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『中国SNSで大炎上!日本の外務省アジア局長が”頭を下げた”と大興奮…中国側はポケット両手突っ込み上から目線?現場映像の真実を徹底解説』
https://www.youtube.com/watch?v=SMQE7gfowZc
最近、中国のTikTok中国版(抖音)やその他の動画サイトで、ある写真と5〜10秒程度のショート動画が大変な話題になり、大きな人気を集めています。
それは、日本の外務省アジア大洋州局の金井局長と、中国外交部のアジア司(大洋州司)の盧沙野司長が会談した後、会場を出て少し立ち話をする様子を中国側の記者が撮影したものです。
動画では二人が並んで立っているのですが、左側にいる日本の金井局長が少し頭を下げているように見えることと、中国側の盧沙野司長が両手をズボンのポケットに入れて、いかにも上から目線で余裕たっぷりの姿勢に見えることから、中国のネット民が大興奮しています。
「日本人が頭を下げて弱さを認めた!」「中国の大国としての威厳がカッコいい!」といったコメントが大量に流れています。
私にも友人がその動画を送ってきて、「どう思う?」と聞かれました。
実はよく見てみると、金井局長は単に隣にいる通訳の話を真剣に聞いている最中で、日本人がよくやる「うなずき」や「少し会釈しながら耳を傾ける」仕草をしているだけです。特に頭を下げて恭順の意を示しているわけではありません。
それなのにここまで興奮しているのは、中国のメディアが意図的にそういう雰囲気を演出し、国民に対して「ほら、見てごらん。中国政府は今とても強い。日本側の外交官に頭を下げさせているんだぞ」とアピールしたいからでしょう。
日本側によると、事前の調整が一切なく、中国側が一方的にメディアに撮影させたそうで、日本側はかなり立腹しているようです。
実は先日、日本の船越アジア大洋州局長(当時)が「台湾有事は日本の存立危機事態になり得るため、集団的自衛権の行使もあり得る」と発言した後、中国側は「台湾海峡の緊張は低下した」と結論づけています。
今回も、中国は国内向けにこの写真・動画を流し、さらに日本の水産物の輸入を一時停止にするなど強硬な姿勢を見せていますが、私の感覚では、これだけ国内で強気な姿勢をアピールすればするほど、実際に台湾に対して何かを仕掛ける可能性は極めて低いと考えています。
おそらく数日〜3、4週間、遅くとも1ヶ月もすれば、中国政府はネット世論を別の事件に誘導し、この話題はなかったことにされるでしょう。船越氏の発言も、上層部(おそらく習近平国家主席)が「聞かなかったことにする」と思います。これが一番可能性が高いシナリオです。
なぜそう言えるかというと、近年の中国を見てきた経験則として、中国のメディアや外交部が大げさに反日宣伝をしたり、「断固たる軍事力で敵を殲滅する」「血の海にする」といった過激な表現を使えば使うほど、実際に何かを実行する可能性は逆に低いからです。
今回も中国ネット民は興奮していますが、金井局長と盧沙野司長が廊下で交わした短い会話は、実質的な内容は何もなかったはずです。
ここで日中双方の認識の大きなズレが二つあります。
第一に、日本では政治家(政務)と官僚(事務)が明確に分かれています。外務省の局長クラスは事務官であり、政策の実行や情報収集・伝達が主な役割で、政治的な決定権はありません。
一方、中国では同じ局長・司長クラスでも全員が「政務官」的存在で、党への忠誠や政治活動が昇進の絶対条件です。技術官僚として優秀でも、政治的な動きができなければ上に上がれません。
つまり、日本が事務官である金井局長を送ったのに対し、中国は政務官である盧沙野司長を出した時点で、両者の会話に実質的な成果が生まれるはずがないのです。
第二に、台湾をめぐる大前提が完全に違っています。
日本側(と米国)は、台湾が事実上の独立政権であり、半導体をはじめとするハイテク産業が世界経済の70〜80%に深く関与しているため、武力による現状変更は日本・米国だけでなく世界経済全体の存立危機になると認識しています。だからこそ「存立危機事態」という強い表現になるのです。
一方、中国側は、1970〜80年代に米国が意図的に作った「曖昧な状況」を、自分たちに都合よく「一つの中国=台湾独立は認めない」と概念をすり替えて国内・国際的に繰り返し宣伝してきました。その結果、今では中国上層部がそれを「当たり前」の前提として語っています。
このように大前提が完全に食い違っている以上、局長・司長レベルの会談で何を話しても意味はありません。
さらに、中国が本当に気にしているのは日本の態度ではなく、圧倒的な軍事力を持つ米国の態度です。中国にとっての本当の相手は常にアメリカです。
したがって、今回の船越発言も、中国政府にとってはむしろ都合の良い材料です。国内の不満や失業・経済問題などから国民の目をそらすために、「また日本が敵対的なことを言ってるぞ」と愛国心を煽るのにちょうど良かったのです。
盧沙野司長の「ハンド・イン・ポケット」姿勢も、国内向けの計算された演技にすぎません。
おそらく2〜3週間、遅くとも1ヶ月もすれば、すべてが元に戻り、何事もなかったように収束するでしょう。
以上、あくまで私個人の分析と推測です。
《コメント》(1,812 件、掲載略)
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