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「米国抜きの世界」印象付けた中国、トランプ政権の「空白」巧みに利用 東大の佐橋亮教授／産経新聞
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E6%8A%9C%E3%81%8D%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C-%E5%8D%B0%E8%B1%A1%E4%BB%98%E3%81%91%E3%81%9F%E4%B8%AD%E5%9B%BD-%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97%E6%94%BF%E6%A8%A9%E3%81%AE-%E7%A9%BA%E7%99%BD-%E5%B7%A7%E3%81%BF%E3%81%AB%E5%88%A9%E7%94%A8-%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E3%81%AE%E4%BD%90%E6%A9%8B%E4%BA%AE%E6%95%99%E6%8E%88/ar-AA1LDzIR?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=8332ac1b885b481c8e5703630b219ae1&ei=46
中国の習近平主席は1日、天津市で開かれている上海協力機構（SCO）首脳会議で演説した。習氏の狙いや国際社会への影響について、東大の佐橋亮教授に聞いた。
習氏はSCO首脳会議で、「中国流の国際秩序」を世界にアピールすることに成功した。世界に米国中心とは異なる軸、中国の言う「多極化世界」が作られつつあると国際社会に印象付ける場になってしまったといえる。
ロシアのプーチン大統領に加え、関係が緊張していたインドのモディ首相までもが集まった。3日の抗日戦争勝利80年式典には北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が出席する。中国外交にとっては「上げ潮」といえる良い期間になっている。
勢いづく中国外交の大波を生んだのがトランプ米政権だ。トランプ外交の問題は同盟国でも2国間で厳しい交渉を行い、多国間主義に重きを置かない点だ。中国は巧みな外交で米国が生んだ世界の「空白」を利用し、「米国抜きの世界」を見せつけている。
国際秩序に無関心なトランプ政権のせいで中国の主張が日増しに説得力を増している印象だ。習氏は演説で米国を念頭に「いじめ行為に反対する」と述べた。権威主義国の中国のこうした主張も、以前なら疑いの目で見ていた一部の民主主義国に響き始めている。
東南アジアは米中どちらにもつかない均衡外交をとるが、均衡点が中国寄りになりつつある。自由と民主主義を掲げる日本は「中国に傾く世界」の現実を理解し危機感を高めるべきだ。米国を頼れない今、日本は英国などとも連携し、中国が攻勢をかけるグローバルサウス（新興・途上国）外交を強化する必要がある。何もしなければ国際秩序があっという間に崩れかねない。（聞き手 桑村朋）
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