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第一次世界大戦とイギリスとアメリカ 投稿者 あぼーん3世 日時 2002 年 3 月 06 日 15:37:17:

(回答先: 幕末庶民を襲ったインフレーション 投稿者 あぼーん3世 日時 2002 年 3 月 06 日 15:35:58)

1900年のイギリスは、世界最大の海軍を持ち、地球のほぼ1/4を支配する大帝国でした。

しかし、その経済力は衰退する一方だったのです。
1880年には、世界の工業の22.9%も占めていたのに、1912年には、14.1%に低下してアメリカ、ドイツに追い越されます。

それでもなお、イギリスのポンドは、金の次に信頼される通貨として、
外貨準備や貿易の支払い手段に使用されていたのです。

イギリスは、困難に直面した諸外国に対しても、
いわゆる最後の貸し手の役割を果たしていたのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

19世紀末、アメリカは、経済的に発展します。1908年ヘンリー・フォードがT型フォードを作り出します。1914年、アメリカの石炭産出量は、4億5500万トンで、イギリスの2億9200万トンを凌いでいました。アメリカは、世界一の石油輸出国で、銑鉄の生産は、ドイツ、フランス、イギリスの合計より多かったのです。

対ヨーロッパ貿易は、工業製品や農産物の輸出により膨大な黒字でした。世界一の経済大国にもかかわらず、その軍事力はドイツ、フランス、ロシアより見劣りしていました。

アメリカは、孤立政策により、大国であるにもかかわらず、
アメリカ大陸以外の諸国との外交に、あまり深く関与したがらなかったのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1914年6月、フェルディナント大公が、暗殺されたのを発端に第一次世界大戦が始まります。

戦争当事国の誤算は、この戦争が直ぐに終らなかったことです。
機関銃の発明は、塹壕に篭った長期戦を招いたのです。

イギリスの国防費は、1913年の9100万ポンドから、1918年には19億5600万ポンドに増加します。
国防費は、政府総支出の実に80%を占めたのです。

通貨量が、金保有高で制限される金本位制を守ったら、軍事予算が組めません。
全ての戦争参加国は、金の輸出を禁止して、金本位制から離脱します。

最後まで残ったアメリカや日本も、金本位制からついに離脱します。

イギリスは、フランス、ロシア、イタリアなどの連合国に38億ドルもの資金を融資します。やがて、アメリカがイギリスに替わるようになります。

そして、イギリス自体も、アメリカから調達する数十億ドルを越える食料や軍事物資を購入するためには、ニューヨークやシカゴの金融市場から借金するしかなかったのです。

1917年4月、アメリカが参戦します。

当初は小さかったアメリカの軍事力は、その経済力、技術力を背景に月を経るごとに強大になります。

◆◆アメリカ参戦は、戦線を離脱したロシアなどより、◆◆
◆◆遥かに決定的な影響を戦局に与えます。◆◆
◆◆ 1918年、ドイツやオーストリア・ハンガリーは、敗北して、◆◆
◆◆第一次世界大戦は終結します。

第一次大戦前、覇権国家イギリスは、世界各国からの輸入を増やし、自国の貿易赤字や、弱小国の国内保護政策にも寛容でした。自由貿易と世界の金本位制を支え、他国への資金援助も惜しまなかったのです。

ところが、第一次世界大戦による巨額の債務は、イギリスが今までの役目を続けることを不可能にします。

経済大国アメリカは、1919年世界で最初に金本位制への復帰を果たします。
他国は、どこも追随できません。

しかし、アメリカは、自分の殻に閉じこもります。アメリカのウィルソン大統領の提案で発足した国際連盟への参加さえ、議会の反対によりできません。

アメリカは、イギリスの役割を担おうとはしなかったのです。

1925年、イギリスは、金本位制への復帰を果たします。アメリカは、イギリスに対して融資を行い、自国の通貨発行量を増やしてこれを助けます。

為替レートは、戦前と同じ1ポンド=4.86ドルに定められます。しかし、明らかに、ポンドは、過大評価されていました。イギリスの輸出産業は、大打撃を受けます。

ドイツは1924年、フランスは1926年に金本位制に戻ります。

そして、1929年10月、繁栄を謳歌していたアメリカに、株の大暴落が起こります。
世界恐慌の始まりです。

日本は、なんと1930年1月金解禁(つまり金本位制)を実施しています。
この政策は、経済の流れを読めない大失敗で、最悪のタイミングでした。

アメリカで誕生したデフレという怪物が、金本位制によって全世界に伝播します。
不況と失業と物価の下落と世界経済の縮小・・・

1931年秋、イギリスは、金本位制を離脱して、ポンドを切り下げ輸出を増やそうとします。

日本も離脱は必至と予測した商社や銀行は、ドル投機に走ります。
日銀は、金利を引き上げ対抗しますが、1931年12月、日本は金輸出再禁止に追い込まれます。

各国も、次々と離脱して、為替の引き下げ競争が始まります。

イギリスとその連邦諸国は、ポンド・ブロック圏をつくります。
アメリカは、ドル・ブロック圏を、日本は、アジアに円ブロック圏をつくります。

最後まで、金本位制を守ったフランスは、ベルギー、スイスなどと金ブロック圏をつくります。
ソ連も、また独自の世界に閉じこもります。

基軸通貨の存在しない世界は、混乱し、分断され、恐慌に沈んでいったのです。
そして、ナチスドイツと日本の軍国主義が高まり、不幸な戦争が再び始まったのです。


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