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(寄稿)ハマス奇襲は中国巡る米国への警告だ/The Wall Street Journal
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投稿者 仁王像 日時 2025 年 10 月 09 日 05:04:03: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

【寄稿】ハマス奇襲は中国巡る米国への警告だ/The Wall Street Journal
Mike Gallagher
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E5%AF%84%E7%A8%BF-%E3%83%8F%E3%83%9E%E3%82%B9%E5%A5%87%E8%A5%B2%E3%81%AF%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%B7%A1%E3%82%8B%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E3%81%B8%E3%81%AE%E8%AD%A6%E5%91%8A%E3%81%A0/ar-AA1O3Ykk?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=68e6bf35fef94930a04f95069b5cf309&ei=29

イスラム組織ハマスの突撃隊が2年前、パレスチナ自治区ガザからイスラエルとの境界を越えて侵入し、民間人の男性・女性・子どもを拉致し、性的暴行を加え、殺害した。イスラエルの苦い経験は、米国が自らの「審判の日」を迎える前に学ぶべき教訓を示している。

最も重要なのは、仮定の戦争が実際に起こり得るという点だ。たとえ知識レベルで備えていたとしても、われわれは相対的な平和が何年も続いたことで誤った安心感に陥っている危険がある。イスラエルの防衛当局はハマスが本格的な侵攻を仕掛けるとは本気で信じていなかった。当局はガザについて、慢性的だが対処可能な問題であり、一般市民の日常の懸念から程遠い、外交官や情報機関が扱う問題だと見なしていた。イスラエルの政治家や軍幹部がイラン主導の「イスラム主義の枢軸」との公然の衝突について語る際も、米国の政治家や軍幹部が中国や台湾危機について語る時とよく似た言い方をしていた。つまり、自国の防衛戦略の基準となる最大の脅威であり、最も起こり得る試練なのは確かだが、結局のところ「明日の問題」と捉えていた。そして、その明日が訪れた。

わが国は中国に関して同じわなに陥っているのだろうか。2023年10月7日の対イスラエル奇襲以前のハマスと同様に、中国は戦争の準備を進めていることを示唆している。27年までに台湾を武力で奪取する能力を獲得したいとの意向も表明している。地球上のどこにでも到達できる核搭載可能なミサイルを製造し、軍を近代化している。原材料の備蓄も進めている。マット・ポッティンジャー元米大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)が指摘するように、中国は共産党指導部が米国との「戦争の準備」と呼ぶ取り組みの一環として、新たな兵士募集拠点を開設し、軍事支出を急拡大している。

中国共産党はハマスではない。だがイスラエルは、ハマスがロケットの備蓄を拡大し、公然と境界防衛体制を試す様子をテルアビブから監視していた。同様に、米国とそのパートナー諸国は、ワシントンと東京と台北から、中国が侵攻用の艦隊を建造し、相手の防空体制を試すのを監視している。中国が紛争に向けた準備を進めていることにこれ以上の証拠が必要だろうか。そして、われわれの時代に戦争が起きると仮定した場合、われわれはどのように行動を変えるべきだろうか。

第2の教訓は、経済的論理でイデオロギー的狂信を抑え込むことは決してできないということだ。イスラエルはハマスを経済的な誘因で懐柔しようとした。カタールからの資金送金を促進し、ガザの数千人の労働者に就業許可証を発行し、ハマスのテロ用地下トンネルの建設に使われるのを承知の上で無料の電力供給さえ行った。だが、より快適な状況になったハマスは穏健化しなかった。その原理主義的目標の追求を思いとどまらせるものは何もなく、ハマスは米国際開発局(USAID)などからの巨額の民間人向け資金を吸い上げることさえした。戦争の初日には、貿易と雇用を促進するためにイスラエルが設置した境界検問所に火を放った。

ハマスの行動は一つのパターンに当てはまる。北朝鮮の金正恩氏は、核兵器の開発を諦めるくらいなら国民を飢えさせる方を選ぶ。イランの宗教指導者たちは地域のテロ組織を維持するために何十億ドルも費やし、自国の経済を犠牲にする。冷戦時代のソ連は、デタント(緊張緩和)の時期に自由化された貿易の恩恵を受けていたにもかかわらず、アフガニスタンに侵攻し、世界革命への取り組みを強化した。

ところが多くの米国人は(世間知らずなのか、カネに動かされているのか)、市場アクセスを通じて中国をなだめられると依然信じている。パランティア・テクノロジーズでの筆者の同僚であるシャム・シャンカール氏が指摘するように、中国はこの市場アクセスを軍事利用するために民間支援を流用する必要はない。産業基盤に軍民両用的な性質があることは、米国の消費者が中国の戦闘員を資金面で支えていることを意味する。われわれが渡す賄賂の種類が違うだけだ。つまり、工業製品の貿易赤字、先進的な半導体、資本や知的財産の移転である。ライバルに資金を渡しても、ライバルがパートナーになるわけではない。ライバルがより強力な敵になるのだ。

第3の教訓は、われわれがレッドライン(譲れない一線)を堅持しなければ、想像もできないことへの扉を開くことになるという点だ。あるイスラエル人の友人はかつて、筆者にこう説明した。家庭用プリンターで赤い線を印刷して、よく見ると、一連のピンク色の線に過ぎない。ハマスはイスラエルとの境界線をピンク色の線のように扱い、数発のロケット弾を撃ち、境界線のフェンス付近で「デモ」を行い、散発的にテロ攻撃を仕掛けて、レッドラインを試していたという。

やがてイスラエル人もほぼ同じことをするようになった。彼らは境界の町に放たれるロケット弾を「霧雨」と呼んだ。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラがイスラエル領内にテントを張っても、当局者はささいな問題として扱い、なぜか本格的な国境侵犯ではないと見なした。イスラエル人は挑発行為が起きるたび、抑止力は損なわれていないと自らに言い聞かせた。彼らは顕微鏡を通じて物事を見ていたために、全体像を見失った。

米国に同じ考え方を採用できるほどの余裕はない。中国は南シナ海での挑発行為やサイバー攻撃のほか、経済的な威圧行為を通じて、明確に定義されていない限界を試している。ロシアは戦闘機やドローンを使って北大西洋条約機構(NATO)加盟国との境界を試し、エストニアやポーランド、ルーマニア、そして恐らくデンマークの領内でもグレーゾーンの戦争を仕掛けている。
断固たる対応をしなければ、財政赤字の垂れ流しの地政学バージョンを生み出すことになる。それは未来を抵当に入れ、明日のリスク拡大と引き換えに今日の偽りの平穏を買う行為だ。英国人は第2次世界大戦前の対ドイツ宥和(ゆうわ)政策の失敗からこの教訓を学んだ。イスラエル人はハマスの奇襲攻撃による多大な被害から同様の教訓を再度学んだ。冷戦時の指導者らはこうした真実を理解していたため、戦争のリスクを恐れず、欧州の安全と自由を守るためにベルリンに明確なレッドラインを引いた。われわれの安全と自由は、指導者たちが冷戦時と同様の強固な決意を持てるかどうかにかかっている。

最後の教訓は、希望を与えてくれるものだ。イスラエルは2023年10月7日、ホロコースト以降で最も恐ろしいユダヤ人大量虐殺を経験した。それでもイスラエルの人々は生きている。米国民は、過去2年間にイランのもう一つの代理勢力であるヒズボラやイラン自体と戦った、イスラエルの結束と成功に注目すべきだ。

しばしば激しい対立を生むイスラエルの党派政治と比べると、米国の政治的分断は控えめに見え、公の論争はおとなしく思える。しかし、憎悪に満ちた政治論争が展開され、進歩的な「国際社会」からの非難を浴びている中でも、イスラエルの根底には強い社会的団結があった。その団結は2年前の10月7日に明確に示された。イスラエル市民は政治的信念に関係なく国防・医療・教育に資金と時間と努力を注ぎ込んだ。産業界のリーダーたちは農場の働き手不足を補うために役員室を空にした。ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒、ドゥルーズ派がともに立ち上がった。こうした団結によってイスラエル人は戦争の初期から今日までの状況を乗り切ってきた。その間にイスラエルはイラン主導のテロリストの枢軸に打撃を与えてきた。多くのオブザーバーは、こうした戦果を上げるのは不可能だと考えていた。

米国は経済的な誘因ではなく抑止力によって「審判の日」の到来を防げるかもしれない。しかし、どのような選択をしても、われわれの時代にその日が訪れるかもしれない。その時にわれわれは、政治やアイデンティティーや不満を脇に置いて、共に立ち上がることができるだろうか。
***
――筆者のマイク・ギャラガー氏は、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の寄稿者で、防衛関連ソフトウエアを手掛けるパランティア・テクノロジーズ社の国防技術分野責任者。ハドソン研究所の特別研究員でもある。2017〜24年にウィスコンシン州第8選挙区選出の下院議員を務め、その間に「中国共産党に関する特別委員会」の委員長も務めた。
 

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コメント
1. [5223] iKQ 2025年10月09日 14:36:39 : FzKAV3KWss : VHQ2bFJaU3VWaC4=[115] 報告

 ハルマゲドンは 自ら欲するところに 届けられる
 
2. 阿部史郎[2157] iKKVlI5qmFk 2025年10月10日 05:48:31 : cYRAeWjdps : aURIWUFBRGptV1E=[1220] 報告
中国の国慶節、
アクシデントや自然災害に見舞われる散々な事態
news.tv-asahi.co.jp/news_internati…

・国慶節を祝う花火大会で事故、火災発生 湖南省
・今年7回目の台風上陸で19万人が避難 広東省

裁かれる中国
x.com/rapt_plusalpha…

[18初期非表示理由]:担当:宗教関連と思われるコメント多数のためアラシ認定により全部処理

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