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暮らし脅かす汚染物質 未来にツケ回さぬ行動を/毎日新聞
2025/5/4
https://mainichi.jp/articles/20250504/ddm/005/070/090000c
便利で快適な暮らしを手に入れるため、人類はさまざまな物質を作り出してきた。ただ、それが環境に負荷を与え、現代社会のリスクとなっている。
劇場や古着屋が集まる東京・下北沢に4月、小さな食料品店がオープンした。店頭にはバナナやミニトマト、卵などが包装されないまま並ぶ。好きな量を自分で量って購入し、マイバッグなどで持ち帰る。コーヒー豆やシリアル類は再利用可能な瓶の容器に入っており、飲食後に店頭に返却する。
ごみを減らし、持続可能なライフスタイルを広める狙いがある。
軽くて丈夫、安価なプラスチックは暮らしの隅々まで浸透している。経済協力開発機構(OECD)によると、2019年の世界全体の生産量は4億6000万トンに上り、00年から倍増した。その約4割を占めるのが容器や包装だ。
便利さにひそむリスク
廃棄される量も膨大だ。多くは埋め立てられているが、19年には1年間で約2200万トンが海などへ流出したと試算されている。
沿岸に漂着してごみとなるだけでなく、体にからまったり、のみ込まれたりして、海の生き物の命を脅かす。紫外線や波の力で小さくなったプラ片は、海鳥や魚の体内からも見つかっている。人体にも容器や食品などを通じて微細なプラ片が取り込まれる場合がある。
国連環境計画によると、プラ生産には1万3000種以上の化学物質が使われ、このうち数千種類について有害性が指摘される。健康リスクは不明な点が多いが、生活習慣病の発症、生殖機能の低下を招くとの報告もある。
各国はプラ汚染の根絶に取り組もうとしている。懸念されるのは、国境を超えた対策を進めるための条約策定が難航していることだ。
生産そのものの規制を主張する欧州やアフリカ、島しょ国に対し、原料の石油を産出するサウジアラビアやロシアが反対している。
1人当たり廃棄量が、米国に次ぐ世界2位の日本が果たす役割は大きい。できるだけ多くの国の参加が望ましいとの立場から、各国の実情に合わせて削減を進めるべきだという考えだ。しかし、これでは汚染を止めることは難しい。
消費者の意識は変わりつつある。22年の内閣府の世論調査では、過剰だと思うプラスチックについて「弁当で使われる小分け用容器や飾り」「通販での包装や緩衝材」などを挙げる人が多かった。
削減の鍵を握るのは企業の取り組みだ。量り売りのシャンプーや洗剤を、持ち込んだ容器に詰められるコンビニ店も出てきた。とはいえ、こうした試みは一部にとどまる。
スーパーで不必要なプラスチックの包装をなくすとともに、微生物の働きで分解される生分解性プラなどの普及を産業界全体で推進すべきだ。
まずは身近な一歩から
環境を汚染する化学物質は、プラスチックだけではない。最近問題となっているのが、自然界で分解されないため「永遠の化学物質」と呼ばれる有機フッ素化合物(PFAS)だ。
国連環境計画によると、プラ生産には1万3000種以上の化学物質が使われ、このうち数千種類について有害性が指摘される。健康リスクは不明な点が多いが、生活習慣病の発症、生殖機能の低下を招くとの報告もある。
各国はプラ汚染の根絶に取り組もうとしている。懸念されるのは、国境を超えた対策を進めるための条約策定が難航していることだ。
生産そのものの規制を主張する欧州やアフリカ、島しょ国に対し、原料の石油を産出するサウジアラビアやロシアが反対している。
1人当たり廃棄量が、米国に次ぐ世界2位の日本が果たす役割は大きい。できるだけ多くの国の参加が望ましいとの立場から、各国の実情に合わせて削減を進めるべきだという考えだ。しかし、これでは汚染を止めることは難しい。
フッ素樹脂加工のフライパン、はっ水処理の服、泡消火剤などに使われてきたものは発がん性などが指摘されている。残留性が高い有害物質を規制するストックホルム条約に基づき、日本も製造や使用を法律で禁止している。ただ、有害性が確認されていない種類は規制対象に含めていない。
欧州連合(EU)では、全ての種類のPFASを一括規制する仕組みが検討されている。国立環境研究所の名誉研究員、柴田康行さんは「欧州では有害性が確認しきれなくても、健康影響の懸念があれば、より安全な物質に置き換えていこうという意識が高い」と指摘する。
企業は、高機能の素材や製品づくりのために日々、新しい物質の開発を競い合っている。世界に存在する化学物質は2億種を超え、ここ数年は2秒に1種のペースで生まれている計算になる。
だがPFASのように、一旦、環境中に広がると取り除くことが難しいものもある。製造や使用が禁止された今も、河川や地下水からの検出が続く。リスクを軽視して大量に使い続ければ、将来世代にツケが回る。
利便性や効率を優先し、対策が後手に回った公害の歴史を教訓にしなければならない。国、企業、市民が、それぞれの立場で削減努力を尽くすことが求められる。
消費者の意識は変わりつつある。22年の内閣府の世論調査では、過剰だと思うプラスチックについて「弁当で使われる小分け用容器や飾り」「通販での包装や緩衝材」などを挙げる人が多かった。
削減の鍵を握るのは企業の取り組みだ。量り売りのシャンプーや洗剤を、持ち込んだ容器に詰められるコンビニ店も出てきた。とはいえ、こうした試みは一部にとどまる。
スーパーで不必要なプラスチックの包装をなくすとともに、微生物の働きで分解される生分解性プラなどの普及を産業界全体で推進すべきだ。
フッ素樹脂加工のフライパン、はっ水処理の服、泡消火剤などに使われてきたものは発がん性などが指摘されている。残留性が高い有害物質を規制するストックホルム条約に基づき、日本も製造や使用を法律で禁止している。ただ、有害性が確認されていない種類は規制対象に含めていない。
欧州連合(EU)では、全ての種類のPFASを一括規制する仕組みが検討されている。国立環境研究所の名誉研究員、柴田康行さんは「欧州では有害性が確認しきれなくても、健康影響の懸念があれば、より安全な物質に置き換えていこうという意識が高い」と指摘する。
企業は、高機能の素材や製品づくりのために日々、新しい物質の開発を競い合っている。世界に存在する化学物質は2億種を超え、ここ数年は2秒に1種のペースで生まれている計算になる。
だがPFASのように、一旦、環境中に広がると取り除くことが難しいものもある。製造や使用が禁止された今も、河川や地下水からの検出が続く。リスクを軽視して大量に使い続ければ、将来世代にツケが回る。
利便性や効率を優先し、対策が後手に回った公害の歴史を教訓にしなければならない。国、企業、市民が、それぞれの立場で削減努力を尽くすことが求められる。
企業は、高機能の素材や製品づくりのために日々、新しい物質の開発を競い合っている。世界に存在する化学物質は2億種を超え、ここ数年は2秒に1種のペースで生まれている計算になる。
だがPFASのように、一旦、環境中に広がると取り除くことが難しいものもある。製造や使用が禁止された今も、河川や地下水からの検出が続く。リスクを軽視して大量に使い続ければ、将来世代にツケが回る。
利便性や効率を優先し、対策が後手に回った公害の歴史を教訓にしなければならない。国、企業、市民が、それぞれの立場で削減努力を尽くすことが求められる。
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