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人間という生物の限界&後出しジャンケンの罠 投稿者 イカ 日時 2002 年 10 月 10 日 23:59:32:

(回答先: Re: ご免なさい,今一つご趣旨が... 投稿者 でたらめだいきらい 日時 2002 年 10 月 10 日 01:15:09)

レスありがとうございます。

大日本帝国が、そこまで自他に対する考察が盲目で、
心底から現実逃避的妄想に耽溺し、愚かだったとは断じて思えません。
個人が結集した人格としての国家の、やはり人間としての
能力の限界の問題ではないかと思います。
(大層な表現ですが・・・)
これに限っては、政治システムの形態にはあまり左右
されないと断言できます。

我々はあの時代の顛末を時系列的に詳細に検証可能です。
いわば3Dシミュレーターを操作しているようなものなので、
全天全周の、しかも随意に俯瞰し必要な情報を統合できる視界と、
時間を自由に超越する能力を持っている訳です。

一方当時の現実を生きていた人々にはそんな視野はまったく
開けていません。19世紀までの歴史を除けば、闇夜のロウソクです。
一寸先は本当に無限の暗闇であるばかりか、臨機応変な決定を
下すのに必要な速報的情報すら十分なものがないのです。
大局的な決定に必要な情報に関しては、お手上げ状態としか言いようがないです。

現在の我々は、アメリカが民間人大虐殺の後日本を征服したものの、
資本主義の下等衛星国家という、征服された国家にしては
比較的穏当な待遇に処した事を知っています。

当時の人はこんな事は知りません。相手の軍門にやすやすと下れば、
植民地化、奴隷国家化、ひいては北米で見られた最悪のジェノサイドというような
到底選択肢になりえない恐るべき展開を、相手が相手だけに、
予想するのは至極当然です。

たとえば、俗な例でなんですが、
人里はなれた山中で猟奇食人集団に一家が取り囲まれ、
家長が拳銃一丁だけを武器に何とか持ちこたえている状況で、
「拳銃を渡せ!そうすれば悪いようにはしないぞ」
などと言われているようなものです。
家長は、最良の結果でも相当数の家族が犠牲になり、
最悪なら全員が犠牲になることが予想されるにもかかわらず
食人集団を信用し、
もしかしたら家族の生存という未来を開きうるかもしれない拳銃を
敵に渡すべきでしょうか。

さらに付け加えて言うならば、ここで言う食人集団の素性は、
その偽善の仮面を脱ぎ捨てた昨今の情勢を鑑みても
19世紀までの歴史を紐解いても同じで、
まごうかたなき正真正銘の極悪非道な、
約束など皆目守らず無慈悲に食えるだけ食う食人集団だというのは
明らかだと思うのですが。

いずれにせよ未来を俯瞰できる超人的知性を備えていない限り
このような状況で無条件降伏を伴うダメージ最小限化の方策など
正常な人間と国家には不可能です。

そう見ることが出来ないというのは、今の我々が陥りやすい
人間の限界無視と、後出しジャンケンの罠ではないかと思います。

これを念頭に置いて考えれば、当時の日本が
国家の死を意味しかねない性急で苛烈な脅迫を受けたときに、
座して死ぬか、戦って死ぬかの選択枝しかなく、ならば
当然後者しかないと判断するのは、
何の不思議もないどころか、
むしろ人間性を備えた責任ある国家として至極当然なのです。
もし当時の日本がたとえ直接民主制であったとしても、
この成り行きははたして違うものになり得たでしょうか。

余談ですが、
今の私達と日本国も、当時と同じように
未来など皆目見えない暗闇の中で目前に迫った脅威に相対しつつ、
同胞に対する、ひいては人類に対する人間性を発揮し責任を遂行すべき
状況にあるのではないでしょうか。

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