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※紙面抜粋
※2025年6月18日 日刊ゲンダイ2面
いよいよ世界は無法地帯に…殺戮を傍観するG7首脳というデクノボー
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/373449
2025/06/18 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
トランプ米大統領は翌日からエスケープ、イスラエルに文句を言えず、ウクライナ支援も話が詰められない…(石破首相=左2)/(C)共同通信社
散々言われてきたことだが、G7無用論に拍車がかかりそうなカナナスキス・サミット。トランプ大統領はトンズラし、イスラエルには文句を言えず、ウクライナ支援も中途半端。横暴国家の殺戮をただ眺めるだけの首脳の無力。意気揚々と乗り込んだ石破首相は何か声明でも出したのか。
◇ ◇ ◇
ムソリーニ、ヒトラー、スターリン。20世紀を代表する独裁者と呼ばれ、3人とも大量虐殺に手を染めた狂人として知られているが、21世紀を代表する独裁者として後世に語り継がれる悪名高き政治家は間違いなく、この男だろう。イスラエルのネタニヤフ首相だ。
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの襲撃に応戦する掃討作戦という形で始まったガザ戦争。反撃に名を借りたイスラエルの攻撃は15カ月間にも及び、第2次大戦下のホロコーストを彷彿とさせるような大量虐殺が繰り広げられた。
空から陸から連日、あらゆる武器を投入してガザ地区を破壊しまくり、ようやく収まったのかと世界が安堵したのも束の間、今度は「核兵器開発を止めさせる」などと言って、イランを攻撃し始めたから正気の沙汰とは思えない。
イスラエル国内では長期化したガザ戦争に厭戦ムードが広がり、ネタニヤフ政権の支持率が低下。汚職疑惑も浮上したことから、ネタニヤフが政権延命を狙ってイラン攻撃を始めた、との見方がもっぱらだが、こんなデタラメを許せば国際法も何もあったものではない。
国際社会がイスラエルのイラン攻撃に対する正当性に疑問の声を上げ、批判を強めているのも当然だが、ネタニヤフはお構いなし。イスラエルがイランの最高指導者ハメネイ師の殺害を計画したことに対し、米国のトランプ大統領が反対したとする報道に触れたネタニヤフは「(ハメネイ師殺害は)紛争を激化させない。終結させる」と米ABCニュースのインタビューに答えていたから唖然呆然だ。
ヤクザの親分が恫喝している姿と重なるネタニヤフ
イスラエルとイランの交戦は16日も続き、イスラエル軍はイランのミサイル発射拠点への空爆を強化。首都テヘランの空港ではF14戦闘機2機を破壊したほか、イランの国営放送も攻撃し、生放送中にスタジオで突然爆発音が響き、女性が逃げる姿や画面が煙などで灰色になる場面もあった。
「(イランは)永遠の戦争を求めている。核兵器とミサイルの開発を続けたがっている」
ネタニヤフはこう主張し、イランとの停戦交渉にも否定的な姿勢を示していたが、いくら敵対国とはいえ、一国の首相が主権国家の要人を名指しして「殺害」まで踏み込むのは狂っているだろう。
抗争中のヤクザの親分が「ぶっ殺してやる」と恫喝している姿と重なる。
一方、イランのアラグチ外相は、イスラエルが攻撃をやめなければ「われわれも対応を続ける」とX(旧ツイッター)に投稿。ロイター通信は、イランがカタールやサウジアラビア、オマーンと連絡を取り、停戦を模索していると報じている。
果たしてイスラエル、イランの戦争はいつまで続くのか。ガザ地区と同じように無辜の民がどれほど犠牲になるのだろうか。コトの成り行き次第では中東全土に惨禍が拡大しかねず、周辺国だけでなく世界中が固唾をのんで見守っている。
ジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「ネタニヤフ首相の姿勢はヤクザそのもの。イチャモンをつけ、国内世論の支持も得ずに勝手に攻撃を開始。これは民主主義でも法治国家でもありません。米トランプ政権の後ろ盾があると思って好き勝手やっているのでしょう」
対米従属のままなら日本も一緒に世界から孤立するだけ
このまま米国追従のままだと…(代表撮影・共同)
本来はこうした世界的な緊張、危機に対応する役割を担っているのが国連や先進7カ国首脳会議(G7サミット)といった国際社会の枠組みだった。しかし、現状の動きを見る限り、もはや完全に機能不全に陥っていると言っていい。
これまでも散々言われてきたことだが、とりわけ無用論に拍車がかかりそうなのがG7だ。
G7は16日午前(日本時間17日未明)からカナダ西部のカナナスキスで2日間の日程で行われ、緊迫の中東情勢についても協議。イスラエルとイランの軍事衝突の全面回避に向け、双方に緊張緩和を呼び掛ける共同声明を発表したのだが、当初、声明への署名を見送る方針を示していたのがトランプだったという。
さらにトランプはG7を途中退席して帰国した。
2018年にカナダで行われたG7の際も、トランプはシンガポールで行われた米朝首脳会談に向かうために途中退席。今回は中東情勢に対応するためとはいえ、ウクライナのゼレンスキー大統領も参加する討議も欠席してトンズラというのは異例の行動と言えるだろう。
もっとも今回のG7は、協議の冒頭からトランプ政権の高関税政策の見直しを求める声が続出。AFP通信によると、複数の首脳から「関税紛争が結果的にG7の経済を弱体化し、中国を強くするだけ」との意見が出ていたというから、トランプにとっては居心地が悪かったに違いない。
2国間協議に持ち込んで「ディール」がトランプ流
多国間協議による「連携」や「協調」「協力」よりも、2国間協議に持ち込み「ディール(取引)」によって有利な条件を引き出すのがトランプ流だ。「米国に利益がなければG7は出席するだけ無駄。グダグダ文句を言うなら帰ろっと」といった程度の認識なのだろう。
「世界は第3次大戦の瀬戸際にある」。大統領選でこう訴え、圧倒的な軍事力で侵略を抑止し、無謀な戦争を回避して平和を実現する「力による平和」を外交・安全保障政策の柱に据えるといわれてきたトランプ。「大統領就任から24時間以内にウクライナ戦争を終わらせる」などと豪語していたが、今では見る影もない。その二転三転するトランプの言動に振り回されているのがG7なのだ。
そんなG7の腰抜けの姿勢を見透かしたであろうトランプは言いたい放題。ロシアをG8(主要8カ国)の枠組みから排除したことを「大きな間違い」と言い、プーチン大統領が「(今も)G8のメンバーであったら、現在の(対ウクライナ)戦争は起きていないだろう」と踏み込んだほか、中国がG7に加わることについても「悪い考えではない」と答えていたから驚きだ。
つまり、この発言を聞く限り、トランプの本音はロシアの軍事侵攻も中国の領土拡張戦略も問題視していないわけで、もはやG7が「法の支配」を訴える場ではないことを意味している。
イスラエルには文句を言えず、ウクライナ支援も中途半端。横暴国家の殺戮をただ眺めるだけのG7首脳の無力。これでは“木偶の坊”(デクノボー)と呼ばれても仕方がない。いよいよ世界は無法地帯になってきたわけだ。
さて、そんな場に意気揚々と乗り込んだ石破首相。トランプと約30分間会談したものの、例によって「日米同盟の強化を確認」という決まり文句でシャンシャン。ロシアやイスラエルの暴走を止める、といった独自の声明もないから、これまたガキの使い同然だろう。
沖縄国際大学大学院教授の前泊博盛氏はこう言う。
「さすがに今のトランプ政権は自国中心主義にも程があるとして、世界各国が米国と距離を置き始めました。これまで築き上げてきた米国を中心とした秩序や仕組みが失われるのは時間の問題で、今後は米国抜きの新たな枠組みが必要となるでしょう。欧州がEUをつくってさまざまな問題に対処したように、日本もアジアという枠組みの中でどう動くべきかを考える時ではないのか」
対米従属のままなら日本も一緒に世界から孤立するだけだ。
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