http://www.asyura2.com/25/kokusai36/msg/240.html
| Tweet |
◆2期目のバイデン政権◆
ホワイトハウスは静かだ。あまりにも静かすぎて、記者たちは逆に落ち着かない。ジョー・バイデンは2024年11月の選挙で辛勝し、史上最高齢の大統領として2期目の就任を果たした。
対抗馬はトランプではなく、共和党が立てた「まともそうなけど存在感ゼロ」の穏健派知事だった。
結果、投票率は1960年代以来の低さ。国民の多くが「どっちでもいいや」と感じた選挙だった。現在のアメリカは、こうなっている。まず、ホワイトハウスの記者会見は異様に平和だ。バイデンは時々名前を間違えたり、途中で固まったりするが、もはや誰もそこに突っ込まない。「またジョー爺さんが…」というネタも2025年夏頃には完全に消費され尽くし、今はただの日常風景。記者たちは「インフレ率が…」「国境管理が…」と当たり障りのない質問を繰り返し、バイデンはゆっくり頷きながら「We're working on it」「It's a process」と繰り返す。
視聴率は壊滅的だ。SNSの政治関連トレンドは地味を通り越してほぼ存在しない。#Biden gaffe というハッシュタグはたまに復活するが、ピーク時のエンゲージメントは2020年代前半の1/40程度。代わりに「猫が冷蔵庫に入ってる動画」「Z世代の毒親あるある」「AIが作った変な画像選手権」がタイムラインを埋め尽くしている。
政策面では「超地味な継続」がキーワードだ。バイデン政権は低所得者層対策でバラマキを続ける一方、インフレ対策は「FRBに任せる」で2年目も継続。断続的な利上げによっても物価は上がり続け、スタグフレーションの危機が囁かれている。気候変動対策は「2035年までに電力の80%をクリーンに」という目標を掲げ続けているため、エネルギー価格急騰は特に深刻だ。議会は民主党多数を維持しているが、党内左派と穏健派の対立で法案はことごとく骨抜きにされ、「歴史的な妥協」が毎回ニュースの見出しになる。
◆外交と内政◆
国際舞台ではウクライナ戦争がだらだらと続き、欧州は天然ガス不足と戦費の逐次投入で疲弊しロシアと我慢比べをしている。だが英国は大陸の分裂を眺め半分まんざらでもない。米国もウクライナへの援助を続けているが、概ね武器購入費として米軍需産業にリターンしており、だらだら戦争は悪くない感じだ。
中国に対しては「競争しつつ協力」というスローガンの下、首脳会談が年2回ペースで開催される。台湾有事の可能性は「懸念している」で始まり「懸念している」で終わる記者発表が定番。ウクライナだらだら戦争により、ロシアは中国の支持を得るため舎弟のような立場となり、米露が密に結ぶ懸念も無くなり台湾へ硬軟取り混ぜた圧力を掛け続け、熟柿戦略で大規模な軍事作戦無き併合を狙う。そしてその先には、グローバルサウスを巻き込んで拡大BRICS経済圏を背景とし中華世界覇権が射程に入っている。
中東では「両当事者間の対話を促進する」という言葉が何度も繰り返され、実際の進展はほぼゼロ。誰もトランプ時代のような劇的な動きを期待していないので、失望も少ない。
国内の分断はどうなったか。答えは「分断は残ったが、熱が抜けた」である。トランプという「憎むべき明確な対象」が消えたことで、左派の若者たちは「次は誰を全力で叩けばいいの?」というアイデンティティの危機に陥っている。一部は「バイデンこそが真の帝国主義の体現者だ!」と方向転換を試みるが、勢いはまるでない。一方、保守層の多くは「もう政治に期待しない」と政治から完全に撤退した。
MAGAの赤い帽子は今や完全にファッション化し、ヴィンテージショップで「懐かしのオジサンアイテム」として売られている。
ラストベルトの元トランプ支持者たちは「どうせ何やっても変わらん」と投票をボイコットし、2026年の中間選挙の投票率は戦後最低を更新する見込みだ。そして一番象徴的なのは、深夜の政治バラエティ番組の視聴率である。かつてはトランプ一人の登場で数字が跳ね上がった番組が、今は軒並み低空飛行。コメディアンたちは「ネタがない…」「バイデンの噛み噛みギャグももう3年目で飽きた…」と嘆き、代わりにテック企業のCEOの奇行とか、インフルエンサーの離婚劇とかに逃げている。しかし、不法移民とフェンタニル中毒者の増加、米国の社会主義化と政府債務の累積が進み、時限爆弾の針が確実に刻まれて行く。犯罪と暴動は激増しているが、これらは主要目メディアで報道される事はなく、SNSでは検閲対象の為、公に可視化される事は無い。
◆現実へ◆
さて、現実へ戻ればトランプは新年早々、ベネズエラへ侵攻し麻薬取引の罪状でマドゥロ大統領を逮捕・拘束し、政権をソフト転覆。ロドリゲス代行を傀儡化し、石油産業支援。グリーンランドについては、デンマークから領土奪取を企て、買収もしくは武力行使のオプションもちらつかせ併合を画策。ウクライナ戦争ではプーチンに肩入れし、領土のロシアへの大幅割譲で決着させ「米露同盟」体制構築により中露疑似同盟に楔を打ち込みたい。イランデモに加勢し軍事攻撃オプションも含め政権転覆を狙い中東をイスラエル中心のアプローチでの平定を目論む風情である。
高関税・保護主義、国連・国際機関から米国引き揚げ。FRBに介入しパウエル議長捜査で利下げ強要、中央銀行独立性を棄損。CO2地球温暖化説をあざ笑い、再生可能エネルギー促進を逆回転させ化石燃料回帰。ICEに続き州兵動員で不法移民の一掃を狙う。
バイデン前政権や欧州のやっている事を仮に「偽善的」とするなら、トランプのやっている事は言わば「露悪的」だ。だが単なる露悪で済むのではなく、それで割を喰う者が出るのみならず実際に少なからず流血と破壊を伴うし大戦争に発展するリスクもある。またトランプ流の経済政策で、世界的クラッシュが起きる可能性も排除は出来ない。
ところで正義とは何だろうか? 筆者は正義とは相対的なものであり簡単に言えば下記の不等式で表されるのではないかと考える。
秩序Aの齎す幸福の総量 > 秩序Bの齎す幸福の総量 ± 移行に伴う流血と破壊の総量
※この不等式が成り立つとき、秩序Aが正義となり、不成立の時には悪となる。
トランプと言う不動産屋上がりのトリックスターが、果たして世界に新しい秩序を齎せるのか、齎したとして歴史の審判に耐えられるものなのかは不明だ。だが筆者は、リスクを孕みながらもマシな世界が訪れるのではないかと今の所は予想している。
|
|
|
|
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
|
|
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。