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※紙面抜粋
※2025年7月1日 日刊ゲンダイ2面
脆弱政権まともに相手にされず…アメリカから引導の石破政権
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/374089
2025/07/01 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
「不公平だ」とFOXニュースにブチまけた。何でも言いくるめることが出来ると見下されてる(C)日刊ゲンダイ
毎週訪米し、滞在を延長しても電話で済まされたり、袖にされる赤沢大臣。そりゃ、この政権基盤ではマトモに相手にされないだろう。自動車関税強行と石破政権の命運がいよいよ見えてきた。
◇ ◇ ◇
案の定の展開だ。
トランプ米政権との関税交渉の担当役として訪米していた赤沢経済再生相が、6月30日帰国した。7回目の訪米の成果を報道陣に問われると「実りある議論をした」と強調したが、今後の見通しについては「改めて事務レベルで協議」「閣僚級の日程を調整する」と言うのみで、どこか表情は硬かった。
それもそのはず、トランプ米大統領が29日放送のFOXニュースのインタビューで、日本との自動車貿易に関して「不公平だ」とブチまけたからだ。「日本は米国の自動車を受け取らないのに、何百万台もの自動車を米国に持ち込んでいる」と主張していた。
さらに、日本政府が自動車への25%の追加関税見直しを求めていることについては、譲歩しない姿勢を強調。「日本に書簡を送ることができる。『親愛なる日本様、日本から輸入される自動車には25%の追加関税を課します』というものだ」と言ってのけたのだ。
一連のトランプ発言に関して質問された赤沢は、「コメントは控える」とダンマリ。4月16日からほぼ毎週、米国に乗り込んで交渉していたのに、成果はなかったということだ。
赤沢の今回の“ワシントン詣で”では、27日にラトニック商務長官と約1時間会談。その後、協議を主導するベッセント財務長官との面会を果たすため、帰国予定日を延期したが、結局ベッセントとは会えずじまい。ラトニックとの2回にわたる短時間の電話会談でお茶を濁されてしまった。完全に袖にされた格好だ。
そもそも、赤沢は1回目の交渉では、ベッセントと協議するため訪米したが、トランプ本人が突然“乱入”。面会の際、トランプのスローガンである「Make America Great Again(MAGA=米国を再び偉大に)」が記された赤い帽子をかぶらされ、ダブルサムズアップで笑みを浮かべる様子を収めた写真を公開されてしまった。交渉開始当初から軽く見られていたに違いない。
朝貢外交は大失敗
毎週毎週訪米し、袖にされる(C)ロイター/ZUMA Press Wire
見ているこっちが恥ずかしくなるほどの朝貢外交を展開したのに、トランプには不満をブチまけられるだけで、成果はなし。7回にわたる赤沢訪米には巨額がかかっているはずだが、一体何の意味があったのか。
しかし、よくよく考えてみれば、この政権基盤では米国にマトモに相手にされないのも当然といえば当然だ。何しろ、この政権は国民からの支持を失い、いつ降ろされるか分からない状況である。
「公金バラマキ」と批判を浴びてすぐに取り下げた現金給付案を、結局、参院選直前に再び打ち出す迷走ぶり。挙げ句、森山幹事長は「消費税を守り抜く」なんて言っているのだから、どうしようもない。この物価高、コメ高騰から国民を救うために、代替財源を血眼になって探して一時的にでも消費税引き下げを実現するのが、政府の仕事ではないのか。国民生活にロクに目を向けていないのが見え透いているから、内閣支持率も低迷したままだ。
こんな状況では、石破自民は参院選で惨敗必至。トランプに、そんな脆弱政権に譲歩するメリットがあるわけはないだろう。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「これまでのトランプ氏の交渉を見ていると、彼はパワフルで存在感のあるリーダーほど、キチンと向き合う傾向にあることが分かります。その点、石破首相は政権基盤が弱く、この先どうなるか不透明です。さらに、国際社会で目を引くような言動もない。そもそも、日本には取引材料になるようなカードもほとんどありませんから、トランプ氏は譲歩する必要はないと捉え、強気な態度に出たのでしょう。自動車という国の基幹産業を失いかねない問題なのに、石破政権は危機感が薄すぎます」
引導を渡されたも同然ではないか。
関税交渉を「選挙利用」の目論見崩壊
これで、石破の目論見は崩れそうだ。石破は関税交渉を「参院選対策」に利用する思惑があったが、それも風前のともしびだ。
「トランプ政権は4月上旬、相手国の関税率などを踏まえて自国の関税率を設定する『相互関税』を発動しましたが、直後に適用を90日間停止。その猶予期間が終わるのが7月9日です。参院選の公示日の同3日と時期が重なるため、石破首相は選挙開始前後に『交渉は大成功』とアピールし、選挙戦でのプラス材料にしようと考えた。日本に課せられた24%の相互関税と、自動車関税の引き下げをパッケージで実現できればインパクトは十分です。ところが、今回のトランプ大統領の『不公平だ』発言で、その狙いも崩壊寸前です」(官邸事情通)
米英両政府は、米国が英国から輸入する自動車の関税引き下げを含む貿易協定に早々に合意。それに次いで、米中両国も相互に課している追加関税の引き下げで一致している。英中両国が早期に合意を取り付けたのに対し、石破政権は参院選対策に利用するため「あえて交渉を長引かせた」(同前)といわれているが、バカみたいな話だ。
加えて、トランプ政権は7月9日の「交渉期限」の延期にまで言及している。ベッセントは「(9月1日の)レーバーデー(労働者の日)までに決着できるだろう」と発言。約2カ月間も先延ばしになる可能性があり、「参院選の材料にする」などという目的は泡と消えそうだが、国民生活を脅かす関税を巡る交渉を選挙に利用しようという考え自体が邪である。
7回「懇願」よりもやるべきことがある
そもそも、トランプにすり寄って「関税を免除してください」と懇願してうまくいくと考えていたのだとしたら、どうかしている。7回も米国に渡って揉み手でお願いするより、やらなければならないことは他にあるはずだ。
慶大名誉教授の金子勝氏(財政学)はこう言う。
「1980年代以降、日本は米国に対し、産業や技術面で譲りに譲って関係を構築してきたわけですが、もうそのやり方は続けられません。既に、日本には譲れるようなものが何もないからです。必要なのは、新たな産業を育てること。そのためには、大学や研究機関を抑えつけるようなトランプ流の真似事はダメです。日本では学術会議を骨抜きにする法律が成立してしまいましたが、こんなことをやっていては新産業は生まれません。一方で、エネルギーや食料自給率を上げることで輸入に頼らない社会構造をつくることも肝要です。時間がかかりますが、根気よく取り組むしかありません。でなければ、日本経済はボロボロになるでしょう。少なくとも、MAGA帽をかぶってハシャいでいるような時間はないはずです」
自動車関税の強行で、いよいよ石破政権の命運も尽きそうだ。
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