★阿修羅♪ > 原発・フッ素54 > 170.html
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ ★阿修羅♪
東電旧経営陣3人に無罪判決 東京高裁 判決のポイント(疑わしきは罰せず?国に忖度??)
http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/170.html
投稿者 戦争とはこういう物 日時 2023 年 1 月 18 日 23:10:47: N0qgFY7SzZrIQ kO2RiILGgs2CsYKkgqKCpJWo
 

(回答先: 強制起訴された東電旧経営陣の控訴審は18日に判決 公判を傍聴した男性が「これが裁判?」と思った理由(東京新聞) 投稿者 蒲田の富士山 日時 2023 年 1 月 17 日 14:58:11)


 刑事訴訟のハードルが高いといわれるのは冤罪防止のために「疑わしきは被告人の利益に」の原則を当てはめるからだ。しかし100人を超える犠牲者の責任を問うこの裁判で「学者が波の高さを証明できなかったから無策で通した社長も無罪」として良いのだろうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ここから)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230118/k10013952821000.html

【詳細】東電旧経営陣3人に無罪判決 東京高裁 判決のポイント
2023年1月18日 21時58分

福島第一原発事故をめぐり、東京電力の旧経営陣3人が業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴された裁判で、東京高等裁判所は「巨大津波の襲来を予測することはできず、事故を回避するために原発の運転を停止するほどの義務があったとはいえない」と判断し、1審に続いて3人全員に無罪を言い渡しました。

東京電力の会長だった勝俣恒久被告(82)と副社長だった武黒一郎被告(76)、武藤栄被告(72)の3人は、福島県の入院患者など44人を原発事故からの避難の過程で死亡させたなどとして、検察審査会の議決によって業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴され、1審では3人全員が無罪を言い渡されました。

18日の2審判決で東京高等裁判所の細田啓介裁判長は、争点となっていた震災の9年前に国の機関が公表した地震の予測「長期評価」の信頼性について、「10メートルを超える津波が襲来する現実的な可能性を認識させるものだったとはいえない」と否定しました。

その上で「電力供給義務を負う事業者は漠然とした理由で原発の運転を止めることはできない。長期評価の性質や、3人の当時の認識なども考慮すると、事故を回避するために原発の運転を停止するほどの義務があったとはいえない」と判断しました。

さらに「防潮堤の建設や、建屋などへの浸水を防ぐ対策をとるべきだった」という指定弁護士の主張について「事後的に得た情報や知見を前提にしていて、これらの対策で事故を回避できる可能性があったという証明が不十分だ」と一蹴し、1審に続いて3人全員に無罪を言い渡しました。
18日は3人の被告のうち武黒元副社長と武藤元副社長が法廷に姿を見せ、無罪が言い渡されたときは証言台の前に立ってまっすぐ裁判長の方を見ていました。

【判決のポイントは】
未曽有の被害を出し、“世界最悪レベル”といわれた福島第一原発事故。強制的に起訴された旧経営陣3人について、裁判所は改めて刑事責任は問えないと判断しました。
Q.裁判の争点は?
A.原発事故を引き起こすような巨大な津波を予測できたかどうかという「予見可能性」と、予測が可能だったとして有効な対策をとれば事故を避けられたかという「結果回避可能性」の2点でした。そして、これらを判断するポイントとなるのが、震災の9年前の2002年に公表された「長期評価」の信頼性です。
Q.「長期評価」とは何?
A.「長期評価」は、地震や津波などの専門家でつくる国の地震調査研究推進本部が示した巨大な津波を伴う大地震が起きる確率に関する予測です。福島県沖を含む広い範囲で巨大な津波を伴うマグニチュード8クラスの大地震が、30年以内に20%程度の確率で発生するという見解が示されていました。

検察官役の指定弁護士は、元会長ら3人の「予見可能性」を認める根拠としてこの「長期評価」を挙げ、「信頼性がある情報で、内容について報告を受けていた元会長ら3人は10メートルを超える津波が原発に襲来する危険性を予測できたはずだ」と主張しました。しかし、1審は「専門家の間でも意見が分かれていた」などとして長期評価の信頼性を否定。高裁がどう判断するかが注目されていました。

Q.「長期評価」の信頼性を高裁はどう判断した?
A.判決は1審に続いて「長期評価」の信頼性を否定しました。理由については大地震が発生する可能性があるとした理由を明確に示していないことや、前書きに「予想される地震の規模や数値には誤差を含んでいる」などと記され、福島沖を含む領域の発生確率の信頼度は「やや低い」とされていたことなどを挙げ、「原発の敷地を超える10m以上の津波が襲来する現実的な可能性を認識させるような情報だったとはいえない」と判断しました。

Q.「予見可能性」の判断は?
A.巨大津波が原発を襲うことを3人は事故の前に予測できたのか。東京電力は事故前に「長期評価」の見解をもとに想定される津波の高さの試算を行っていて、最大で15.7メートルの高さの津波が襲うという結果が出ていました。指定弁護士はこの試算についても危険性を予測できたとする根拠としてあげていました。
しかし、判決は「『長期評価』の見解をもとに想定される津波の高さを求めることは、 不確実性を増幅させるものとなり、現実の津波対策に取り入れるべきだというほど信頼性のある内容だったとは認めがたい」と指摘。また、3人の認識についても「武藤元副社長は部下から『長期評価』の見解には信頼性がないと告げられていた。勝俣元会長と武黒元副社長も原発の敷地の高さを超える津波が襲来するという現実的な可能性を認識していなかった」と認定し、「原発の運転を停止しなければならないほどの予見可能性があったとはいえない」と結論づけました。

Q.「結果回避可能性」の判断は?
A.高裁の審理で指定弁護士は、1審判決が事故を防ぐための対策を「原発の運転停止」に限定して判断したことを批判し、防潮堤の設置や機器や設備の浸水を防ぐ「水密化」などでも防ぐことができたと主張していました。これについて判決は「事後に得られた情報や知見を前提にしている上、こうした対策を講じた場合に事故を回避できた可能性があるという証明はできていない」と退けました。「予見可能性」も「結果回避可能性」もなかったと判断された結果、3人に無罪が言い渡されました。

●被害者側の支援者「全員無罪 不当判決」
東京高等裁判所の前では、判決言い渡し直後の午後2時すぎ、裁判所から出てきた被害者側の支援者らが「全員無罪 不当判決」と書かれた紙を掲げると、集まった人たちから「悔しい」とか「許せない判決だ」などと落胆や怒りの声があがりました。

●傍聴遺族「2度も地獄にたたき落とされた気持ち」
高等裁判所の判断を直接聞きたいと、判決の言い渡しを傍聴した遺族もいます。福島県大熊町に住んでいた菅野正克さんは、原発事故のあと99歳の父親を亡くしました。父親は震災当時、大熊町にある双葉病院に入院していましたが、長時間の避難を強いられて事故の3か月後に亡くなり、災害関連死と認定されました。今回の裁判で被害者とされた44人には含まれていませんが、原発事故の真相を知りたいとこれまでもたびたび裁判を傍聴してきました。

きょうも法廷で判決の言い渡しを聞いた菅野さんは、「裁判を終えて怒りとむなしさだけが残りました。2審の判決には多少は期待していましたが、2度も地獄にたたき落とされた気持ちです。市民感覚からかけ離れた判決内容で、この判決をもって経営陣の責任がなくなったわけではないので、そのことを忘れないでほしい」と話していました。

●遺族「3人には何かしらの責任がある」
今回の裁判で被害者とされた44人の遺族の1人、保延ミツ子さん(92)は、避難先の福島県いわき市の家で午後2時から始まった判決の言い渡しに関するニュースを待ちました。そして、1審に続いて2審でも全員に無罪が言い渡されたと速報されると、硬い表情のまま無言でテレビ画面を見つめていました。

保延さんは「何回やっても同じ結果ですが、3人には何かしらの責任があると思っています。何か物が欲しい訳ではなく、線香をあげにでも来てもらいたいです。この年になってどうすることもできないですが、今でも多くの人が私のようにふるさとを追い出され、家族との離れ離れの生活を送っています。このままあきらめるしかないと思っています」と話していました。

原発事故が起きた当時、保延さんは浪江町に暮らし、夫の欣司さん(当時82)は原発が立地する大熊町にあった双葉病院に入院していました。

欣司さんは、地震発生の3日後に入院先の病院から救出され、ほかの患者とともに避難所となっていたいわき市の高校の体育館に向かいましたが、乗っていたバスは、原発周辺の避難区域を避けるため、70キロから80キロほど離れた福島市や郡山市までう回せざるをえず、治療を受けられないまま10時間かけて移動する間に脱水症状を起こし、翌日、たどりついた体育館で亡くなりました。

保延さんは当時を振り返って「遺体を渡されただけでどのようにして亡くなってしまったのか聞きたいです。夫が目を閉じるときにそばにいてあげたかったです」と話していました。
大熊町長「割り切れない思いを持つ人もいるだろう」
今回の判決について、福島第一原発が立地し、この裁判での被害者が入院していた双葉病院があった福島県大熊町の吉田淳町長は「判決は判決として受け止めるが、町民の中には民事で東京電力を訴えている人もいて、割り切れない思いを持つ人もいるだろう。東京電力が事故を起こしたのは間違いのないことなので、あのような事故を2度と起こさないと肝に銘じ、廃炉や賠償を確実に進めて欲しい」と話していました。

●川内村長「司法判断の評価は難しい」
今回の判決について、原発事故の発生当時から福島県川内村の村長を務め、全ての住民に避難指示を出した遠藤雄幸さんは、「司法の判断なのでなかなか評価は難しいが、事故は収束しておらず、賠償の問題も残っている。川内村の村民もいまだ2割が避難を余儀なくされているので、国と東京電力には今後もしっかりと被災地と被災者の立場に立って対応してもらいたい」と話していました。

その上で、「時間はあらゆるものを過去に追いやってしまうが、事故が起きたことは決して忘れてはならず、事故の記憶が薄らぐ中でも責任の所在を明らかにしていくべきだ。最高裁の判断はまだなので、最高裁の最終的な判断を待ちたい」と話していました。

●東電「コメントは差し控えます」
東京高等裁判所の判決を受けて東京電力は「福島第一原子力発電所の事故によって福島県民の皆さまをはじめとする多くの皆さまに大変なご迷惑とご心配をおかけしていることについて、改めて心からお詫び申し上げます。事故に関わる当社の元役員、3人の刑事責任を問う訴訟が継続していることは承知していますが、当社としてのコメントは差し控えます」というコメントを発表しました。

●指定弁護士は上告を検討
検察官役の指定弁護士5人は、判決を受けて記者会見を開きました。この中で石田省三郎弁護士は「きょうの判決は、国の原子力政策に呼応した政治的な判断だと思う。原発事故の過失責任が問われないというのは極めて不合理で、到底容認できない」と強調しました。

その上で「『長期評価』の信頼性を1審判決と同様に全面的に否定し、その意義を軽視するもので、厳しく批判されなければならない」と述べ、最高裁判所に上告するかどうか検討する考えを示しました。

また、久保内浩嗣弁護士は「科学的に解明できていない未知の地震・津波に対しては対策を講じる必要がないというのに等しい判決で、原発事故についてこういう判断でいいのかと問題意識を持っている」と述べました。

●専門家「裁判所の判断に疑問が残る市民も多いのでは」
判決について、法理学が専門で福島第一原発の事故をめぐる裁判に詳しい東北大学の樺島博志 教授は「従来の判例などから考えると、『3人に過失がなかった』として無罪判決が言い渡されたことは予想可能な内容と言える」と話しています。

一方で「刑事裁判で無罪となることは『過失はなかった』、つまり、福島第一原発の事故は人災ではなく自然災害によって起きたということになり、こうした裁判所の判断について疑問が残る市民も多いのではないか。法律家と市民の間で受け止め方のズレがある」と指摘しました。

その上で「道徳的な責任を問うだけでは、電力会社の経営幹部に、原発の安全対策に対するインセンティブが十分に働かない。安全に対する意識を経営幹部に持たせるためのシステムを考えていく必要がある」と述べました。

●松野官房長官“2度とこうした事故が起きないようにする”
松野官房長官は記者会見で個別の判決についてのコメントは差し控えるとした上で「事故の教訓を踏まえ、2度とこうした事故が起きないようにすることが政府の役割と認識している。引き続き被災された方々に寄り添って、福島の復興や再生に向けた取り組みを、全力で進めるとともに福島第一原発の廃炉などを着実に進めていきたい」と述べました。

・あわせて読みたい
柏崎刈羽原発 東電会長“再稼働の時期 明確に示すべきでない”

1月17日 17時53分

福島第一原発 処理水放出「漁業者に配慮し支援策を」 野村農相

1月17日 14時34分

福島第一原発 処理水放出の開始時期 春から夏ごろ見込む 政府

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ここまで)

関連:
■茨城県の東海原発の高さ6.1mの防潮壁が完成するのが3日遅かったらメルトダウンの恐れがあった(まっちゃんのブログ)
http://www.asyura2.com/13/genpatu35/msg/869.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 1 月 21 日 22:00:00: igsppGRN/E9PQ

■非常用電源故障、東海第2原発も=想定引き上げ、功を奏す−冷却ポンプ1台水没(時事通信)
http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/140.html
投稿者 gataro 日時 2011 年 3 月 29 日 16:25:21: KbIx4LOvH6Cc■
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 2023年1月20日 10:14:25 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[15916] 報告
〖福島原発事故刑事過失事件、東電旧経営陣は二審も無罪、「13兆円賠償命令」との違いは?〗郷原信郎の「日本の権力を斬る!」#213
郷原信郎の「日本の権力を斬る!」
2023/01/20
https://www.youtube.com/watch?v=gMxzA_V-ELM

▲上へ      ★阿修羅♪ > 原発・フッ素54掲示板 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
最新投稿・コメント全文リスト  コメント投稿はメルマガで即時配信  スレ建て依頼スレ

▲上へ      ★阿修羅♪ > 原発・フッ素54掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
原発・フッ素54掲示板  
次へ