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※紙面抜粋
※2025年6月20日 日刊ゲンダイ2面
あり得ない日本のトランプ追随 イスラエルによるイラン核施設攻撃を容認するのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/373577
2025/06/20 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
内閣不信任決議案提出を回避(C)共同通信社
イ・イ紛争では目に余る日本外交の迷走ぶり。勇ましくイスラエルを非難したのに、トランプに媚びて、イスラエルの自衛権を認める豹変。だとすれば、核施設にバンカーバスターをぶち込む狂気の攻撃も容認するのか。
いま必要なのは、日本からの反対声明。
◇ ◇ ◇
中東の軍事大国の激しい交戦に歯止めをかけられるのか。イスラエルとイランの武力衝突をめぐり、国連安全保障理事会の緊急会合が20日午前(日本時間20日深夜)に予定されている。イスラエルの攻撃は国際法違反だと猛批判し、対応を求めるイラン側の要請によるものだ。もっとも、安保理の機能不全は周知の事実。安保理メンバーのロシアによるウクライナ侵攻は、3年あまり経っても出口が見えない。拒否権を持つ常任理事国の米英仏ロ中の思惑は常にバラバラ。効果的な手を打ち出せるのか、甚だ疑問だ。イスラエルの後ろ盾である米国のトランプ大統領がイ・イ紛争を取引材料とみなしているから、なおさらである。
イスラエルの奇襲で始まった交戦は8日目に突入。まさに急展開だった。第1次トランプ政権が一方的に離脱したイラン核合意をめぐる高官協議がオマーンの仲介で4月に再開し、6回目の会合を15日に控えていたからだ。イラン側では「イスラエルによる攻撃は差し迫っていないと思い込ませる策略だったのか」との疑念が渦巻いている。
パレスチナ自治区ガザに非人道的猛襲を繰り返しているイスラエルは13日、イランの核施設などに先制攻撃。軍トップら指導層を多数殺害した。イスラエルを国家承認せず、ハマスやヒズボラなど反米・反イスラエル武装組織「抵抗の枢軸」を支援するイランは宿敵だ。求心力低下が著しいネタニヤフ首相は「自衛のための措置だ」と強弁しているが、米国との手打ちは受け入れ難い上、国内世論の歓心を買う手段としてイラン攻撃は間違いなく有効だった。
不意を突かれたイランはすぐさま報復に動き、イスラエルの軍事基地などにミサイルを撃ち込んだ。戦火はイラン全土に拡大し、国防軍需省や生放送中の国営テレビも空爆された。両国や周辺国の空路は事実上閉鎖され、テヘランやテルアビブの住民は陸路や海路での脱出を強いられている。一刻も早く応酬を止めなければ、無辜の命が失われ続けてしまう。
憲法を読んだことがあるのか?
第5次中東戦争の懸念が高まる中、目に余るのが日本外交の迷走だ。
石破首相はトランプ関税をめぐる交渉妥結に一縷の望みをかけ、カナダ西部のカナナスキスで17日(現地時間)まで開催されたG7サミットに出席。トランプとの首脳会談であしらわれた一方、イスラエルの自衛権を認めて「イランは地域の不安定と恐怖の主要な要因」だと批判する共同声明に合意して帰ってきたのだ。舌の根の乾かぬうち、とはこのこと。当初は「イスラエルにより軍事的な手段が用いられたということは到底許容できるものではございません。極めて遺憾であり、今回の行動をわが日本国として強く非難をいたします」と強調。「G7で日本の立場を明確に述べ、沈静化に向け、関係国で連携して対応する」とし、平和憲法を掲げる国のリーダーとして毅然とした構えを見せていた。あれは一体何だったのか。あり得ないトランプ追随。豹変だ。
毎日新聞電子版(19日配信)が〈石破茂首相や欧州の首脳らがイスラエルによるイランの攻撃を巡り、「国際法上の懸念がある」などと名指しはせずにイスラエルを批判したり、双方の自制を求めたりする発言をしていた〉などと舞台裏を報じていたが、後の祭りである。
政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「軍事オタクの石破首相は憲法9条への自衛隊明記が持論ですが、憲法をしっかり読んだことがあるのか? 平和外交の努力がみじんも感じられず、見識を疑います。この夏で戦後80年。G7で反戦平和を説くことによって、国際社会で日本のプレゼンスを高めることができたのに、歴史の教訓から全く学んでいない。『国益』と強調する自動車業界は毎年、自民党に多額の献金をしています。彼らの利益しか頭にないのではないか。国民として情けないし、非常に恥ずかしい」
露払いのネタニヤフが泣きつきトランプ参戦
予測不可能性が悪化(C)ロイター
ネタニヤフは米国の強力な軍事支援を求めている。取り沙汰されているのが、地中貫通弾「バンカーバスター」の投入だ。イランの核開発計画に大打撃を与えるには、核兵器級の90%に近い60%までウラン濃縮を実施しているとされる中部フォルドゥの地下施設を破壊する必要がある。推定位置は地下80〜90メートル。実行能力があるのはバンカーバスターの最新版「GBU57」(重量約13.6トン、長さ約6.25メートル)のみで、搭載できるのは大型爆撃機B2のみ。いずれも米軍しか保有していない。
すべては手の内にあると言わんばかりのトランプは、イラン最高指導者のハメネイ師に「どこに潜んでいるか正確に把握している」「たやすい標的」とふっかけ、「無条件に報復せよ」と要求。イラン攻撃計画は承認済みで、最終命令は保留状態だ。「誰も私が何をするかは分からない」「来週は大きな動きが出るだろう」と煽っている。英BBCの報道番組に出演したイラン専門家の元米政府高官は、「ネタニヤフがトランプに電話して〈やれることは全てやって、B2や米軍への脅威がないことは確認したが、それでも核開発計画を終わらせることはできない〉と訴える」というシナリオが最も可能性が高いと分析していた。トランプにトコトン媚びる石破は、唯一の戦争被爆国トップであるにもかかわらず、バンカーバスターをぶち込む狂気も容認するのか。
一方の師は、「イランは決して降伏する国ではない。米国はいかなる軍事介入も取り返しのつかない損害をもたらすことを理解しなければならない」と牽制し、中東各地の米軍基地攻撃を示唆。伝統的友好国の北朝鮮による武器支援まで浮上している。ひとつ間違えば、戦線は途方もなく拡大しかねない。
グローバルパートナーで「戦争元年」
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう指摘する。
「2022年末に安保関連3文書を改定し、防衛費倍増や敵基地攻撃能力保有に道筋をつけた岸田前首相は、24年4月の訪米でグローバルパートナーになると宣言。米国に惜しみない軍事協力を誓いました。当然、石破政権にも第2次トランプ政権にも引き継がれている。日米両政府は米軍と自衛隊の指揮統制強化を推し進め、防衛省は今年3月に陸海空自衛隊の実動部隊を一元的に指揮する『統合作戦司令部』を新設。在日米軍司令部の『統合軍司令部』への再編成も進んでいる。そのタイミングで来日したヘグセス国防長官は、中谷防衛相との共同会見で〈米軍の兵士たちは自衛隊と肩を並べ、抑止に取り組んでいる〉と言い、〈西太平洋で有事に直面した場合、日本は前線に立つことになる〉と明言した。つまり、日本は軍事面でも米国の思惑から離れられないということ。地域はインド太平洋に限らない。日本独自の平和外交は封じ込められたと言ってもいいでしょう」
イスラエルとイランからの邦人退避が本格化している。中谷防衛相はきのう、自衛隊の活動拠点があるアフリカ東部ジブチに空自輸送機を派遣するよう統合作戦司令官に指示。邦人らの輸送に備えるというが、スピード展開には新司令部の運用実績を積む思惑も透けて見える。
「石破政権は国防族内閣。石破首相、岩屋外相、中谷防衛相はザ・族議員ですし、党本部に控える小野寺政調会長もそう。昨秋の総選挙で惨敗せず、少数与党に追い込まれなければ、軍事的色彩を強く押し出していたことでしょう。この機会に本質をむき出しにし始めるかもしれません。自民党政権によってこの国のありようは着実に変えられている。戦後80年が新たな戦争元年になりはしないか」(金子勝氏=前出)
通常国会はきょうが実質的な会期末。会見に臨む石破はどんなヘリクツをこねるつもりか。いまやるべきは、日本発の戦争反対声明であることは論をまたない。
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- “アメリカ イランの核施設3か所を攻撃 完全に破壊した”トランプ大統領が発表 FOXニュース「バンカーバスター6発使用」(TBS… 赤かぶ 2025/6/22 16:55:06
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