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※紙面抜粋
※2025年7月31日 日刊ゲンダイ2面
水面下で続く攻防…「戦後80年」の夏、政争に明け暮れる自民党の大罪
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/375523
2025/07/31 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
内輪モメに国民はウンザリ(左から)森山幹事長、石破首相、菅副総裁(C)日刊ゲンダイ
今年は戦後80年、世界がきな臭くなっている中、真摯に歴史に向き合う節目だが、折も折の権力闘争。それも国民から退場宣告を食らった政党の「責任のなすり合い」だから、どうにもならない。石破、ポスト石破らの悪相に国民は白け、メディアの扱いも片隅に。
◇ ◇ ◇
いったい、いつまで自民党は醜悪な内紛をつづけるつもりなのか。
参院選の投開票日だった7月20日から毎日毎日、もう10日以上も自民党は「石破おろし」の内ゲバをつづけている。
石破首相を吊るしあげた「両院議員懇談会」につづき、8月8日には「両院議員総会」も開くという。
しかも、反石破派は、石破を退陣に追い込むまで、何度でも両院議員総会を開くと息巻いている。一方、責任を取るべき石破も頑として辞任を口にしない。自民党の内紛は、終わりが見えない状況だ。
さすがに、延々とつづく内輪揉めに国民もウンザリしているのではないか。
とくに、裏金集団・安倍派の幹部だった世耕弘成衆院議員までが「石破おろし」に乗り出したことに、心ある国民は嫌悪感を抱き、「おまえが言うな」と呆れ返っているに違いない。世耕こそ「自民党不信」「政治不信」を招いたA級戦犯の一人だからだ。
テレビ朝日の番組に出演した世耕は、「安倍派5人衆」と呼ばれたうちの萩生田光一元政調会長、西村康稔元経産相、松野博一前官房長官の4人で集まり、「石破首相は、もう交代しなければいけないことは一致した」と偉そうに語っていた。
しかし、世耕は総額1542万円もの裏金をつくり、裏金を使って高級シャンパン「ドンペリ」を買いまくっていたような男だ。しかも、自民党から「離党勧告」を受けて離党し、いまだに自民党への復党も許されていない。なぜ、資格もない男が主役のような顔をして「石破おろし」に加わっているのか。
「世耕さんの参戦が『石破おろし』の実態をよく表しています。要するに、裏金集団だった安倍派を筆頭とする非主流派が、復権するために『石破おろし』を仕掛けているということです。驚いたのは、いまだに安倍派の幹部が集まって暗躍し、それを隠しもせず、テレビで明かしたこと。安倍派の議員は、自分たちが国民から批判されているという自覚もないのでしょう」(自民党関係者)
自民党執行部は、大敗した参院選について8月中に総括するという。この調子では、8月いっぱい醜い権力闘争がつづくことになるのではないか。
「80年談話」もない異常事態に
参政党の議員は「核武装が安上がり」だからヤバイ(C)日刊ゲンダイ
しかし、日本人にとって8月は、本来、心静かにあの戦争を振り返る厳粛な1カ月のはずだ。6日の広島、9日の長崎、15日の敗戦記念日とつづく。しかも今年は「戦後80年」という節目の年である。
なぜ、あの無謀な戦争を防げなかったのか歴史に向き合い、この先、どうすれば戦争を防げるのか、国をあげて考える夏にすべきだろう。
なのに自民党は、8日に両院議員総会を開き、「石破おろし」の権力闘争を過熱させようというのだから、どうかしている。
日本人にとって8月がどんな意味を持つのか、わかっていないのではないか。
しかも、権力闘争に血道をあげる安倍派の議員は、政府が「戦後80年談話」をだすことにも反対しているのだから度し難い。これまで政府は、戦後50年、60年、70年と、10年ごとに「談話」を発表してきた。10年に1度くらい、あの戦争を反省し、不戦を誓うのは当たり前のことだろう。
なのに、安倍派の議員は「石破にはやらせない」と反対しているのだからどうしようもない。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「平和主義、国際協調、法の秩序を重視するという日本の立ち位置を明確にするためにも、石破首相は『80年談話』を発表すべきです。戦争がどれほど悲惨なものか、民族的な記憶として残すためにも、節目節目であの戦争の意味を問うのは当然のことでしょう。50年、60年、70年と談話を発表してきたのに、80年談話を発表しなかったら、周辺諸国に誤ったメッセージを送ることにもなりかねない。後世へ戦争の記憶を伝えていくことも難しくなります。安倍派の議員が『80年談話』の発表に反対しているのは、日本が過去に犯した罪に、これ以上、目を向けさせたくないからでしょう。戦前の日本を正当化させようという議員が目立ちますからね。いつまでも過去の戦争を反省し、不戦を誓っていたら、この先、新しい戦争を始めにくくなるという計算もあるのでしょう」
このままでは、戦後80年という節目にもかかわらず「談話」も発表されず、政権政党は権力闘争に明け暮れるという異様な8月になりかねない。
世界中で極右政党が伸びている危険
8月という特別な月にさえ歴史と向き合わなくなったら、日本はどうなってしまうのか。
ヤバいのは、ただでさえ国際社会がキナ臭くなり、日本社会も右傾化が進んでいることだ。
安倍政権以降、「右傾化」「戦前回帰」「軍事大国化」が推し進められてきたが、とうとう「参政党」のような極右政党まで急伸しはじめている。
「日本人ファースト」を掲げる参政党の議員は、堂々と「核武装が最も安上がりだ」と訴える始末だ。参政党が公表した「憲法草案」には、日本国憲法の三大原則である「国民主権」も「基本的人権」も「平和主義」も記載されていない。
いわく、この国は「元首」である「天皇」が治める「君民一体の国家」であり、その「天皇」は「神聖な存在」であり「侵してはならない」としている。まさに戦前と同じ体制である。
危ういのは、氷河期世代や若者が参政党を熱狂的に支持していることだ。
日本の軍事大国化も急ピッチで進んでいる。これまで日本は「専守防衛」に徹してきたが、2022年に改定した安保関連3法案によって、他国を「先制攻撃」できるようになった。あまり知られていないが、陸自は国内最大の葬祭専門事業者団体と「万が一に備え」る協定を結んだという。近い将来、戦争が起きることを見越して「死に支度」を整えているということだ。
国際社会を見渡しても、世界中で「自国ファースト」を掲げる極右政党が議席を伸ばしている。
しかも、アメリカ、ロシア、中国という「3大大国」は、戦後、構築された国際ルールを平然と破っている。世界は、いつ紛争が起きてもおかしくない状況なのだ。
それだけに、今年ほど、あの戦争を振り返ることに意味のある夏もないはずである。なのに、政権政党が政争に明け暮れているのだからどうしようもない。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「最悪なのは、大手メディアの報道が自民党の政争一色になり、戦後80年に関する報道が小さくなってしまうことです。8月にしか戦争の悲惨さを伝えない日本のメディアに対して『8月ジャーナリズム』と揶揄する声もありますが、それでも毎年8月に報道することによって、戦争の記憶が次の世代に伝わり、周辺国へも日本のメッセージが伝わるというメリットがある。この夏、大手メディアの報道が政争ばかりにならないか非常に心配です」
総理のイスにしがみついている石破も、「石破おろし」を仕掛けている連中も、日増しに人相が悪くなっている。日本は最悪の8月を迎えようとしている。
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