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野党第1党の「尻込み」こそが深刻な“国難”だ 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/373806
2025/06/25 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
立憲民主党の野田佳彦代表(C)日刊ゲンダイ
「情けない」としか言いようのない通常国会会期末の光景だった。最大の要因は、立憲民主党=野田佳彦代表が腰砕けして、内閣不信任案の提出を断念したことで、これで政局は一気に溶融してしまった。
小沢一郎が声を上げていたように、「不信任案は出せば通る。立憲、維新、国民民主、共産、れいわと、それだけで230(過半数233)票だ。石破君は選挙をやるというが、自民党は勝てない」という政権交代の絶好のチャンスを、自分の方から投げ捨てたわけで、これでは政治に緊張が生まれるわけがない。野田はトランプ関税攻勢という“国難”が深まっている中で、政治空白をつくるべきでないなどと弁解したが、野党第1党が政権交代に尻込みするという方が、国民からすれば余程深刻な“国難”である。
この軸芯のところが崩れてしまえば、後は聞こえのいい人気取り公約のバラマキ合戦になっていくのは必然で、自民が「1人当たり現金2万円」「2030年度までに100万円」と言えば、立憲も「1人当たり現金2万円」で足並みをそろえつつ「消費税を1年間限定でゼロに」と言い、国民民主はお得意の「年収の壁を年178万円まで引き上げ」を振りかざして「消費税については時限的に一律5%に引き下げ」と主張するというありさま。誰も、本当に安心できる国民負担のあり方とそれを支える税と社会福祉の仕組みといった大きな国家・社会のデザインを語らずに、「ハイ、こちらの方がちょっとお得ですよ」と目先の利益で釣ろうとする。
結局、「今だけ、カネだけ、自分だけ」の3ダケ主義である。「今だけ」とは歴史を振り返って今を位置付け、これから先の未来を展望するというのではなく、まさに「今だけ」を切り取って歓心を買おうとする刹那主義であり、当然に次の「カネだけ」の拝金主義にもつながっていく。行き着くところは、自分だけよければそれでいいという利己的主義だ。
小泉進次郎農相が演じる「米騒動劇場」もまさにこれで、“消費者目線”で備蓄米を2000円で放出するのはそれでいいとして、そのために集荷業者(JAなど)や卸業界を悪者に仕立てて叩き、その先の肝心の米農家がそんな値段では首をくくるしかなくなることなど無視する。
本当は、生産者、流通業界、消費者がそれぞれに成り立つよう「3次元方程式」を描いてみせるのが農相の仕事であるはずだが、彼の脳力はそこまで及ばない。国の生き方を示すべき政治家がこんなふうでは、国民は餓鬼道に落ちるしかなくなるのである。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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