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※紙面抜粋
石破首相は吠えるだけで打つ手なし…「なめられてたまるか」と啖呵を切るなら報復関税をかけたらどうだ?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/374683
2025/07/12 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
目の前ではヨイショ連発(石破首相とトランプ米大統領)/(C)共同通信社
「なめられてたまるか」と啖呵を切り、米国依存からの脱却まで言い出した石破首相。本気ならブラジル大統領を見習えばいい。地位協定見直しを引っ込めて、口だけ・その場しのぎがこの首相の過去。国民はそれを見透かしている。
◇ ◇ ◇
選挙は人を変えるのか。連日、猛暑の中での応援行脚で気が触れたのか。石破首相が日米関税交渉を巡り、やたら強気だ。
「国益をかけた戦いだ。なめられてたまるか!」
9日の夕方、千葉県船橋市のJR船橋駅前の街頭演説。石破はそう語気を強めると「言うべきことは同盟国であっても、正々堂々、言わなければならない」と続けた。
その心意気やヨシと言いたいところだが、だったらなぜ米国の法外な要求にハナから強い姿勢で臨まなかったのか。正々堂々、トランプ米大統領に面と向かって同じ言葉をブツけたらどうか。
「大統領はあの時、神様から選ばれたと確信されたに違いない」
2月の日米首脳会談でトランプと初対面。昨年の大統領選中にトランプが銃撃された際の写真を見た印象をとうとうと語り、「歴史に残る一枚だ」と持ち上げていたのもまた、石破その人だ。
国民民主党の玉木代表は「選挙対策として、相手のいないところで厳しい言葉を発するのは交渉を円滑に進める上でマイナスだ。国益に反する」と批判したが、「国益」なんて大きな言葉を持ち出すまでもなく、いい大人として石破の振る舞いはどうかしている。
いずれにせよ、日本の首相が同盟国の米国相手に「なめられてたまるか」などと啖呵を切るのは、異例中の異例だ。外交儀礼にも反する。この発言の意図について、石破は10日生出演したBSフジ「プライムニュース」で「米国依存からもっと自立するよう努力しなければならない、ということだ」と説明。安全保障や食料などを巡る日米関係に触れて「『いっぱい頼っているのだから言うことを聞きなさい』ということだとすれば、それは侮ってもらっては困ります」とも強調した。
米国依存からの脱却まで言い出したのであれば、いっそ米国に報復関税をかけたらどうだ?
「なめるな」の前に毅然とした態度を見せろ
石破が本気でトランプと対峙するつもりなら、生きた手本がいる。ブラジルのルラ・ダシルバ大統領だ。トランプは9日、ブラジルなど8カ国に「相互関税」の税率を通知する書簡を自身のSNSで公表。ブラジルにはナント、50%もの高税率を課した。日本(25%)の実に2倍。これまで公表された税率の中で最も高い。理由もデタラメだ。
米国は昨年、ブラジルとの間で68億ドル(約1兆円)の貿易黒字を計上しているが、トランプは「現政権の重大な不正をただす」として、ブラジル当局によるボルソナロ前大統領の起訴を問題視。ボルソナロは熱烈なトランプ信奉者として知られる。2022年の大統領選で敗れた後も政権維持を企て、支持者が議会や大統領府、最高裁判所を襲撃した事件に関連し、クーデター未遂などの罪で起訴された。
さすが奔放な発言から「ブラジルのトランプ」と呼ばれるだけはある。本家とやっていることまでソックリだが、トランプ本人はブラジル宛ての書簡で親交の深いボルソナロの裁判は「魔女狩りであり、ただちに停止すべきだ!」と記した。
このムチャな要求に当然、ブラジル政府は主権国家への干渉だとして猛反発。ルラも「ブラジルは誰にも支配されることはない。経済相互主義法に照らして対処する」と米国への報復関税を示唆する声明を発表した。
この毅然とした態度を石破にも見習ってほしいが、ルラに学ぶべき点はまだある。多国間でトランプに立ち向かう連帯の呼びかけだ。
負け犬の遠吠えは選挙にマイナスでしかない
学ぶべきは多国間の連携(ブラジルのルラ大統領)/(C)ロイター
ルラは10日、読売新聞など世界の主要紙に自身のメッセージを寄稿。米国の名指しは避けこそすれ、「多国間主義に代わる選択肢はない」とのタイトルからも、トランプの「自国第一主義」への危機感がにじむ。寄稿では〈高関税政策は、バリューチェーンを混乱させ、世界経済を物価高騰と停滞の悪循環へと追い込む〉と、暗にトランプ関税を強く批判している。
また、08年のリーマン・ショックが〈新自由主義型グローバリゼーションの失敗を露呈させた〉にもかかわらず、国際社会は〈一般市民と中小企業を犠牲にし、超富裕層や巨大企業を救済した結果、格差はさらに深刻化してしまった〉と指摘。〈市民の不満は過激な言説の温床となり、民主主義を脅かすとともに、憎悪を政治的手段として利用する風潮を生み出している〉と嘆いた。
この言葉は日本の現状をも言い当てている。今回の参院選は、排外主義的な過激な言説がまかり通り、ヘイト見本市と化しているではないか。
さらにルラは寄稿の中で国際機関への攻撃や世界の分断といった「脱グローバル化」の動きに対し〈私たちの生活そのものを「脱地球化」するのは不可能だ〉と牽制。改めて公正な国際機関の重要性を唱え、〈今こそ、将来に不安を抱く人類の声に対応できる外交の力を再確認し、真に機能する多国間主義の再構築が急務である〉と訴えた。
石破に世界の人々の心を奮わすメッセージを期待するだけムダだろう。だが、海を隔てたはるか日本からキャンキャン吠える前に、同じく相互関税をトランプに吹っかけられた国々に向け、少なくとも連携を呼びかける程度のことはできないものなのか。
自分さえ良ければの発想では逆になめられる
「具体的な勝算があって『なめるな』と吠えるなら、まだしもです。今の石破首相には展望も戦略も感じられません」と言うのは、高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)だ。こう続ける。
「関税交渉は、米国側の担当閣僚で親日家で知られるベッセント財務長官の『温情』にすがるくらいしか道はもう残されていません。打つ手なしです。本来なら理不尽な理由で高関税を通知されたカナダやブラジル、同じ同盟国の韓国、ASEAN諸国などとも連携し、集団交渉に持ち込んだ上でトランプ関税に『ノー』を突きつけた方がいい。仮に日本が自動車関税など全ての高関税措置を解除できても、他国の厳しい状況に変化がなければ、いずれ日本の貿易は行き詰まってしまう。貿易相手国は何も米国だけではないのですから。それなのに、石破政権の交渉態度は、まるで一国主義のまま。『自分の国さえ良ければ』と米国にゴマをすっておけば何とかなるという発想では、いつまでもトランプ大統領になめられるだけです」
しょせん石破の遠吠えは、交渉難航が選挙に与える打撃をかわそうとするダメージコントロールに過ぎない。勝算ラインに掲げた「非改選を含めて与党で過半数」という低いハードルの達成すら危ぶまれる中、焦りを取り繕う「空威張り」でしかないのである。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「トランプ氏の面前では精いっぱいヨイショし、いざ選挙の街頭演説で有権者を前にすると勇ましいことを言ってのける。石破首相は米国に対する態度と国民に対する態度を使い分けているのです。彼ほど、その場しのぎに秀でた人も珍しい。昨年の総裁選では、在日米軍の特権的地位を定めた日米地位協定の改定や、アジア版NATOの創設など『脱・米国依存』の大風呂敷を広げながら、総理になった途端、きれいに畳んでポイ。安倍1強時代には自民党内にあって時の政権批判も辞さず、国民目線で変革を唱えていたのも口から出まかせ。ポジショントークに過ぎなかったのでしょう。石破首相に矜持はなく、単なる日和見主義者。それを国民はとうに見透かしており、いきなり『なめられてたまるか』と強気に出られてもドッチラケです」
今さら石破が啖呵を切っても選挙戦にはマイナスだ。負け犬の遠吠えは、シャレにもならない。
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