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田中宇の国際ニュース解説 無料版 2025年10月8日 https://tanakanews.com/
■要約
戦後の英米覇権の根幹にあった「リベラル世界体制」は、今、終焉を迎えつつある。世界中でリベラル政体が弱体化し、米国では極左化した民主党を極右のトランプが退治する流れが決定的だ。西欧や日本(極右な高市早苗首相)の体制も崩壊し、ロシア、中国、インドでは非米化や民族主義の独裁が席巻している。
そもそもリベラル体制は、英諜報界が米国の覇権を牛耳るために作り上げた構造だったが、多極派とイスラエル・リクード系が結託し、911やウクライナ戦争といった稚拙かつ過激な策によって、英国系のリベラル覇権を意図的に自滅させてきた。
トランプの再選はその破壊の完結編であり、彼はネタニヤフやプーチンと同様、「偽悪的」な手法でリベラル世界戦略の道具(ノーベル平和賞など)を瓦礫の山にしようとしている。リベラルや左翼が怒り絶望するほど、国際政治はリクード系や極右側に連動し、日本もうまくいく可能性が強まるだろう。心底、怒って絶望していただきたい。
■全文引用
戦後の英米覇権の根幹にあった「リベラル世界体制」が終わりつつある感じが強まっている。米国は、リベラルな民主党が(おそらく諜報界の謀略の結果として)極左化しており、極左をテロ組織として退治する極右のトランプが民主党を弱体化する流れが決定的だ。
https://tanakanews.com/250916left.htm
トランプの左翼退治
西欧の英仏独でも、リベラルエリート(中道左右)の政権が崩壊している。日本も極右な高市早苗が首相になり、自民党のリベラル派は弱まった。
中共も、トウ小平が敷いた集団指導体制(党内リベラル)から習近平の個人独裁への転換が完了した。ロシアもウクライナ開戦後、欧米かぶれのリベラル派が急減し、プーチンの民族主義と非米化戦略が席巻している。
印度も、ヒンドゥー民族主義(イスラム敵視な極右)のモディが台頭し、リベラルな国民会議派は弱小に転落した。米国側も非米側もリベラル政体がどんどん弱まり、復権のメドがない。
https://tanakanews.com/251002gagauz.htm
続く英欧潰し
リベラルは、米ソ冷戦における西側諸国(資本主義圏)の政治体制であり、冷戦後は世界的な体制となった。冷戦後、ロシアや中国もリベラル方向を標榜するようになった(中共の経済リベラル=改革開放路線と集団指導体制など)。
リベラル体制は、経済の市場主義(資本主義)、政治の民主主義や人権重視、社会の寛容性(自由主義)などで構成される。中ソなど東側は、計画経済(社会主義)、政治の共産党独裁、社会の不寛容な上意下達性(全体主義)で、この対照性が冷戦を形成していた。
朝鮮戦争で冷戦構造が確定した後の1955年に日本の与党として作られた自由民主党の「自由」の部分は(とくに経済の資本主義を指す)「リベラル」の和訳であり、対米従属な西側の一員であることを強調する党名をつけた。(自民党の政策の社会面は、寛容でなく保守=日本伝統的全体主義)
冷戦中は、東側の社会主義(という名の全体主義)の拡大を防ぐ西側のリベラル主義という意味があった。この冷戦構造は、英諜報界が米国の覇権を牛耳るために作った構図だった。
米国は、世界大戦への参戦と引き換えに英国から覇権を譲り受け、覇権をヤルタ体制の多極型に転換したり、国連(安保理常任理事国=P5)に覇権を譲渡する「覇権の機関化」をやろうとした。英国は、覇権の新構造を破壊するため、戦後にソ連の脅威を誇張して冷戦を引き起こし、ヤルタやP5の協調体制を、米英仏(リベラル)vs中ソ(社会主義)の敵対に変えた。
米国の多極派(ロックフェラーなど)は、45年かけて冷戦を終わらせた。冷戦後、ソ連がなくなってロシアは低迷しつつリベラル化(英傀儡のオリガルヒが支配して自滅)し、中共もトウ小平による親米化とリベラル標榜に転換した。世界中がリベラル化し、リベラルは世界支配の道具でなくなるかに見えたが、実はそうでなかった。
多極派は、レーガンを動かしてドイツ再統合から欧州統合を演出し、EUを米国とは別の「極」に仕立てて世界の多極化を進め、米覇権を牛耳ってきた英国をドイツ主導のEUの中に「幽閉」して無力化しようとした。冷戦終結は、冷戦で英国支配下に置かれた多極派による英国系への反逆だった。
英国系はこれに対抗し、世界中の(英米傀儡以外の)諸国のリベラルになり切れない部分に「人権侵害」や「独裁」のレッテルを張り、米英EUが覇権勢力としてそれらの「諸悪」を経済制裁や政権転覆で退治していくリベラル覇権体制を構築しようとした。
英国系は、東欧のユーゴスラビア解体に乗じ、旧ユーゴの中心で親露なセルビア(民族がロシアと同じスラブ系)が、国内のアルバニア系(コソボ人)や近隣のボスニャク人(なんちゃってムスリム)を弾圧していると敵視し、NATO(米軍)がセルビアを攻撃してコソボを助けるリベラル米覇権策を展開し、ドイツやEUが安保的に対米従属から出られないようにした。
ドイツは英米の傀儡から出られず(米国も英傀儡なまま)、EUは英国系に支配され続けた。多極化は進まなかった。
米国の多極派は、次の策として、イスラエルの反リベラルなリクード系をテコ入れし、英国系の誘導でリベラル派のイスラエル労働党が進めていたパレスチナ国家創設(オスロ合意)を潰し、ラビンを殺し、米欧がイスラム世界を敵にする新冷戦体制のテロ戦争の構図を構築した。
リクード系は多極派の手引で米諜報界に入り込み(もともとユダヤ人は諜報界の元祖)、テロ戦争を勃発させる911テロ事件を引き起こし、イスラエルが英国系を押しのけて米覇権を牛耳る流れを作り出した。リクード系は、ネオコンなどとして米諜報界を牛耳った上で、意図的に準備不足なイラク侵攻など稚拙で過激な戦略を連発して米覇権を自滅させていった。
https://tanakanews.com/250925terror.htm
911と似たトランプの左翼テロ戦争
リクード系(と多極派の連合体)は、英国系が目指していたリベラル覇権戦略を911で乗っ取って過激に稚拙にやって自滅させることで、英国系を無力化しようとした。
その後、英国系のオバマが大統領になってリクード系の米諜報支配を崩そうとしたが、ほとんどやれずに失敗した。そしてリクード系のトランプが登場した。
リクード系と多極派は、英国系を自滅させるウクライナ戦争を起こすために2020年に民主党に不正選挙させてトランプを一回休みさせた。4年後にトランプが再選されて今年から帰り咲き、リベラル世界体制の破壊が一気に進んでいる。
https://www.kunstler.com/p/standoff
Standoff
リベラル世界体制は、英国系が米覇権を牛耳って世界を支配し続けるために作られた構造だった。米国と英国の二大政党はいずれも左派と右派のリベラルであり、この共通性を使って英国系が米諜報界に入り込んで握り、米覇権を英国系が動かしてきた(諜報力と覇権は同じもの)。
911後、米諜報界にリクード系が殴り込み、英国系を排除していった。ユダヤ人は諜報の元祖の人々であり、イスラエルは昔から諜報界と英米の二大政党に影響力があった。以前のイスラエル(労働党が中心)は英国系と協調していたが、ラビン暗殺や911後のリクード系は(多極派にそそのかされて)英国系を押しのける傾向に転じた。
トランプは、911後の流れの完結編を担当している。オバマは諜報界の主導権をリクード系から英国系に戻そうとして失敗した。トランプが最初に登場する前にすでに勝敗はついており、その後は温暖化問題や新型コロナやウクライナ戦争など、リクード系が英国系を無力化する各種の策が展開されてきた。
一般にリベラルや保守や左翼や極右は、個人や組織の政治的・社会的な趣向のことであり、諜報や覇権と関係ない。
だがラビン暗殺後、リクード系が世界の極右を強化しつつ、英国系のリベラル(や中道保守や左翼)を弱めて米諜報界=米覇権を乗っ取る動きが始まり、国際政治の世界でリベラルvs極右の対立が諜報や覇権と連動することになった。
https://bombthrower.com/the-end-of-woke-capitalism/
The End Of Woke Capitalism
トランプは最近「ノーベル平和賞をオレによこせ」と子供っぽく言い続けている。人道犯罪者のネタニヤフがトランプを平和賞に推挙している。これらの動きは、英国系のリベラル世界戦略の道具の一つであるノーベル平和賞を破壊しようとする侵攻作戦である。
ガザを瓦礫の山にするように、ノーベル平和賞を瓦礫の山にしたい。英国リベラル派のブレア元首相をガザ再建会社のトップに呼んだのも、テロ戦争の「ブッシュ&ブレア」からの流れをくむ「ピエロ化」の策略である。
http://www.rt.com/news/625719-trump-snubbing-nobel-insult-us/
Trump says snubbing him for Nobel would ‘insult’ US
https://www.timesofisrael.com/liveblog_entry/hostage-families-urge-nobel-committee-to-give-trump-peace-prize-he-brought-us-light-in-our-darkest-times/
Hostage families urge Nobel Committee to give Trump peace prize: ‘He brought us light in our darkest times’
トランプとネタニヤフとプーチンは、偽悪的な手法が共通している。最近欧州で頻発している正体不明の無人機の侵入は、ロシアの仕業とされるがそうでなく、ウクライナなど英国系の自作自演である。しかしプーチンは、自分がやったかのように「もうやらないよ」とうそぶいている。これは、ブチャ事件の時からの偽悪戦略だ。
ロシアへの敵視が強く長く続くほど、欧州は自滅的に弱体化し、英国系リベラルエリートの支配が崩れていく。フランスは組閣できなくなり、マクロン大統領は間もなく辞めざるを得なくなる。英国は、リクード系のファーラジが政権を取る準備を進めている。プーチンは偽悪的に含み笑いしている。
https://www.rt.com/news/626047-france-macron-must-resign/
Macron must resign - France’s former PM
https://tanakanews.com/220624russia.htm
プーチンの偽悪戦略に乗せられた人類
日本は、国債金利の上昇と円安が続く金融崩壊が起きている(株価だけ裏資金注入で上がっている)。経済はもうダメっぽいが、政治だけは絶妙なタイミングで反リベラルな高市早苗になり、トランプ(やネタニヤフやプーチンやメロニ)の側についた。
自民党、意外と動物的な嗅覚や蘇生力がある。うまくいくと良いが。マスコ"ミは邪魔しないで潰れてね。
米国と同様、リベラルや左翼が激怒や絶望をするほど、日本もうまくいく可能性が強まる。ネタニヤフは、そのためにガザで大虐殺した。トランプはそのためにノーベル平和賞をとる。
頭にくるでしょ。許せないでしょ。リベラルや左翼の皆様は、もっともっと怒って絶望してください。よろしくお願いいたします。
https://www.reuters.com/world/asia-pacific/trump-congratulates-woman-set-be-first-female-prime-minister-japan-2025-10-06/
Trump congratulates woman set to be first female prime minister of Japan
https://www.rt.com/news/626007-shes-just-troublemaker-trump-thunberg/
‘She’s just a troublemaker’ - Trump on Thunberg arrest in Israel
この記事はウェブサイトにも載せました。
https://tanakanews.com/251008liberal.htm
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