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「都市鉱山」の資源が海外に流出する"残念な現状"/東洋経済オンライン
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投稿者 仁王像 日時 2025 年 8 月 13 日 05:04:20: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

「都市鉱山」の資源が海外に流出する"残念な現状"/東洋経済オンライン
黒田 武志
https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E9%83%BD%E5%B8%82%E9%89%B1%E5%B1%B1-%E3%81%AE%E8%B3%87%E6%BA%90%E3%81%8C%E6%B5%B7%E5%A4%96%E3%81%AB%E6%B5%81%E5%87%BA%E3%81%99%E3%82%8B-%E6%AE%8B%E5%BF%B5%E3%81%AA%E7%8F%BE%E7%8A%B6/ar-AA1KlYZR?ocid=hpmsn&pc=EUPP_LCTE&cvid=b7133089409c44d4bef817c847a22f66&ei=12

「経済安全保障」の観点からすれば、本来、日本にとっては資源調達力こそが生命線のはずですが、リネットジャパングループ株式会社代表取締役社長の黒田武志氏によれば、じつは日本は大量の「循環資源」を海外に輸出してしまっているといいます。
いわゆる「都市鉱山」と呼ばれる、使用済みの家電製品やパソコンなどが、国内で適正にリサイクルされていないのはどうしてなのでしょうか。黒田氏の著書『私たちは地域の社会課題をビジネスで解決したい 700の自治体と創る「環福連携モデル」』から一部を抜粋・編集する形で解説します。
経済安全保障の観点での「資源循環」の必要性
日本は資源小国とされ、資源自給率が低いため、世界トップクラスの資源の購買国でした。しかし、これからは新興国の伸長により、日本の資源調達力は相対的に下落傾向が続くと見込まれています。

鉱石資源はレアメタル、ベースメタルともに地域的に偏在する形で埋蔵されています。そのため、特定の国への供給依存度が高く、特定の国の供給ショックが全世界の需給に大きく影響する構造になっています。
こうした構造を逆手にとって、資源保有国では、保護主義や資源ナショナリズム的な動き、あるいは他国への外交ツールとして利用する動きが活発化しています。

中国は1998年にレアアースに対する輸出割当制を導入し、2006年以降、輸出関税を引き上げました。

このような動きが、日本国内でのレアメタル、レアアースの国内資源循環を推進する小型家電リサイクル法の制定につながっていきました。中国は、その後、WTOに敗訴しましたが、2015年から輸出許可制が導入されています。
また、インドネシアはニッケルについて2020年に、国内でのニッケル製錬とEV用バッテリー産業の開発を推進するため、ニッケル鉱石の輸出禁止措置を導入しました。

昨今、ロシアとウクライナの問題を契機に世界の分断化の動きは大きくなっており、それに伴い資源供給が途絶えるリスクも高まっています。そのような背景から、日本国内に資源大国並みに眠る都市鉱山を有効活用する小型家電リサイクル法の重要性は、次第に高まっているといえます。
ですから小型家電リサイクル法はもっと政策の中心に位置付けて議論されるべきなのですが、そうではないのが現状です。

大量の循環資源を「輸出」している日本
現在の日本の実態は、大量の循環資源を国内で再利用するよりも、国外に輸出してしまっている状況です。
なぜかというと、産業廃棄物として処理された循環資源は、日本国内より新興国をはじめとする海外諸国へ売ったほうが高く売れるからです。

新興国などでは人件費も安く、公害対策などの規制が日本より緩いこともあり、ローコストで廃棄物の処理ができる分だけ資源の取引価格が高額になる傾向があります。
そのため、経済合理性に従い、日本から海外へ貴重な都市鉱山の資源が流出する構造になっているのです。

さらに、資源の主な輸出先となる新興国では、適正な処理を行うキャパシティがないため、新たな環境問題も引き起こしています。そのようなことから、近年では産業廃棄物の輸入を禁止する動きも出てきており、廃プラスチックの輸入禁止措置は、中国、インド、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシアで行われています。

廃棄物の越境移動を制限する条約としては、バーゼル条約があります。これは、途上国の環境保護のため、有害廃棄物の輸出入を規制する条約で、1992年に発効されました。有害廃棄物の国内処理の原則化や越境移動の最小化を目指し、輸出に先立つ事前通告、同意取得の義務などが課せられています。

バーゼル条約では、廃棄物の中で有害な特性を有するものを有害廃棄物として、規制の対象としています。この規制の対象が近年は拡大し、非有害な電子・電気機器廃棄物(E-Waste)についても、2022年6月のバーゼル条約CAP15において規制対象となることが決定されました。2025年1月より発効されています。

これは、パソコンなどの小型家電リサイクルにとっては大きなインパクトがある動きです。
現在、国内の使用済みパソコンは約4割が海外に流出しています。リース会社に戻ってくるパソコンなどは、国内での資源循環が担保されていない通常の廃棄物処理法の許認可で処理されており、高値で売却できる海外の業者に売り渡されることが多い状況です。

小型家電リサイクル法は、国内での資源循環が前提の法律で、私たちのように環境省、経済産業省の大臣認定を取得した企業は、回収から中間処理、そして精錬に至る取引先まで国に届けることが義務付けられています。また、国の立ち入り検査も定期的に行われます。
資源の国内循環を推進するのなら、本来は、小型家電リサイクル法ですべての電子機器を処理すべきだと思います。しかし、小型家電リサイクル法は罰則規定のない促進法です。
大型家電4品目(テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機)に対する家電リサイクル法のような罰則規定がある法律とは異なり、法的拘束力が強くありません。

そのため、小型家電リサイクル法ができる以前からあった、従来の廃棄物処理法のライセンスで処理するルートからの切り替えが行われず、相変わらず海外への都市鉱山の流出が続いているのが実情なのです。今後、バーゼル条約の動向などが追い風になり、国内資源循環が進むことを期待したいと思います。

GIGAスクール構想で導入された約950万台の端末
GIGAスクール構想として全国の小中学校に国費6000億円をかけて導入された約950万台のパソコンやタブレットですが、更新されて不要になった旧端末は、本来であれば、都市鉱山の有効活用の観点から国内資源循環を前提とした小型家電リサイクル法で処理すべきものです。
環境省、経済産業省も旗を振ってはいますが、罰則規定のない促進法のため、全国の自治体にどこまで周知が徹底されるかは現時点では不明です。

環境省は自治体向け説明会を開催するなど、これまでにないほど前向きに取り組んでいますが、やはり、促進法の限界があると言わざるを得ません。
税金で購入された「都市鉱山の製品」は国内で回収を
民間企業で使用されていたパソコンなどの小型家電製品の処理ルートを、これまでのルートから変更していくことは決して容易ではありません。

しかし、これだけ都市鉱山の重要性が叫ばれ、経済安保の観点からも議論されていることを考えれば、まずは国や自治体など行政で使われている製品、つまり税金で購入された都市鉱山の製品を小型家電リサイクルで回収し、リサイクルすることを議論すべきではないでしょうか。
これが実現できれば、小型家電リサイクルの回収量は大きく伸び、都市鉱山のリサイクルも大きく進むことになるはずです。

また、認定事業者の業界としてもジリ貧傾向の回収量を反転させることになり、業界全体のビジネスとしてのモチベーションも大きく改善するように思います。
さらに、そうなれば、新規に小型家電リサイクル法の認定を取得して参入する、優良で意欲的なリサイクル事業者の参入も増えることになり、業界としての発展にもつながるはずです。
 

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