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日本のコメ危機は海外でも関心が高い 西村カリン ニッポン見聞考
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/372517
2025/05/29 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
なぜ1年でこんなことに?輸入米の依存度が高くなればなるほど国が弱くなる(C)共同通信社
「一体、日本で何が起きているのか」──。異常な事態なので、日本でのコメの危機については海外でも関心が非常に高い。日本で「お米がない」というニュースは「フランスで小麦のパンがない」と同じような、あり得ないことだからだ。
私が勤めているフランスの公共ラジオグループ「ラジオ・フランス」の国際ニュースの編集者から、何度も日本のコメの状況についてのルポルタージュを依頼された。そこで、店を回って、お米が買えない状況、「1人当たり1つの袋」の制限、5キロで4000円以上するお米、困っているこども食堂などを取材し、専門家のインタビューに官房長官への質問も重ねて現実をリポートした。
ただ、正直に言えば、なぜこんな状況になったのか、なぜコメの値段が1年で倍になったのか、私はいまだにちゃんとした説明ができない。政府が強調する原因と専門家が分析する原因が異なるので、記者として困っている。「明らかに生産が少なすぎるからお米が足りない」と説明する大学の先生たちや農家の方が説得力があるけれど、一部の大手国際マスコミは政府が言うことだけを報道してしまうので、海外の読者やリスナーは、この状況がよく理解できないと思う。
日本政府の対応も非常に分かりにくい。備蓄米を放出すれば値段はいつか下がるかもしれないが、それだけで構造的な問題が解決されるはずがない。店舗で5キロ2000円台の備蓄米が販売されても一時的なことで、参議院選挙に勝つためのパフォーマンスに過ぎない。2000円台という価格は農家が生き残れない値段だ。
誰でも分かると思うが、必要なのは状況の分析だ。今までの政策に間違いがあった場合、それを認めることが第一だ。残念なことに、ここまでの政府の説明には納得できない。国民が農家の置かれている状況を理解するよう、農家も大きく声を上げないといけないと思う。
日本の国民に必要なコメの全量を生産できない状況が続けば、安全保障の面でも心配だ。海外から輸入するコメの依存度が高くなればなるほど国が弱くなる。いくら防衛装備や戦略を持っていても、国民が食べる物がなければ、国を守ることができない。すなわち、安全保障のもっとも重要な要件は、食料自給率を上げることで、コメの生産が足りることだ。
西村カリン ジャーナリスト
仏の公共ラジオ「ラジオ・フランス」とリベラシオン紙の特派員。1970年、仏で生まれ、2004年末から20年までAFP通信東京支局特派員。近著に「Japon,la face cachée de la perfection(日本、完璧さの隠れた裏側)」、初の小説「L'affaire Midori(みどり事件)」。
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