<■346行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 日航機墜落事故に「自衛隊関与」という陰謀説拡大の記事が読まれています、政府の対応は 2025/5/1 11:11 https://www.sankei.com/article/20250501-3B3JOK7GFZGVBJ333KKOVLED7E/ 昭和60年8月12日に起きた日本航空機墜落事故を巡り、自衛隊の関与を唱える陰謀説が書籍やインターネットで流布されていることを紹介した記事が産経ニュースで読まれています。 政府は強く否定し、正確な情報発信を行う方針を明らかにしている。 陰謀説を唱える書籍の中にはベストセラーになったものも。 今年2025年4月16日には事故現場で生存者捜索に当たった自衛隊OBらがシンポジウムに参加し、書籍などで指摘される陰謀説のうち5つの点に反論した。 この問題は2025年4月10日の参院外交防衛委員会でも取り上げられた。 自衛隊OBの佐藤正久参院議員(自民党)が、自衛隊の関与を唱える書籍が全国学校図書館協議会による選定図書に指定されているとして、是正を訴えた。 佐藤氏の指摘に対し、中谷元防衛相は 「自衛隊が墜落に関与したことは断じてない」 と陰謀説を強く否定し、対応を約束した。 中野洋昌国土交通相は2025年4月11日の閣議後記者会見で、旧運輸省の事故調査委員会の航空事故調査報告書を引用する形で、事故原因は機内の気圧を保つ役割がある 「後部圧力隔壁」 の不適切な修理に起因するものだと説明し、 「正確な情報を発信していきたい」 と述べた。 民間でも陰謀説は問題視されている。 防人と歩む会の葛城奈海会長は、 「これを放置しては、慰安婦問題における吉田清治証言同様、嘘が真になりかねない」 と警鐘を鳴らした。 事故当時、航空幕僚監部の運用課員として、発生から収束まで一部始終を指揮中枢である空爆作戦室で目撃していたという元空将の織田邦男氏(麗澤大学特別教授)は、 「全くのデマだ」 と断言。 陰謀説を 「情報戦」 とみなし、その対応は 「国民一人一人が高い情報リテラシーを持つことが何より重要である」 と訴えた。 2025年4月29日、墜落事故の現場となった 「御巣鷹の尾根」 に向かう登山道が冬の閉鎖期間を終え、開通。 遺族や関係者は慰霊のため尾根を訪れ、墓標の前で静かに手を合わせた。日航機墜落の陰謀説唱える書籍は「図書館協議会選定図書」 自民の佐藤正久氏が是正訴え 2025/5/1 9:55 https://www.sankei.com/article/20250501-H5D7UDNLZVNKZAERNHNE2ZS3WA/ 昭和60年の日本航空機墜落事故に自衛隊が関与したという 「陰謀説」 を巡っては国会でも取り上げられた。 2025年4月10日の参院外交防衛委員会で、自衛隊OBの佐藤正久氏(自民党)は自衛隊の関与を指摘する書籍が全国学校図書館協議会による選定図書に指定されているとして、 「何も知らない子供たちが推薦図書として図書館で触れることで国土交通省や防衛省が否定する事実を本当のことのように受けてしまう」 と述べ、是正を訴えた。 選定図書に選ばれているのは作家、青山透子氏の著書3冊(いずれも河出書房新社)。 選定図書は小中学校などの図書館が蔵書構成する上で参考になり、同団体は 「正しい知識や研究成果」 「科学的に正確」 などの選定基準を設けている。 野中厚文部科学副大臣は、佐藤氏の訴えに対し 「図書自体が児童生徒の健全な教養の育成に資する必要がある」 「懸念について防衛省の動向も踏まえ、団体に伝えていく」 と答弁した。 自衛隊の関与を指摘する書籍は、経済アナリストの森永卓郎氏(今年2025年1月死去)らも出版している。 ◇ 産経新聞は青山氏に対し、中谷元・防衛相が自衛隊の関与は 「断じてない」 と発言したことへの見解を書面で求めた。 これに対し青山氏は河出書房新社を通じて後日取材に応じる意向を示した。 日航機墜落に5つの陰謀説 「自衛隊と隊員への冒瀆だ」当時捜索のOBが反論 2025/5/1 8:36 https://www.sankei.com/article/20250501-EWVJEC535BOPPNUXV2G4MZCO2M/ 昭和60年の日本航空機墜落事故に自衛隊が関与したという 「陰謀説」 が流布されていることに、当時事故現場で生存者捜索にあたった自衛隊OBらは 「自衛隊と隊員への冒瀆だ」 と憤っている。 2025年4月16日には参院議員会館で開かれた 「JAL123便事故究明の会」 によるシンポジウムで、書籍などで指摘される陰謀説のうち5つの点に反論した。 同会は昨年2024年8月に設立。 会長を務める岡部俊哉元陸上幕僚長は事故当時、陸上自衛隊第1空挺団の小隊長として生存者の救助、ヘリポートの造成などの指揮を執った。 陰謀説@「海上自衛隊護衛艦の訓練中のミサイルが123便に衝突」 自衛隊の関与を指摘する書籍は墜落原因について、当時巡航ミサイルの実験中だった護衛艦「まつゆき」が相模湾(神奈川県沖)で123便の垂直尾翼周辺に異変を生じさせたとする。 だが、まつゆきの就役は事故翌年の昭和61年3月。当時は石川島播磨重工業(現IHI)が所有する船舶だった。 元海上自衛隊海将補の林祐氏は 「(海自の)乗組員も『艤装員』として乗り込んでいたが、石川島播磨の船長が指揮を執り、スタッフが運航していた」 と述べ、自衛隊が主導できる状況ではなかったと説明した。 123便は事故発生当時高度7・3キロに達した。 林氏は当時の対空ミサイルなどが 「そう飛翔するものでない」 と述べ、まつゆきに搭載された発射ランチャーについて 「発射することはできない」 「コントロールシステムが異なる」 と指摘した。 陰謀説A「航空自衛隊のF4戦闘機2機が123便を追尾」 墜落直前の123便を空自F4戦闘機2機が追尾していたとの目撃証言を基に、最終的にF4がミサイルで墜落させた─とするものだ。 追尾などの動きは公式記録にない。 また、F4パイロットとして当時現場に出動した渡辺修三氏はミサイルなど装備品管理は徹底されているとし、 「帰投してミサイル1本なかったら一大事だ」 と述べた。 陰謀説B「墜落現場の特定を遅らせた」 渡辺氏は、地上で上空の戦闘機パイロットと連携する要撃管制官からの誘導で日航機がレーダーから消えた午後6時56分過ぎに墜落現場とみられる場所にF4で向かい、1・5〜2キロに渡る帯状の炎を確認したと証言する。 ただ、正確な墜落地点は把握できなかった。 渡辺氏は操縦士に対し、最も炎が強い所を中心に旋回してもらったが正確な位置をつかむのは難しかったという。 陰謀説C「証拠隠滅のため火炎放射器で現場を焼却」 墜落現場では消防団員らが 「ガソリンとタールの混ざったような臭い」 と感じたという証言がある。 これを基に 「証拠隠滅」 のために自衛隊員が火炎放射器(携帯放射器)で遺体やミサイルの痕跡を焼却したと流布されている。 当時陸自第13普通科連隊(長野県松本市)に所属し救出作戦に参加した小川清史元西部方面総監は 「火炎放射器を取り出す手続きは幾重で容易ではない」 「注入する燃料を保管するのは業務隊で、指揮系統が異なり、より一層手続きに時間と書類が必要となる」 と反論する。 また、携帯放射器の燃料であるゲル化剤を大量のドラム缶で入手して、一晩で搬入、焼却、撤収するのは不可能だと指摘する。 そもそも燃料にタールは使われないという。 陰謀説D「海自出身の機長の遺体・制服を自衛隊が隠蔽」 書籍では、事故を巡って123便の機長が海自出身であることから、 「ミサイルを誤射した」 とされる海自の訓練との関係が示唆されている。 自衛隊員が事故現場で機長の遺体を真っ先に発見、目印のため棒で突き刺し、ヘリコプターの移動中、不都合なものを取り除くため制服などを外した─というものだ。 これに対し、岡部氏は 「現地は多くの数の人が作業していた」 「機長の制服を身に着けた遺体が発見されれば(現地にいた)マスコミの写真に写っている」 「空想で言われた話としかいいようがない」 と語った。 日航機墜落事故40年、拡散される陰謀説 「自衛隊の関与は断じてない」政府が強く否定 2025/5/1 7:00 https://www.sankei.com/article/20250501-IBAEULDM6ZNXPFOXSJL26PTXKE/ 「自衛隊がミサイルを誤射した」 「撃墜の証拠隠滅を図るため乗客らの遺体を焼却した」−。 昭和60年8月の発生から今年で40年となる日本航空機墜落事故を巡り、自衛隊の関与を指摘する 「陰謀説」 が書籍やインターネット上などで流布されている。 ベストセラーになる書籍もある中、政府は自衛隊の関与を強く否定するなど対応を進めている。 「陰謀説」 を唱える主な著者は、複数の目撃証言を繋ぎ合わせて描写。 例えば、自衛隊は墜落現場に先駆けて到達し証拠隠滅を優先したため生存者を見殺しにしたと主張している。 昨年には事故現場への登山道に犠牲者の名前と 「自衛隊が意図的に殺害した乗客・犠牲者」 などと記された 「慰霊碑」 の設置が確認された。 123便の墜落原因に関して運輸省の航空事故調査委員会(当時)は、過去の不適切な修理で機体後部の圧力隔壁が壊れ、垂直尾翼や操縦系統が破壊されたと 「推定される」 とした。 メーカーのボーイング社は修理ミスがあったと認めた。 中谷元・防衛相は2025年4月10日の参院外交防衛委員会で 「自衛隊の関与は断じてない」 と明言し、対応する考えを示した。 中野洋昌国土交通相は2025年4月11日の記者会見で 「様々な角度から調査解析を行い、(事故原因が圧力隔壁であることは)ほぼ間違いないという結論に至ったため、強い推定を示す『推定される』という表現を使用している」 と説明した。 事故は昭和60年8月12日夕に発生した。 羽田発大阪行き日航123便ジャンボ機が群馬県上野村の 「御巣鷹の尾根」 に墜落。 乗員・乗客524人のうち女性4人を除く520人が死亡した。 日航機墜落40年を前に慰霊 御巣鷹への登山道開通 2025/4/29 23:07 https://www.sankei.com/article/20250429-AZVN2ULQANICPPDG5E5BH23IR4/ 1985年に520人が犠牲となった日航ジャンボ機墜落事故の現場、群馬県上野村の 「御巣鷹の尾根」 に向かう登山道が2025年4月29日、冬の閉鎖期間を終え、開通した。 今年2025年8月で事故から40年となるのを前に、遺族や関係者が慰霊のため尾根を訪れ、墓標の前で静かに手を合わせた。 遺族らで作る 「8・12連絡会」 事務局長の美谷島邦子さん(78)は次男、健君=当時(9)=を亡くした。 墓標にこいのぼりや花を供え 「亡くなった人のその後を私たちは生きてきた」 「もうすぐ40年となるが、安全や命を守ることを目指して活動したい」 と力を込めた。 墜落地点の尾根に立つ 「昇魂之碑」 は事故翌年の1986年に建てられた。 尾根の管理人、黒沢完一さん(82)によると、昇魂之碑が傾いているのが確認され、補強工事が今月2025年4月17〜25日の日程で行われた。 黒沢さんは 「開山の前に工事が完了して良かった」 と話した。 事故は1985年8月12日、羽田発大阪行き日航123便ボーイング747が墜落し、乗客乗員524人のうち520人が死亡した。 日航機墜落事故をめぐる陰謀論に危機感 直球&曲球 葛城奈海 2025/4/17 13:00 https://www.sankei.com/article/20250417-QVEEP7E63ROW7BYUYFLZ6MWMSQ/ 乗員乗客520人死亡という単独飛行機事故としては世界最多の死者を出した日本航空123便墜落事故から、2025年8月12日で40年になる。 群馬県上野村の 「御巣鷹の尾根」 に墜落した事故機の生存者捜索・救助、遺体の搬送には警察や消防、地元猟友会らと共に、自衛隊が力を尽くした。 僅か4人だった生存者の1人、当時12歳の少女が自衛官に抱えられながらヘリに引き上げられていく映像をご記憶の方も多いだろう。 ところが、驚いたことに、2025年4月1日付の本紙『正論』欄で元空将の織田邦男氏が言及し、2025年4月10日の参院外交防衛委員会で佐藤正久議員が問題視した通り、あたかも自衛隊が墜落事故の加害者であるかのような言説が流布されているのだ。 佐藤議員によれば、陰謀論の元ネタとなった書籍が、 「全国学校図書館協議会選定図書」 に選ばれていたばかりか、事故現場の登山道に 「自衛隊が意図的に殺害した乗客・犠牲者」 と書かれた慰霊碑が建立されているとのことで、私も大いに危機感を抱いた。 これを放置しては、慰安婦問題における吉田清治証言同様、噓が真(まこと)になりかねない。 ましてやその本が学校の図書館に並ぶとなれば、募集難に喘ぐ自衛隊へ追い打ちをかけることにもなろう。 何より看過できないのは、遺体や燃料などの臭気漂う凄惨な事故現場で黙々と任務に邁進した自衛官たちの尊厳を踏みにじっていることだ。 陸上自衛隊第1空挺団の小隊長として現場で生存者捜索・救助、ヘリポート造成、遺体後送などの指揮を執った岡部俊哉元陸上幕僚長は、自衛隊が証拠隠滅のために火炎放射器で現場を焼却したかのような 「陰謀説」 に物理的にも時間的にも 「あり得ない」 と断言する。 同氏は、任務終了後、約1カ月、急性ストレス障害(ASD)に悩まされたことを告白している。 地獄絵図のような真夏の山中で、身を粉にして任務に邁進した自衛官たちへの冒瀆は、断じて許されるべきではない。 虚実入り交じった情報があふれる現代にあって容易なことではないが、真実を見極められる高い情報リテラシーを身に付けたいものである。 ◇ 葛城奈海 かつらぎ・なみ 防人と歩む会会長、皇統を守る会会長、ジャーナリスト、俳優。 昭和45年、東京都出身。 東京大農学部卒。 自然環境問題・安全保障問題に取り組む。 予備役ブルーリボンの会幹事長。 近著に『戦うことは「悪」ですか』(扶桑社新書)。 御巣鷹の日航機墜落事故 「自衛隊が撃墜説」に国交相「正確な情報発信する」 2025/4/11 12:53 https://www.sankei.com/article/20250411-7Z4Z3ZGMEZPRRC53VQIG3TPBK4/ 1985年に発生した日本航空機の御巣鷹墜落事故について、原因を 「自衛隊による撃墜」 などとする言説が書籍やインターネットで流布している問題に対し、中野洋昌国土交通相は2025年4月11日の閣議後記者会見で、 「しっかりと正確な情報を発信してきたい」 と述べた。 問題を巡っては2025年4月10日の参院外交防衛委員会で、自民党の佐藤正久参院議員が指摘。 中谷元防衛相が 「自衛隊が墜落に関与したことは断じてない」 と否定し、 「しっかり対応したい」 と回答している。 2025年4月11日の会見で中野氏は、旧運輸省の事故調査委員会の航空事故調査報告書を引用する形で、事故原因に言及。 機内の気圧を保つ役割がある 「後部圧力隔壁」 の不適切な修理に起因するものだとし 「様々な角度から調査解析を行い、専門家による審議の上、ほぼ間違いないという結論に至ったため、強い推定を示す『推定される』という表現を使用している」 と説明した。 その上で 「国会や会見を通じ、政府として責任ある立場にあるものが正確な発信をしていくことは重要だ」 と述べた。 事故は1985年8月12日夕に発生。 羽田発大阪行きの日航機123便が離陸後に機体トラブルに見舞われ、群馬県上野村の 「御巣鷹の尾根」 に墜落。 乗客乗員524人のうち520人が死亡し、単独機としては世界最悪の被害となった。 報告書によると、当該機は78年に別の事故により、後部圧力隔壁が損傷し、米ボーイング社が修理した。 しかしその過程で不適切な措置が取られ、求められる仕様よりも強度が低下していた。 1985年8月12日午後6時24分、当該機は離陸から約12分後、疲労が重なっていた後部圧力隔壁が破損し、機内の空気が機体後部に噴出。 垂直尾翼や翼を動かす油圧系統が破壊され、操縦不能に陥った。 パイロットらは左右のエンジンの出力差を駆使するなどして機体の制御、立て直しを図ったが機体は迷走。 トラブルから約30分後の同6時56分、墜落した。 事故調査委は1987年6月、後部圧力隔壁の修理ミスを原因と推定する報告書を提出した。 ただ内容が専門的で難解との批判もあり、後の国交省の運輸安全委員会は、事故犠牲者の遺族と連携をとりながら2011年7月、報告書の 「解説書」 を作成。 報告書とともにホームページで公開し、 「自衛隊の関与説」 についても否定している。 御巣鷹事故「自衛隊が撃墜」、偽情報を自民佐藤正久氏が問題視 中谷元防衛相「対応する」 2025/4/10 16:09 https://www.sankei.com/article/20250410-YVB6ML6KJVAG7K6M6GPSYM47DM/ 自民党の佐藤正久参院議員は2025年4月10日の参院外交防衛委員会で、日本航空機の御巣鷹山墜落事故を巡り 「自衛隊が撃墜した」 との言説が書籍などで流布されているとして 「自衛隊員の名誉に関わる問題だ」 「多くの人命救助に当たった隊員に対する侮辱だ」 と問題視した。 中谷元防衛相は 「自衛隊が墜落に関与したことは断じてない」 「しっかり対応したい」 と語った。 ■「火炎放射器で証拠隠滅」 事故は昭和60年8月12日夜に発生。 群馬県・御巣鷹山に日航123便が墜落し520人が死亡した。事故原因について航空事故調査委員会は昭和62年6月、報告書を公表し、後部圧力隔壁の不適切な修理に起因するとしている。 佐藤氏によれば、問題の書籍は駿河湾で対空ミサイル訓練を行っていた護衛艦が日航123便を誤射し、撃墜の痕跡を隠すため、墜落地点の特定を遅らせた上、墜落現場で自衛隊が火炎放射器で証拠を隠滅したと指摘しているという。 佐藤氏は書籍について 「ベストセラーになり、ユーチューブで拡散されている」 と述べ、 「墜落の後、徹夜で尾根を踏破して危険を顧みず現場で多くの人命救助に当たった隊員に対する侮辱である」 と対応を訴えた。 ■推薦図書に…場内ざわめく この書籍が全国学校図書館協議会の推薦図書に選ばれていると指摘されると、委員会室がどよめく場面もあった。 佐藤氏は文部科学省にも対応を求め、野中厚文科副大臣は 「懸念を当該団体にしっかり伝えていく」 と応じた。 更に、御巣鷹山の登山道に建立された慰霊碑には 「自衛隊が意図的に殺害した乗客・犠牲者」 と記されているという。 佐藤氏は碑の写真を示して 「放置したままでいいのか」 「慰霊碑を作った人にアプローチして事実誤認だと言わないと(いけない)」 と訴え、中谷氏も 「しっかりと対応していきたい」 と語った。 <正論>「御巣鷹」に見る情報戦への脆弱さ 麗澤大学特別教授 元空将・織田邦男 2025/4/1 8:00 https://www.sankei.com/article/20250401-766VLI7YBZOPRPRZLLAXQK5VBU/ ■現代ハイブリッド戦争 ウクライナ戦争の停戦交渉が行われている。 この戦争の特徴として、開戦前から今なお続く熾烈な情報戦がある。 2014年3月、ロシアはクリミア半島を 「ハイブリッド戦争」 によって無血併合した。 ハイブリッド戦争とは 「高度に統合された設計の下で用いられる公然、非公然の軍事・非軍事・民間の手段を使った戦争」 である。 情報戦はハイブリッド戦争の主要手段であり、インターネットが発達した現代では国家をも動かす力がある。 2016年1月、ドイツで 「アラブ系難民が13歳少女をレイプした」 というニュースがロシア系メディアで報道され、SNSで拡散していった。 偽情報であることが判明するが、難民排斥運動は過熱し極右政党が大躍進する結果を生んだ。 情報戦に加え威嚇・恫喝の軍事行動を組み合わせることで、相手の思考・感情・記憶に直接働きかける 「認知戦」 も現代戦の1つである。 台湾併合を目指す中国は、台湾周辺で海上封鎖やミサイル発射訓練などを繰り返し、台湾住民に対して敗北感を植え付け、抵抗断念を図る。 2022年に岸田文雄政権で策定された国家安全保障戦略では 「情報戦への体制の強化」 を掲げ、偽情報を収集分析し、正しい情報を発信するとしているが緒に就いたばかりだ。 次の事例からも分かるように日本人は情報戦に対しては脆弱と言わざるを得ない。 ■日航機墜落事故を巡る噓 40年前の1985年8月12日、日航123便が御巣鷹山に墜落した。 後にこの事故に関し 「自衛隊が撃墜したかのような本が出ている」 という噂を聞き、読んでみた。 要約するとこうだ。 123便は自衛隊のミサイル誤射によって正常な飛行が困難になり、誤射の証拠隠滅を図るため、空自戦闘機が出動して撃墜し、更にその証拠も消すため、墜落現場で陸上自衛隊が火炎放射器で証拠を焼き払ったというものである。 荒唐無稽と笑ってはいられない。 ノンフィクションとして書かれベストセラーになっているという。 またこれを真実と信じている人が多くいるというから驚いた。 筆者は事故当時、航空幕僚監部の運用課員で、事故発生から収束まで一部始終を指揮中枢である空幕作戦室で目撃していたので、全くのデマだと断言できる。 死臭漂う地獄絵図のような現場で懸命に生存者の捜索に携わった多くの自衛官を知っている。 彼らの多くがPTSDに苛まれた。 このようなデマは、黙々と災害派遣にあたった自衛官に対する冒瀆である。 この怒りはひとまずおく。 これは情報戦に対する日本人の脆弱性を示す。 「誰があの520人を殺したのか」 と感情に訴え、結論ありきで読者を引き込む。 そして5種の断片、つまり @事実 A誤解 B推測、臆測 C曖昧な伝聞情報、目撃情報 D捏造 を都合よく組み合わせ、 「自衛隊による撃墜、証拠隠滅」 へと誘導する。 噓を並べても、所々に事実が入っていれば容易に全体を信じ込ませることができる。 これが情報戦の肝である。 著者の意図はともかく、結果的にロシアの情報戦の相似形となっている。 常識的に考えれば、 「自衛隊による撃墜、証拠隠滅」 などあり得ない。 自衛隊の行動には、自衛官を含む多くの関係者が関わる。 こんな犯罪行為があれば隠し通せるわけがない。 だが、自衛隊を知らない人は、創作されたナラティブ(物語)を容易に信じてしまう。 情報戦の恐ろしさである。 ■情報戦に敗北しないため 筆者は元戦闘機操縦者でもあり、文中の誤りを全て指摘できる。 ここでは紙幅の関係上、疑惑の発端となった 「現場到着の遅れ」 についてだけ述べる。 地上レーダーは低高度が見えないので墜落地点は特定できない。 最初に炎を発見した米軍C130輸送機、空自F4戦闘機からの位置情報は、TACAN(戦術航法装置)の情報である(GPSは未装備)。 TACANには、固有の誤差がある。 更に当該機と現場の距離が誤差となって加わる。 横田TACAN局から割り出せば位置情報に4km前後の誤差が生じることはやむを得ない。 航空では僅かな誤差だが、陸上行動では大きな障害となる。 特に山岳地帯では、4km違えば隣の尾根になってしまう。 山岳の道なき道の移動は4kmでも数時間かかる。 夜間で、暗視装置のない(当時)ヘリの山岳投入は危険なので中止した。 地上部隊の投入場所の決定が遅れ、結果的に現場到着が遅れた。 この遅れが 「何かがあるはず」 と臆測を呼び、連鎖して物語の創作に繫がったのだろう。 我が国に情報戦が仕かけられた場合、同様なパターンで容易に敵の罠に嵌まってしまう可能性がある。 情報戦に敗北しないためには思い込みに符合する情報に飛びつくのではなく、情報を疑う姿勢、そして些事に拘泥せず、全局を俯瞰して判断できる能力が必要である。 情報戦への対応は、政府主導の 「正しい情報発信」 に頼るのではなく、国民1人1人が高い情報リテラシーを持つことが何より重要である。
[18初期非表示理由]:担当:スレと関係が薄い長文多数のため全部処理。自分でスレを建てて好きな事を投稿してください
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