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安倍派解散、政治責任は棚上げで政治資金の行方は…億単位の余剰金には「山分け」の噂が
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/335349
2024/01/28 日刊ゲンダイ
問いかけをすべて無視した萩生田前政調会長(左)シラを切り通した松野前官房長官(C)日刊ゲンダイ
通常国会が召集された26日、自民党派閥の裏金事件で解散を決めた清和会(安倍派)が店じまいに向けて本格始動した。「5人衆」を含む派閥幹部7人は一様に自身の政治責任を棚上げ。党内から安倍派幹部の離党や議員辞職を求める声が上がっているのに、誰ひとりケジメをつけようとしない。派内のカネの行方をめぐり、スッタモンダしているというからア然だ。
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今国会は裏金事件で逮捕者を出した安倍派の委員長11人が交代し、岸田首相の施政方針演説も先送りされる異例の日程。召集日に池田佳隆衆院議員が政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で起訴され、「裏金国会」にふさわしい幕開けとなった一方、東京地検特捜部は「5人衆」を含む幹部7人は嫌疑なしで不起訴処分。裏金事件をめぐる捜査は計10人の立件で事実上、終結し、今後の舞台は検察審査会に移る。
こうした中、安倍派は26日、常任幹事会を国会内で開催。「5人衆」も参加し、31日にも政治資金収支報告書の訂正を総務省に届け出ることを確認した。当初は幹部の政治責任について議論が交わされるとみられていたが、主要テーマは「残務処理」だったという。
「5人衆」の1人である萩生田前政調会長は幹事会後、記者に囲まれるも、問いかけをすべて無視。エレベーターに乗り込んで、腕を組み、ふてぶてしさを隠さなかった。
ツラの皮の厚さは他の幹部も同じだ。裏金問題への説明を拒み続けていた松野前官房長官が幹事会後に初めて会見。「国民の皆さまに大きな政治不信を招いたことを心からおわび申し上げる」と謝罪したものの、裏金づくりへの関与についてはシラを切り通した。
松野氏は2019年9月から21年10月までの2年間、事務総長を務めていた。実務を取り仕切る立場だったが、「(派閥)事務局から経理・会計に関する事項について、決裁を含め何か判断を求められたり、報告を受けたりしたことはない」などとノラリクラリ。離党や議員辞職の意向を問われると、「議員の地位は有権者から預かった極めて大切な役」と居直り、「職責を果たしていきたい」「自民党において活動を続ける」と言い張った。
「能登半島地震の被災地への寄付が落としどころでは」
安倍派幹部は「国民の信頼回復に努める」と口を揃えるが、まったく信用ならない。「清和会解散に向け、数億円とされる資金をどのように処分するか、議論されており、『山分けしたらいい』との声もある」(安倍派関係者)という。
22年分の収支報告書によると、安倍派の繰越金は約1.5億円。所属議員96人に均等に分配した場合、1人あたり約150万円を手にすることになる。立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)は、「派閥は法人税法違反、議員は所得税法違反の疑いが持たれる中で、派閥のカネの処分を議論すること自体、おかしな話」と指摘する。
残余金の扱いはどうケリをつけるべきなのか。政治アナリストの伊藤惇夫氏がこう言う。
「まず他に政治団体をつくってプールすることが考えられますが、これでは派閥を解散した意味がない。『山分け』なんてしたら、世間から猛批判を浴びることは間違いない。能登半島地震の被災地への寄付が落としどころではないか」
厚顔無恥の議員に還流するなんてあり得ない。市民の困りごとを解決する政治家の原点に立ち返ろうという発想はないのか。期待する方がオボコイのか。
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