http://www.asyura2.com/25/senkyo297/msg/656.html
Tweet |
誰かの権利を奪う言説に熱狂する前に、立ち止まって考えてほしい 三輪記子 それ、当たり前のことですか?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/374034
2025/06/30 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
衆院選の公約を発表する自民党・安倍晋三総裁=2012年11月(C)日刊ゲンダイ
国が2013年から15年の間(第2次安倍政権下)に生活保護費を最大で10%、大幅な引き下げを実行したことについて、最高裁が「違法」と断じました。引き下げ処分が取り消されたということは、国が生活保護受給者に対して本来払うべきだった保護費について、未払いがあるということです。
同種訴訟は今なお全国各地で続いていますが、国は一刻も早く違法な引き下げに対する補償措置をとることを決断しなければなりません。そしてその判断過程で何がなされたのか隠蔽せず、検証し、今後同じような過ちをおかさない仕組みづくりをすべきです。
判決において争点となったのは、@減額にあたって考慮されたゆがみ調整の当否Aデフレ調整の当否B引き下げが違法である場合に国家賠償請求まで認められるか──でした。結論としては@は問題なし、Aは問題あり(そのため保護費引き下げは違法)、Bは認められないというものでした。なお、@Aのいずれも専門家に諮られることなく、厚労省内部で判断されたことが裁判で認定されています。
13年から生活保護費が引き下げられた背景には、12年当時は野党だった自民党が衆院選にあたって生活保護費の引き下げを「公約」にしたことがあげられています。この選挙で自民党が与党に復帰し、第2次安倍政権が生活保護費の引き下げを実行したのです。
生活保護の受給は憲法25条(生存権の保障)に由来するもので、全て個人の尊厳(憲法13条)は「生きてこそ」ですから、生存権がいかに重要な権利かは容易に理解されるものと思います。
しかし、当時の自民党はこの「生存権」を削るような「公約」を掲げたわけです。それが与党に復帰できた理由かは不明ですが、自民党も有権者もおおいに反省すべきではないでしょうか。当時の生活保護バッシングがひどかったことを覚えている方も多いでしょう。
今回、最高裁が第2次安倍政権の負の遺産のひとつである生活保護費の引き下げにダメ出しをしました。
「あの人はずるい!」「自助努力をしろ」などという言説に安易に乗って、誰かの権利、自由を削るようなことを「是」とする「公約」に熱狂しても、それは自分にめぐってくるかもしれないのです。その熱狂は誰かを苦しめるものでないかどうか、立ち止まって考えることを当たり前にしたいものです。
三輪記子 弁護士
1976年、京都市生まれ。東大法学部卒、立命館大法科大学院修了。2010年に弁護士登録。コメンテーターとしてテレビなどのメディア出演のほか、「弁護士三輪記子のYouTubeチャンネル」などネットでも発信。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK297掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK297掲示板 次へ 前へ

すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。