<■537行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> <主張>暗殺から3年 安倍政治を評価する時だ 社説 2025/7/8 5:00 https://www.sankei.com/article/20250708-FVZHYCYBZJPKJNGSFZUDIV2C4A/ 優れた宰相で世界のリーダーの一人だった安倍晋三元首相が、参院選の街頭演説中にテロリストの凶弾に倒れてから2025年7月8日で3年となる。 改めて心から追悼したい。 暴力で命を奪い、言論を封じる暗殺は民主主義への挑戦であり、断じて許されないことも強調しなければならない。 昨年2024年の衆院選大敗や石破茂内閣の支持率低迷から分かるように、政治は不安定となり危機に直面している。 今こそ 「安倍政治」 を評価する時だ。 安倍政治の最大の特徴は、安倍氏が国家観と国家戦略を持ち、世界秩序の維持や、地域の平和と安定に果敢に取り組んだことにある。 安倍氏提唱の 「自由で開かれたインド太平洋」 という戦略概念は、米国や欧州諸国、インド、東南アジア諸国でも広く共有されるに至った。 首相退任後も国内外で存在感と影響力の大きさは際立っていた。 安倍氏が健在であることが日本の国際的地位を引き上げたのである。 関税などでトランプ米大統領に世界各国は振り回されている。 トランプ氏と盟友関係にあった安倍氏が存命ならと思う人は多いのではないか。 外交安全保障政策で安倍氏は左派・リベラル勢力からの猛烈な批判を覚悟の上で、安保関連法を制定し、限定的ながら集団的自衛権行使に道を開いた。 これは日本の平和と国民の命を守る上で欠かせないことだった。 安倍路線を踏まえ、岸田文雄前首相は防衛力の抜本的強化に踏み切った。 世界情勢尚厳しい。 石破首相は日本の安全保障を確かなものにするために、何をしなければならないのかを国民に明示し、取り組むべきなのに、それが足りない。 中国、北朝鮮、ロシアという核武装した専制国家から、日本と国民を守り抜く覚悟を示してほしい。 自民党の党是である憲法改正への熱意も感じられない。 家族の一体感を損ねる選択的夫婦別姓を巡っては、導入に向けた法案を採決する際、党議拘束を外すことに含みを持たせた。 保守の矜持はどこへ行ったのか。 自民が安倍政治の意義を理解し、前に進めない限り、岩盤支持層は戻らないだろう。 参院選の真っただ中である。 テロなどの事件を防ぎ、民主主義を守るために、警備には万全を期してもらいたい。<主張>参院選とエネ安保 安定調達に資する論戦を 社説 2025/7/7 5:00 https://www.sankei.com/article/20250707-GA2NGNBTZBMBPPRQJFY2O6UGCE/ 化石燃料のほとんどを輸入に頼るわが国にとって、エネルギー資源の安定調達は重要テーマの1つである。 だが、各党が発表した参院選のマニフェストでは 「包括的資源外交の推進」 を訴える自民党を除き、エネルギー安全保障の強化に関する具体的な記述は乏しい。 物価高対策としてガソリン税の暫定税率廃止によるガソリン価格引き下げの主張ばかりが目立つが、前提となるのは原油の安定調達である。 日本は原油の95%超を中東から輸入しており、日本向けタンカーの8割がホルムズ海峡を通過する。 先月2025年6月には、中東情勢の緊迫化から、原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡をイランが封鎖する恐れが取り沙汰されたばかりだ。 中東からの原油が滞れば、日本経済や国民生活への影響は計り知れない。 中東有事に備え、原油調達を如何にして安定化するのか。 参院選を通じて各党はその方策について論じなければならない。 ホルムズ海峡を通過するのは原油だけではない。 日本がカタールとアラブ首長国連邦(UAE)両国から輸入する液化天然ガス(LNG)もホルムズ海峡を経由する。 かつてに比べ減少しているものの、両国からは合計で全輸入量の5%超を輸入している。 火力発電の燃料としても利用されるLNGは、化石燃料では燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出量が少ない。 カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)移行期において、脱炭素とエネルギー安保を両立する現実的な選択肢とされる。 LNGでは原油のような調達先の偏在はないが、8%超を調達しているロシアのサハリン2の契約は令和11年以降、段階的に更新時期を迎える。 世界的に需要拡大が続くとされる中で、先を見据えた調達方針を議論しておくべきだ。 政府は中長期的なエネルギー政策の指針となる 「エネルギー基本計画」 を2025年2月に改定し、原発を 「最大限活用する」 と明記した。 CO2を排出しない安定電源である原発の稼働が進めば、それだけLNG輸入を削減できる。 原発ゼロを主張する野党もあるが、原発が日本のエネルギー安保にとって重要な役割を果たすことを忘れてはならない。 参院選比例投票先、参政8%で2位急浮上 国民と立民6%抜く 自民18% 共同世論調査 2025/7/6 18:18 https://www.sankei.com/article/20250706-ISB2DAR5DJOT7DPD6XISI3B4AA/?outputType=theme_election2025 共同通信社は2025年7月5、6両日、参院選の有権者動向を探る全国電話世論調査(第2回トレンド調査)を実施した。 比例代表の投票先は自民党が18・2%で、2025年6月28、29両日の前回調査17・9%から横ばいだった。 参政党は2・3ポイント伸ばして8・1%となり、国民民主党6・8%(前回6・4%)、立憲民主党6・6%(9・8%)を上回った。 石破内閣の支持率は25・4%で、7・0ポイント下落。 不支持率は4・8ポイント増の62・6%だった。 選挙区の投票先は、野党系候補が36・6%、与党系候補が20・5%で、前回に続き野党系が大きく上回った。 参院選の結果、与党が 「過半数割れした方がいい」との回答が49・9%、 「過半数割れしない方がいい」は39・8% で、前回とほぼ同じだった。 物価高対策として、現金給付と消費税減税のどちらが望ましいかを聞いたところ、「消費税減税」が76・7%で6・7ポイント増えた。 「現金給付」は5・9ポイント減らし、17・9%だった。 保守党・有本香氏「中国共産党にほめられる石破内閣は退場を」ウイグル、チベット問題挙げ 2025/7/6 16:50 https://www.sankei.com/article/20250706-S3GWGUBKLNEA5K2XL4BAUFSJZU/?outputType=theme_election2025 日本保守党から参院選(20日投開票)比例代表に出馬した有本香事務総長は2025年7月5日、JR上野駅前(東京都台東区)で演説し、石破茂政権の姿勢を批判した。 中国の習近平指導部が石破政権の存続を望んでいることについて、新疆ウイグル自治区やチベット自治区の人権状況を挙げ、 「石破内閣は、人類史上最悪な人権侵害で、欧米が制裁対象としている中国共産党政権から褒められる存在だ」 「何が何でも退場してもらわないといけない」 と強調した。 ■国民は勤勉、政治が間違い 石破政権を巡って、中国政府筋は 「日本政府が安定することが中日関係の安定にも繋がる」 として、政権存続を期待していると報じられている。 有本氏はインバウンド(訪日客)抑制を訴え、東京都板橋区のマンションを中国系オーナーが購入し、インバウンド向けの民泊にするため、家賃を上げたことで、住民が退去せざるを得なくなった事例を紹介。 「一種の経済侵略だ」 「軍事を使わず、経済力を使って、日本人が住まいを追われる事態になっている」 「今の政権が経済侵略を招いていると言って過言ではない」 と語った。 賃上げ対策にも言及し 「30年前から国民の平均所得が上がっていない」 「経済成長していない」 「日本だけが経済成長を忘れたようになっている」 と述べ、 「勤勉で誠実な国民が1億人もいるのに、30年も経済成長させなかった政治が根本的に間違っている」 「優れた政治家の1人や2人はいたが、政治の舵取りを間違えた」 「ふざけた政治をやった人たちを国会か叩き出し、新しい勢力を入れてほしい」 と述べた。 食料品を0%にするなど消費税減税や再生可能エネルギー賦課金の廃止、「移民政策」の是正も訴えた。 石破首相の川口演説、外国人問題は6番目 市民ら「ルールを守らせると言ってほしかった」 「移民」と日本人 2025/7/6 15:30 https://www.sankei.com/article/20250706-2R5DOQB6AJARHEQZJL3NOYAFDQ/?outputType=theme_election2025 2025年7月20日投開票の参院選で2025年7月5日、石破茂首相(自民党総裁)が埼玉県川口市で与党候補の応援演説に立った。 外交問題や物価高など主に6つの政策を訴え、外国人問題には一番最後の6番目に触れた。 聞いていた川口市民からは 「外国人が増え、治安が悪化したと感じている」 「ルールを守らない外国人はきちんと裁いてほしい」 といった声が聞かれた。 ■クルド人少年の事件現場で備蓄米 石破氏は約17分間マイクを握り、政策については外交問題を皮切りに、物価高、消費税、防災、コメ問題と語り、演説の最後に外国人問題に触れた。 「この川口の色々な外国の方々との問題」 「外国の方々にはルールをきちんと守って日本の社会でi色々な役割を果たしてもらうことが大事だ」 「日本の習慣をきちんと身につけてもらうことで、日本で多くの国の人たちが共に暮らしていくことができる」 石破氏が公示後の全国での応援演説で、外国人問題に言及したのは初めてとみられる。 石破氏はこう続けた。 「日本の文化や歴史、伝統をきちんと守っていきながら、外国の人たちにルールを守ってもらう」 「そういう社会を作る」 「憎しみや悪口で世の中の問題は決して解決しない」 演説が行われた公園の目の前は大型商業施設で、令和5年8月に当時14歳のクルド人の男子中学生が煙幕を出す花火を投げ付けて逮捕された事件の現場だった。 石破氏は商業施設を指さし、 「ここにも備蓄米が出てます」 「3千円台で出てますから」 とアピールした。 ■演説会場「夜は外国人ばかり」 川口市は全国の市町村で最も外国人が多く、今月2025年7月1日時点で5万1千人。 総人口約60万人の8・4%を占め、前月から0・1ポイント上昇した。 市の市民意識調査によると、昨年2024年度は市民の49%が「治安が悪い」と感じ、前年度から19ポイント上昇。 体感治安の悪化が問題化する一方で、民族ごとに特定の地域に集住しており、同じ川口市内でも地域によって温度差があるのが実情だ。 石破氏の演説後、川口市民に外国人問題について感想を尋ねると、60代の会社員男性は 「私の地域ではあまり問題になっていない」 「外国人を排除するのはだめだが、やはり共生にはルールを守ることが必要だと思う」。 70代の主婦も 「スーパーで見かけるくらいだけど、石破さんの言う通りルールは守ってもらいたい」 と話した。 一方、40代のパート勤務の女性は 「ここ数年、外国人が急に増えて、この公園も夜7時を過ぎると外国人ばかりになる」 「外国の曲を流しながらバイクで暴走したり、治安も悪くなったと感じる」 「娘の習い事も1人では行かせられなくなった」。 ■「川口といえば…」に落胆 30代の会社員女性は、石破氏が演説でなかなか外国人問題を切り出さない中、演説の途中で 「川口と言えば…」 と話題を転じた際、 「いよいよか」 と期待したという。 だが、首相の口から出たのは昭和37年の映画「キューポラのある街」の話題で、 「ちょっと違うと思った」。 女性は 「ごみ出しルール違反が酷いし、解体の木材をたくさん積んだトラックなど本当に危ない」 「もちろんきちんとしている人もいるけれど、やはり日本に住むのなら日本のルールを守ってもらいたいと思う」 と訴えた。 クルド人の集住地域近くに住むという50代の自営業男性は 「首相は 『外国人にルールを守ってもらう』 と言っていたが、この川口で演説するのなら、国の行政の長として 『外国人にルールを守らせる』 と、きっぱり言ってほしかった」 と話した。 石破氏の演説の前には、地元選出の新藤義孝衆院議員と奥ノ木信夫市長も選挙カーに乗り、新藤氏は 「ルールを守らない人は、この国にいるわけにはいきません」。 奥ノ木氏は外国人問題に触れなかった。 「給与上がらないのは政治の無策」「食料品の消費税ゼロ」保守党の百田代表が参院選第一声 2025/7/3 12:36 https://www.sankei.com/article/20250703-WA5VPPRD4ZJO7OSBRHUROES7Q4/?outputType=theme_election2025 「日本保守党」 の百田尚樹代表は2025年7月3日午前、参院選(2025年7月20日投開票)の公示を受け、東京・JR新橋駅前で第一声となる街頭演説に臨み、 「30年間、日本人の平均給与はほとんど上がっていない」 「日本人は昔も今も、最も勤勉な民族だ」 「日本人は世界で最高の民族だ」 「平均給与が上がらないのは、『政治の無策』以外の何ものでもない」 「減税は待ったなし」 「食料品の消費税8%をゼロにする」 などと訴えた。 百田氏は2025年7月3日午前11時前、党のシンボルカラーである青のポロシャツを着て、青いタオルを頭に巻いて登場し、 「いよいよ17日間の選挙戦が始まった」 「この選挙は日本にとって大事な選挙だ」 「日本は壊れかけている」 「日本は壊されかけている」 などと自公政権を批判した。 炎天下の中、新橋西口のSL広場前には300人以上の支持者が集まり、百田氏の訴えに、拍手や 「そうだ!」 といった声援を送った。 百田氏は更に、 「外国人がどんどん入ってきて、日本人の7割ぐらいの収入で働いている」 「政府や経済界は 『少子高齢化で労働力が減っている』 と言うが、彼らは 『安く働く労働力』 しか見ていない」 などと指摘した。 食料品の消費税については、 「生きていくのに絶対必要な食料品と水に税金をかけるのは 『生存税』 だ」 「こんなバカな税金はない」 「今すぐにやめるべきだ」 と言い切った。 <産経抄>政党と候補者の器を測る、参院選公示 2025/7/3 5:00 https://www.sankei.com/article/20250703-G5LF3S3IGZOFBGNND3R2JSRNJU/ 英首相のロイド・ジョージが、ある地方の演説会に弁士として立った。 第一次世界大戦で戦時内閣を率いた最中のことである。 首相を見た司会者は、想像よりも小柄なことに驚いたらしい。 「意外に存じた次第で…」 と口を滑らせた。 ▼首相は聴衆を見渡しこう切り返した。 「当地では、顎から下の大きさで人物を測るようだ」 「私の故郷では、顎から上の大小で人物を測る」。 大きな頭を左右に振り、満座の喝采を浴びたという(『話術』徳川夢声著)。 人物の目方を測る上で示唆に富んだ挿話だろう。 ▼折しも選挙の季節である。 物価高という難問があり、不穏な国際情勢が我が国に防衛力の抜本的な強化を迫っている。 「トランプ関税」 への対応も後回しにできない。 政党や候補者の目方を測る尺度を何に求めるか、迷う有権者は多いに違いない。 ▼内外共に多事多端の中、参院選が公示を迎えた。 いつもならば政権与党の 「中間試験」 という色を帯びるはずが、そうもいかない。 昨秋2024年秋の総選挙で自民、公明両党は少数与党となり、今回の採点結果が石破茂政権の適否に関わる意味合いもある。 ▼給付や減税などの物価高対策に、有権者の関心が高まるのはやむを得ない。 さりとて、我が国を取り巻く安全保障環境はかつてないほど厳しい。 与野党が口にする耳に心地よい政策は、国の針路を考えれば本当に正しいものなのか。 大局に立った議論も忘れてはなるまい。 ▼「政権選択」 の色彩を濃くする選挙だからこそ、各政党や候補者には、我が国が取るべき針路について語ってもらいたい。 有権者の側も電卓や家計簿だけでなく、世界地図を睨んで政党や候補者の大小を測りたい。 国の未来を託すに相応しい器の持ち主かどうか。 <主張>参院選公示 日本の針路示す論戦を 国際情勢から目を背けるな 社説 2025/7/3 5:00 https://www.sankei.com/article/20250703-H4KHWGKZA5JJXFWM7EIPWDFR3A/ 参院選の公示を迎えた。 2025年7月20日の投開票日までに日本の針路を指し示す論戦が行われることを期待したい。 今次参院選の特徴は、その後の政権の構成に直結する重要選挙だという点だ。 衆院では昨年2024年の総選挙で、自民党、公明党の与党が過半数割れとなり、少数与党政権となっている。 更に、石破茂内閣の支持率は低迷を続けているためだ。 石破首相は参院選の勝敗基準を、非改選を含めた過半数を維持する、与党50議席という最低ラインに設定せざるを得ない状況だ。 ■与野党は枠組みを示せ 参院でも与党が過半数割れになれば、政権交代や連立の枠組みの変更もあり得よう。 与党に加え野党各党も、国家の舵取りに当たる覚悟が求められている。 有権者に対し、具体的な政策を語ってほしい。 先の通常国会で与党は令和7年度予算を成立させるため、日本維新の会など野党側の主張を取り入れたが、場当たり的な対応が目立った。 長期的な視点で政策を立案、遂行する態勢の構築が欠かせない。 石破首相や与党は、今の少数与党政権を続けるのか、連立の枠組みを変更する考えがあるのかについて語ってもらいたい。 立憲民主党の野田佳彦代表、維新の吉村洋文代表、国民民主党の玉木雄一郎代表らも、与党から連立参加の申し出があれば受け入れるのか、参院でも自公が過半数割れすれば野党が結束して政権交代を目指すのかを明らかにしてほしい。 これらは有権者にとって重要な判断材料になり得る。 何も語らず一任せよ、という態度を取るなら不誠実極まりない。 参院選の大きな争点は物価高対策になっている。 2025年7月2日に行われた日本記者クラブ主催の与野党8党首による討論会でも中心的な議題となった。 与党が主に給付を訴えているのに対し、野党側は消費税の減税や廃止を掲げている。 有権者の関心が高いテーマだが、それだけの論戦では不十分だ。 賃上げが重要なのは言うまでもない。 そのために日本経済の持続的成長の処方箋をもっと競い合わなければならない。 米価高騰の問題もある。 備蓄米だけでなくブランド米も含めたコメ全体の店頭価格の抑制は道半ばだ。 事実上の生産調整を続けている農政の見直しも論点になっている。 コメ政策は有権者の関心事である。 他にも忘れてはならない課題がある。 厳しい国際情勢への対応だ。 まず、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障である。 日本が原油の大半を依存する中東では、イランとイスラエルが停戦した。 だが、イランの核開発放棄は見通せず、戦火の再燃もあり得る。 ロシアのウクライナ侵略は続いている。 ■憲法改正も重要争点に 米国が 「世界の警察官」 役を放棄して久しい。 米国は同盟国に大幅な防衛努力を求めている。 中国、北朝鮮、ロシアという核武装した専制国家に囲まれた日本は、安穏としていては平和を享受できない時代だ。 台湾有事や朝鮮半島有事の抑止へ、どのように防衛力を充実させていくのか具体的方向性を語ってほしい。 それを避ける政党、候補者は無責任である。 もう1つは日米関税協議だ。 トランプ米大統領は一段と強硬になっている。 「我々が決める30%、35%といった関税を払ってもらう」 と述べ、2025年7月9日を期限とする 「相互関税」 の上乗せ分の一時停止については延長に否定的な考えを示した。 関税措置が是正されるどころか強まるようなら、日本経済に甚大な影響が出る。 国益を守るために、どのような戦略を描きトランプ氏と対峙するのか、各党は見解を示すべきだ。 憲法改正も置き去りにしてはならない。 憲法への自衛隊明記に加え、戦力の不保持を謳う第9条2項を削除し、 「軍」 の保持を認める必要がある。 今後の震災などに備え、緊急事態条項創設も欠かせない。 安定的な皇位継承に向けた皇族数確保は日本の根幹に関わる。 男系継承という最重要原則を踏まえた立法府の総意形成が急がれる。 各党の考えに静かに耳を傾けたい。 選択的夫婦別姓制度は、片方の親との強制的別姓となる子供の立場を考えず、家族の一体感を損ね社会を動揺させる危うい主張と言える。 冷静な論議を求めたい。 参院選の争点は「政治とカネ」ではない リベラル派は決して自民に投票せず、保守票減らす 阿比留瑠比の極言御免 2025/7/3 1:00 https://www.sankei.com/article/20250703-B2PBTZ3JDJJ6PIPLD3D6UJXV5U/?outputType=theme_election2025 「普通だったら、去年2024年の衆院選であんな結果(惨敗)になったら、揺り戻しがあって参院選にはプラスに働くんだけどな」 「でも、それがなさそうだ」 「やっぱり、政治とカネの問題が尾を引いているんだろうな」 最近、自民党関係者がこう話しているのを知り、愕然とした。 未だにそんな認識なのか、そんな自民に国民が求めているものすら把握できない状況では、2025年7月20日投開票の参院選でも苦戦するだろうと改選議員らに同情を覚えたほどである。 確かに政治とカネの問題の後遺症はまだ残っているだろう。 しかし、それはもはや国民にとって最優先課題ではない。 ■生活とカネ 各種世論調査で政治とカネの問題について 「考慮」 するかと聞かれたら、 「しない」 と答えるのも変なので 「する」 と答えるかもしれないが、優先順位は高くあるまい。 食料品をはじめとする諸物価高騰の折、政治とカネより 「生活とカネ」 への有効な対策が必要とされている。 ■「何としても消費税を守り抜く」 森山裕幹事長が2025年6月29日、奈良県五條市での講演で、こう強調したのにも呆れた。 多くの野党が物価高対策として参院選公約に消費税減税を盛り込んだことに対抗する意図は分かるが、何としても守り抜くべきは国民の生命、財産、自由であるべきではないか。 森山氏の言葉を聞いて、頭に浮かんだのは 「国破れて消費税あり」 という駄句である。 森山氏の言い方では、消費税が更に上がる未来しか想像できない。 かと思うと、石破茂首相は2025年6月30日のテレビ朝日番組で、選択的夫婦別姓制度の導入を巡り、法案の採決時に党議拘束を外す案について 「1つの考え方だと思っている」 と選択肢として含みを残した。 夫婦別姓法案で党議拘束を外した場合、自民内の別姓賛成派が野党案に賛成に回って成立する可能性がある。 このため、森山氏はこれまで党議拘束をかける方針を示してきたし、首相自身も党議拘束外しには慎重な姿勢を見せていた。 ここにきてまたブレたのも、もともと夫婦別姓賛成派だった首相の本音が垣間見えたということか。 元々石破政権の主要メンバーは党内のリベラル派で、ともすればリベラル政策に傾きがちとなる。 だが、自民がいくらリベラル派にすり寄って褒められても、リベラル派は決して自民には票を投じない。 それまで自民を支持してきた保守票を減らすというマイナス効果しか生まない。 自民の党員が減り始めた時も、きっかけは 「LGBT理解増進法」 を無理やり成立させたことだったのに、当時の岸田文雄政権の執行部は 「政治とカネ」 の問題が原因だとすり替えた経緯がある。 ■敗戦ムード 参院選改選組の佐藤正久元外務副大臣は2025年6月30日のX(旧ツイッター)で、読売新聞の 「参政党急伸で自民に危機感 保守層の離反懸念、首相周辺『これだけの支持は脅威』」 との見出しの記事を引き、こう記した。 「離反を招いたのは自民党自身が原因なのに」 「その責任者が言う言葉ではない」 「分かってないのかな?」 「自民党がリベラル政策をやってもリベラル票は来ない、保守票は逃げる」 現場の悲鳴のような声が首相や執行部にはまるで届かないとしか思えない。 閣僚経験者の1人は言う。 「もう敗戦ムードが濃厚じゃないか」 「過半数は大きく割り込むだろう」 衆院選、東京都議選、参院選と3連敗しても、首相は責任を取らずまだ続けるつもりなのだろうか。 (論説委員兼政治部編集委員) 安全保障、主な議題にならず 野田氏「珍答」立民に不安 国民を「参院選の敗者」にするな 2025/7/2 20:23 https://www.sankei.com/article/20250702-4DIAJOOCA5NU5MEZS7OEQPHOGU/?outputType=theme_election2025 参院選公示前日の2025年7月2日に行われた日本記者クラブ主催の討論会で、台湾情勢や憲法9条改正が主な議題とならなかったことは極めて残念だ。 特に中国の軍事的脅威が増す中、野党第一党である立憲民主党は防衛意識の低さを露呈し、政権担当能力に不安を感じさせた。 「日本を取り巻く安全保障環境を相当に甘く見ていないか」 石破茂首相(自民党総裁)は、 「軍事費だけが異常に突出する予算が組まれている」 と批判してきた共産党の田村智子委員長をこう突き放した。 安全保障を巡って政権交代を掲げる立民の党首である野田佳彦代表の 「珍答」 に驚愕する場面もあった。 立民は安倍晋三政権下で成立した安全保障関連法に関して 「違憲部分の廃止」 を訴えている。 どこが違憲に該当するか問うた首相に対し、野田氏は 「違憲部分がどこなのかは政権を預かった時に米国や防衛省のヒアリングなどを通じて検証していく」 と答えた。 回答を聞いた首相は 「えー」 と声を上げ、 「『この部分が違憲だ』ということがなければ公約にならない」 と指摘した。 「政権を目指している」。 野田氏は討論会でこう強調したが、呑気な安保観を吐露された直後だっただけに記者も正直、説得力を感じなかった。 この日の討論会の大半は物価高対策や社会保障改革などに集中した。 国民生活に直結する重要なテーマとはいえ、台湾有事が起きた場合の具体的対応や9条改正が取り上げられなかったことは消化不良の感が否めない。 昨年2024年10月の衆院選の党首討論観戦記で 「いずれの政党も等しく達成感を得られない『勝者なき衆院選』を予見させる」 と書いた。 与党に勢いは感じなかったが、野党間の足並みの乱れも印象に残ったからだ。今回の参院選の結果、敗者が国民となる悲劇は避けなければならない。 「勝者なき衆院選」を予見 記者がみた7党首討論会 野党間連携の脆さも露呈 政治部・内藤慎二 2024/10/12 22:19 https://www.sankei.com/article/20241012-JVL6TOPJWRI7FIUYOZBQNQWRDM/?outputType=theme_election2024 衆院選を前に与野党7党首が臨んだ日本記者クラブ主催の討論会で、野党側は 「核共有」 や 「政治とカネ」 の問題などで石破茂首相(自民党総裁)に攻勢をかけた。 戦いの主導権を握り、与党を過半数割れに追い込む狙いだ。 もっとも、野党間の連携のもろさが露呈する場面もあり、いずれの政党も等しく達成感を得られない 「勝者なき衆院選」 を予見させた。 「核保有、核共有、核持ち込みを許容するような発言をしている日本のトップでいいのか」 立憲民主党の野田佳彦代表は討論会で、石破首相をこう追及した。 首相が2024年9月の自民総裁選で、米国の核兵器を日本で運用する 「核共有」 の議論が必要と主張したことなどが背景にある。 前日に決定した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞授与に湧く世論を意識したことは明らかだ。 これに対し首相は 「現実として核の抑止力は機能している」 「どう核廃絶へ繋いでいくかはこれから議論していきたい」 と述べた。 理想を重視しつつ、政権与党として厳しい現実から目を背けない覚悟を感じた。 とはいえ、首相の口から自民が重視してきた憲法改正や安定した皇位継承などへの思いが語られなかったことは残念だった。 ■選挙協力実らず 討論会では野党間の溝の深さも浮き彫りとなった。 れいわ新選組の山本太郎代表は野田氏に 「消費税減税は時間がかかるとお考えか」 と質問し、野党第一党が消費税減税に後ろ向きだとアピールした。 同じ左派政党として消費税減税を期待する立民支持者を奪う狙いも透けて見えた。 今回の衆院選で野党間の選挙協力が十分に実らなかったことについて、政権交代を目指す野田氏が 「対話のチャンスがある限りは(交渉を)続けていきたい」 と答える場面もあった。 もっとも、 「中道保守」 を志向する野田氏の言葉から本気度は感じられなかった。 共産党の田村智子委員長は安保関連法廃止の大方針を共有できない限り、包括的な野党共闘には応じない構えを示した。 ただ、立民との関係が修復不能となれば孤立化は避けられない。 立民内では共産との選挙協力を期待する声が根強く、野田氏との間で公示まで妥協点を探る心理戦は続く。 ■早くも「局地戦」 討論会では 「局地戦」 も目についた。 日本維新の会の馬場伸幸代表は、公明党が 「政治とカネ」 の問題で自民から非公認とされた一部議員を推薦した対応を疑問視。 公明の石井啓一代表は高齢者医療費の窓口負担に関する維新の訴えを酷評した。 両党は大阪を主戦場に衆院選で激突する。 熱戦の火蓋は早くも切られたようだ。 自民幹部は今回の衆院選について 「我が党の勢力後退は避けられないが、批判票は立民や維新、共産などに分かれるので政権は維持できる」 と分析していた。 野党の分断を感じた討論会からは、確かに 「勝者なき衆院選」 の未来が垣間見えた。 石破首相に刺さる無数のブーメラン 何も感じていないのか、責任追及せぬ自民の存在意義は 阿比留瑠比の極言御免 2025/6/26 1:00 https://www.sankei.com/article/20250626-NMDREKTHWBP5PP356KYT55EBTI/ 若い頃の大言壮語や絵空事のような理想論は、後で振り返ると恥ずかしいものだが、石破茂首相は今、どんな心境だろうか。 過去から飛んで返ってくる無数のブーメランが突き刺さっても、何も感じないのか。 ■麻生氏に辞任要求 2025年6月24日には、安倍晋三政権の内閣官房参与で、安倍氏の外交政策スピーチライターを務めた谷口智彦氏が自身のフェイスブックに 「発言の主は、16年前の石破茂氏」 と綴っているのが目にとまった。 石破首相が東京都議会選挙の自民党敗北を受けて、平成21年7月13日のブログに投稿した次の文章を紹介したものである。 《「都議選もあくまで一つの地方選挙であり、国政に直接影響するものではない」というのは理屈としては全くそのとおりなのですが、現実は国政に対する批判がダイレクトに出たことを真摯に受け止め、もちろん内閣の一員である私も含めて深く反省し、何を改めるべきかを示さなくてはなりません。そうでなければ落選した都議候補にあまりに申し訳がないというものです》 当時、麻生太郎内閣の農林水産相だった首相は麻生氏に対し、都議選敗北の責任を取って辞任するよう求めたのだった。 現職閣僚が首相に辞めるよう迫るのは筋が通らない話だが、 「国政に対する批判がダイレクトに出た」 ことを深く反省してのことだろう。 ところが、僅か21議席しか獲得できずに大敗した今回の都議選について記者団に問われた首相は、自身の進退には全く触れずにこう述べた。 「この結果の分析はすぐにできるわけではないが、どのような訴えが届かなかったのかをきちんと分析をして、今後に生かしていかねばならない」 ■大敗の責任すり替え 首相は、今回の都議選結果に現れた 「国政に対する批判」 も無視している。 このどんな結果になろうと自分は悪くないという独特の 「石破理論」 は昨年2024年10月の衆院選の際もそうで、少数与党に転落するという惨敗を自民党の在り方の問題にすり替え、こう語った。 「自民党は反省が足りないとご叱責を賜った」 「身内の論理、党内の理屈は一切排除し、政治とカネについて抜本的な改革を行っていく」 今回の都議選の大敗に関しても、自民党内には政治とカネの問題が主因だという見方があるが、そうではないと考える。 税収の上振れが何年も続いても頑なに減税は拒絶し、経済成長の方策は企業に大幅賃上げを求めるだけという石破内閣の無策ぶりや、後手後手の流入外国人への対応など、石破政治そのものに 「ノー」 が突き付けられているのではないか。 2025年4月10日の当欄でも紹介したが、大事なことなので再掲する。 首相は平成19年7月の参院選で当時の安倍首相率いる自民党が大敗した際には、夕刊フジのインタビュー記事でこう明言していた。 「責任を取るべき人が取らないのは組織ではない」 「その責任を追及する声が上がらない組織は病んでいる」 「このまま追及する声がないようなら、そんな党は存在意義がない」 「私だったら即座に辞めて、落ちた人のところに謝って回る」 安倍、麻生両氏に選挙敗北の引責辞任を求めておきながら、自分はいくら選挙で負けても責任を取ることは決して考えない。 そんなトップが平気な顔で首相を続けていることに対し、厳しく責任を追及する声がほとんど聞こえてこない自民党に、存在意義はあるのだろうか。 (論説委員兼政治部編集委員) 自民議員は石破首相の「過去の覚悟」に学べ もう楽にしてあげた方がいい 阿比留瑠比の極言御免 2025/4/10 1:00 https://www.sankei.com/article/20250410-GKJLNIYC4JOSPDF3LH6W2EVSVE/ 石破茂首相が昨年2024年10月の衆院選で惨敗を喫したにもかかわらず居座りを決め込んだ際には、自民党の少なくない議員が 「令和7年度予算が成立するまでの暫定政権だ」 との見立てを示した。 政権選択選挙に負けた首相は本来、直ちに辞任すべきだが、少数与党になってしまった以上、予算成立までは首相に責任を負ってもらう。 そして、その後に新しい党総裁を選び直すというストーリーである。 ところが、その予算が成立して1週間以上が経っても、 「石破降ろし」 の風は吹かず、党内は凪に近い。 保守系有志議員グループ 「保守団結の会」 が2025年4月3日に開いた会合では、石破首相に退陣を求める声が出たというが、まださざ波しか立っていない。 トランプ米大統領による 「関税ショック」 で毒気を抜かれた部分もあろうが、あまりに活力がない。 このままずるずると首相の責任も問わずに2025年夏の参院選を迎える気なのか。 そこでふと、もしかしたら石破首相自身は、こんな元気のない党の現状に飽き足らず、内心は不満なのではないかと考えてみた。 過去のスクラップ記事を読み返し、首相がこれまでにどれほど勇気と確信に満ちた発言をしてきたかを確かめた結果である。 ■安倍おろしの急先鋒にも 石破首相は平成19年7月の参院選で当時の安倍晋三首相率いる自民が大敗した局面では、安倍降ろしの急先鋒となった。 同年8月2日付の夕刊フジのインタビュー記事では、こう明言していた。 「使命は国民が与えるもの」 「参院選で『あんたとの約束は解消だ』と国民は言っている」 「責任を取るべき人が取らないのは組織ではない」 「その責任を追及する声が上がらない組織は病んでいる」 「このまま追及する声がないようなら、そんな党は存在意義がない」 まるで18年前の石破首相の口から、現在の自民への叱責の言葉が浴びせかけられているようではないか。 自民は過去の首相に、存在意義まで問われていることを自覚すべきだろう。 石破首相はまた、インタビューの中で多くの自民議員が落選したことに触れ、こんな憤りを示した。 「私だったら即座に辞めて、落ちた人のところに謝って回る」 「でも(安倍)総理は落ちた人の気持ちが分からない」 「(中略)選挙で奥さんともども土下座して、落選した人の気持ちは分からない」 ■信なくば立たずは当然 本来、政権選択選挙ではない参院選で敗れた安倍氏をこれほどまで非難し、政権選択選挙そのものである衆院選で無残に負けて続投した石破首相の心境はいかばかりか。 自民議員は首相の苦しい胸のうちを忖度し、首相に代わって 「即座に辞めるべきだ」 と唱和すべきだろう。 石破首相は19年8月11日付の産経新聞のインタビューでは、選挙の持つ意味の重大さをこう指摘していた。 「(安倍)首相が地位に恋々としているとは思わない」 「強い使命感があるのだろう」 「ただ、選挙で民意が示された以上、無視することがあってはならない」 信なくば立たずは、当然のことである。 それが分かっていながら、自身に強く 「ノー」 を突き付けた民意を無視し続けるのはさぞ辛かろう。 もう石破首相を楽にしてあげた方がいい。 自民所属議員は、こうした過去からの石破首相の覚悟を込めた厳しい戒めをどう受け止めるか。 あだや疎かにしてはなるまい。 今こそ首相の信念が込められた言葉に学び、実践していくべきではないか。(論説委員兼政治部編集委員)
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