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※2025年6月3日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2025年6月3日 日刊ゲンダイ2面
反転攻勢(C)共同通信社
玉木「餌」発言で人気急落の国民民主。もともと、SNSのバブル人気だから、化けの皮はすぐ剥がれる。折しも、小泉劇場で失政を覆い隠している石破自民は目くましにやや成功。いよいよ国民の刮目が必要だ。
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出番がないに越したことはない政府備蓄米が日本列島を席巻している。小泉進次郎農相の鶴の一声で放出方法が競争入札から随意契約に切り替わった備蓄米は、先週末からスーパーなどの大手小売店に並び始めた。価格は税込みで5キロ2100円ほど。スーパーに日参し、備蓄米を複数入手して自宅に備蓄する猛者もいるという。
農相交代から2週間。コメ担当大臣の本領を発揮した進次郎の人気は、当然うなぎ上り。連れ高で内閣支持率も上昇している。JNNの世論調査(5月31日、6月1日実施)によると、支持率は前月比1.3ポイント増の34.6%。不支持は0.1ポイント減の62.0%だった。
徹夜組が出るほど備蓄米に殺到する事態を招いたのは、ほかならぬ自民党だから、これほどヘンテコな現象はない。1970年代から本格化した減反政策は形を変えて継続し、昨夏の「令和の米騒動」を経ても見直されず、今に至っている。農水省のきのう(2日)の発表では、5月19〜25日に販売されたコメ5キロの平均価格は前週比25円安の4260円。3週ぶりに値下がりに転じたが、ほぼ横ばい。相変わらず1年前の倍値だ。銘柄米は前週比15円安の4453円、備蓄米を多く含むブレンド米は6円安の3918円。ため息が出る。
主食のコメを口に入れることすら難儀する国民の怒りを野党がすくい上げれば、石破政権なんて瞬殺もの。にもかかわらず、バラバラの野党は党利党略最優先で常に与党を絶妙にアシスト。またまたやってくれたのが、国民民主党の玉木代表だ。不倫問題で言動を改めたのかと思いきや、先月末の衆院農水委員会で進次郎に「1年経ったら動物の餌になるようなものを安く売りますったって、そりゃ安く出ますよ」と食ってかかって大顰蹙。「現在の制度を説明したまで」などと釈明したが、後の祭り。相当に尾を引いている。前出のJNN調査で、上り調子だった国民民主の政党支持率は前月比3.4ポイント減の6.8%に急落。2.6ポイント増の8.2%に上昇した野党第1党の立憲民主党に7カ月ぶりに追い抜かれた。さほどに食い物の恨みは怖い。
「農家のせがれ」は「ツイ廃」で沈没
「香川県の兼業農家の長男で『農家のせがれ』を売りにしてきたのに、『エサ米』はない。古米であろうと、安さを重視せざるを得ない消費者心理を全く分かっていない。『永田町のユーチューバー』を自称し、『ツイ廃』(ツイッター廃人)を自任するほどSNSにドハマリした結果、支持層とするネット世論に振り回され、有権者の生活実態が見えなくなっている」(野党中堅議員)
「手取りを増やす」をキャッチフレーズに、昨秋の総選挙で議席4倍増を実現した勢いはない。そうでなくても、今夏の参院選をめぐる不可解戦略で失速中だ。改選4議席から4倍の「16議席以上」「比例1000万票」の獲得を掲げて参院比例代表に擁立したのは、ダブル不倫問題で政界引退したはずの山尾志桜里元衆院議員、日本維新の会とケンカ別れした「暴言王」の足立康史前衆院議員、立憲民主党を飛び出して反ワクチン運動に熱を上げていた須藤元気元参院議員ら、いわくつきの4人。失望による支持離れが広がる中での「エサ発言」で、もはや挽回する余地はないだろう。
法大大学院教授の白鳥浩氏(現代政治分析)はこう言う。
「〈コメは買ったことない、売るほどある〉と言って事実上更迭された江藤前農相の一件で、玉木氏は何も学ばなかったということ。当初は江藤発言を問題視せず、後手に回ったあたりからズレていた。玉木氏と進次郎氏は類似点が多い。政界では若手でイケメン、弁舌爽やか。ただでさえ支持層が重なっていますから、進次郎氏にゴソッと持っていかれるのではないか」
本予算や補正予算の成立に協力して恩を売った岸田前首相から「いろいろな世論を聞くたびに首相候補の1人だと思う」と持ち上げられ、玉木は浮かれポンチになってもいたのだろう。SNSを足場にしたバブル人気だから、すぐに化けの皮が剥がれる。
コメ一点突破で解散・総選挙も視野
浮かれポンチで失速(C)日刊ゲンダイ
連日のテレビジャックで展開中の「小泉劇場」によって失政を覆い隠している石破自民党は、玉木の後退も重なって順調に目くらまし。参院選に異変が起きるのか。
自民党が実施したとされる「参議院選挙の情勢調査の概要」と題したデータが永田町で出回っている。それによると、自公与党で過半数を維持する最低ラインは楽々クリア。むしろ数字は改善しているからなのか、自民党執行部からは強気な発言が聞こえてくる。野党が物価高対策として求める消費税減税をめぐり、農水族で財政規律派の森山幹事長はきのうの講演で「消費税を下げるような公約は、どんなことがあってもできない」と断言。「幹事長として、自分の政治生命をかけてこの問題に対応したい」との発言から踏み込んだ。消費減税を求める自民党の参院改選組や連立を組む公明党をさらに牽制した格好だ。
「2日の参院予算委員会で、石破首相はコメ高騰に対応する関係閣僚会議を今週立ち上げると明言しました。〈今頃になって?〉と聞き返したくなりますが、石破政権はコメ対応を前面に押し出し、選挙を乗り切ろうとガムシャラ。内閣支持率は底を打って反転してきているので、参院選は与党で50議席獲得が堅い。非改選を合わせて過半数は確実に維持できるとみています。場合によっては、備蓄米効果や進次郎フィーバーの賞味期限が切れないうちに解散・総選挙に打って出ることも視野に入る。もっとも、喫緊の政策課題はコメ高騰に限りません。石破政権は金権腐敗の温床である企業・団体献金の廃止や、世論や司法が要請する選択的夫婦別姓制度の導入も棚上げしようとしている。有権者はそんな政治に納得するでしょうか」(白鳥浩氏=前出)
石破最側近は伝書鳩にも劣る
いわゆるトランプ関税にしたってそうだ。トランプ米大統領がこれまた突如、鉄鋼・アルミニウムへの関税を25%から50%に引き上げるとブチ上げ、世界をア然とさせている。交渉役を任された石破最側近の赤沢経済再生相は、直前まで訪米してベッセント財務長官やラトニック商務長官と会談していたのに「ベッセント氏からもラトニック氏からも発言はなかった」とひと言。SNSに〈過去4回の協議の中で、最も踏み込んだ話し合いとなりました〉と書き込んでいたのは何だったのか。勘違いか。伝書鳩にも劣る。5日から再び訪米し、3週連続5回目の協議に臨むというが、下馬評通り、この調子では成果は期待できない。
選挙予測に定評のある政治評論家の野上忠興氏はこう言う。
「誤解を恐れずに言えば、備蓄米騒ぎはお祭りみたいなもの。同時に農政のいいかげんさも報じられ、懸念を強めた有権者は少なくないでしょう。足元では自民党に追い風が吹いていますが、あくまでも瞬間風速的なもの。選挙区での劣勢をひっくり返すほどではないですし、比例代表の2、3人を当選ラインに押し上げる程度ではないでしょうか。コメの品薄感がさらに高まるとみられる7月になれば、逆風に戻る可能性はある」
参院選公示が有力視される7月3日まで1カ月。国民は刮目しないといけない。
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