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壊れ始めた世界秩序 日本の最優先課題は「自給」だ 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/373740
2025/06/24 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
米国がイラン核施設を空爆、国民に向けて演説をするトランプ米大統領(C)ロイター
世界は一気にきなくさくなっている。全ては、トランプ米大統領の一貫性のない思いつきの言動のせいである。問題は、世界の秩序が壊れ始めているということだ。
カナダで行われたG7の会合でトランプは途中退席した。表向きはイランとイスラエルの停戦のためとの理由だったが、帰国後に彼が言い出したのは、イランに対する無条件降伏の要求であり、場合によっては戦争に加わるという議論であった。結果としてG7は首脳宣言を見送り、ウクライナ支援の共同声明も出せない状態に陥った。
G7は、かつては社会主義陣営に対抗して、欧米を中心とした自由貿易と民主主義国家による共同協議機関であった。ところが、トランプがそれを破壊し始めたのである。50年機能してきたG7体制を事実上機能不全にした戦後の大転換が起きているのだ。考えてみると、トランプが関税戦争を仕掛けた相手は、実はG7の国々なのである。ロシアのプーチン大統領やイスラエルのネタニヤフ首相とは良好な関係を築いており、彼らの侵略行為に対して共同で対処しようとはしない。トランプにとって最も困るのは、彼以外の国々がまとまって対処し始めることだ。各国が団結してロシアと戦うとか、イスラエルの暴挙を抑止する行動をとれば、今度は関税戦争でも同じことが起きる可能性があるからだ。トランプは世界全体がまとまらないようにバラバラにすることで、思い通りに事を進めようとしている。
しかし、これでは関税による世界分断も中東やウクライナの戦争も泥沼化させ、出口を見えなくする。トランプは「自分が大統領になればウクライナ侵略もガザの問題も全て終わる」と言っていたが、彼が何を仲介しようとも、もはや相手にされていない。プーチンはウクライナ侵略をやめるつもりはないし、ネタニヤフは米国が妨害するはずもないと高をくくり、ガザへの無差別攻撃をエスカレートさせ、イランにも手を出した。この戦争は簡単には終わらないし、関税戦争も終わらないだろう。
こう考えると、トランプ氏と仲良くすれば関税で優遇されるといった類いの議論をしていた「アベノミクス」の残党たちの、惨めな認識不足があらわになっている。それどころか、何でも米国に追随していけばすむという外務省の「外交」も無意味にしている。
これまでの発想を逆転しなければならない。米国以外の国々とできるだけ連携するとともに、エネルギーと食料の自給こそが、日本の経済危機を回避するための最優先課題となる。ところが、自公政権はエネルギー政策も農業政策もやっていることが真逆だ。今、真の安全保障を確立しなければならない時期に来ているのだ。
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/columns/4590
金子勝 慶大名誉教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
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