレゼントしておいた方がいいと思います(笑)。

一方で、立ち見席はカジュアルな服装が多いです。オペラハウスは階級に関係なく楽しめる場所であるため、皇帝が座るMittellogeの真下のいい場所に庶民のための立ち見席があるというあたりが洒落てますね。

チケットの受け取り・・・国立歌劇場のチケットはCulturallが扱っており、pdfでダウンロードして自分でプリントするか、当日劇場で受け取るかのいずれかになります。チケットに関する全体の流れはチケットの予約〜受け取り編にあります。劇場での受け取りは1階入ってすぐの窓口で扱っています。当日券もあります。歌劇場のチケット案内(日本語)はこちら。

クローク・・・国立歌劇場の内部は構造が複雑な上に見通しが悪く、おまけに人波でごった返しているのではじめて行った人は自分がどこにいて、どこに行けばいいのかわからないと思います。座席によってクロークが決まっているので、劇場に入ったら案内係にチケットを見せれば教えてくれます。国立歌劇場のクロークは無料です。なお、ボックス席(1/2 Rang)は各ボックスの前室にコートかけがありますので、クロークに預ける必要はありません。

プログラム・・・劇場内のあちこちに案内兼プログラム売りの係が立っています。国立歌劇場のオペラのプログラムは、日本語は1ページ分の簡単なあらすじだけがついています。プログラムは4.5ユーロという風に半端な金額になっており、チップを加えるときりのいい金額になるように設定されています。

字幕・・・日本ではステージの上か両側に字幕が出るのが普通ですが、国立歌劇場の字幕は各座席の端末に表示されます。ドイツ語と英語が選べますが日本語はありません。


<国立歌劇場の建物案内>

オペラ劇場はどこも平面と縦方向の両方に複雑な構造をしているため、あちこち探検してもなかなか建物の中のレイアウトがわからないものです。私も、最初の数回までは正直なところわけがわからないまま上へ下へ右往左往していたものです。平場すなわちParkettは前後に傾斜がついていますので、それを取り囲む通路の床は複雑な曲面になっている上に天井が低いので視界が悪く、そのことが自分が一体どこにいるのかをわかりにくくしています。

右図はParkettの2つ上の1.Rang〜Mittelloge〜Gustav Mahlersaal〜Marmoesaalがある階の平面のイメージ図です。劇場全体を把握するには、この階を理解把握することが近道です。

歌劇場の中に入って吹き抜けになった中央階段を上がったところがこのフロアです。もっとも視界が開けてわかりやすい場所なので、ここをスタートにして考えるとわかりやすいと思います。リング側にはSchwindfoyerがあり、オペラやバレエの時はここがメインの休憩場所になります。ここはウィーンフィルの室内楽コンサートでは仮の楽屋になる部屋でもあります。

左右にはそれぞれMarmorsaalとGustav Mahlersaalがほぼ対称形に配置されており、オペラやバレエの時はここも休憩場所になります。つまり、このフロアには、歌劇場の最も広いホワイエが3つもあるということになります。ケルントナー通り側のGustav Mahlersaalは通常時は資料の展示室にもなっていて、ウィーンフィルの室内楽コンサートはここで開かれます。MarmoesaalとGustav Mahlersaalの間を移動するには、中央階段側の通路を通るか、Mittellogeの入り口の前を通る中央の狭い通路を通ります。

このフロアからは、左右それぞれの1.Rangのボックス席と中央のMittellogeに行くことができます。ですから、1.RangおよびMittellogeのチケットを持っている人は、お連れのご婦人をエスコートしつつ中央階段を上がり、ぐるりと回ってそれぞれのボックスに行くのが正解であり最もエレガントです。それに比べるとParterreや2.Rangに行くには天井の低い通路を歩かなければなりません。このフロアからひとつ下のParterreのボックスやひとつ上の2.Rangのボックスに行くには、左右のやや狭い階段を使います。

このようにみてくると、座席のお値段とは別に、ここでご紹介したフロアの座席(1.RangとMittelloge)が歌劇場において最も重要かつ中心となるものであることがわかります。

<国立歌劇場の楽屋口>

国立歌劇場の楽屋口は、ケルントナー通り側のアルカディア(売店)の右側にあります。顔パスで入れる楽友協会と比べると警備はかなり厳重で、関係者といえどもセキュリティパスのチェックがあります。

中に入ると狭い通路があって、屋根裏まで貫通したエレベータがあります。屋根裏は、ステージの真上と客席後方のSchwindfoyerの真上にそれぞれリハーサル用のホールがあります。ステージ真上、すなわちHotel Sacherから見える側はOrgerSaalといい、パイプオルガンが設置されています。オペラで、天上からオルガンが聞こえてくる場面がありますが、その音はここから聞こえてきているのです。オルガン奏者は指揮者やステージを映したモニターを見ながら、ひとりぼっちでここで演奏しているというわけです。このホールは音響が良いのでレコーディングで使われることもあります。私もここで録音したことがありますが、音響は良いですが外部ノイズが大きいのが難点です。客席後方側、すなわちリンクから見える側はWaechterbuehneといい、主にオペラのリハーサルで使われますが、狭い上に音響が悪いのでオケの団員の評判は悪いんだそうです。


楽屋口 / OrgelSaal / Waechterbuehne。

<フォルクスオパー / Volksoper>
フォルクスオパーはリングの外側、ウィーン中心部からちょっと離れたところにありますので、国立歌劇場や楽友協会のように歩いて行けるような場所ではありません。地下鉄U3とU6を乗り継いでぐるっとまわってゆくか、リングのShottentorからStrassenbahn 40,41,42に乗り換えてゆくことになります。
U-Bahn(U6)・・・最寄り駅=Wa"hringer Str.Volksoper。Westbahnhofから約10分。下車して徒歩3〜4分。
Strasssenbahn(40,41,42)・・・Schottentor/Universita"t始発。最寄り駅=Wa"hringer Str.Volksoperまで6〜7分。下車して徒歩1〜2分。

Volksoper正面、向こうに見えるのがU6(左) / 周辺地図・・・クリックして拡大(右)。
<フォルクスオパーはなかなか見つからない>

Strassenbahnで行くとフォルクスオパーのおなじみの建物がよく見えますが、地下鉄U6で行くと、駅を出てもフォルクスオパーは見えません。じつは建物自体は駅の真ん前にあるのですが、反対側を向いて建っているのでわからないのです。地下鉄の駅を東側に出たら右に進み、Strassenbahnの線路に沿って広い通りを渡って反時計まわりに回り込んでゆくとフォルクスオパーの正面に出ます。上の画像の遠くに見えるグリーンの鉄橋がU6の高架線で、駅はフォルクスオパーの向こう側になります。まあ開演近い時間帯ならば、それらしい人々がぞろぞろ歩いていますからそれについて行けばいいでしょう。

<フォルクスオパーの建物案内>

建物はかなりコンパクトかつ構造はシンプルでわかりやすく、国立歌劇場のような複雑さはありません。正面玄関を入るとすぐにホールがあり、右奥にチケットの窓口があります。更にどんどん行くと1階Parkettの入り口があって劇場内に入ってしまいます。ちょっと大きな映画館かミュージカル劇場という感じです。

休憩時間は出入り自由状態になり、寒くない季節では多くのお客は外に出てあたりをぶらぶらしています。

<フォルクスオパーでのコンサートガイド>

ドレスコードのことなど・・・フォルクスオパーはその名のとおり気軽な劇場です。フォーマルすぎる服装はあまり似合いませんが、かといってTシャツやショートパンツはNGです。気合が入った中国人の団体が揃ってド派手なイブニングドレスを着てやってきましたが完全に浮いていました。立ち見でない限り、男性なら気軽なジャケット着用、良い席ならネクタイくらい締めておくくらいでよいです。

チケットの受け取り・・・フォルクスオパーのチケットはCulturallが扱っており、pdfでダウンロードして自分でプリントするか、国立歌劇場前のBundestheaterkassen(国立歌劇場前売りセンター)で事前に受け取るか、当日劇場で受け取るかのいずれかになります。チケットに関する全体の流れはチケットの予約〜受け取り編にあります。劇場での受け取りは1階入って右正面の窓口で扱っています。当日券もあります。

クローク・・・1着あたり1ユーロで足りたように記憶します。

プログラム・・・ほとんどのページはドイツ語で、英語や日本語のページは一応ありますがわずかしかありません。買いにゆくと「日本語は2ページしかないけどいいか?」と念を押されますが、私は「I know, I know, no problem」と答えています。写真が豊富でそれも最新の歌手が載っており、画質も良いですから買っておくことをおススメします。

立ち席のルール・・・経験がないのでわかりません。

字幕・・・フォルクスオパーの字幕はいろいろなパターンがあります。喜歌劇「こうもり」では歌詞や科白を表示するのではなく「今アイゼンシュタインが怒っている」とか「オルロフスキーの夜会の場面である」という風に場面の説明ばかりするので・・・そんなのは見ればわかる・・・ちっとも面白くないのです。

電車の音がする・・・表通りをStrassenbahnが通過するたびに、ゴーッという音と振動が劇場内に入ってきます。まあ、ご愛嬌ということで我慢です。

http://www.op316.com/musik/konzert-saal.htm

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