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「敵基地攻撃(反撃)能力保有」論の盲点 専守防衛能力の向上こそが急務 ここがおかしい 小林節が斬る!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/304637
2022/04/30 日刊ゲンダイ
小林節慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ
「敵基地攻撃(反撃)能力保有」論は、「ゴキブリは元から絶たなければいなくならない」という主張と同じで、この国を敵の攻撃から守るという観点からは、一見、筋が通っている。
第2次世界大戦に対する反省から、憲法9条を制定し、「戦力」と「交戦権」という国際法上の戦争の手段を自らに禁じたわが国は、「専守防衛」というユニークな防衛政策を堅持してきた。
つまり、@こちらからは海外に打って出ない。Aしかし、独立主権国家の自然権である自衛権はわが国にもあるのだから、外敵が侵入してきたら、軍隊ではない自衛隊で、日本の領域と周辺だけを用いてしっかり撃退する。
これは、「やられてからやり返す」という原則では「やられて滅ぼされてからではやり返せないのでは?」という疑問に逢着(ほうちゃく)してしまう。だから、「相手が攻撃態勢に入ったらその基地を叩いていい」、さらに、「相手は移動式のミサイル発射装置を複数使っている以上、その指揮命令の中枢を撃たなければ自衛は全うできない」という結論に至る。
しかし、現実の戦争はそのようなものではない。まず、大国は戦わずに相手国を服従させようと、外交、軍事演習等で圧力をかける。そのうえで、できるだけ無傷の相手国を占領、支配しようと、大掛かりな準備をして侵攻を開始する。これが普通の戦争で、今回のロシアによるウクライナ侵攻もそうであった。
専守防衛能力の向上こそが急務である
だから、ウクライナは準備をして迎え撃てたために、ロシアの思惑は外れて互角の長期戦になってしまった。
もしも、ウクライナの意思と装備と国際世論について事前にロシア政府の側に正確な情報があったなら、ロシアは、今回のように自軍の脆弱(ぜいじゃく)性を露呈してしまう戦争は開始しなかったはずである。
その点で、日本の経済力、技術力、教育水準に支えられた精鋭自衛隊の能力の高さは公知の事実である。加えて、報道の自由が保障されたわが国で、日本国民が「専制と軍国主義」を峻拒(しゅんきょ)していることも明らかである。
だから、ロシア、北朝鮮、中国に隣接したわが国が今すべきことは、「先制攻撃論」と取られかねない議論ではなく、事実として専守防衛の質を速やかに高めることであろう。
小林節 慶応大名誉教授
1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院の客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著) 5月27日新刊発売「『人権』がわからない政治家たち」(日刊現代・講談社 1430円)
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