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※紙面抜粋
※2025年7月4日 日刊ゲンダイ2面
しゃべればしゃべるほど、石破の票が逃げていく…無為無策に言い訳ばかり
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/374283
2025/07/04 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
口を開けば無為無策に言い訳ばかり(C)日刊ゲンダイ
選挙戦がスタートしたが、目を追うごとに劣勢になりそうな自民党。トランプからも引導を渡され、9日にジ・エンドの関税交渉。そうなれば、目も当てられない惨敗へ一直線だろう。政党乱立、ポピュリズムの競り合い、漂流の政治状況だが、すべての元凶は自民党。
◇ ◇ ◇
「今年中に生活が苦しい方々にお金が行き渡るようにする。バラマキでも何でもない」
3日にスタートした参院選。石破首相の第一声は逆風下での選挙戦に追い込まれた苦しさを物語っている。公示日に各党党首が演説で力を入れたのは、やはり物価高対策だ。「給付VS減税」と報じるメディアもあり、世論が消費税減税を求めている中で、評判の悪い「2万円の給付金」を“正当化”しなければならない石破自民党は明らかに旗色が悪い。石破は口を開けば言い訳ばかりで、20日の投票日に向け、日を追うごとに劣勢になりそうなのだ。
選挙の焦点は、自公が非改選を合わせて過半数の議席を維持できるかだ。数字は「50」。現有66から16減らしても到達できる低いハードルだが、直近の世論調査の内閣支持率や自民党の政党支持率が低迷しているため、自民党内からも「勝敗ライン」クリアを不安視する声が漏れ聞こえる。
「小泉農相が随意契約の備蓄米を放出し、高騰したコメ価格の下落期待に世間が沸いた時は、党内に『これでなんとか参院選の大敗を避けられる』という空気が広がった。しかし、あれから1カ月で厳しさは元に戻ってしまった。東京都議選で過去最低議席という歴史的惨敗を喫したアナウンス効果も痛い。低調なまま選挙戦に突入してしまって、打つ手がありません」(自民中堅議員)
石破自身もそれをよく分かっているのだろう。公示前にメディア主催で複数回行われた党首討論会でも、スジの通らない発言が目立った。
討論会で石破が“集中砲火”を浴びたのは、もちろん、自民が公約に盛り込んだ給付案だ。国民一律2万円を支給し、子どもと住民税非課税世帯の大人について1人あたり2万円を追加する。これについて、「財源がはっきりしないならバラマキだ」「一律給付は『本当に困った人にする』とした自身の発言に反するのではないか」などと問われると、石破は「困っている人に早く届くことを目指している。バラマキという批判は当たらない」と色をなして反論。さらに、野党各党が公約に掲げている消費税減税をヤリ玉に挙げ、「ポイントも置かず重点化もしないのがバラマキだ。消費税の減税がこれに近い」と言い放った。
本心じゃないから誠意がこもらない
そもそも今年4月段階で世論受けが悪く、一度引っ込めた給付案である。再び持ち出したことを正当化するために、2万円を上乗せして、「まだ収入が低いとか、食べ盛りの子どもがいっぱいいる方に重点的に支払う」という理屈をつくった。石破が繰り返し使うこのフレーズは、いかにも財務省の振り付け通りに話している感じがして、国民を思う気持ちは伝わってこない。
石破は本心では給付金はやりたくなかったが、参院自民や公明党から「武器がなくては選挙を戦えない」と突き上げられ、シブシブ受け入れたのが実相である。だから誠意がこもらないのだ。
政権発足から9カ月も物価高を放置してきた無為無策のツケ。石破がしゃべればしゃべるほど自民の票が逃げていく。
ジャーナリストの山田惠資氏はこう見ている。
「争点は見事に、減税か給付かに分かれている。気になったのは、石破さんが消費減税をすると金持ちが得をすると主張していることです。所得の少ない人ほど負担が重くなる逆進性を真っ向から否定するものです。しかし、国民は財務省が思っているほどバカじゃない。エンゲル係数が高くて本当に困っている人を救う気があれば、あんな言葉は出てきませんよ。国民の期待と逆のことをやろうとしているのですから、選挙で勢いを取り戻すのは大変です。現時点では自公で過半数の50議席を割り込み、40台後半まで落ちてきているのではないか」
選挙期間中の来週9日には、トランプ関税の交渉期限を迎える。「30%か35%」と吹っ掛けられたまま、ジ・エンドの書簡が届き、トランプから引導を渡されれば、石破政権はアウト。50議席どころか、目も当てられない惨敗へ一直線だろう。
排外主義ポピュリズム台頭は自民党政治への不満の表面化
ポピュリズム政党(国民民主、参政党)/(C)日刊ゲンダイ
それにしても、今回の参院選は候補者の多さと政党の乱立が目を引く。
立候補を届け出たのは前回2022年比で23人減の522人。比例代表で現行の非拘束名簿式が導入された01年以降、2番目に多い。
東京選挙区は7議席をめぐり32人が、大阪は4議席に対し19人が立候補した。
驚くのは、所属国会議員5人以上、または直近の国政選挙で2%以上の得票という要件を満たす「国政政党」だけで11党もあることだ。党首討論会は全党を呼ぶには多すぎて、前述の要件の両方を満たす8党に絞られている。6月の都議選で初めて議席を獲得し、勢いに乗る参政党は、公示直前に所属議員5人となり、党首討論のメンバーに加わった。
長年、有権者動向を研究してきた明大教授の井田正道氏は3日発売の本紙インタビューで多党化する現状について、「人々の要求が多様化し、それに応える政党が細分化していく」と分析していた。さらに昨年来、SNSが選挙結果にも影響を与えるようになってきている。そうした中で、一部の政党はSNSで受ける政策を探して、ポピュリズム合戦を繰り広げているように見える。
ギョッとするのは、外国人に照準を定めた公約を掲げる政党が増えたこと。例えば、新興の参政党はキャッチコピーが「日本人ファースト」だ。「手取りを増やす」が金看板の国民民主党も「外国人に対する過度な優遇を見直す」と当初、公約に掲げた。排外主義的と批判されたとして、3日になって、「外国人に対して適用される諸制度の運用の適正化を行う」に微修正している。そして、支持層を失うと慌てた自民党も「『違法外国人ゼロ』に向けた取り組み加速化」を公約にした。
アベノミクスを総括しないできた必然
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「反移民などの排外主義で右派ポピュリズム政党が台頭した欧米での現象を彷彿させます。背景にあるのは経済的な問題。生活が苦しいのに報われないと不満が爆発し、外国人が優遇されているとか、外国人に税金が使われるのはおかしいなどという根拠のないヘイト情報にだまされて、排外的な大衆の気分が醸成されていく。そこに迎合して支持を得ようという政党が出てくるわけです。もっともこれは、自民党政権が長年、大企業本位で勝ち組目線の政治を続けてきたことの裏返し。そうした政治に対して人々の不満が表面化した結果です」
つまり、閉塞感に包まれ漂流する政治すべての元凶は自民党だということだ。失われた30年で、先進国で日本だけ給料が上がらず、大企業優遇のアベノミクスで法人税率が下がる一方、消費税率は上がり、庶民は円安物価高に襲われた。3年以上続く実質賃金のマイナスは賃上げ頼みの他力本願で放置され、生活苦は続く。さすがに国民は怒りで減税を求め、外国人に矛先を向ける。その受け皿にポピュリズム政党──。
前出の山田惠資氏も言う。
「アベノミクスの総括をしないできた必然でしょう。石破さんはアベノミクスを変えると打ち出したものの、その通りにはなっていないので、石破さんに最後の期待を持っていた人たちをつなぎ留められなかった。残る道は、政界再編を目指すしかないのかもしれません」
昨年の衆院選に続く、自公の過半数割れも必然なのである。
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