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静電型スピーカーの修理 _ STAX・QUAD ELECTROSTATIC LOUDSPEAKER RESTORATION
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/836.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 7 月 23 日 14:15:14: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: アンティーク オーディオの販売店・修理を頼める店 投稿者 中川隆 日時 2020 年 12 月 20 日 18:00:43)

静電型スピーカーの修理 _ STAX・QUAD ELECTROSTATIC LOUDSPEAKER RESTORATION
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/index.html


2021年 7 月17日現在、8 件の予約があります。 (作業中 1 件)

 この計 9 件は、QUAD 7件、STAX 2件です。   内容は、6件がフルレストア、
3件がユニットのみなどで、完了は来年五月になりそうです。
また、未だ予約には至っていない、レストア内容などをご相談中のものが2件あります。
お待たせして申し訳ありませんが、ご予約順に対応しておりますのでご了承ください。

このHPには更新したい箇所が多くあるのですが、なかなか時間がとれず申し訳ありません。

最初にお読みいただき、ご了承いただきたい事柄

 静電型、この優れたスピーカーを少しでも永く世に残したいと思い、道楽でSTAXとQUADのレストアをしています。

 2021年2月現在のレストア実績は次のとおりで、自家用、依頼を受けてのレストア、友人に依頼してのモニター使用や譲渡、オークション出品などをしてきました。

STAX フルレストア  ESS-3A  ELS-4A  ESS-6A  ELS-6A を各一組
    ユニットのみ  ESS-6A   ELS-4A  各一組、 ESS-4Aを二組
    高圧電源装置 ESS-6A 二台

QUAD  フルレストア  ESL-63 13組  PRO-63 12 組  ESL-2805 4組  ESL-2905 1組  ESL-988 1組
    ESL-63の片ch、PRO-63の片ch
    ユニットのみ ESL-2905  ESL-2805  ESL-63  各1組

 中には、PRO-63を落札された後にESL-2805を追加で直接お譲りしたケースや、QUAD と STAX の両方のレストアをお受けしたケースが二件、ESS-4A を落札された後に追加でESS-6Aを直接お譲りしたケース、あるいは、PRO-63を落札した後、お手持ちの63のレストアをお受けしたケースなどもあります。

 ACOUSTATにつきましては、手持ちのものも含めて二組は高圧回路の修理などをしていますが、ユニットは未だ未経験です。 ユニットのレストアをご希望の場合はご相談ください。

 レストアを始めて六年ほどになりますが、全てのものが元気に鳴っていて、ご愛用いただいています。

 静電型スピーカーは、音はいいのだが故障し易い、メインテナンスが高額だ、などと言われています。 私のレストアの手法は、具体的にはそれぞれのページをお読みいただくとして、出来る限り長期間、その性能が維持できるように考えた末にたどり着いたものです。

 導入後のフォローも誠意と責任をもって対応いたしますので、安心してご愛用いただけると考えています。

 レストアしたスピーカーをオークションに出品しますと、お手持ちの、故障したSTAXやQUADに関するご相談が多く寄せられます。 そこで、レストアをお請けする窓口としてこのサイトを立ち上げた次第です。

 最初に書きましたとおり、商売ではなく道楽でやっています。 道楽でやっているのだから損得抜きで面倒みてくれるのだろう、と思われるのか、あるいは、商売ではないのだから何かいい加減なことをやっているのだろう、と思われるのかは判りません。 私は、取引ではなくお付き合い、つまり、レストアしたスピーカーを引き渡して料金を頂いて完了というのではなく、それも長いお付き合いの一環だと考えています。

 最後に二つお願いがございます。

 商売ではありませんし、気持ちのよいお付き合いをさせていただきたいので、マナーの良い方からの依頼しかお受けいたしません。 私も礼を失しないよう努めて参ります。

 二つ目は、レストア作業に着手できる時期と作業に要する期間についてです。 レストア作業はご予約順に着手しておりますので、着手時期は予約状況次第ということになります。 予約状況によっては長期間お待ちいただくことになりますのでご了承願います。 次にレストアに要する期間についてです。 一組のスピーカーのレストアに要する期間は、平均では一か月ほどですが、モデルによっては最長二か月ほど要しますのでご了承願います。

・ STAX レストア対象モデルについて
レストア方法
ユニット
高圧発生回路
ネットワーク
その他
費用 ・ 保証
   
・ QUAD レストア対象モデルについて
レストア方法
発音ユニット
高圧発生回路
保護回路
遅延回路(ネットワーク)
ユニット配置替え
その他
費用 ・ 保証
・ ACOUSTAT ACOUSTAT の型番、ユニットサイズなどについて、下の「思い付くまま」の記述には誤りが多くあります。 愛媛県 M氏から多くの情報をいただいていますが、未だに整理してUPできていません。 大変申し訳ありません。
・ 思い付くまま 何と呼びましょう
ひどい仕事
如何なものか
原因不明
維持に金がかかる
現在の使用システム
STAX本社での試聴
黒ユニット
ひどい仕事   その二
ACOUSTATのこと
ACOUSTATの修理
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/index.html


連 絡 先

メールアドレスは次のとおりです。

stax_buy@yahoo.co.jp

レストアに関するご相談、当サイトに関するご意見など、遠慮なくお寄せください。

お送りいただいたメールは必ず読むようにしておりますが、スパムメールも多く、読みそこねる場合もございますので、一週間経っても返信が届かない場合は、恐縮ですが再送してくださるようお願いいたします。

埼玉県 さいたま市 見沼区

 岩  田



▲△▽▼


・ QUAD レストア対象モデルについて
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/index.html

QUAD レストア対象モデル

57以外の静電型のラウドスピーカー(所謂フロア型)であればレストアをお受けできると思います。
具体的には次のとおりです。

ESL−63 ・ PRO−63
ESL−988 ・ ESL−989
ESL−2805 ・ ESL−2905
ESL−2812 ・ ESL−2912

 これらのモデルのユニットは、全て同じものですので、ここに列挙していないモデルであっても同じユニットであればレストア可能だと思います。 (ESL−57のユニットのレストアはいたしません。)

 このサイトでは、これらの同一のユニットを使用した全てのモデルを総称して、63系と呼ぶことにします。


 なお、日本にあるのかどうか知りませんが、ESL−63QAというモデルを始めとするいくつかのモデルが存在するそうです。 ユニットが63系であればレストア可能と思われますので、ご相談ください。

QUAD レストア方法
発音ユニット
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-unit/quad-howto.html

63系は、片chにつき、4枚又は6枚のユニットで構成されていて、一枚のユニットは、二つの格子状の枠が貼り合わされてます。

下の写真は、上が低域ユニットで下が中高域ユニットです。 個々のユニットは、格子状の枠に、2mmほどの穴が無数に開いたプリント基板の信号電極が接着されています。片側の枠に導電剤が塗布されたフィルム(振動膜)が貼ってあり、二つの枠を貼り合わせると、フィルムが電極の中央にきます。

写真の上側はフロント側の枠で、こちらにフィルムが貼られています。 下はリア側の枠で、中央縦に高圧配電用の赤色の配線が見えます。

大型モデルである 2905 と 2912 は、片chで低域ユニット4枚、中高域ユニット2枚の計6枚で構成されており、その他のモデルでは、各2枚の計4枚で構成されています。

以下、特にことわらない限りユニット数が片ch4枚のモデルについて記載します。

下がユニットの内側です。 上がフィルムの張られたフロント側で、黒く見えるのが導電剤です。

このユニットでは、左側二箇所に破れが見られ、周囲に剥離が見られます。 しかし、この程度の破れや剥離は、通常、ノイズの原因とはならないようです。

下のリア側の内側には化学繊維の目の細かい「紗」のような布が貼られています。上下には高圧配電用のアルミ箔が貼られています。

ノイス発生の最大原因は電極の剥離による電極とフィルムの近接です。
下の写真が枠と電極が剥離している様子です。 枠と電極の接着には、G17のようなゴム系の接着剤が使われているようで、経年劣化によりボロボロになって接着力を無くし、剥離を起こしています。

しかし、プリント基板の電極に信号を入力するためのラグが付けられている個所では剥離は起きていない場合が殆どです。 仮に接着剤の劣化が起きても、ラグで電極と枠が繋げられているため、剥離には至らないということです。
下の写真は、ラグが最も多い、中高域ユニットの信号が入力されるラグの部分です。

ラグの数は、最も少ない低域ユニットで片面二つだけ(ユニット一枚で四つ)です。そして、ラグの多い中高域ユニットでも片面十一個(ユニット一枚で二重二個)です。

ノイズの発生は、ラグの無い箇所で最初に起きる場合が殆どで、具体的には、スピーカーの四隅からということになります。 


ユニットは、下の写真のとおり、ガチャ玉やガチャックのようなクリップで止めて貼り合わされています。使用されているクリップの数は、一枚のユニットについて四つから八つとマチマチです。 クリップが四つしか使用されていない場合、隙間ができいることも見受けられます。 また、テンションが落ちているものがあったり、右の写真のとおり、割れてしまっていて用をなしていない場合もあります。

ユニットは、中央三ヶ所も金属のボルト・ナットで留めて貼り合わされています。

それでは、レストア手順を説明します。

ユニットを二枚に剥がす前に、ボルト・ナットで貼り合わせるための穴を枠の周囲10ヶ所に開けます。

そしてユニットを二枚に離し、フィルムを剥がす、ラグを外す、といった作業をし、枠と電極板を別々にします。 次は枠と電極のクリーリニグです。 枠はスクレパーと溶剤で接着剤をきれいに落とします。

クリーニングが大変なのは電極であるプリント基板です。

枠のリブと接着されていた部分の穴が接着剤のカスでふさがっています。
このふさがった穴の数は、ざっと計算したところ、基板8枚で約6000 もありました !

この穴を、まずドリルの刃を一つ一つ通してカスを落とします。 実にウンザリする作業です。 その後、溶剤で洗浄するようにクリーニングします。

写真は作業前後が判るように撮ったものです。
手前半分がクリーニング済みで、うしろ半分が作業前の状態です。

カスは大雑把に落としても、次の接着面さえ綺麗にしてあれば接着力には問題ないばすですが、カスが残っていると?れ落ちてノイズの原因にもなりかねないと思い、完全に除去するようにしています。

なお、スピーカーのリア側となる電極には紗のような布が貼られていて穴のクリーニングにドリルは使えないので、溶剤でクリーニングしています。

なお、接着剤が劣化しておらず、枠と電極板が強固に接着された状態が保たれており、無理に剥がすと電極板そのものが割れたり、銅のプリントが剥離したりする恐れのある場合は、枠の裏側から、枠のリブと電極板の間に接着剤を流し、「裏打ち」で補強することもあります。 この方法は、経年変化の少ない、新しいモデル、例えば 988 や 2805 などで使用することが多いです。 63 や PRO-63 では、まずこの方法は使えず、電極板を剥がすことになります。

次に、枠と電極とをエポキシ系接着剤で付けてから、ラグを付けます。 ラグは、信号入力用にもともとあったものに加え、剥離防止用として増設します。
ラグの数は、低域用ユニットで片面2個から18個 (ユニット一つ両面で36個) に、中高域用ユニットで片面11個から22個 (ユニット一つ両面で44個) にしています。

下の写真はラグ増設後のものです。 両方とも低域ユニットで、端と中央部分で、元々は全くラグの無かった部分です。

これでユニット枠にフィルムが貼れます。 木枠にフィルムを張り、適当なテンションをかけてから枠に接着します。ここで使用するのもエポキシ系接着剤です。 

接着剤が固まったら枠の周囲を切り、導電剤を塗布します。 使用する導電剤は、スマホやタブレットに使用されている最新のポリマー系のものです。 この、導電剤の効果持続期間ですが、英文の説明では PERMANENT ですが、日本語では「半永久」と、異なっています。

次に中央三ヶ所の貫通部分のフィルムを切り取り、ユニット左右端と、中央三ヶ所の穴の周囲の導電剤を拭き取ります。左右の端はユニットを取り付ける金属アングルへの高圧のリークをなくすために必須ですが、中央の穴の部分は、ポリカーボネートのボルトナットを使用することもあり、理屈の上では拭き取る必要はありません。しかし、この部分は信号電極のプリントが無いので導電剤の意味が無く、オリジナルと同様に拭きとっています。

ユニットを貼り合わせます。

電気的には浮いていて問題ないものの、金属を使用するのは精神衛生上良くないので、周囲10ヶ所と中央3ヶ所をポリカーボネートのボルト・ナットで留めています。 周囲の穴はフィルムで塞がれていますので、ボルトを通すことでフィルムを破損することのないよう前処理をしておきます。
組み上げたユニットを本体に入れて仮接続をし、音出しテストをします。 このとき使用する本体は、テストベンチとして別に用意してある正常なものです。 聴感テストのほか、入力端子ごとの電圧を測定し、場合によっては、念のため周波数特性も測定します。 無響室ではない普通の部屋ですので正しい周波数特性はとれませんが、異常なピークやディップが判別できる可能性があるので実施しています。

音出しテストが済んだら、高圧回路の部品交換、保護回路外しなどを終えてある本来の本体に戻して仮接続で音出しテストをします。 この段階で問題が出ることはまずありませんが、ユニットに問題が無いことは判っていますので、仮に問題が出ても切り分けは容易です。

長時間と大音量の音出しテストを経て本組みをします。 この先はユニット配置替えの項をご覧ください。
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-unit/quad-howto.html

QUAD レストア方法
高圧発生回路
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-kouatu/quad-how-kouatu.html

高圧発生回路の基板は写真のように取り付けられています。 左上に写っているのがトランスです。

この回路は、ご覧のとおり8段のコッククロフト・ウォルトン回路から成り、入力側にバリスタを含む抵抗のブリッジ回路が、出力側にはネオン管発振回路が付けられています。 回路構成は同じですが、使用されているダイオード、コンデンサーは、製造時期によって異なっています。

この回路の部品は、製造時期が新しいほど品質が良いようですし、当然のことながら、劣化も製造時期に比例しているようです。
この回路が壊れてしまっていたケースには遭っていませんが、多かれ少なかれ能率が低下しているので、念のため、コンデンサーとダイオードを交換しています。

そして、入力側の抵抗のブリッジ回路を外し、出力側のネオン管発振回路をバイパスしています。

その理由は次のとおりです。

入力側のバリスタと抵抗のブリッジ回路は、サージ電流からの保護が主な的と考えられますが、部品劣化のリスクと、現代の商用電源の安定性に基づくサージ電流のリスクの少なさとを比較衡量したとき、この回路は不要と判断しました。 次にネオン管発振回路ですが、定電圧供給を目的として設けられていますが、前記と同様、現代の電源事情を考慮すると、ネオン菅とコンデンサーの寿命の方が心配ですので、これも不要と判断しました。
あと、私の考え方ですが、出来る限り回路は単純にしたいというのもあります。

なお、これらの改造は、ブリッジ回路以外では部品を外さずに行っていますので、(お勧めはしませんが)ご希望であれば容易に元に戻せます。

上は比較的新しいPRO-63の基板、下はかなり初期のESL-63の基板です。

これがダイオードとコンデンサー交換後のものです。 見づらいのですが、左端にあったブリッジ回路を外してあります。
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-kouatu/quad-how-kouatu.html

QUAD レストア方法
保護回路
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-hogo/quad-how-hogo.html

保護回路は二種類あります。 製造時期のある時点によって明確に新旧が変わるというのではなく、モデルによっても製造時期によっても、どちらを使用するかというルールは判りません。

この保護回路は、数種類のトランジスタとダイオード、ICなどで構成されていて、一つのタイプには40個ほどのダイオードが使用されています。

これまでレストアを手掛けたうち数台でこの保護回路が故障しており、過敏に働いてしまっていました。 どちらのタイプにしても修理には非常に手間とコストがかかります。 保護回路は、車で言えばアンティロックブレーキシステムとかトラクションコントロールシステムのようなもので、通常の使用状況であれば無くても問題ないと言えます。 また、最近ではアンプの方に保護回路があり、スピーカーの方には不要と思われます。 普通のダイナミック型のスピーカーであっても過大入力には気を付けるべきですし、普通の音量でしたら保護回路は不要です。
そこで、将来の故障リスクを軽減するためもあり、また、信号系に余分な回路を入れたくないので保護回路を外しています。 外し方は、配線を切断する方法を採りましたので、(お勧めはしませんが)必要であれば元に戻すことは容易です。

(これまで遭遇した保護回路が故障していたものは、保護回路が過敏に働くものだったので判りましたが、ほかにも、機能しなくなっている故障や機能する信号レベルが狂っている故障があった可能性もあります。 アンプの保護回路が働いてしまうためや、厳密な測定器による診断はしていないために、この類の故障は診断できませんでした。)

この回路の動作は概ね次のとおりのようです。
過大入力があった場合の信号を電磁波として検知 (アンテナがあります) し、信号を切断もしくは弱くし、ディレイ回路で一定時間後に復帰させるというものです。

写真は二種類のうちの一方の保護回路の一部で、多くのダイオードが使用されている基板です。


写真の中央を上下に貫通している白い線がアンテナです。 上は検出回路の基板に繋がっていますが、下はご覧のとおりケースですのでどこにも繋がっていません。 左右に走る紅白の線から電磁波を検出しています。
保護回路の判り易い写真が現在はほかにないので、申し訳ありません。 何か良い写真を掲載するようにします。
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-hogo/quad-how-hogo.html


QUAD レストア方法
信号遅延回路(ネットワーク)
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-delay/quad-how-delay.html


63系では、信号は7つの周波数帯域に分割され、それぞれが時間差をもってユニットに送られています。 中高域ユニットを見ると判るように、プリント基板が同心円状に作られています。 中心が最高音で、最も早く音が出て、それから外周に向かって順次遅れて音が出るようになっています。 つまり、音は(疑似)球面波となり、QUADの説明によれば、音源がスピーカーより30cm後方にあるように聞こえる、とのことです。

写真の左右に6個づつあるのがコイルで、中央紅白の線のうしろで見えづらくなっているのがコンデンサーです。

この左右のものが、それぞれ前後の信号電極に繋げられています。 この回路は、基本的にはコイルとコンデンサーで構成されており、故障に遭遇したのは一台だけで、まず故障はしないと思ってよいと思いますし、故障の可能性ははコンデンサーを想定しておけばいいと思います。 コイルが駄目になった場合は、巻き直しは非現実的ですので、他の個体から移植するしかないと思います。
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-delay/quad-how-delay.html


QUAD レストア方法
ユニット配置替え
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-haiti/quad-how-haiti.html


63系のユニットは、4つのユニットが、上から、低域用、中高域用、中高域用、低域用の配置となっており、中心から同心円状に、高域から低域へと順にディレイ回路を通った音が出るようになっています。 その設計意図としては、中心から上下左右対称に疑似的な球面波を出すことにあるようです。

しかし、この配置には二つの欠点があります。
一つは、音の出る中心が低すぎることです。 スピーカーの中心が床から52cmしかないため、床に座って聴く分にはいいのですが、通常の着座位置では低いのです。 そのため、スタンドが別売りされていますが、これを使用すると、ただでも不足していると言われる低音がますます不利になってしまいます。
二つ目の欠点は、低域ユニットの一つが最上部にあることです。 低域は、床の影響を強く受けますので、低域ユニットは床に近い方が有利です。

これらの欠点を改善するためユニット配置を変更し、中高域用二つを上に、低域用二つを下に移設しています。 これにより、音の中心がユニット一つ分19.5cm上がって自然な聴きやすい位置から聴こえるようになった上、低域も増強されます。 ちなみに、この中高域ユニットの高さの位置は、上位モデルである 2905と2912同じということになります。 音の出方として、上下対称ではなくなっていますが、聴感上、全く感知できませんし、不自然な感じもなく、全く問題ありません。 また、低域ユニットが上部にあると低音でスピーカーが揺すられる度合いが高まりますので、低域ユニットを下ろしたことで副次的な効果もあると思われます。

写真は配置替え後のものです。 右側に信号線を延長した様子が判ります。
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-haiti/quad-how-haiti.html

QUAD レストア方法
そ の 他
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-sonota/quad-how-sonota.html


防塵フィルム

写真のとおり、オリジナルではフロント、リアともに防塵フィルムが張られています。
このフィルムは枠に張られていて、枠ごと取り外せます。

このフィルムを付けた理由を推測すると、開発されたのが1960年代であり、当時の喫煙状況、ディーゼル排気ガスの状況、更には暖房用などの石炭の使用状況などを考慮すると、これらの微粒子が振動膜に付着するという問題があったのだろうと思います。
しかし、振動膜が空気を動かし、その空気が防塵フィルムを動かし、そして、その防塵フィルムが動かした空気を音として聴いている訳で、どうも隔靴掻痒の感が拭えず、精神衛生上好ましいとは言えません。 この防塵フィルムを外すと明らかに音の鮮度が上がります。 この防塵フィルムの汚れを見ると、(もちろん 使用環境に依存しますが ) 20年以上使用されたと思われるものでもわずかにグレーに見える程度に汚れているだけです。 現在の環境を考慮すると、振動膜に微粒子が付着して性能が劣化すると考えるのはいささか考え過ぎの感があるような気がします。 なお、STAX 、 MARTIN LOGAN 、 ACOUSTAT には、元々このような防塵フィルムはありません。

また、防塵フィルムどころか、パンチングメタルやグリルネットまで外して使用している人もいるそうです。 確かに、そこまでやればユニットの音をダイレクトに聴けてベストであるのは判りますが、美観・剛性・安全性に問題が出そうで、一般家庭では如何なものかと思います。

背面は音質には殆ど関係ないようですし、僅かでも遮蔽したいので、2020年3月まではフィルムはそのまま残していました。 現在は、下に追記したとおり、前後ともにフィルムは無くしています。 なお、枠は残して嵌め込んでありますので、お勧めはしませんが、再度フィルムを張ることは可能です。

2020/04/09 追記
不思議な事案に二件立て続けに遭遇しました。 

一件目は防塵フィルムからのノイズです。
レストアが完成し、お送りしたことろ ジーーーッ という微かなノイズが出るとのことでした。 ノイズの音量が背面の方が大きいという何とも不思議なもので、トランスの鳴きまで疑いましたが、兎に角送っていただいて調べることに・・・
後ろから息を吹きかけるとノイズが変化します ? ? ? ?
電源を入れたままフィルムを外していくとノイズが変化し、外し終わるとノイズは無し。
防塵フィルムが帯電してノイズが出ていると思い、帯電防止剤を塗布してみても、清掃してみても変化ありません。
帯電防止剤を塗布してもノイズが出るのは、帯電した静電気の逃げ場がないためではないのか、と推測しています。
手持ちの別のフィルムを嵌めてみるとノイズは出ませんので、これはこれで完了としました。

二件目は防塵フィルムのビビリです。
それほどの大音量でなくとも低音の( 特定の帯域 ? ) でビビリが出ていました。
最初は躯体のビビリなども含めて色々と調べましたが、結論としてフィルムから出ていました。
フィルムを見ても、厚み・材質ともにオリジナルのようで、何とも不思議な現象です。
前記のノイズのケースもあり、こちらの場合は、手持ちのものに交換することはせず、フィルムを外してしまいました。

原因究明は兎も角、かねてからの考えのとおり、今後は、リアの防塵フィルムもなしにすることにしました。
元々、防塵フィルムは不要と考え、フロントは外していました。 リアは音への影響も少ないだろうと思い残してきましたが、外すと低域の抜けが良くなるというご意見もあり、前後ともに外すことにしました。

   


入力端子

下の写真のとおり、モデルや製造時期によって色々なものが使われているようです。
PRO−63でも、比較的普通の形状のものもあれば、バナナプラグ専用のものもあります。 また、コネクターの形状も二種類あります。

左のものは、普通の形状ですが、上からはバナナプラグが入りません。 

と書きましたが、2019年4月末に気付きました。 この端子は、上部の中央がプラグ(栓)になっていて、外すと三枚目の写真のようになり、バナナブラグが上から入ります。 つまり、このプラグは三枚目の写真のものと同じで、三枚目の写真の端子は、栓が無くなっているものでした。 
こちらはバナナプラグ専用の端子です。これは作りが悪く、破損しているものが多く見受けられます。
ESL−63ではコネクターは設けられていません。
このタイプの端子ですと、上からバナナプラグが挿せますので、破損がなければ交換はしていません。

最初の写真の説明で追記したとおり、栓が無くなっていますが、支障はありません。
交換後の端子です。

バナナプラグにも対応した一般的なものを使用しています。

電源スイッチ

シーソー型のものが使われていますが、動きがかなり渋くなっているものが多く、接触不良や破損のリスクがありますので、分解掃除をしています。

オリジナルのものは、樹脂の筒を輪切りにしたようなものを本体に留め、それに蓋をしたような脚が使われています。 蓋がなくなっていたり、脚そのものが無くなっといるものが多く見受けられます。 同じような構造のものは手に入らないので、樹脂製のモールドタイプの同じような寸法のものを付けています。
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-sonota/quad-how-sonota.html


QUAD レストア費用 ・ 保証
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-howmuch.html


ユニット
一枚8000円 一組二台 8枚で計64000円、 12枚のモデルでは96000円


高圧発生回路関係
コンデンサーとダイオードを交換
コンデンサー14個、ダイオード8個で、一台5000円、一組二台10000円


ユニットと高圧発生回路の無償修理保証期間は三年です。
無償修理保証期間経過後は、ユニット一枚5000円、高圧発生回路は一台2000円で有償修理いたします。


本体分解費用・・・一台3000円 一組二台6000円 
          ESL-988 と ESL-989 に限り、一台6000円 一組二台12000円です。


以下はオプションです。

ユニット配置替え
音の出る位置が自然になりますし、低域も改善しますのでご好評です。  一組二台で4000円

ターミナル交換
製造時期やモデルによって色々なものが使用されているので一概に必要性は言えませんが、ご希望があれば一組二台で2000円

脚取付け
オリジナルのものが無くなっているものが多く見受けられます。 シリコンゴムのものをネジ止めします。一組二台で1000円

電源SWオーバーホール
動きが渋くなって接触不良のリスクが高いものが多いです。 一組二台で1000円

保護回路切断
一組二台1000円

信号遅延回路(ネットワーク)
故障の可能性は殆どありませんが、コンデンサー交換の必要がある場合は一台5000円

防塵フィルム外し
フィルムを外すのはお勧めですし、無料です。
防塵フィルムを外すと音の鮮度が上がりますし、フイルムからのノイズ発生やフィルムのビビリ発生の懸念がなくなります。

その他のものは一般的ではないので、その都度ご相談させていただきます。

保証は全て三年間です。
保証書をお渡しします。 保証は保証書をなくされても有効です。
商売のための転売を防止するため、当方の承認なく譲渡された場合は保証の対象ではなくなります。 愛好家のためのレストアいう趣旨をご理解いただき、ご了承をお願いします。


運搬費用は、全ての場合でご依頼者のご負担といたします。
方法は、大きく分けて、本体全部を送っていただく方法と、必要な部分だけを送っていただく方法とがあります。

本体全部を送っていただく方法としては次に挙げるような方法があります。

 ・ 片道100km程度まででしたら、高速道路代とガソリン代実費の半額程度で引取り、引渡しにも伺います(ユニットが片ch四枚までのものに限ります。)

 ・ 梱包して宅配便(佐川急便 ラージサイズなど)で送っていただく方法ですが、自転車屋さんで、自転車用のダンボール箱を利用すると比較的楽に梱包できます。 自転車用の箱には、厚みが20cmと丁度良いものがありますので、それを二つ使うと一組の63を梱包できます。 緩衝材は殆ど必要なく、汚れ防止にプチプチを一重に巻く程度で十分です。

 ・ 当方手持ちの元箱をお貸しする方法。 送料が二往復分かかってしまいますが、梱包の手間はかなり減らせます。 サイズは一個が220あります。

 ・ 車で直接持ち込まれる方法。 容積的に積める車であれば積載方法は難しく考える必要はありません。 落としたりしてベースの樹脂が割れる事故が最も怖く、その意味では、宅配便の方がリスクが高いと言えます。 可動部分の質量は無い等しいくらいですので、ユニット自体は、振動や衝撃には極めて強いです。 私は、ハッチバック普通車に寝かせて積載しています。

 ・ 赤帽を使う方法。 手間としては最も楽ですが、費用がかなりかかります。 とはいっても、高い引越便よりは安く済むようです。

次に、必要な部分だけ、つまり、ユニットだけとか高圧回路だけとかをお送りいただく方法です。

場合によっては、当面の措置として、ノイズの出ているユニットだけ修理する、ということも可能です (残りのユニットもいずれはノイズが出ますので、その都度対応するのは送料も結局高くつきますし、正直、あまりお勧めはしませんが・・・)
ユニットや高圧発生回路を外す方法は文書でお渡しします。 普通にドライバーが使え、半田付けができる方でしたらそれほど難しい作業ではありませんのでご相談ください。

そのほか、ご不明の点は遠慮なくご質問ください。
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/quad-howmuch.html


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思い付くまま・・・・・ひどい仕事
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/zakkan-hidoi/zakkan-hidoi.html

これはいけません。

先ずは写真をご覧ください。
この写真は、ユニットを二枚に離してフイルムの貼られた面を出し、フィルムを圧しながら写したものです。
指の周りにプツプツと、何か突起が見えます。 これは何でしょうか ?

このフイルムを剥がしてアップで写したのが下の写真です。

信号電極の裏からキノコのようなものが生えてフィルムの裏に繋がっていました。

これを見たとき、目が点になったというか、開いた口が塞がらなかったというか、兎に角びっくり仰天しました。

種明かしをしますと、これは、枠と電極の剥離を防ぐため、フィルムが貼られている状態のまま、枠と電極の間に補強のために接着剤を付けたことにより、その接着剤が流れてフィルムの内側にくっついてしまったものと想像されます。 想像と書きましたが、まずそれに間違いありません。 キノコの頭に付いている黒いものは、くっついてしまったフイルムです。 これでは、この部分のフイルムは信号どおりに動くことはできません。 この部分のフィルムは、キノコに囲まれたそれぞれの狭い面積が、あたかも個々の小さなスピーカーのように動作してしまう、と想像されます(最高に楽観的に考えた場合ですが・・・・)。

これが誰の仕事なのかは知りませんが、本当に酷い仕事です。 絶対にやってはいけない仕事です。
これがレストアを請ける業者の仕事だとしたら、絶対にこんな業者にレストアを頼んではいけません。
この個体はある方からレストアを依頼されたものですが、前回レストアから帰ってきて、わずか三か月で再びノイズが出たそうです。

枠と電極の剥離が起きていない場合、補強のために接着剤を追加し「裏打ち」をすることは否定しません。 ただし、それには次の二つの条件を満たす必要があると考えます。
まず、現在は剥離が起きていないとしても将来は必ず起きますから、剥離を防止するためにラグを増設すること。 次に、フィルムを剥がした状態で裏打ちし、接着剤がフィルム側にはみ出た部分があった場合はそれを完全に削り、平滑にしてからフィルムを貼ること、です。 更に言えば、使用する接着剤の種類にも留意すべきだと思います。 これは一概には言えませんが、オリジナルと同じようなゴム系のものは避けた方がいいと私は考えています。

レストアを依頼する場合は作業内容を十分確認し、保証内容も含めて納得の上で出してください。
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/zakkan-hidoi/zakkan-hidoi.html


思い付くまま・・・・・ひどい仕事 その二
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/zakkan-hidoi2/zakkan-hidoi2.html


またまた遭遇してしまいました。

「ひどい仕事」で紹介したのと同じです。
今回いくらかマシなのは、「キノコ」の数が五つ「しか」ないことです。
ちょっと判りにくいので矢印を付けておきました。 奥の一つはピントが行っていないので特に判りにくいのですが、頭にフィルムの黒い破片が付いています。


今回のレストアのご依頼は、ノイズの出ているユニット一枚だけということで、ご依頼者が本体を分解し、該当ユニット一枚だけをお送りいただいたものです。 現状では他のユニットにノイズは出ていないとのことですが、このユニットと同じような状態のものがある可能性が否定できず、最悪の場合、高圧が「キノコ」を通って信号系に流れ込み、遅延回路(ネットワーク)や入力トランスを破壊するという事態もあり得ますので、知ってしまった以上、私でしたら、ノイズが出ていないからといって放置することはとてもできません。

しかし、本当にひどい仕事です。 以前、誰の仕事か判らないと書きましたが、実は判っています。 
〇〇さん、こんな仕事が重大なトラブルに繋がる可能性があることが判りませんか。 それ以前に、そもそもこんな酷い仕事をしてはいけません。

今回のユニットは、私が勝手に「黒ユニット」と呼んでいるものです。 この「黒ユニット」については、こちらをご覧ください。


と、ここまで書いて、下書きとして準備していたところで、またまた遭遇してしまったので併せてUPします。
今度は「大キノコ」です。 このユニットは、分解するまでは修理歴の無いものかな、と思っていたのですが、オリジナルの状態でこんなはずはありません。 来歴は判らないので何とも言えませんが、フィルムを貼り替えずに裏打補強したことは間違いないようです。 今回のケースでは、接着剤がそこそこ盛り上がっている部分が多くありましたが、基板とフィルムとが繋がっている部分は運良く(?)、この写真の部分だけでした。

直径約5mmと「大キノコ」で、頭に派手にフィルムが残っています。 溜息が出るような酷い仕事です。
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/zakkan-hidoi2/zakkan-hidoi2.html

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思い付くまま ・・・・・ 黒ユニット
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/zakkan-black/zakkan-black.html

63系に使われているユニットには、私の知る限り二種類のユニットがあります。

写真左が一般的な、というか、数の多い、クリーム ? 灰色 ? のものです。 そして右が私が勝手に「黒ユニット」と呼んでいるものです。 この黒ユニットは、63の初期のものに使用されていたようで、PRO-63 以降のものに使われているケースには遭っていません。

灰と黒との差ですが・・・・・まずは見た目から・・・
色は当然として、歴然と違うのが格子の数です。 灰は 20×4 で、黒は 33×6 です。
次に信号電極の表面仕上げです。 灰はプリント基板用の絶縁コーティング剤が塗布されていますが、黒は銅がむき出しです。
灰は信号線の配線時に線を埋め込むための溝がありますが黒には無いので、黒では、信号線は枠に沿ってクリップやテープで留めてあります。
信号を入力するためのラグの付け方も違っています。 灰では外側から付けていますが、黒では内側からです。

次に、外見からは判らない違いです。 両方とも中央三ヶ所がボルト・ナットで留めてありますが、黒では、前後のユニットの合わせ目にワッシャが入っています。 このワッシャは、ユニットの合わせ目の間隙を埋める、いわばスペーサーの役割をしています。 その理由は、金型の設計ミスで間隙ができてしまったためではないでしょうか。

黒ユニットは、灰に比べて剛性が高く、仕上がりの平面性も良く、灰より優れているのではないかと私は考えています。 それでは、何故この黒が灰に変更されたのかを推測してみます。
・ 枠に接着剤を塗る手間が大変だしコストもかかる。
・ 材料の樹脂の使用量が多くコストがかかる。
・ 信号線を配線するための溝が無く、線の処理に手間がかかる。
・ 配線用の溝を作るために金型を修正するには金型に出っ張りを付ける必要があり、コストがかかる。
・ いちいちワッシャを入れる手間がかかる。 これは金型を削ればいいので、修正は比較的容易。
などの理由が考えられますが、総合的に見て、オーバースペックと判断されたのかもしれません。 そして、コストとスペックの一種の「妥協策」として灰に変更されたのかもしれません。

更に、少し深読みしてみます。 ユニットの格子によって作られた四角の桝(筒? 箱?)には共振周波数があるはずです。そして、この桝は、指向性にも影響するはずです。 これらの要素が音響工学的に、灰の方が優れているので変更した ・・・・ というのは穿ち過ぎでしょうか。

以上、素人の根拠のない推測ですので、当然のことながら当否は判りません。 念のため、悪しからず。


スピーカーの外見ではどちらのものが使われているか判りませんので、現在では値段の差はないようです。 しかし、黒ユニットはレアだと思いますので、お持ちの方は大切になさってください。

http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/zakkan-black/zakkan-black.html


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思い付くまま ・・・・・ 如何なものか
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/zakkan-bari/zakkan-bari.html

まずは写真をご覧ください。

63系のユニットの写真です。

接着剤が流れ出て、枠の下まで流れて固まっています。 この写真は信号電極側を下にしてありますが、この接着剤が固まったときは上下逆になっていたはずです。 これを置いた台に接着剤が流れて固まり、バリのようになって残っています。 そして、これをそのまま使い製品にしてしまっています。 このユニットに手が加えられた様子はなく、恐らくオリジナルのままでしょう。

「維持に金がかかる ?」の項にも書いたとおり、あるスピーカー設計者の方に伺ったのですが、一般的なスピーカーを組み立てる際の接着剤にはゴム系のものが使用されているようで、水道の蛇口のようなところから接着剤を出し、それを塗布しているようです。 これをやった職人さんは、余分に付けてしまって流れた接着剤をそのままにしたようです。 さらにその後、フィルム貼り、導電剤塗布、ユニット貼り合わせ、ユニット単位の性能テスト、本体への組み付け、性能測定、など、この場所が見える段階での多くのチェックをこの状態で通してしまっているのです。

どう思われますか。

63系のユニットでは、多かれ少なかれ、このような接着剤の流れ出しが見られます。 劣化するとボロボロに崩れてしまいます。 チリやホコリを嫌うスピーカーであることは十分知っているメーカーであるのに、如何なものかと思います。

http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/zakkan-bari/zakkan-bari.html


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思い付くまま ・・・・・ 原因不明
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まずは写真をご覧ください。

この写真は、ESL−63の信号遅延回路(ネットワーク)のプリント基板裏側で、コンデンサーが付けられている部分の一部です。
中央やや右に、炭化しように黒くなっている部分があります。 電流が流れて炭化したものと思われ、その熱で蝋も溶けたようで、下(写真では左側)に流れ出ています。

それでは、何故炭化が起きたのでしょうか。 ここからは想像です。
フィルムが枠から剥がれて信号電極であるプリント基板と接触し、フィルムにかかっている高圧が信号電極を通って遅延回路に流れ込んだのではないでしょうか。 しかし、リント基板のフィルム側は樹脂側ですし、その樹脂に面しているフィルムの面は導電剤が塗布されていない面ですので、フィルムが剥がれても、通常はフィルムの高圧側とプリント基板の金属側が接触することはありません。 しかし、フィルムの破れ方によってはそのようなことが起きることも考えられなくはありません。 フィルムが破れた時点でノイズが出ますので、通常はその時点であまり使用しなくなるはずです。 この個体の場合は、不運な破れ方に重ねて、その後もこれほど炭化するまで通電されていたということなのでしょうか。
原因として、落雷などによるサージ電流などの可能性も考えましたが、信号系の回路はAC系とは繋がっていませんし、仮に落雷等による被害があるとしたら、AC電源に繋がっている高圧系や保護回路などが飛ぶはずです。

この個体では、正常なユニットを装着しても歪んだ高音しか出なかったため、遅延回路に問題がるあことは予想できました。 しかし、こんな炭化が起きているとは全く考えもしませんでした。 この部分は外からは見にくいところにあり、分解して初めてこの炭化を発見し、コンデンサーの異常も見付けることができました。

珍しい故障だと思います。 いい勉強になりました。

教訓 ・・・ ノイズが出たらあまり通電しない方がいいかもしれません。 余計な故障を招くかも。

http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/zakkan-humei/humei.html


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QUAD ESL63
思い付くまま・・・・・維持に金がかかる ?
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/zakkan-takai.html

静電型スピーカーは、すぐに壊れる、デリケート、修理が高額、などと言われ、購入に二の足を踏む方が多いようです。

それでは、まず、普通のコーン、ホーン、ドームのスピーカーについて考えてみましょう。
普通に使っている分には、恐らく、30ー50年経っても音は出ると思いますし、ヴォイスコイル部分が錆びてジャリジャリといったり、エッジが破れたりしない限り、普通は修理に出すことはあまりないでしょう。 しかし、エッジ、ダンパーは確実に経年劣化していますし、磁力も落ちています。 更に、ネットワークのコンデンサーも確実に経年変化を起こしています。 継続して使っていると、音の劣化に気付きにくいと思います。 どれだけの方が定期的にこれらのパーツを交換したり再着磁を行ったりしているでしょうか。 QUAD-63 と同価格帯のスピーカーでこれらのメインテナンスを定期的に行った場合、維持費はどれだけかかるでしょうか。 普通のスピーカーは、なまじ音が出てしまうがために維持費のことが考慮されていないだけのような気がします。

次に、静電型について考えてみます。
静電型は、ノイズが発生してしまうために、その時点で修理が必須となってしまいます。 しかし、それまでは、高圧回路とフィルム、あるいは導電剤の経年劣化で能率は落ちるものの、殆ど重量のないフィルムをクーロン力で駆動しているため、音の劣化は少ないと思います。

それでは、静電型がすぐに壊れる上に修理が高額と言われるのは何故なのでしょうか。 これは悪口ととられると残念ですが、これまでの経験を踏まえ、正直に書きます。
これらの評価は、主にQUADに対するもので、それが静電型全体の評価に繋がったものだと思います。 これば、QUADの市場占有率が高いので仕方ないことなのかもしれません。

レストアの項にも書きましたが、QUADのノイズの原因の殆どは枠と電極との剥離で、次に多いのが枠とフィルムとの剥離です。 何故剥離が起きるのかというと、接着剤が劣化するからです。 発売以来、50年以上、ゴム系のものが使用されています。 そして、どんな接着剤であろうと劣化するのは明白で、しかも剥離によるノイズ発生事例はいくらでもあるのに、剥離を防ぐ方策が、これまた50年以上とられていません。 あるスピーカー設計者の方に伺ったのですが、一般的なスピーカーを組み立てる際の接着剤にも、結構同じようなものが使用されるようです。 水道の蛇口のようなところから接着剤を出し、それを塗布しているようです。 確かに、エポキシ系のような二液混合型では使用時間に制限があるため、生産性・収益性が低下してしまいます。

更に、レストアを請ける側にも問題があるように感じます。 いい加減な作業では悪評に輪をかけてしまいます。 ネット上でもひどい話が見受けられます。 また、輸送事故を防ぎたいのでしょうが、法外な送料を要求するところもあるようです。 商売ですから利益を出すのはいいのですが、責任のある作業をして欲しいと思います。

代理店や修理業者を儲けさせるために、意識的に耐久性を落としているのではないかと思ってしまいます。こういうのを下衆の勘繰りと言うのですが・・・・・


台数が少ないためでしょうか。 STAXやMartin Loganの丈夫さを言われることはないようです。


閑話休題
要は、同じ質の音を継続させようとすると、普通のスピーカーでも静電型でも維持費はそれなりにかかる、ということを言いたいのです。
決してQUADの悪口を言う意図はありません。 QUADが素晴らしいスピーカーであることは自明です。

http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/zakkan-takai.html

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伝説の静電型スピーカー QUAD ESL57・ESL63
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/682.html

まるで細密画を思わせる奇跡の描写力 _ スタックスの静電型スピーカー ELS-8X
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/954.html

アコースタットの静電型スピーカー (1982年発売)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1182.html  

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コメント
1. 中川隆[-16107] koaQ7Jey 2021年7月23日 14:15:49 : lomcF4oKuY : U01VblJyTjVseXc=[8] 報告

2012年 01月 15日
QUAD修理で判明したとんでもない新事実
https://dracdrac.exblog.jp/15273611/

ESL-63につきものの、ボツボツ音がするトラブルに見舞われたが、修理費用がべらぼうなので躊躇し、休眠状態になっていたが、よさそうな修理工房を見つけて、ようやく修理が終わり、後は到着を待つだけとなった。

年末ギリギリに運び込んでから約2週間と、修理期間もすごく短いし、何しろ今まで知り得なかったことをご教示頂き、かなり勉強にもなった。

将来の予防的メンテを含めての修理総額は、今ある2つの修理店の4分の1位だと思う。
ここではその修理メンテ内容の詳細はお示ししないが、2台共にカナリ細かくチェックした上で修理していただいたことだけ申し述べておくことにする。

後は到着し、エージングをしながら音の状態をレポートしていく予定だ。
何故エージングが必要かということも含め、この間において意外な、そして空恐ろしいことが明らかになった。

これを書くか書くまいか相当迷ったのだが、こういうことが闇から闇に消えて行くのは良くないと思い切った。

小生がこのESL-を購入したのは1984か5年、発売開始してから数年後のことで、名古屋の大須にある棒オーディオ店だった。

この店の店長と思しきS浦という人は、ESL-63の音に惚れて、店のハイエンドオーディオ客に、かなり積極的に薦めていたから、おそらく全国的にも一番多くESL-63を販売したのではないだろうか。

店にはその頃の輸入代理店「ハーマンインターナショナル」の人間がいつも出入りしていた記億がある。

小生はハイエンドオーディオ人間では全くないが、店内で音を聴いてから家で聞くYAMAHA NS1000の音と、あまりにも・・次元の違う音なので驚き、そして使ってみたいという気持ちが強くなってきた。

しばらくしていざ購入という時に、アンプは何を使っているかと聽かれ、その頃小生はLUXのB-12という方チャン150Wモノラルアンプを2台で使用していたから、そのように告げると、それではダメ、よく鳴らないと無気な言葉を返し、このアンプならまだ良く鳴るといって示したのが、ハーマンカードンのhk-870だった。

およそデザイン感覚があるとは言えない全身黒尽くめの箱が、良い音で鳴るとは思ってなかったので、出力を訊くと100W×2だという。
それなら所有のLUXのほうが性能が良いのではというと、何やら難しげなことを説明したがよく分からなかったが、今思えば低インピーダンス負荷時の供給能力が問われるということだ。

それでも問題ないだろうと購入したESL-63をつないで聴き始めたが、音量が高くなると、アンプのヒューズが飛びまくってしまい、聴きものにならなくなった。

それで仕方なく入手する羽目になったのが先のhk-870。
これでそうやすやすとアンプがクラッシュすることは少なくなったが、それでもたまにあるので、今度はもう1台追加し、擬似ブリッジ仕様にした。
こうすると供給能力は約3倍ほどに増えるから、今度はアンプも十分耐えてはくれたが、通常ではあまり目立つことのなかったものも増幅されるから、1台の時のほうが良い音がした。

それからアンプ遍歴が始まり、ひょっとしたことで今の、インナーサウンド社のE-300に落ち着いたのだが、このアンプは堀出しもので、静電型SPを鳴らすための工夫がいたるところで、されているアンプであった。

しかし我が家にやってきたESL-63は、どうも因縁のSPのようで、こんな話からスタートする。

丁度マイナーチェンジを控えた時に購入したから、小生に届けられるものは、SPコード接続端子が従来の差込式からバナナプラグ兼用になったものが運ばれる予定で、店のS浦氏もハッキリそう言っていた。
しかし到着したものは従来のタイプだった。

どちらでも大して差はないのだと思うが、予定の商品とは違うものが到着したからには、クレームを入れると、数日後にNEWタイプが届いた。
しかし届いたのは良いのだけれど、次の朝片方のSPからボツボツ音が出ているではないか。

新商品、しかも相当高額で購入した次の朝にはもうトラブルだから、そして最初に搬入されたものが旧機種だったこともあり、相当頭に来たが、音に惚れていたからには仕方なく、再度機械交換(したと思っていた)することになった。

そしてその後は先に書いたようにアンプ選定に力を注いできたというわけだが、使用して4年経った時また片方からノイズが出るようになった。

実はその前からどうも音の調子が良くないので、ハーマンに点検させようと送ったことがあったが、何をどういじったかは説明なしに戻され、おまけにSPサイドのカバーが破れていたので、電話するとはじめから破れていましたという。

自然に破れるわけはなく、相当無理してSPを持ちあげない限り破れることは絶対ないはずだ。
(今回の修理で判明したが、裏側で2ヶ所補修テープで止めた後があったが、収縮しなかったため、たるみが生じているとのこと)

新品を購入し、まだ1年経ってないものが、自然にカバーが破れるはずがないが、確固とした原因が不明なため仕方なくほつれ破れの補修をすることになった。(補修の仕方がプロの仕事とは思えない)

これがけちの付き始めの2番目いや3番目になる。
1番は旧タイプ搬入。2番は交換したSPが翌朝にトラブル。3番はなんだか出てくる音がにごり気味、4番は点検に出すもカバー破損し戻ったこと。
点検の結果問題なしということだったが、以前音がにごり気味。

アンプのせいだということにして、アンプを探すことに専念することになった。

結果インナーサウンドのE-300というアンプを見つけ持込テストの結果、現状より数段良好だったから、購入することにした。

この結果静電型SPがダイナミックSPのように鳴ってくれることになり、音楽を選ばずに済むことにつながった。
以前より相当良くなてはいたが、あのESL-63の音は美しものとは決して言えなかったが、そうこうするうちに片方のSPの音量が少し小さいことに気づいた。

点検の結果問題なしということなので、セッティングの問題だろうと思い、バランサーで調整して聴いているうちに、今度は違う片方から、あのノイズが発生。

2001年の事、修理業者を当たるが、ハーマンはすでに撤退していて、見知らぬオーディオ販売店が修理を引き受けることを知った。

リビルト品を使うから安くできるというのでお願いすることにした。
ユニット交換料金は1つ60000万円、ESL-63は全部で4枚のユニットがあり、全て交換となると24万円プラス工賃で30万以上になる。

もう少しで新品が入手できる価格だから躊躇したが、まずは見積もりを取るためにSPを修理工場のある静岡に送ることにした。

そんなに遠くでもないから車で運ぼうとしたが、運送屋に頼んで運んでくれという。
そして両方運ぶからチェックして欲しいというと、ブツブツ音が出ている側だけで良いと、オーディオエンジニアとしては信じられないようなことを言うではないか。
何故だろうと思ったが、仕方なく運送屋に依頼するために元箱が必要となり、購入先のオーディオ店で箱を借りた。

送ってしばらくし、見積もりの連絡があり、その時電話に出て応対したのは社長という人物。
見積もり額は15万以内だから思ったよりは少額であったが、問題はその時の電話である。

オーディオ店から借りた元箱には送り状が貼られていて、送り主はハーマン、送り先には借りたオーディオ店の名前が貼ってあったのだ。(これは通常のことだ)

東京の店にいるその社長は、静岡の工房の誰かからその話を聴き、小生をてっきりオーディオ店の人間だと思い込んだらしい。

全国でおそらくトップのESL-63の実績の箱の持ち主の店に対して、よく思っていなかったのか、「売るだけ売っておいて、修理は他の業者に任せるとは・・・」と凄い剣幕で罵られてしまい、違うと何度説明しても嘘をつくなの一点張りだった。

30分以上も文句を言われ電話を切った3日後、その社長から電話があって、あの時はどうもすみませんでした、そばで聴いていた女性の事務員からたしなめられました、苦労して修理技術を会得し、資格を取得したもので、思わず興奮してしまいました・・・そんなお詫びの電話であった。

このことが静岡に伝わった・・・元は静岡からの連絡が発端だったろうから、お詫びの印なのか、ユニット3枚交換したが、2枚分の修理代を請求してきたので10数万円で良いことになった。
(最後に記述するが、ところがこれが、あってはならない凄い結果を生むことになるのだ)

修理の時に、小生はもう1台のSPも点検して欲しいというと、雑音が出rてなければ問題ないから必要なしと言われてしまい、多分忙しいからだろうとおもっていた。
使用して15年近く立つSP、両方点検したほうが良いだろうとは、誰しも考えることなのだが、この工房では必要なしという。

戻ってきた修理品と問題無の方では音質の違いが散見されたが、他の要因だと解釈していた。
しかしたまたま遊びに来たオーディオに無知な若い女性から、左右の音がだいぶ違いますね、それに音の大きさも違う・・・と言われ、やはりそうなのか、SP自体の原因ではないか、そう思い始めたが、時は流れ3年前の2009年片方からノイズが出るようになったのを切っ掛けに、修理費も更に高額になっていることもあって、ESL-63とお去らばすることにし、部屋の片隅におしやったが、どうしてもあの音が忘れられずにいたところ、偶然今回の修理工房にめぐり合ったというわけだった。

ここから本日の核心となる。
今回面倒を見てもらった工房の主人が言うには
このシリアルナンバーの機械は旧製品:すなわちSP接続が差込式のはず、それが何故バナナプラグ兼用タイプになっているのか不思議なことだというコメントがあった。

このことから推測できることは、最初搬入された旧機種が返品されたので、SP接続部分だけを交換し、ニュータイプに仕立て上げた。このためシリアルナンバーが旧タイプの番号のままになっていた。

あるいはSPの上部だけをソックリ入れ替えた可能性も否定できない。
調子がおかしいとハーマンに送ったときに、SPの下部はそのままにし、上部だけを交換した可能性があり、というのはこのSP修理交換の実績も知らされてないのに、今回の修理点検で、ユニットが2枚交換してあったことが判明し、新旧でユニットの幅が若干違うから、必ず見合ったものにしなければならないのに、規格でないものが無理やり取り付けられていて、その結果フレームが反り返っていて電極が剥がれていたということでしたから、ハーマンが実施した隠れメンテナンスと言うより機械交換したものがそういう状態の傷物であったということになる。

古い機械でろくに状態を確かめもせずに販売するという姿勢は、あり得ることだし、こっそりと交換してしまうことも十分あり得ること。新製品販売前に旧製品の在庫を何としても履きたかったのだろう。

いずれもが絶対にばれない、そう思って実施した行為、本来ならば企業生命をおびやかすほど大問題となるだろうがもう時遅し。

誰が小生等の購買者を騙す結果にしたのかは定かではないが、旧製品の在庫をなくすことが至上命令だった可能性は否定できない。
残れば永久に売れ残るか、安く買い叩かれるかどちらかで、高級外車同様高額商品であるが故に、モデルチェンジの時には苦労するようだ。

このような行為に及んだのがハーマンの営業そしてエンジニアだとすると、知見のないままにやってしまったという事になるが、この頃は・・・今でもまだソウなのだが海外製品に対するメンテ知見は相当厳しい物があったようで、ESL-63のような非ポピュラーな機械では特にそういう傾向が強かったと思われる。

音は確かに良いからオーディオを職業にしていた人間は、こぞって絶賛し、推奨したが、まさか経年で接着剤の劣化が起こりそれが主な原因で様々なトラブルが出ることなど、イfギリス本国でも情報がなかったのだろうから致し方ないことでもあった。

使用してから15年ぐらい経つとそれが起こるから、最近では富にトラブルが増えていて修理代がべらぼうだから、手放す人が多くなってきた。
オークションではまともな機械が出品された試しがなく、リビルトし、保証も有るものだと新品購入価格に近い値段がしてしまう。

因縁の話はこれで終わりだと思われるかも知れないが、更に続きがある。
先ほどのことは修理が必要なボツボツ音の出る方からのもので、中を開けて見ることによって驚くべき過去の経緯が明らかになってしまった。

一方正常と思っていたほうだが、小生が音量が少し小さいと感じていた理由がハッキリした。
このSPは静岡の工房に運んだもので、ユニット3枚交換して帰ってきたものだった。

しかし中を点検チェックしてもらうと、またもやとんでもないことが発覚したのであった。
全パネルユニット4枚中、生きているのは交換してない1枚だけで、交換した3枚は死んだ状態だという。

パネルには導電塗料を塗布するのだが、それを忘れたのか、あるいは57という別の機械のものを塗布したのか、全く導電体として機能してないから音がでない状態であったらしい。
修理交換してない1枚だけが生きていて音が出ていたから、道理で音量が小さかったわけだ。

塗装しなおしし、導電リボンを交換、更に電源ユニット交換でようやく正常な状態になったらしい。
しかしこれは明らかに手術ミスであり、訴訟されても仕方がない事例である。
小生も音が少し小さいと思っただけで、通常の3分の1しか出てなかったことは気が付かなかった。
というのはのこのSPは構造上、裏側からも音が出て、ソレが混合すると、3分の1の音量なのに少しという感覚認識となってしまったからだ。
SPが4つ有るのとほぼ同じ状態で音が混合されて聴こえてくるから、両方いっぺんに聴くと、ほんの些細な事のようにしか聴こえて来なかった。

音など感覚の世界は実に恐ろしいものだ。

修理に出したもbのが、以前より悪くなって戻ってくることは、医療の世界と同じような頻度があるかも知れない。
だからユーザーはひたすら良い医者を見つけることが必要とされる。

今回そのような過去の事実があからさまになって、これで今まで漠然と抱えていたこのSPに対するマイナスイメージが現実となり、今回それに対してできる限りの手を打っていただいた。
まだ音を聞いてないが、これで30年かかってようやくまともな音に返り咲いたのではないかと期待している。

更に今回の徹底修理メンテで、過去からまとわりついてきたこのSPの亡霊たちがいなくなる禊ができたのではないかとも期待する。
そして10年以上通電されなかった、動いていないパネルが3枚あるということは、今後のエージングの楽しみもある。

目の玉が飛び出すような修理代金を請求しながら、改悪されていたという悲劇はあってはならないことだ。
輸入代理店、販売店、メンテナンスサイド、雑誌や評論はもちろん、更にはユーザー自体が知見を持つことが必要なことと改めて認識した。

今回の総点検および修理で初めて分かったことにも仰天したが、30年経ってようやくこのSPから厄が消え禊となったたような気持ちになれた。

最初音を聞いたときに「何かおかしい」と思ったのは事実であった。
その原因も複数であることも今回でようやくわかった。

それにしても、今まで修理点検に携わった人たち、いったい何をしていたのか、機械だからまさに機械的なことしかやらなかったのか。

SPは音楽を聴くための道具という基本概念をすっかり忘れてしまったのか、実に嘆かわしい。
問題大有りのものを問題なし・・・・テスターなどで測ればすぐに判明するものをやらずに問題なしといったと推測されることなど。

思い出したのが今の家に移るとき、TV・FMアンテナ工事もあわせてお願いした。
電波状態があまりよくないと聴いていたので、業者の担当者に、結果はどうだったか訊くと、バッチリ写ってますから大丈夫ですという答え。
引越し後TV設置し、電源を入れるも雑音だけで何も映らない。
ちゃんと映ると言っていたから、アンテナは大丈夫という前提で、TVのチェックを始め様々時間を欠けてやったがダメだったので、最寄りの電気屋に来てもらうと、一発でアンテナが死んでいるとのこと。

屋根に上がってチェックすると、なんとあり得ない初歩的ミスが発覚。
同軸ケーブルが皮膜を剥がさずにそのまま接続されていた。

あり得ないことであるし、見もせずにチャント映っていると言い切った奴もやつ。
集団で猿芝居をされてしまったことがあった。(業者もまさかこんなミスが有るとは夢にも思わなかっただろう)

これからもそういう直感、熟成された感性、そして勘を大事にしていこうと強く思っている。
https://dracdrac.exblog.jp/15273611/

2012年 01月 17日 ESL-63復活

もう使うことはないだろうと諦めていたESL-63が修理を終えて無事帰ってきた。
京都は八瀬のオーディオ職人の手であらゆる問題がクリアになった。

過去の病歴までわかってしまうのはさすがに名医である。
QUADからライセンスを得たという業者の1つに10年ほど前依頼したが、個々は散々であった。

交換はされていたが交換したものが動いてないという診断で、そういえば戻ってきた後どうもおかしいので、サイド見てもらったが、問題なしで戻された経緯があったが、この時小生の耳は確かで、なにかおかしいと感じたのだったが、2度のチェックデ問題なしと言われ、他の要因があるのかとおもっていたのだった。

しかし4つ有るユニットのうち交換した3つが全く動いていないのだから、おかしいに決まっている。
業者は本当にチェックしたのだろうかと非常に疑わしい。

原因は前回修理業者の導電塗料の塗り忘れ、あるいは前任機種ESL-57の塗料を流用してしまったかどちらかのミスであるということが今回の診断で判明した。

このSPは因縁がついていたのか、その他にも修理のミスによる影響をまともに受け続けたのであった。
このあたりは前回書いたが、どうしてもまだ脳裏から消えないのでまた書いてしまった。

一番不可思議なことは、初期のモデルのシリアルナンバーであるにもかかわらず、シリアルナンバーはそのままで、マイナーチェンジサれたものになっていたということだった。
色々なことが考えられるが、これは衝撃の事実であった。

しかし今回の外科的内科的大手術で、過去の信じられないような多くの不幸な因縁も多分消えてくれたと思う。

先ほど到着し、厳重な梱包を解いてしばらく通電、3時間ほどたってから、バナナプラグ接続しようとしたが、この日のために取っておいた物が見つからず、やむなく通常接続にした。

最初の音を確認しなければならないので、切り替えスイッチを使わずに、NS-1000のケーブルを外し繋ぎかえることにした。

NS-1000の欠点はSPケーブル入力端子がプアーで、細いコードか、ターミネートしたものしか入らないことだ。

最初だからどうしても動作が慎重になる。
音楽を聞く前にしばらく通電するなんていうことは金輪際したことがないのに。

取り出したCDは最近の愛聴盤、シモーネのERAT録音でマンドリン協奏曲ヴァイオリン協奏曲集である。
2つのマンドリンの音色の違いと位置、そして奏法の若干の違い、奏者の息遣いのようなものの雰囲気が出ているかなどチェックポイントは多い。

心配事はルームチューニングをNS-1000に徹底して合わせたこと、本来ライブナ部屋だが、相当デッドになっているから、ESL-63がどのように反応するか。

後方を片付けなくてはならないが・・・

昔と少しセッティングを変えてESLのバックにカナリ余裕をもたせ、コーナーからの対角線距離1.8mを確保することにしたのと、SPの角度を鋭角にして内向きのしたこと。多分45度はある思う。
これですぐにベストポジションとは行かないのはわかっているが、調整のための基本としておかねばならない。床に目印をつけることにした。

さて初めての音はどうだったか。

弦楽器が明るい。
繊細な演奏の雰囲気がよく出ている。
音が拡散するためか、定在波の影響がない。

当たり前だが低音はNS-1000に比べ強くでない。
マンドリンの強弱の奏法がとても良く掴めるし、等身大だ。
バックのオケの弦が少しきつく思って接続を調べると逆相接続になっていて低音が拡散されたのか、中域に影響があったようだ。

接続を正規にすると落ち着いた音になった。(通常のダイナミックSPでは位相が違っても大した音の違いはなかったようだ)
CDだがLPの持つ音が出る予感が漂いそして音が消えるときの余韻がすごく出るのには驚いた。
(こういう所が静電型SPを愛好する人の共感を呼ぶのではないか)
新品同様のユニットが3つ内蔵されているので、しばらくはエージングが必要だが、そのうち更に音が変化してくると思われる。

ファーストインプレッションは非常に高いレベルの満足度である。
音圧も以前よりは相当高くなっていて、アンプのヴォリュームは2目盛ほど少なくて済むのはオドロp機だが、多分これは電源ユニットを2台ともソックリ交換したことによるのかも知れない。

また片方のSPが交換した3枚が働いてなあ買ったから、音圧が出なくて当たりませなのだが、ESL-63は後方にも音を放出するからどちらのSPが良くないのか1台づつ切り離して聴かないとわからないことと知った。

さあて、明日から調整だ。
今月末には相当素晴らしい音色を聴かせてくれることだろう。

ESL-63を久しぶりに聞いて、面白い事に気がついた。
調整してきたNS-1000の音がESL-63にかなり近い音になっていたということだ。
やはりESL-63の音が染み付いていたのだろうか。
http://dracdrac.exblog.jp/15285906/
http://dracdrac.exblog.jp/15293509/

ここでも賞賛されている QUAD ESLスピーカーの修理で定評あった京都八瀬のサウンドポイント55 の三村さんは 2019年 5月に亡くなられたそうです。
ご冥福をお祈り致します。


▲△▽▼

QUAD 正規代理店 ロッキーインターナショナル ROCKY INTERNATIONAL
http://rocky-international.co.jp/quad_index.html

お客様各位 2020/3/10 QUAD ESL修理に関してのお知らせ
http://rocky-international.co.jp/pdf/repair_ESL.pdf

日頃よりQUAD製品をご愛顧いただきありがとうございます。
QUAD ESLの修理に関してお知らせです。2017年より一部製品の修理受付を終了
のご連絡をしておりますが修理に関しまして完全事前予約制にさせて頂きます。


《修理受付終了製品》
・ESL57/ESL63/ESL63pro/ESL988・ESL989(ヴィンテージ含)
※上記製品は部品の廃品により修理・点検を終了しております。


《修理受付予約保留製品》
・ESL2805/ESL2905
※上記製品はオリジナルの部品は廃品になっておりますが、今日まで現行品の部品を
  代用して修理・点検を受け付けておりましたが現状メーカーからの部材供給が不安
定なため受付を保留しております。また予約に関しても受付をしておりません。予約
再開の目処が立ち次第、HP上でご連絡申し上げます。
※また部品供給の状況によっては修理受付終了にさせて頂くことがございますので何 
卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。


《修理受付製品》
・ESL2812/ESL2912
※上記製品はオリジナルの部品の入荷が不安定でございます。修理・点検に関しては
    完全予約制にて受付しております。なお現状修理完了までおおよそ3ヶ月のお時間
    を頂戴しております。

以上

株式会社ロッキーインターナショナル
TEL03-5850-6962/FAX03-5850-6970
http://rocky-international.co.jp/pdf/repair_ESL.pdf


>>65, >>66 に書きましたが、ロッキーインターナショナルも以前は QUAD ESL63 のエレメント交換修理を引き受けていましたが、エレメントをオリジナルとは全く違う分厚い丈夫な材質に変えた為に酷い音になってしまい、評判を落としていたのです:


2016 年 10 月 18 日 潟鴻bキーインターナショナル

QUAD ESL スピーカー、エレメントユニット交換修理の修理代
エレメントユニットの交換は基本的に 1台分全ての交換を行います。

・ESL 63 および 63pro 1台あたりおよそ 30 万円

※ESL57 は修理対象外製品となります。

ESL 63 および 63pro の交換エレメントは、新発売のESL2912、及び2812に搭載されている最新のエレメントを使用します
https://www.good-stuff.net/rocky_html/pdf/QUAD_ESL_campaign130510.pdf



▲△▽▼

ヤフオクでは QUAD ESL63 は激安価格なのですが、すべてエレメントの接着剤が剥落して本来の音は出ていません:

ヤフオク! -「QUAD ESL63」の落札相場・落札価格
https://auctions.yahoo.co.jp/closedsearch/closedsearch?p=QUAD+ESL63&va=QUAD+ESL63&b=1&n=50
https://auctions.yahoo.co.jp/closedsearch/closedsearch?va=QUAD+ESL63&b=1&n=50&auccat=&tab_ex=commerce&ei=utf-8&aq=-1&oq=&sc_i=&exflg=&p=QUAD+ESL&x=0&y=0


現在 QUAD ESL の修理ができるのは次の二か所だけです:

サウンドボックス (ドイツ QUAD Musikwiedergabe GmbH 代理店)
http://www.soundbox.co.jp/
https://www.facebook.com/soundboxaudio/

QUAD ESL57, ESL63 ESL63Pro 修理受付中
http://www.soundbox.co.jp/quad63repair.html 

オーディオ機器の修理
http://www.soundbox.co.jp/ortofon.html

復刻品 QUAD-II 真空管モノラル・アンプ (ドイツ QUAD MusikWiedergabe GmbH) 製 ¥600.000/ペア 
https://soundbox.co.jp/QUAD/QD-II_3.htm

オランダ QUAD REVISIE社製 復刻品 QUAD 33/2プリアンプ +  QUAD 303QR パワーアンプ + QUAD FM3 特価セット価格 ¥400,000/セット 
*QUAD FM3QR
https://soundbox.co.jp/QUAD/QD_33_303_FM3_set.htm

ドイツ QUAD Musikviedergab GmbH 社 QUAD ESL57 復刻新品 (受注生産品) * QUADESL57QA ¥1,300,000 ペア(税別)
https://soundbox.co.jp/QUAD_ESL57QA_Cata_a.pdf

ドイツ QUAD Musikviedergab GmbH 社 QUAD ESL63 復刻新品 (受注生産品) * QUADESL63QA ¥1,600,000 ペア(税別)
https://soundbox.co.jp/QUAD_ESL63QA_Cata_a.pdf

サウンドボックスの修理は自社修理ではなく外注なので割高になります。
その外注先も問題の有る所が多いみたいですね。


▲△▽▼


STAX・QUAD ELECTROSTATIC LOUDSPEAKER RESTORATION
http://www2.ttcn.ne.jp/~bafu/index.html

メールアドレス
stax_buy@yahoo.co.jp

埼玉県 さいたま市 見沼区
 岩  田

2. 中川隆[-12769] koaQ7Jey 2023年2月23日 06:10:57 : ubL7Ij0jd6 : djhYZnRDUzlLcjY=[7] 報告
オーディオ買取センター
https://www.kaitori.audio/

〒061-2283 北海道札幌市南区藤野3条2丁目1-54 第一恵成ビル2F
TEL:011−522−7822


●私たちのポリシーについて
私たちはオーディオ製品を販売する上で、次のオーナーにはより長く使ってもらいたいという思いがあります。そのためお客様から買取したオーディオ機器を丸投げして販売するようなことは行わず、専門的な技術者による入念な整備・メンテナンスを行って再販することを基本としています。

専門的な知識を持った技術者によって入念なメンテナンスを行った機器は古い製品であっても長期間使い続けることができ、お客様が長年大切に使ってきたオーディオ機器は、次のオーナーの元で現役で長年活躍し続けることでしょう。

このように私たちはモノを大切にするという初心を忘れずに、業務を行っていくことを根底に日々業務を行っております。

●オーディオ買取店の現状について
現在、オーディオ買取業界には、広く浅く不特定多数の商材を扱うリサイクルショップ業者が数多く参入しております。このような業者は商品についての知識を持ち合わせていないことが多く、買取した品物は十分な整備等を行わずに転売を行い利ざやを稼ぎます。サイト上で高価買取をうたっているにも拘わらず、いざ査定を依頼すると査定額が非常に安い場合も多いので注意が必要です。

【多くのお客様が当店を選ぶ理由】
●高度な木工・塗装・電気技術
商品に十分な知識を持ち合わせていない業者は、不具合が生じた場合に適切な対処を行うことができません。そのようなリスクを考慮して低い査定額を提示するのは当然だと言えます。

それに対して私たちは高度な木工・塗装・電気的な技術を持ち合わせており整備や修理の大半を自社工房にて行っております。自社工房にて整備・修理が行われた品物はリニューアル商品として再販がなされ新しいオーナーの元に旅立ちます。

⇒修理・調整について詳しくは

https://www.kaitori.audio/repair


中古品といえども商品に安全性を付加して再販することができるため、例え壊れている品物を高く買取をしても十分な利益を得ることができるのです。

当店のように特に木工技術と電気技術という異なる2つの技術を持ち合わせている中古オーディオ店は全国でも少数だと自負しております。


▲△▽▼


壊れたコンデンサスピーカー高価買取・下取・修理します!
https://www.kaitori.audio/condenserloudspeaker


QUAD
「空気のように漂うような出音」
「スピーカー後方からも音が出る」

QUAD ESLに代表されるコンデンサスピーカーは、エンクロージャーにスピーカーユニットをマウントするダイナミックスピーカーシステムとは一線を画する独特の鳴り方・広がり方をするのが特徴です。
しかし埃や湿気に弱く非常にデリケートかつ・故障しやすいのも特徴でした。

過去、素晴らしい製品が数多くありましたが、湿気の多い日本では取り扱いが不向きと言われ、現在では日本国内で販売されている新製品はごく一部となりました。
また、日本国内で販売されていたコンデンサスピーカーの多くが発売から既に20年以上が経過しており、中古市場でも正常に出音動作するものも数少なくなってしまいました。

当店は正常動作しないコンデンサスピーカーの修理・オーバーホールを開始しました。
コンデンサスピーカーの修理・オーバーホールを行える技術者は日本国内でも極わずかです。

QUAD
「音が出ない」、「音が歪む」、「左右の音量バランスが異なる」、「音量レベルが全体的に小さい」、「ノイズが出る」等の症状のコンデンサスピーカーをお持ちの方は是非当店へお問合せください。

修理することを前提に、他店が提示しない高額にて査定します。
また、当店在庫との下取交換であればより高く査定します。
修理も行っていますのでお気軽にご相談ください。

QUAD / クオード
コンデンサスピーカーの代名詞的ブランド英国のQUAD社。
湾曲した畳のようなデザインのESL57と、ストレートかつモダンなルックスのESL63。
いかなるオーディオコンポーネントを駆使してもダイナミックスピーカーでは決して得られない鳴り方。
現在でも世界中に愛用者が多いコンデンサスピーカーシステムのスタンダードです。

⇒ QUAD製スピーカーの商品情報はこちら

MARTIN LOGAN/マーチンローガン
同社の多くのモデルが低音域をエンクロージャーに収納されたダイナミックスピーカーで再生を担い、中高域を静電型スピーカーにて再生するハイブリッド方式を採用しています。
ハイスピードかつ量感のある低域と、コンデンサスピーカーならではの音の広がりを両立しています。
背が高くスリムなトールボーイ型スピーカーにより定位感が良く「ステージが目の前に出現する」といった高い評価を得ており、QUADと同様世界中に愛用者の多いブランドです。

⇒ MARTIN LOGAN製スピーカーの商品情報はこちら

APOGEE / アポジー
現在オーディオインターフェイス等、プロ音響製品を扱うアポジー社ですが、80年代中期からハイエンドコンデンサスピーカーシステムを販売していました。
同社ではリボン型スピーカーと呼び、2〜3WAYまたは、コーン型スピーカーとのハイブリッド製品等が存在していました。

⇒ APOGEE製スピーカーの商品情報はこちら

MAGNEPAN / マグネパン
QUADやMARTIN LOGANに比べ市場の流通量、情報が少ないコンデンサスピーカーシステムです。

⇒ MAGNEPAN製スピーカーの商品情報はこちら

3. 中川隆[-12579] koaQ7Jey 2023年5月12日 19:34:05 : 951zCPEJQw : VGFNd2xpUDE0VTY=[6] 報告

因みに、ESL57 はインピーダンスも能率も非常に高いので、15Ωにも対応できる真空管アンプなら出力 4Wのアンプでも大音量が出て、低音も轟然と鳴ります。

ESL63 はインピーダンス 8Ω、出力音圧レベル 86dB/W/m なので、出力 15W 以上の真空管アンプが必要です。

4. 中川隆[-11482] koaQ7Jey 2024年2月25日 11:28:39 : ErGf6HbXqu : WjBhL09IVFJJR00=[3] 報告
<■138行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
GRFのある部屋 2024年 02月 22日
https://tannoy.exblog.jp/33846078/

温暖化のせいか、季節も早く回っている様です。連日続く雨の中を走ってきました。朝、中央高速に乗ると、小雨ですが寒いですが、気温は+8.5度ありました。東京都と茅野の気温差は6度ぐらいですから、南から暖かい空気を送り込んでいる今日の気温なら、茅野辺りも雪ではなく雨だと思いました。

SAに入り、茅野の天気をみたら今日は、終日、雨の予想。関西には行くのですが、新東名が多く、この冬、茅野には寄っていないので、時間的余裕がある今日、点検も兼ねて寄ってみようと思いました。

いつものインターを出ると、一面の霧です。原村も五里霧中の中でした。昼前に、ついたので、早速水回りや電源周りの点検。去年のうちに頼んでおいた、お風呂場の換気扇も交換され静かに回っていました。点検がてら、風呂場の掃除も兼ねて熱いシャワーを浴びたらようやく昨晩の新年会のワインが溶けて行きました。

お風呂から出ると、つけておいたQuadESL-57からいい音が出ています。ロストロポーヴィッチのチャイコフスキーのくるみ割り人形です。迫力あるティンパニーの音がどんどんと鳴り響き、とてもコンデンサーSPから出ている音とは思えません。

先日の石岡のAさん邸の巨大コンデンサーSPとは比べものにはならないのですが、うちの57は世間で思われている音とは全く違い、低音楽器がとてもいい音になります。オーケストラのバランスに相似しているからでしょう。いつも言いますが、最後に一組装置を残すとしたら、このQuadのシステムでしょうね。
https://tannoy.exblog.jp/33846078/

GRFのある部屋 2024年 02月 19日
常陸の国 石岡のAさんを訪ねる 前篇
https://tannoy.exblog.jp/33843590/

一月の横浜のMさんのサロンで開かれた「テープの会」でお会いした、常陸の国のAさん邸を訪問いたしました。石岡の街に来るのは、四十年ぶりです。そのころは高速もない時代でしたから、環七から常磐道を通り水戸を目指しました。遠かったです。

古い街並みがまだ何軒か残っており、ゆったりとした道が、歴史を感じます。早速、近くの行きつけのお蕎麦屋さんに案内されました。田舎蕎麦が緩く切ってある、柔らかなお蕎麦でおろし大根と一緒にいただきました。Aさんからこの街の歴史をお聞きしました。長い歴史のある街で、この地方をまとめる行政の中心の城下町で、霞ヶ浦を利用した水運で栄え、常磐線が開通後は、徐々に地方の行政や商業で生きる街になっていったとのこと。

裏通りまで道が広いのは、お城の防衛上真っ直ぐな道がなくて、あみだくじの様に曲がった裏道が昔の街道筋だった名残だそうです。大正時代からの少しハイカラな洋館も残っており、昔の栄光が偲ばれます。高速ができて、静かになった街並みは、とても懐かしく、タイムマシーンで時代を遡った気がしました。

落ち着いた街並みが昔の記憶を呼び起こします

本日、私のためにご用意してしてくださったプログラムは、最初は現在のCDから始めて、ステレオレコード、モノラルLP、蓄音器によるSPレコードの再生を体験しつつ、レコード発明前のオルゴールの時代まで遡るという壮大なものです。夕方5時ごろまで、時間を延長してレコード音楽の歴史に身を委ねるという贅沢な時間になりました。

お昼から戻ると、すぐにショーの開演です。玄関からお部屋に入る前から、廊下にはCDやレコードが溢れて並んでいます。嬉しくなってきますね。

部屋に入ると、目の前のスピーカーが天井近くまであります。これは、すごい高さです。横浜のMさんのMcIntosh XRT-26の2200ミリを遥かに凌駕しています。伺ってはいたのですが、実物を拝見すると、圧倒的な大きさですね。

このスピーカーは、アメリカはユタ州のSound Lab社のコンデンサー型スピーカーで、一番大きなMajestic 945PXという形式で、高さは、106インチ(2.7メートル)もあります。この下のモデルでも、94インチ(2.4メートル)あり、これでも通常の日本の部屋では入らないでしょう。

106インチと94インチのモデルの差は、低域の再現能力で、106インチモデルは24Hzから、94インチモデルは26Hzから再現するそうです。特性上は2Hzの差ですが、振動板の大きさは、30センチの差があり、スケールの大きさはやはり違うそうです。

この部屋は、背の高いスピーカーを前提に設計されており、天井高は最初から3メートルを設定されています。中のエレメント大きさは、中央部が小さく高音用で仮想同時みたく中央部に焦点が来るそうですが、座っている時と立って聴く時では、音像の高さが変わりスケール大きな音を聴かせます。


それらを駆動するアンプ類が向こう側に見えます。すべてのアンプが、上蓋を外しています。私と同じ様に蓋を外したほうが、音の上方への響きが変わるからです。徹底していますね。一台だけ外されていないアンプがありました。DVAS社の光カートリッジ用イコライザーです。理由は内部のボードが上からぶら下がっている構造だからだそうです。

大型のスピーカーの位置調整は、ぴったりとあっています。平面スピーカーですが、少しだけ内向きの分だけ奥行き方向にも展開して、普通に聞けば後方のシーメンスがなっている様に聞こえます。面白いですね。

Phono系統は左の927からEMTやOrtofonの入力が、左奥のBoulderのphonoアンプに入り、中央のジェフローランドのプリへ、音量調整は、手前の数字が見れるディスプレイでコントロールしています。右側のThechnicsのプレーヤーからは、Klaudioのリニアトラッキングアームで、光カートリッジを鳴らし、DVASのEQからJeffに入り、一番手前のBoulderの850モノブロックでコンデンサーSPが駆動されているわけです。

低域まで豊かになるコンデンサースピーカーのピタリと定位した音は、あたかも中央奥のモノラル用のシーメンスのSPがなっている様に聞こえます。普通のコンデンサーSPだと、音色はきれいなのですが、なかなかスケールと奥行き感が出ません。ネットワークやチャンネルでヴァイダーがない無垢な音がこの素直な音を出しているのでしょう。驚きました。


右側は、エソテリックのCDプレーヤーとそれらの電源です。こちらも上蓋がないので、エソテリック特有の音がせず、素直な音です。Vivaldiのリコーダー協奏曲から掛かりました。私がシューベルトが好きだということで、シューベルトのピアノトリオとグルダの即興曲をお聞きしました。 両方ともピアノの音が秀逸でした。

ハーディングがマティアス・ゲルネをスウェーデン放送響で振ったプロジェクトもあり、CDの最後は、私も愛聴しているコジナのAh Mio Corがかかりました。これは素敵なアルバムです。聞き惚れました。


CDはここで終わり、次はレコードです。まずは、ステレオレコードから。ステレオだけでも、アームが四本ですから4系統あります。まずは、定番のEMT927です。専用アームに、最初期のEMTのカートリッジが付いています。

イコライザーは、Boulderのフォノ・プリアンプです。良い音ですね。針圧はそれほど重くなく、2.5g前後だそうです。しなやかな音がしますね。イコライザーもしっかりと役割を果たし、歪み感はありません。927特有の力感もあり安定してかかります。

Vivaldiのリュート曲が掛かりました。こういう漂う様な弦の音が会場に消えていく響きは、大型のコンデンサースピーカーの独壇場です。Emma Birkbyの美しい声で、パーセルのソングブックです。きれいな声ですね。この表紙に見覚えがあります。帰ってきてからバロック棚の辺を探したら出てきました。


ロマンチックなCelloの演奏がかかりました。柔らかな音です。通常、オルフェオのレコードは、DMMもあり少しだけキツくなるのですが、流石に超大型のコンデンサーのスピーカーが効いているのでしょうね。本当にロマンチックな音です。こういう柔らかな、美しい音楽がコンデンサーにぴったりの曲なのでしょう。音が安定して深く柔らかな音します。


プレーヤーを変えて、光カートリッジも聞いてみました。S/Nがよく、低域の再現性が別物です。DVASイコライザーも、スピーカーの特性によくマッチして、広帯域で力のある音を聴かせます。奥行きもうちで鳴らした時より立体的展開します。アームはクラウディオでした。どのレコードも、あたかも38/2トラのテープが鳴っている様に、悠揚迫らぬ音がします。初めて聞く大型のコンデンサースピーカーの音に圧倒されました。

いや、圧倒されたのは、長年かけて培ってきたAさんのエネルギーの総量と思いの丈ですね。素晴らしいです!

Commented by TANNOY-GRF at 2024-02-20 14:32
Aさんの訪問記 最初は全3巻になりましたが、何とか整理して二回に納めました。最近は5時間分を覚える記憶力がなくなりました。写真を撮っておいて、後から機種名等を復習いたします。膨大なレコードをお持ちのAさん邸には、視点を変えて何回かお邪魔しないとその全容が見えてきません。


Commented by me-me-1948 at 2024-02-20 16:18
GRFさん、先日は遠路をお出で頂き有り難うございました。
今回私が用意したプログラムと、GRFさんの音楽&オーディオ歴が上手くシンクロしたようで、私も大いに楽しませて頂きました!
ただチョット褒め過ぎの感も有りますので、お詠みになる方は、80%の話とお考え下さい(笑)。


Commented by TANNOY-GRF at 2024-02-20 17:23
A さん 私は話半分ぐらいに抑えて書いています(爆)。実際に装置を目の前にして、その音を聞かれ、後編も合わせて読まれるとその凄さが伝わってきます。

https://tannoy.exblog.jp/33843590/

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