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「雇用保険が破綻寸前」は厚労省による世論誘導?給付カットの半面、積立金は激増(Business Journal)
http://www.asyura2.com/21/hasan135/msg/631.html
投稿者 赤かぶ 日時 2021 年 12 月 20 日 22:12:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

「雇用保険が破綻寸前」は厚労省による世論誘導?給付カットの半面、積立金は激増
https://biz-journal.jp/2021/12/post_267869.html
2021.12.20 06:00 文=日向咲嗣/ジャーナリスト Business Journal


失業した際の頼みの綱「雇用保険」の財政状況は…?(「Getty Images」より)

 11月25日、厚生労働省が雇用保険の保険料を引き上げる方針を固めたと、全国紙が一斉に報じた。コロナ禍によって、休業手当を助成する雇用調整助成金(雇調金)の支給額が急増。急激に財政状態が悪化したことが理由だとするが、このニュースを受けて「実質、増税か」「これからますます厳しくなる」といった不満の声が巻き起こった。

 ところが、この保険料引き上げ観測が報じられた裏で、国民からの反発を抑えるための“世論工作”を疑われるような巧妙な動きがあったことがわかった。

 雇用保険制度は破綻の危機に瀕してなどいなかった。暫定措置として下げられていたものを元に戻すことが、いつのまにか「財政が極度に厳しい」→「給付カットもやむをえない」という論調にすりかえられつつあるのだ。

 今回の雇用保険料引き上げの件で、あらためて浮き彫りになったのは、雇用保険制度のセーフティーネット機能に大きな穴があいたままであることだ。コロナ禍で、飲食やサービス業に携わる多くの人が大幅減収を余儀なくされ、生活基盤を危うくした。それにもかかわらず、激増したのは休業手当のための雇調金だけで、失業給付の支給はほとんど増えていないのだ。

 先に自称元官僚のツイートで、あたかも2008年のリーマンショック時にも積立金が枯渇しつつあったかのようなコメントがあったが、現実にはリーマンショック時でも、積立金は枯渇するどころか増え続けていた。その直前に酷い給付カットが行われていたからだ。


平成14年頃は、積立金が底をつきかけた(棒グラフ急降下)。このとき、保険財政は“破綻寸前”と煽られ、次々に給付カット(赤太字は失業率)。ところが、平成20年のリーマンショック後は、積立金は減るどころか増え続けている。この直前に、なぜか給付カットしたためだ。給付を抑制しすぎてセーフティーネットが機能しない悲惨な状態に陥った(当サイト記事『勤労統計不正、背後に厚労省の雇用保険給付カットの意図か…失業保険もらえない人続出』参照)。

 コロナ禍においても、同じような現象が起きていた。困窮状態に陥った人は激増したはずなのに、なぜか雇用保険の失業給付をもらえる人はあまり増えてないのである。

 下のグラフの失業給付の受給者数(青線)を見ると、2021年は59万人(矢印部分)である。リーマンショック後の2009年の85万人や、就職超氷河期と呼ばれた2001年の111万人と比べると、あまりにも少ない。これこそが、セーフティーネットに穴があいた状態を表している。



 コロナ禍によって営業自粛を余儀なくされた飲食・サービス業に従事する多くの人は、閉店や休業しても、すぐ解雇されるわけではない。いわゆる「シフト勤務」のため、シフトに入れる日が激減したとしても、自分から辞めると自己都合になり、過去2年間に12カ月以上加入していないと受給できない(会社都合なら過去1年間に半年以上加入で受給可能)。

 その12カ月には、11日以上または80時間以上勤務した月しか算入できないため、シフトが減らされると、何カ月勤務しても受給要件を満たせない状態が続きかねない。また、自己都合退職になると、受給できたとしても2カ月の給付制限も課せられる。

 一方で、雇調金にしても、原則として事業主経由で申請しないといけないため、休業手当がもらえないケースが続出。当初は支給上限額も低かった。随時改善はされていったものの、事業主と交渉もせずに諦めた人が多かったと伝えられている。

 小規模の事業主は、休業に伴って支給された協力金によって、なんとか生き延びられたとしても、その恩恵は雇用されている人たちまでは、なかなか回らなかった。

 その意味では、シフト勤務という、雇用契約で勤務日数を明示しない慣習が雇用保険のボトルネックとなっており、失業者として雇用保険から失業給付を受けられないまま困窮=セーフティーネットの網の目からこぼれ落ちる人が激増している実態が、コロナ禍で浮き彫りになったといえる。

 恐ろしいのは、その実態が失業率や失業者数等の数値に、ほとんど出てこないことだ。炊き出しや食料配布で、見たこともないような長い行列ができる様子を伝える支援団体の活動レポートからは、その数値に出てこない人たちのまぎれもない現実をかいまみることができる。これが世に言う“自助”と“共助”のみで、“公助”が消えた世界ではないのか。

 給付を必要以上にカットしたため、2008年のリーマンショック直後に、大量の雇用保険を受給できない層が輩出された時と似たようなことが、今回のコロナ禍でも起きている。

 下の表は、2015年の雇用保険財政で、過去最高の6兆円を超える積立金が貯まった後に実施された法改正の一覧である。



 リーマンショック時に施行された緊急対策を2017年に再々延長し、失業手当の給付日を30〜45歳・会社都合のみ引き上げたこと、最低賃金を下回った支給下限額を修正したことなど数件(ピンク色部分)を除けば、教育訓練給付の給付率引き上げ、再就職手当の給付率引き上げ、育児休業給付の改定など、いずれも失業して困窮している層ではなく、どちらかといえば恵まれた層に対する給付を手厚くする施策(空色部分)ばかりだった。

 リーマンショック直後に導入された非正規労働者に対する優遇などの暫定措置を一部廃止(灰色部分)したり、保険料を引き下げたりといった負担軽減(黄色部分)は、かなり積極的に行われた一方で、失業給付の部分は2001年以降、財政破綻危機を乗り切るために次々とカット(または支給要件厳格化)されたままである。

 本来、危機を乗り切って雇用情勢が回復すれば、カットしていた給付を元に戻すべきだったが、それを行わず、ひたすら周辺部分の給付を増やし、保険料&財政負担を減らし続けて、積立金激増への批判をかわしてきたように見える。結果、失業して困窮した者への給付はほとんど増やさず、比較的恵まれた層へのみ手厚くするというチクハグな対応が、この数年続いた。

 一例を挙げると、育児休業給付。失業給付にかかわる保険料が暫定措置によって0.2%まで下げられた。一方で2020年度からは、育児休業給付の勘定を別立てとすることになり、こちらの保険料がその2倍の0.4%である。



 ということは、労使折半で負担している雇用保険は、失業保険の機能よりも、夫婦揃って働いている人のための育児休業給付保険の機能に2倍の保険料が充てられていることになる。これでは、失業保険というよりも育児休業保険と呼んだほうがいいくらいだ。今回、もし失業給付にかかわる保険料が0.6%まで引き上げられれば、ようやく元の失業保険に戻るのだ。

 もちろん、育児休業に対する支援が急務なことは論をまたないが、積立金が激増した雇用保険だけにその負担を押し付けて、失業給付の機能が貧弱なまま人気取り政策に邁進してきた政治的な圧力があったのではないかと思わざるを得ない。

 長年の給付カットによって雇用保険のサイフ(積立金)がパンパンに膨れ上がり、その使途に困ったあげく闇雲に保険料を下げ、周辺部分のみ大判振る舞いしたツケが回ってきたとしか思えない。

 もう一点忘れてはならないのは、今回の積立金が枯渇寸前まで陥った原因となったのが、激増した雇調金だったことである。

 それにもかかわらず、雇調金に充てる、企業のみが負担する雇用二事業の保険料率は0.3%から0.35%と0.05ポイントしか引き上げを予定していない。労使折半で負担する失業給付にかかわる保険料率を、0.2%から0.6%まで引き上げる厚労省案の率と比較すると、0.05ポイントという引き上げ率は、あまりにも低い。しかも、失業給付とは違って、雇用二事業への国庫負担はゼロのままだ。

 保険財政が危機に陥ったとされたのは、この部分の支出が膨らんだためなのに、そちらの保険料はほとんど引き上げず、それどころか引き下げの弾力条項を整備してきた。それなのに、コロナ禍でもあまり増えなかった失業給付の部分のみにしわ寄せがいくのも、なかなか納得しづらいところである。

 厚労省では、年内に出される審議会の答申結果を踏まえて、年明けには保険料引き上げを盛り込んだ措置を早急に取る予定だという。

“財政危機”を必要以上に煽るニュースは、巧妙な世論工作が隠されているのではないのかとの疑いを持って、くれぐれも注意して読んでいただきたい。早急に対策が必要なのは、保険財政立て直しなどではなく、穴の開いたセーフティーネット=安全網の再構築なのだ。

(文=日向咲嗣/ジャーナリスト)
 

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コメント
1. 赤かぶ[159844] kNSCqYLU 2021年12月20日 22:13:55 : DiuQjGfad6 : UTBWZXVVMUNWUkE=[58457] 報告



[スレ主【赤かぶ】による初期非表示理由]:その他(アラシや工作員コメントはスレ主が処理可能)ミスコメント。
2. 赤かぶ[159845] kNSCqYLU 2021年12月20日 22:14:55 : DiuQjGfad6 : UTBWZXVVMUNWUkE=[58458] 報告

3. 2021年12月21日 18:19:07 : OO6Zlan35k : L3FGSWVCZWxFS3c=[539] 報告


>失業給付にかかわる保険料が暫定措置によって0.2%まで下げられた。一方で2020年度からは、育児休業給付の勘定を別立てとすることになり、こちらの保険料がその2倍の0.4%
>失業保険というよりも育児休業保険
>教育訓練給付の給付率引き上げ、再就職手当の給付率引き上げ、育児休業給付の改定など、いずれも失業して困窮している層ではなく、どちらかといえば恵まれた層に対する給付を手厚くする施策

違うよ
今ですら、日本は人手不足だが

今後、ますます超少子高齢化で労働供給が減り、円安も加わって、輸入できなくなり、介護や建設に加え多くの業界で人手不足は悪化し、必需品インフレも深刻化していくから

仕事をえり好みする長期失業者を減らし、何とか女性や高齢者の労働供給を増やそうという意図があるのは明らかだろう


>財政危機”を必要以上に煽るニュースは、巧妙な世論工作

相変わらず同じデマを流してアクセス数を増やしたいということのようだが
ピント外れだな

今後の問題は、デフレでも財政危機でも安全網の穴でもなく、生産性の低下と労働供給の不足による高インフレ、結果としての日本全体(特に年金世帯や低所得層)の貧困化になりつつあるということだ

http://www.asyura2.com/21/hasan135/msg/620.html

4. 2021年12月21日 18:43:25 : OO6Zlan35k : L3FGSWVCZWxFS3c=[540] 報告

>コロナ禍においても、同じような現象が起きていた。困窮状態に陥った人は激増したはずなのに、なぜか雇用保険の失業給付をもらえる人はあまり増えてない

あれだけ巨額の給付金をバラマキ、本来なら倒産していた膨大な中小零細ゾンビ企業を生き延びさせ、給付金詐欺も大量に発生した

その分、直接の失業給付は不要になったということだが、

今後、そうやってバラまいたツケの一部が、残った全企業と全労働者の負担として押し付けられるということだ


巨額の財政赤字も、これまでは超低金利による高齢富裕層への実質資産課税と

円安による労働者の実質賃金の低迷という形で、負担してきたが

そう遠くない時期に高インフレという形で、年金世帯も含めた、日本人全体が負担することになる


https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210905/k10013244371000.html
雇用調整助成金 支給急増で財源ひっ迫 雇用保険料率の議論へ
2021年9月5日 6時40分

新型コロナウイルスの影響の長期化で、雇用を守るための国の雇用調整助成金の支給総額は4兆円を超え、財源の確保が課題となっています。厚生労働省の審議会は来年度からの雇用保険の保険料率について今月から議論を始める方針です。

雇用調整助成金は新型コロナウイルスの影響を受けた企業などが従業員の雇用を維持した時に休業手当などを助成する制度で、企業に支給された総額は去年2月からこれまでに4兆2000億円を超えています。

その一方で財源はひっ迫しています。

主な財源である企業が負担する雇用保険の保険料を積み立てた「雇用安定資金」は、昨年度の当初は1兆5000億円余りありましたが、支給額の急増でほぼ底をつきました。
このため失業給付などのために企業と従業員双方が負担する保険料の積立金からおよそ1兆7000億円を借り入れたり、一般会計から1兆700億円余りを繰り入れたりしました。

厚生労働省は今年度、雇用調整助成金の支給に1兆2000億円余りを見込んでいますが、支給額は先月27日の時点ですでに1兆1000億円を超え、財源の確保が課題となっています。

5. 2021年12月23日 01:48:30 : GHicpLcqsJ : ampwdm1sQXRoeFU=[8] 報告
受給者に「知能足りない」 生活保護巡り 八王子市職員


東京都八王子市は22日、生活保護を担当する30代のケースワーカーの男性職員が、受給者の精神障害がある40代男性に「知能が足りない」などと不適切な発言をしていたと明らかにした。

職員は「自殺未遂したからって容赦しねえぞ」などと暴言を繰り返した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/150507

6. 空虚[4618] i_OLlQ 2021年12月23日 06:49:43 : XkEJXnXJ4o : czdiYXJDMkZyaFU=[3] 報告
>>4 >厚生労働省は今年度、雇用調整助成金の支給に1兆2000億円余りを見込んでいますが、支給額は先月27日の時点ですでに1兆1000億円を超え、財源の確保が課題となっています。

【 財源確保すると更に雇用機会がへるようなことになるぞw 】

順番がちゃうねんちゅーとんの、だーら政府の均衡財政主義が出張るとろくな結果にならんから。

そもそも、なんで企業が雇用安定させられない状況になるんや! ゾンビ企業がどーの淘汰されて当然だのゆーとるどぉあフォはさて置きだw自己責任なら政府なんぞ解体してしまえ云うに等しい暴挙だぞ。政府の存在を自ら否定するような似非政府のオカルト経済学をなんとかしぃーや。 なにもせんくせして財政云々わらかすな!

7. 2021年12月26日 18:44:27 : C9gGFFl9xc : VHlHMm9FU0lHMWs=[170] 報告
昔、雇用促進事業団というのがあった。れいのグリーンピアや私の仕事館とか雇用保険の金を湯水のごとく使っていたらしい。

今はどうなっているのかな。

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