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※紙面抜粋
※2025年8月1日 日刊ゲンダイ
生活苦の庶民はア然だ 見放された自民党が今さら参院選敗因分析の笑止
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/375584
2025/08/01 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
狭まる石破包囲網(C)共同通信社
時間稼ぎなのか、ガス抜きなのか、半月もかける自民党の参院選総括。裏金政治にケジメをつけず、物価高を放置し、庶民愚弄の一時給付で勝てると思っていたこと自体がお笑いだ。
石破首相がやるべきことは「真摯に説明」ではなく、解党だ。
◇ ◇ ◇
下馬評通りに自公与党が惨敗し、想定以上に新興極右が勢力を拡大するなど、この国が岐路に立っていることを実感させられた参院選から12日が過ぎた。そうして1日、臨時国会が召集。自公が衆参両院で過半数を割ってから初めての国会で、会期は5日までの5日間だ。急転直下で妥結した日米関税交渉をめぐり、石破首相も出席して衆参予算委員会の集中審議で与野党が論戦を交わす見通し。選挙結果を受け、7月末に与野党が合意したガソリン税の暫定税率の年内廃止に向けては、立憲民主党など野党8党が関連法案を衆院に提出。与党との実務者協議に着手する見込みだが、法案審議は秋に想定される臨時国会に持ち越される。
永田町もさることながら、世間の関心事はその先の石破の進退だろう。「石破おろし」に連なる面々が心待ちにする自民の両院議員総会は、臨時国会閉会3日後となる8日開催。通知に記載された議題は「参議院議員選挙の総括と今後の党運営について」。ここに落ち着くまでもひと悶着あった。「ポスト石破」への意欲を隠さない茂木前幹事長の子飼いで、総会開催を求める署名集めを主導した笹川博義農水副大臣らは、有村治子両院議員総会長に「退陣含みの議題にしてほしい」と要望。高市前経済安保相を推す旧安倍派議員は「総裁選の前倒し」をテーマに含めるよう働きかけたという。
反日カルトの統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と半世紀超も癒着した上、それをウヤムヤにし、多額の裏金づくりがバレても反省ゼロ。世間の自民嫌悪を拡大させた張本人たちがよく言えたものだ。おとなしく下を向いているのが筋だろうに、恥も外聞もない。生活苦の庶民はア然だ。一般に理解しがたい行動原理には、やはり核があるようだ。
「勝ち抜くことだけを考えろ」
戦後80年の政治を見続けてきた東大名誉教授の御厨貴氏(政治学)が、毎日新聞(31日付朝刊)のインタビューでこう話していた。
〈1994年の平成の政治改革で、衆院は1選挙区1人しか当選しない「小選挙区制」を中心とした制度に変わりました。
私は、この制度について、安倍晋三氏に尋ねたことがあります。すると、安倍氏は「4期生までは、選挙で勝ち抜くことだけを考えろ。政策は我々が考える」と(若手議員らに)言っていることを明かしました。選挙至上主義、勝てば官軍なんです。仮に、4期生まで行ったとしても、そこから政策を、と言われても何もできないですよね〉
どうりで、誰も彼もが口を極めて石破を罵るわけだ。衰退に拍車をかける自壊の元凶は安倍元首相だということがよく分かる。
自民は31日、大敗原因を検証する総括委員会の初会合を開き、8月中をメドに報告書をまとめる方針を確認した。各都道府県連や有識者、落選した新人らから意見聴取するほか、物価高対策として現金給付を盛り込んだ公約の妥当性、SNSの活用も検証。先月28日の両院議員懇談会や、来たる総会の結果も報告書に反映させるという。この期に及んで、選挙総括にやたら時間をかけるのには恐れ入る。性懲りもない時間稼ぎ、あるいはガス抜き狙いなのがミエミエだ。敗因は言うまでもない。裏金政治にケジメをつけず、3年以上も物価高騰を放置し、庶民愚弄の一時金給付で何とかなると踏んでいたことだ。石破と並んで集中砲火を浴びる森山幹事長が委員長を務め、報告書策定後の辞任を示唆しているが、それで内ゲバを幕引きできるのだろうか。
全く生かされなかった18年前の敗因検証
懇談会はガラ空き(C)日刊ゲンダイ
ジャーナリストの山田厚俊氏はこう言った。
「国政選挙はいわば、最大の株主総会。昨秋の衆院選に続いて有権者からノーを突きつけられたのですから、石破首相が引かなければ筋が通らない。長らく主流派だった旧安倍派が自民党をおかしくしたと考えているのであれば、先の通常国会で政治資金規正法の改正案をしっかりまとめ、金権腐敗の根っこである企業・団体献金の禁止にもっていくべきだった。『禁止より公開』なんていう方便は通用しません。トップリーダーとしての指導力を発揮しなかった石破首相の続投は非常にズレていますし、ナンセンスです」
安倍のブン投げ初辞任につながった2007年の参院選ボロ負けをめぐっても、自民は総括委を設置し、敗因を検証した。「第21回参議院選挙総括委員会・報告書」によると、負けた原因を「逆風3点セット」と分析。具体的には「年金記録漏れ問題」「政治とカネの問題」「閣僚の失言等不祥事」と指摘した。年金問題を物価高対策に置き換えれば、現状とほぼ同じ。この時も農相が火種になっていた。〈政治不信の高まりの中で、「生活が第一」とした野党キャンペーンに主導権を奪われる結果になった〉ともある。野党とは、当時の民主党のこと。「生活が第一」を排外主義化したのが参政党のキャッチコピー「日本人ファースト」と言ってもいいだろう。この際の総括委役員には筆頭副幹事長だった茂木、青年局長だった萩生田光一元政調会長が名を連ねた。当人たちの記憶にはとどまっていないのだろうか。
お株奪って膿出し切れるのか
もとい、何のことはない。自民党は20年近く経っても変わっちゃいないのだ。ついでにおさらいすると、安倍は退陣要求をかわして延命し、内閣改造や党役員人事を行って臨時国会で所信表明演説をしたものの、間もなく体調不良などを理由に退陣。投開票から2カ月足らずの急展開だった。石破は「丁寧に真摯に、逃げずに説明することに尽きる」と言っているが、やるべきことは解党なんじゃないか。「俺は安倍さんと違ってずぶといから」と周囲に語り、強気の姿勢を貫いていると報じられたが、どうなるか。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「自民党の内輪モメは醜悪のひと言に尽きる。ただ、石破首相が日米関税合意の着実な履行を続投理由の一つに挙げているのは理解できます。今月7日に発動する新たな関税措置では、相互関税は現状の10%から15%に引き上げられるわけですし、自動車関税は4月に発動された25%から15%に引き下げられるといっても、もともとの2.5%からは大幅に上がる。影響を受ける企業に対して何らかの手当てをする必要に迫られるでしょう。積極財政派の高市氏が『ポスト石破』を射止めれば、おそらく輸出企業に対する法人減税を打ち出す。そうすれば、関連企業の株価上昇にもつながる。石破首相がこの国の右傾化を心底懸念しているのであれば、お株を奪うくらいの大胆さ、自民党の膿を出し切るまで責任を持ってやる覚悟を見せてほしい」
帝国データバンクによると、8月に値上げされる食品は前年同月比約1.5倍の1010品目。単月での1000品目超えは3カ月連続だ。FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを、日銀が利上げを見送ったことで円安が再び加速している。政治の漂流は暮らしを置き去りにする。愚にもつかない権力闘争にはほとほとウンザリだ。
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