★阿修羅♪  Ψ空耳の丘Ψ17
 ★阿修羅♪
Ψ空耳の丘Ψ17検索
 次へ  前へ
【経済学者のトンデモ理論】 利子率と物価変動の関係  〈参加型アップ〉 投稿者 あっしら 日時 2002 年 2 月 28 日 16:34:27:

歴史的な説明と日本の現状及び政策について書き込んできたのですが、【経済学者のトンデモ理論】というシリーズタイトルにもっとふさわしい“純理論”的な内容を少し説明したいと思います。
いくつか書き込んでご批判をいただきたいテーマがありますが、みなさんのほうでこういうテーマはどうなんだということを提起していただければ、新たな勉強なしでできる範囲ですがレスしていきたいと考えています。

但し、ケインズの「有効需要」や「限界効用」などは、トンデモ理論だとは思っていませんし、経済政策論的な色合いが濃い理論なので除外させていただきます。

=====================================================================================
■ 利子率と物価変動に関する一般的説明

経済学では、低金利を続けると物価上昇(インフレ)圧力が加わり、高金利を続けると物価下落(デフレ)圧力が加わるという説明がされている。

しかし、これは何ら根拠がない理論である。

おそらくというか理論的には、

貸し出し利率が低くなれば、経済主体の借り入れ需要が増大し、通貨流通量(通貨供給量×回転数)も増大するため、物価が上昇していく。

貸し出し利率が高くなれば、経済主体の借り入れ需要が減少し、通貨流通量(通貨供給量×回転数)も減少するため、物価が下落していく。

といった説明がなされている。

一見もっともらしい理屈ではあるが、本当にそうであろうか。
「超低金利+超金融緩和」政策が長期にわたって実施されたきた結果の日本の現状を考えて、違うと思われた方もいるだろう。
(経済学者の一部が、「日本経済の現状は前代未聞で、経済学にはその処方箋がない」と匙を投げるゆえんでもある)


■ 貸し出し主体である銀行と利子率

これまで書き込んできたなかで説明してきた「金融家=銀行」の立場で考えて欲しい。

銀行が利益を上げる基本経済取引は、利子を設定した貸し付けとその返済である。
そうであるならば、利子率が高ければ高いほど利益=利息が増大するのだから、利子率が高い状態を望むはずである。

しかし、現実の世界を歴史的に見れば、米国でも英国でも、金利は上下動しながら推移してきた。一方的に上がり続けることはなかった。それどころか、昨年の米国FRBの動きを思い起こせばわかるように、毎月のように0.25〜0.5の幅で金利を下げてきた。

民間資本である連邦準備銀行の束ね組織であるFRBが、連邦準備銀行が損をするような政策決定したのだろうか。さらに言えば、損はしないとしても利益を減少させてしまう決定をしたのだろうか。


■ 表面利子率と実質利子率

通貨の貸し借りは、変動利率だとしても、利子率が明示された契約を取り交わし、それによって貸し付けと返済が行われる。
しかし、通貨価値は、物価の変動によって変わるものである。

米1kgが1,000円の時点で、10万円の「金銭消費貸借契約」(通貨の貸し借り契約)が行われたとする。わかりやすくするために、10万円は1年後に年利5%の利息を付けた10万5千円を返済するものとする。
10万円を借りた人は、そのお金で米を100Kg買った。

1年後に同じ品質の米1kgは1,200円になっていた。返済された10万5千円で米を買うと、87.5Kgしか受け取れなかった。

米の価格が、1,200/1,000×100で20%上昇したからである。

今回の「金銭消費貸借」は、物価を基準に算定すると金利はマイナス12.5%となり、通貨を貸したほうが大きな損を被ったことになる。

これは、銀行経営者であれば、物価変動の先行きを見通していなければならないことを意味する。逆に言えば、通貨の借り手は、表面的な利子率に惑わされることなく、物価変動の関係で実質的な利子率を考えなければならないということである。


■ 利子率変動と物価変動における中央銀行の役割


利子率は、長期と短期さらには細かい期間の違いで異なるが変動傾向は同じなのでそれを捨象して、中央銀行が商業銀行に貸し出しを行うときの利子率である公定歩合で基本的に制御される。

物価は、経済規模の大小に関わりなく、「通貨供給量×回転数」/「国内販売商品の総量」と考えることができる。
(説明は『デフレの論理と「資産デフレ」罪悪説の問題点』を参照)


● 通貨供給量を決定する中央銀行

「回転数」はともかく、「通貨供給量」は、中央銀行がコントロールできる数値である。
「回転数」が一定であれば、「通貨供給量」を増大させれば物価は上昇するし、「通貨供給量」を減少させれば物価は下落する。
「通貨供給量」を増大させるためには、商業銀行が中央銀行に「返済した金額」+「預け入れた金額」を上回る金額を、中央銀行が商業銀行に貸し出すことで実現できる。
「通貨供給量」を減少させるためには、商業銀行が中央銀行に「返済した金額」+「預け入れた金額」を下回る金額しか、中央銀行が商業銀行に貸し出さないことで実現できる。
このようなことは、中央銀行は、これから先、物価が上昇しやすいのか、それとも下落しやすいのかを判断できる立場にあることを意味する。

中央銀行が「通貨供給量」を増大させているときは、物価が上がってもいいと考えているときであり、減少させているときは、物価が下がってもいいと考えているときだとも言える。


● 「回転率」の制御はできるのか

問題として残るのは、通貨の「回転率」である。

例えば、1億円の「通貨供給量」だとしても、それが一定期間に、平均3回使われるのか、平均5回使われるかで、「通貨流通量」すなわち「物価」が大きく変動する。
「通貨流通量」は、3回であれば3億円、5回であれば5億円と66.7%も変わる。

もちろん、経験則というものがあるから、「回転数」についても一定の推測はできる。
好況期であれば平均的に5回で、不況期であれば平均的に3回だとか、2年前は4.12回で昨年は4.34回で、今年は経済活動がより活発になっているから、4.52回くらいになるではないかという推測である。

しかし、「回転数」がどうなるかは、放牧馬が走るのか立ち止まるのかを見ている人が制御できないのと同じように、見ているだけでは制御できないことである。


■ 通貨の「回転率」の制御

中央銀行が、金融政策の手段として「利子率」・「通貨供給量」・「政策の説明」しか持っていないとする。

この二つを使って、“暴れ馬”である「回転率」を制御しなければならない。
日銀の総裁や連邦準備制度理事会の議長になったつもりで、「回転数」を下げなければならないという課題を背負ったとしたら、どうしますか?

経済全体は好況で、政府の経済政策は変化がないものとします。
端的には、不況にすることですが、デフレにしてしまうことなくインフレを抑えたいという政策課題だと考えてください。

自分なりの政策は2時間後くらいにアップしますので、よろしければ、ご自身が考えた政策をレスしてください。

(自分自身もそうですが、金融家でもなければ、経済学者でもない、ましてや、日銀総裁やFRB議長でもないのですから、よくわからなくて当然です。2時間後にアップする内容も推測でしかないもので正解とは限りません。みなさんの考え方を参考にもさせてもらいたいと思っていますので、お暇であればおつきあいをお願いします。日銀のキャリア政策担当者であればわかると思いますので、“秘伝”だからと言って隠さず“本当のこと”をアップしてください)


 次へ  前へ



フォローアップ:

全★阿修羅♪=

 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。