<■1037行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> <主張>自民総裁選前倒し 議員と県連は賛意を示せ 社説 2025/8/27 5:00 https://www.sankei.com/article/20250827-J4STMIYQWRP47OOBE5TMFWURRM/ 自民党執行部は2025年7月の参院選大敗を検証した報告書を、2025年9月2日の両院議員総会で提示する。 これを受けて総裁選挙管理委員会は、臨時総裁選を実施するかどうかについて、党所属国会議員と都道府県連に意思を確認する。 石破茂首相(自民総裁)は本来、すぐにでも辞任しなければならない。 昨年2024年の衆院選や今年2025年の東京都議選、参院選で自民は大敗した。衆参双方で与党過半数割れとなった。 国民は 「石破政治」 を拒んだことになる。 国政選挙の民意こそが最も重い。 それを蔑ろにして、居座り続けることは議会制民主主義に反する。 参院選が終わってから1カ月以上が経つ。 首相の延命は許されない。 森山裕幹事長や他の主要幹部も、報告書を提示する両院議員総会で辞任を表明し、けじめをつける必要がある。 最近の報道各社による世論調査では、続投論が退陣論を小差ながら上回っている。 森山氏は2025年8月19日の記者会見で 「世論調査の結果は常に謙虚に受け止めなければならない」 と述べた。 石破首相も2025年7月28日の両院議員懇談会後、 「国民世論とわが党の考え方が一致することが大事だ」 と語っている。 世論調査にすがって続投を図るのは誤りだ。 首相の続投を支持する人には、野党支持者が多く含まれている点を忘れてはならない。 野党側は石破首相を相手に選挙に臨んだほうが有利だと考えている。 そのようなことも分からずに続投容認に傾くのだとすれば、政党政治家としての分析能力と識見を疑う。 総裁選管は前倒しに賛成する党所属国会議員と都道府県連に 「記名式」 で申し出てもらう方向だという。 記名式にするなら、国会議員と地方組織の賛否を有権者や支持者に示すのが筋である。 前倒しを求めないような議員や都道府県連は、今後の国政選挙や地方選挙で厳しい審判に晒されよう。 石破首相の進退に繋がる総裁選前倒しの実現は、日本の議会制民主主義および国政選挙で示された民意を守ることと同義である。 党所属国会議員と都道府県連の選択は、自民のみならず日本の立憲政治の行方を左右する。 そのことを自覚してもらいたい。石破茂はそもそも考え方・人間性に問題が大ありだ。 論外だ。 <産経抄>愚痴多き石破首相と大谷翔平の座右の銘 2025/8/23 5:00 https://www.sankei.com/article/20250823-HVYS5UV5VZI6ROVRFOSCRHCPXE/ 「真剣だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳ばかり」。 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手が高校時代、部屋に貼っていた座右の銘の1つだが、元々は戦国武将、武田信玄の言葉だという。 大谷選手らしい覚悟が伝わってくる。 ▼比べるのも申し訳ないが、石破茂首相は愚痴が多過ぎないか。 2025年8月21日には、アフリカ開発会議(TICAD)の夕食会の挨拶でぼやいた。 「首相をやっていると、あんまり楽しいことはない」。 立憲民主党の小沢一郎衆院議員が、2025年8月22日のX(旧ツイッター)でこう指摘したのは頷ける。 「総理にとって楽しい日本など必要ない」 ▼首相は昨年2024年12月の講演では、こんな泣き言をこぼした。 「普通の閣僚の何倍もしんどい」 「新聞を読んでも誰もほめてくれないし、ネットを見れば本当に悲しくなる」 「寝る時間もほとんどない」。 睡眠時間に関しては、2025年5月の国会でも言及して 「愚痴めいてごめんなさい」 と釈明していた。 ▼もっとも、首相の仕事が激務であり、なかなか自由時間もとれないのは分かっていたことではないか。 実は首相が愚痴っぽいのは就任以前からで、何度挑戦しても自民党総裁・首相になれなかった頃は、会合で 「オレなんか地元の鳥取県知事にでもなればいいんだ」 とくだを巻いていたと聞く。 ▼計8年9カ月間も首相を務めた安倍晋三氏は、こうしたすぐ弱音を吐く政治家について、平成29年春にはこう語っていた。 「泣き言を言ったらダメなんだ」 「国民を守るのが政治家なのだから」 「弱い人にリーダーになってもらおうとは思わない」 ▼小沢氏は前掲のXでこうも記す。 「愚痴を言うくらいならもう辞めるべき」。 抄子も賛同せざるを得ない。 自民・青山繁晴氏「石破ー野田連合、隠れ大連立、敗者連合、反対だ」「一番あくどい」 2025/8/14 10:04 https://www.sankei.com/article/20250814-BNWBZ5RZUVH37P6AQJRJM5OLWA/ 自民党の青山繁晴参院議員は2025年8月13日、自身のユーチューブチャンネルに動画を投稿し、石破茂首相(党総裁)と立憲民主党の野田佳彦代表の連携を 「隠れ大連立」 と名付け、反対した。 参院選を経て自民党と公明党が衆参両院で少数与党となる中で、連立政権を組むことなく政策ごとに協力していく形を指し、 「一番あくどい」 と断じた。 「石破ー野田連合、隠れ大連立、敗者連合、全部反対だ」 動画で青山氏はこう強調した。 ■「互いに利用」 2025年7月の参院選での獲得議席は自民は39議席と過去3番目に少なく、立民は改選22議席の維持にとどまり政権批判の受け皿になりきれなかった。 青山氏は首相と野田氏を 「敗者」 と位置付けた。 当面の続投に固執している首相を念頭に 「日本政治がモラル崩壊まで起こしている」 としつつ、気脈を通じる首相と野田氏の連携について 「一番あくどい話だ」 「お互いに利用している」 と述べた。 「党利党略ではない」 とも話し、首相と野田氏の個人的な考えだとの認識を滲ませた。 立民内では、重鎮の小沢一郎衆院議員が 「執行部に大きな責任がある」 と述べるなど、執行部体制の刷新を求める意見がある。 青山氏は野田氏に関し 「党内で完全に追い詰められた状況にある」 との見方を示した。 その上で、 「野田氏は責任を取らずに行こうとしていて、頼みの綱として石破さんと『隠れ大連立』」 「つまり、本当の大連立にしたら反発が凄いし石破さんもいつこけるか分からないから、隠れ大連立にして、立憲民主党の左(革新)の彼らに言わせると、リベルな主張を、石破さんをつついて実現できるのではないか、と(いう考えがある)」 と述べた。 「本当の大連立」 とは、立民が閣僚を輩出する形の政権の枠組みだ。 また、参院選で首相に批判的な自民保守系候補の落選が相次いだことを受け、青山氏は 「(保守系を)抑えらえる、もっと言うと追放できるのではないか、と」 「それで徹底的に利用しようというのが隠れ大連立だ」 と語った。 ■「ふざけるな」 実際、先の臨時国会では、野田氏は内閣不信任決議案の提出を見送った。 首相に対しては、自民の派閥パーティー収入不記載事件を受けた政治改革を巡り党首間協議を呼び掛けた他、戦後80年に合わせた 「見解」 を発出するよう促した。 一方、首相について青山氏は 「国会答弁で口から出るのは比較第1党と第2党の党首同士で連携しようということだ」 「石破さんはもうバレバレだ」 と述べた。 「見解」 に絡み、 「比較第1党と第2党が組んだら大きな固まりになるから組みましょう、と」 「組むためには、歴史戦で中国や韓国に勝ってもらって、(戦後70年の)安倍談話を上書きしたら立民が乗っかれますよね、と」 「それが石破さんの真意だ」 「ふざけるな」 と反発した。 青山氏は、首相と野田氏の動きを踏まえ、 「敗者連合だ」 「民意に逆らっている」 「民意から『ノー』を突き付けられた側だけで野合をして、民意が否定していることをやろうとしているのが隠れ大連立だ」 「断固反対だ」 と語気を強めた。 勢い増す総裁選前倒し論 石破首相、野党にすり寄り求心力低下も 実現には高いハードル 2025/8/8 20:08 https://www.sankei.com/article/20250808-2R5BPVRVVFI57GGQJPM36ZTKYU/ 参院選大敗を受けた2025年8月8日の自民党両院議員総会では、党総裁選の前倒しを求める声が勢いを増した。 政権維持を目的に物価高対策や企業・団体献金などを巡って野党にすり寄るような石破茂首相(党総裁)の姿勢に党内の反発が強まり、求心力の低下は著しい。 首相は当面続投の構えを崩しておらず、今後は総裁選前倒しの条件をクリアできるかが 「石破降ろし」 の焦点となる。 ■首相への逆風収まる気配なく 「米国との関税交渉にきちんと道筋を付け、色々な業種の方々に安心して頂くことが我が党の責任だ」。 首相は総会後、官邸で記者団にこう強調した。 総会では先月2025年7月28日の両院議員懇談会に続き、首相の続投を批判し、総裁選の前倒しを求める意見が相次いだ。 これに対しては 「党則に則ってきちんと運営することに尽きる」 と述べるにとどめた。 首相は 「政治空白を生まない」 ことを理由の1つにして続投に拘るが、柴山昌彦元文部科学相は総会後、記者団に 「国政を停滞させることなく総裁選は実施できる」 と前倒しを主張した。 首相への逆風は収まる気配がなく、2025年8月5日に閉会した臨時国会での答弁も退陣論の火に油を注ぐ結果となった。 2025年8月4日の衆院予算委員会では、立憲民主党の野田佳彦代表が物価高対策を巡り 「与党として真剣に協議をする可能性はあるか」 と迫ったのに対し、首相は 「(立民が主張する)給付つき税額控除は1つの解だ」 と述べ、協議に応じる意向を示した。 ■総裁選後の展望「誰も描けていない」の声 企業・団体献金の見直しについても、首相の独断で従来の党方針とは相容れない形で立民との協議入りを受け入れた。 事前に党幹部らと答弁の擦り合わせはなく、自民中堅は 「首相は国民ではなく野党の方ばかり見ている」 と漏らす。 総会でも出席議員から 「党内の意見を聞いて進めてほしい」 という苦言も呈された。 総会を受け、総裁選前倒しに向けた動きが加速するとみられるが、実現のハードルは高い。 党則によると、前倒しには所属国会議員と都道府県連代表者の過半数の要求が必要となる。 前倒しに向けて署名集めを準備していた議員からも 「過半数を集めるのはなかなか難しい」 との声が漏れる。 仮に総裁選前倒しが決まっても、衆目が一致する 「ポスト石破」 候補が見当たらないことも首相が強気の姿勢を貫く要因だ。 自民ベテランは 「首相が辞めたとしても、その後の展望を誰も描けていない」 とこぼす。 自民、総裁選前倒し検討へ 両院総会で石破首相の早期退陣要求相次ぐ 8月末以降に決定 動画 2025/8/8 19:30 https://www.sankei.com/article/20250808-AFBNND5E4FOQLCVPSAXDGZSI3M/?outputType=theme_election2025 自民党は2025年8月8日、参院選大敗の総括と今後の党運営を議題とした両院議員総会を党本部で開き、出席議員から石破茂首相(党総裁)の早期退陣や総裁選の前倒し実施を求める意見が相次いだ。 これを受け、総裁選挙管理委員会(委員長・逢沢一郎氏)に対応を一任し、党則に従い総裁選を前倒しで実施するかどうかを検討することを決めた。 党則6条4項では、党所属の国会議員と、都道府県連の代表各1人の総数の過半数の要求がある場合は、総裁選を行うと規定している。 逢沢氏は記者団に対し、選管として 「議員や都道府県連の考え方を確認する」 と語った。 その上で、逢沢氏は、条件を満たしていることが確認できれば 「手続きとしては臨時の総裁選を行うことになる」 と述べた。 党内手続きの開始時期については、2025年8月末を目途とする参院選総括の日程を考慮する意向を示した。 両院総会には253人が出席し、そのうち35人が発言した。 石破首相は冒頭、参院選大敗について重ねて陳謝しつつ、日米関税交渉や農業政策、防災などの課題を挙げ 「引き続き日本国に責任を持っていきたい」 と述べ、続投への理解を求めた。続投期限には言及しなかった。 複数の出席者によると、非公開で行われた意見交換では、首相の早期退陣や総裁選の前倒しを求める意見が相次いだが、予定通り約2時間で終了した。 首相は総会後、総裁選の前倒しについて 「党則に則って、きちんと運営するということに尽きる」 と官邸で記者団に述べた。 森山裕幹事長は総裁選管の対応は 「議決ではない」 と記者団に説明した。 両院総会は党大会に次ぐ重要な意思決定機関。 2025年7月28日の両院議員懇談会で 「反石破」 勢力が総会の開催を求めたことを踏まえ、執行部が同2025年7月29日の役員会で開催を決めた。 「部下を守らず指揮官として信頼できぬ」自衛官を後ろから討った石破首相 阿比留瑠比の極言御免 2025/8/14 1:00 https://www.sankei.com/article/20250814-4UTWEWOVRJMK7DOK7CTG4JEVLQ/ 2025年8月13日付の産経新聞総合面に、石破茂首相が千葉県勝浦市の漁港を訪れ、平成20年に海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船による衝突事故で亡くなった漁船の親子2人を追悼したとの記事が掲載されていた。 首相は事故当時の防衛相で、退任後もお盆に合わせ、毎年のように遺族の元を訪問しているのだという。 それだけであれば美談だとも受け取れるエピソードだが、さぞや自衛官や自衛隊OBの神経を逆撫でしたことだろう。 この件は、少なくない自衛隊員らが 「首相は部下を守らず、自分1人だけいい子になる」 と首相を忌避する理由と直結しているからである。 実際、元陸上自衛隊中部方面総監で作家の山下裕貴氏は同日のX(旧ツイッター)で、こう綴っていた。 《(首相には)当時の「あたご」乗員にも面会し、防衛相として詰問し海自を犯人扱いした対応を説明してもらいたい》 この衝突事故では、まだ事故の原因が「あたご」にあるのか漁船にあるのかも分からない時点で首相は自衛隊側を一切庇わず、謝罪に走った。 元最高幹部は振り返る。 「首相は漁船が所属していた漁協に行きっ放しだった」 「海上幕僚長以下、幹部自衛官を引き連れて謝罪に行かせ、当時の福田康夫首相まで引っ張り出して相手の家族に謝罪させた」 更に首相は国会で 「あってはならない事故で、心から申し訳なく思う」 と答弁し、当時の海幕長らを更迭するなど自衛隊側に一方的に厳しい処分を行った。 だが、結果はどうだったか。 裁判の結果、業務上過失致死罪で起訴されたイージス艦の当直の水雷長と航海長は無罪判決が確定し、漁船側が回避義務を怠ったと認定されたのである。 指揮官が前線の部下を後ろから討つような首相のやり方に、前掲の元最高幹部は憤りを隠さない。 「事故から5年後、蓋を開けてみれば漁船側に問題があったと分かった」 「小野寺五典防衛相(現自民党政調会長)に処分の見直しをお願いし、それは叶ったが、処分を受けた者たちの金銭的損失は取り返しがつかない」 身に覚えのないことで咎められ、それによって金銭的不利益を被った挙げ句、首相からは謝罪の1つもない。 それでいて、現在も漁船側の遺族とは交流を続けているのだから、元自衛官らが自衛隊の最高指揮官である首相に強い不信感を抱くのも当然だろう。 元最高幹部はこうも証言する。 「首相にお仕えして感じたのは、きつくなったら逃げるということだ」 「前面に立って部下を守ろうというところがなく、指揮官として信頼できない」 「平成5年に自民が下野して苦しくなった時は、新生党に逃げた」 「麻生太郎内閣の農林水産相当時、(東京都議選敗北などで)麻生氏の形勢が悪くなったら『首相を辞めろ』と言いに行ったでしょう」 「それを言うんだったら、まず閣僚を辞めてから言わないといけない」 また、ある陸自元幹部からは首相が防衛庁長官時代、イラク派遣部隊の現地視察が何度計画されても、その度に 「今は危ないから」 「私が死んだら困るだろう」 などと理屈をつけて視察をドタキャンした経緯を聞いた。 これでは自衛隊の士気は上がるどころか下がる一方ではないか。 それにしても、党総裁選前倒しが現実味を帯びる中で、自ら事件を蒸し返すような行動を取る首相の心中が分からない。 海自イージス艦と漁船の衝突事故で追悼 石破首相、妻の佳子さんと千葉訪問 2025/8/12 17:01 https://www.sankei.com/article/20250812-PXGVE2VMCFODHN3KTLAEAV7QDM/ イージス艦衝突事故 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/17 14:18 UTC 版) https://www.weblio.jp/content/%e3%82%a4%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%b9%e8%89%a6%e8%a1%9d%e7%aa%81%e4%ba%8b%e6%95%85 刑事裁判 事故時とその直前に見張りについていた当直士官については、業務上過失致死と業務上往来危険の疑いで横浜地検に書類送検され、起訴も視野に捜査が進められていた。 事故直前の当直士官(航海長B)については海難審判で事故発生への直接の責任はないとされ起訴されるかが注目されていたが、結局2009年(平成21年)4月21日、横浜地方検察庁は監視に立っていた事故当時の当直士官(水雷長A)と事故直前の当直士官の両名を業務上過失致死罪などで横浜地方裁判所に起訴した。 直前の当直士官については 「誤った引継ぎをしたことが事故の大きな要因の一つ」 とした[50]。 2名とも起訴休職扱いになる。 これら事故発生時に操船していない者を起訴するのは極めて異例という[62]。 防衛省は2009年5月22日、Aの不適切な見張り・艦橋とCICの連携不足を直接的要因、Bの引き継ぎ・艦長の指導不足を間接的要因と断定した上で、前艦長を含む事故関係者の懲戒処分を行ったことを公表した。 2010年(平成22年)8月23日に開かれた初公判で、AとBはそれぞれ死亡した漁船乗員に哀悼の意を示したが、刑事責任については否定し、一貫して無罪を主張した。 被害者2名は死亡、清徳丸の航跡記録は沈没と共に失われている状態であった。 裁判においては、両名の過失の有無および航跡が争点となった。 検察側は 「Bの誤った申し送りを信じ、Aも適切な回避動作をとらなかった」 と主張する一方、弁護側は、起訴以来終始一貫して清徳丸の航跡について争い、清徳丸に回避義務があったとして無罪を主張した。 裁判中、検察側の航跡図は根拠となったはずの証言を得た調書より2か月早く作られていたこと、漁船員の曖昧な証言に検事が文案として示した内容を書き加えていたこと、清徳丸の居た方角について漁船員の大まかな証言を検察官が勝手に7度の位置と細かく書いていたことが明らかとなっていった。 しかし、この聴取の際の実際の具体的な状況や回答については漁船員も時日が経過し記憶が曖昧になっているとした。 また、第3管区海上保安本部が書類送検した際、取調べの際のメモや図面を保安官が書類送検後に廃棄していた。 これは海保の規範に本来反する行為であるが常態化していたらしく、担当官は証拠になるという認識が甘かったと釈明したものの、第3管区同本部の大江刑事課長は必要な証言・証拠は調書及び付帯書類として保存しているので問題ないと主張している。 2011年(平成23年)1月24日の論告期日において、検察官は、被告人に対し、禁固2年を求刑した。 同年5月11日、横浜地裁(秋山敬裁判長)は、水雷長Aおよび航海長Bのミスがあったことは認めたが、航跡図については、検察側の供述調書は先に決めた航跡に合うよう船員の供述を恣意的に用いたとして信用性を否定し、また、弁護側の独自に主張した航跡も一部を除き信用できないとした。 証人となるべき犠牲者2名が亡くなっている状態で他の漁船員の証言も考慮したとしながらも裁判では時日も経過し船員証言は曖昧になってきていて、主に当の容疑者である自衛隊監視員の証言を重視、独自に航跡を推定し、それによれば清徳丸は直進すれば衝突することはなかったはずとし、清徳丸が事故直前に2回右転し危険を生じさせたと指摘した。 地裁は 「回避義務は清徳丸側にあり、あたご側に回避義務はなかった以上、Aの注意義務は認められず、それを前提としていたBの注意義務も生じない」 としてAとB両名に無罪判決を下した。 この清徳丸の右転の原因については、あたご側の当直員が清徳丸が想像もできないことに突っ込んで来たと主張するような状態で、判決では理由を 「不明と言う他ない」 とした。 控訴期限の5月25日、横浜地検は東京高等裁判所に控訴した。 同日、防衛省は検察側が控訴したものの地裁判決を受けたとして、A・B両名を復職させることを発表した。 控訴審では、検察側は一審が認定した衝突角度や清徳丸の速度は船の性能と矛盾しているとし、弁護側は誤差の範囲内とした。 2013年(平成25年)6月11日、東京高裁(井上弘通裁判長)は、無罪とする判決主文を維持しつつ、その理由となる事実認定においては、地裁が独自に航跡を推定して 「回避義務は清徳丸側にあり、あたご側に回避義務はなかった以上、Aの注意義務は認められず、それを前提としていたBの注意義務も生じない」 と認定したことを不当とし、改めて高裁として判断した結果、1審が認定した航跡・検察が主張する航跡ともに根拠が不十分で合理性に疑問があり、一定の幅で認定するしかないとした上で、 「疑わしきは罰せず・疑わしきは被告人の利益に」 に則って被告人側に最も有利な航路・位置を推定せざるを得ないとし、被告人証言の航路・位置に基づけば被告人の刑事責任を認定できないとして、結論として無罪を導き出し、検察の控訴を棄却した。 被告人証言によれば清徳丸がわざわざぶつかるように右転してきたことになるが、 「あたごの灯火を見誤り、衝突せずに通過できると勘違いしたと考えられる」 とした。 2審での無罪判決を受けて東京高検は上告を断念する方針を固めたことを明らかにし、上告期限の2013年6月26日午前0時をもって無罪が確定した。 <主張>自民党 総裁選前倒しの決定急げ 社説 2025/8/10 5:00 https://www.sankei.com/article/20250810-Y5IZ3F7NH5PSFEIMBTIT663F44/ 自民党が参院選大敗を受け両院議員総会を開いた。 石破茂首相(自民総裁)は 「引き続き日本国に責任を持ちたい」 と述べ、またもや続投表明した。 だが、出席者からは続投容認よりも総裁選前倒し論が多く出た。 両院総会は総裁選管理委員会に対応を一任し、党則に基づき前倒しで実施するかどうか検討することを決めた。 総裁選管の逢沢一郎委員長は、党所属国会議員や都道府県連の意向を確認し、実施の是非を決めると表明した。 参院選の投開票があったのは2025年7月20日だ。 昨年2024年の衆院選に続いて参院選でも与党過半数割れの大敗を重ねた石破首相の責任問題が未だに解決していないのは呆れ返るばかりだ。 本来であれば、投開票当日の晩か翌日に石破首相が退陣を表明して政治を前へ進めるべきだった。 国政選挙で示された民意は2度も首相の居座りで踏みにじられている。 これを見過ごせば、政治責任を取る政治家がどんどん減っていくだろう。 選挙で民意を示す意義も失せてしまう。 問われているのは自民の党勢への影響よりも、権力の座にしがみつく首相から日本の憲政、議会制民主主義を守れるか、である。 森山裕幹事長は両院総会で 「わが党は国民政党だ」 「その伝統と責任を胸に党一丸となって取り組むことが重要だ」 と語った。 国民政党であるならなぜ民意を尊重しないのか。 党一丸となるには、総裁選管が総裁選の是非を決定する前に首相も森山氏も辞任表明すべきである。 自民の党則は、党所属国会議員と都道府県連代表各1人の総数の過半数の要求があれば、総裁の任期前でも総裁選を行うと規定している。 逢沢氏は意向確認の 「きちんとした仕組みを作り上げることが必要だ」 と述べた。 悠長な話だが自民議員や都道府県連は前倒しに明確に賛成すべきだ。 自民は憲政史上も稀な今回の異常事態への危機感が乏しい。 国民への責任感も足りない。 居座りが長引けば有権者の信頼は完全に失墜しよう。 首相や森山氏ら執行部に最大の責任があるが、両院総会や両院議員懇談会でだんまりを決め込んだり、首相を庇ったりしている自民議員も問題だ。 議会制民主主義を守ろうと奔走する同僚を見習ったらどうか。 <産経抄>信なき石破首相は国民の軽蔑を買う 2025/8/10 5:00 https://www.sankei.com/article/20250810-EKOPQ5OZ3ZLC3MX6M62RJQ6BIM/ 「首相が国民の軽蔑を買った。軽蔑が一番、怖いんだよ」。 石原慎太郎元東京都知事はかつて、ある首相を指してこう述べた。 政治思想家、マキャベリは君主が避けなければならないことの1つとして 「軽蔑されること」 を挙げている。 地位に恋々としてしがみつく石破茂首相は、その轍を踏んでいないか。 ▼《信なければ立たず》。 政治家が好んで引用するこの論語の言葉の通り、 「信」 がなければ社会は成り立たず、政権も運営できない。 2025年8月8日の自民党両院議員総会で参院選大敗の責任を問われ、総裁選前倒し実施を求める声が相次いだ首相に、信があるとは最早思えはしない。 ▼「引き続き日本国に責任を持っていく」。 首相は両院議員総会でこう続投に意欲を示したが、衆院選、東京都議選、参院選と3連敗しても責任を取らない人物が責任を語ってもしらける。 《信なれば則(すなわ)ち民(たみ)任ず》。 民は言行が一致している人に安心して政治を任せるものである。 ▼有村治子両院議員総会長が議題を総裁選前倒しの是非に絞った瞬間、首相の顔が青ざめたと出席者からは聞く。 《顔色を正して、ここに信に近づく》。 心は顔に表れる。 顔色を正してこそ、信義の人も近づいてくる。 暗い顔をして 「楽しい日本」 と言われても説得力を感じない。 ▼《信を信ずるは信なり。疑を疑うもまた信なり》。 信じるべきものは信じ、疑うべきものは疑う。 それが人間のまことだと荀子は説く。 「石破降ろし」 は次のステージに進んだ。 これから各議員間で脅かしや甘言、流言飛語が飛び交い、多数派工作が行われる。 誰に信を置くか。 ▼首相の周囲には 「名誉ある撤退」 を勧めた者もいる。 選挙で信を問うて信任されなかった事実を、もう認めてはどうか。 <主張>米の対日関税修正 合意の履行へ火種は残る 社説 2025/8/9 5:00 https://www.sankei.com/article/20250809-XVUL4KN4ARO47ID5U7I3HLT24I/ トランプ米政権が7日に発動した相互関税の税率を巡り、日米政府間でみられた見解の相違は、解消できたと言えるのか。 米国は対日相互関税の発動に際し、関税負担を軽減する特例措置を適用しなかった。 特例の適用で日米が合意したとする日本政府の説明とは明確に異なる動きである。 訪米した赤沢亮正経済再生担当相が米側の閣僚と協議したところ、日米間の認識に齟齬がないことを確認できたという。 米側は大統領令の発出時の事務処理にミスがあったとの認識を示し、日本の特例を認めなかった大統領令を 「適時に修正する」 と説明した。 米国には確実に履行する責務がある。 もとより、日本の対米輸出品の中には、特例がないと合意時の想定よりも一段と高い税率が課される品目がある。 米国が修正しなければ合意の妥当性が失われることを銘記すべきだ。 修正までの間、特例を受けられず過払いとなった分を米側が返還するのも当然である。 懸念するのは米側が修正時期を明示していないことだ。 自動車関税の引き下げと併せて、相互関税を修正することを米側に確認したのみである。 日米は関税協議の妥結時に自動車関税を15%に引き下げることでも合意したが、いつ実現するかは見通せていない。 米国の関税措置はトランプ大統領の判断次第だ。 閣僚間で話し合われた相互関税の修正が確実に果たされるかは予断できない。 併せて指摘すべきは石破茂政権の詰めの甘さだ。 米政府は既に、欧州連合(EU)に限って関税負担を軽減する特例措置を設けている。 EUは日本の後に対米協議を妥結させたのに、米政府による特例措置の扱いで違いが出たことを石破首相や赤沢氏は猛省してもらいたい。 日米合意を巡っては、対米投資やコメの対日輸出などでも認識の差異が目立つ。 石破政権が早期合意を優先し、合意文書の作成を後回しにした交渉戦略は完全に裏目に出た。 トランプ氏の独自解釈で、日本側の譲歩を強要しかねない火種が残る。 本来ならば石破首相がトランプ氏と直接対話して日米間の認識の差異を埋め、合意の履行を確認すべきところだが、首相は赤沢氏に委ねるばかりだ。 それが国益を毀損していることを首相は自覚すべきである。 自民両院総会、首相続投の理解広がらず 前倒しの意見が相次ぐ総裁選は「フルスペック」で 2025/8/8 20:17 https://www.sankei.com/article/20250808-QNTDCYNEJJPRJAY4TJOJWYUMME/ 自民党が2025年8月8日に開いた両院議員総会で、石破茂首相(党総裁)は当面の続投への意欲を重ねて示したものの、出席議員からは総裁選の前倒し実施を求める声が相次いだ。 首相支持は一部にとどまり、続投への理解は広がらなかった。 ■皆さま方の意見に耳を傾け 総会は先月2025年7月の両院議員懇談会と同様に冒頭以外は非公開で行われた。 首相は冒頭、参院選での大敗を詫びた上で 「謙虚に真摯に皆さま方の意見に耳を傾け、拝聴させて頂きたい」 と語った。 総会では、出席者から総裁選の前倒し実施を求める声が多数出たことを受け、総裁選挙管理委員会(委員長・逢沢一郎氏)に対応が一任された。 この結果について、柴山昌彦元文部科学相は記者団に 「参院選を総括し、どのように方針を進めていくのか」 「党員の前で正々堂々と論戦を戦わせることが党の一体性、結束力を増すために必要だ」 と評価した。 西田昌司参院議員は、党員・党友投票を含めた 「フルスペック」 の総裁選を実施すべきだとの考えを記者団に示した。 「広く意見を聞き、これから誰が総裁に相応しいいのか」 「党を挙げてやらなければならない」 と強調した。 渡海紀三朗前政調会長も記者団に 「次のステージに移った」 「意見聴取は終わった」 と語った。 「ポスト石破」 に意欲を示す高市早苗前経済安全保障担当相や、小林鷹之元経済安保担当相、茂木敏充前幹事長らも総会に出席した。 小林氏は2025年8月7日夜に東京都内で自身と近い議員と会合を開いた。 今後を見据えて党内情勢などについて意見を交わしたとみられる。 ■次のステージに向かうべき 一方、一部からは首相を擁護する声も上がった。 鈴木宗男参院議員は記者団に対し 「選挙に負けた総括を踏まえ、次のステージに向かうべきだ」 と語ったことを明らかにした。 鈴木氏は、参院選で派閥パーティー収入不記載事件に関して有権者から 「けじめがなっていない」 との指摘を受けたと説明し、 「きちっと(関与した議員の)処分をしなければ前に進めない」 「自民は信頼を得られない」 と語気を強めた。 森山裕幹事長は総会後、記者団から今後の総裁選管委の対応について問われると 「私が所管することではない」 「それは総裁選管委で判断することだ」 と述べるにとどめた。 勢い増す総裁選前倒し論 石破首相、野党にすり寄り求心力低下も 実現には高いハードル 2025/8/8 20:08 https://www.sankei.com/article/20250808-2R5BPVRVVFI57GGQJPM36ZTKYU/ 参院選大敗を受けた2025年8月8日の自民党両院議員総会では、党総裁選の前倒しを求める声が勢いを増した。 政権維持を目的に物価高対策や企業・団体献金などを巡って野党にすり寄るような石破茂首相(党総裁)の姿勢に党内の反発が強まり、求心力の低下は著しい。 首相は当面続投の構えを崩しておらず、今後は総裁選前倒しの条件をクリアできるかが 「石破降ろし」 の焦点となる。 ■首相への逆風収まる気配なく 「米国との関税交渉にきちんと道筋をつけ、色々な業種の方々に安心して頂くことがわが党の責任だ」。 首相は総会後、官邸で記者団にこう強調した。 総会では先月2025年7月28日の両院議員懇談会に続き、首相の続投を批判し、総裁選の前倒しを求める意見が相次いだ。 これに対しては 「党則に則ってきちんと運営することに尽きる」 と述べるにとどめた。 首相は 「政治空白を生まない」 ことを理由の1つにして続投に拘るが、柴山昌彦元文部科学相は総会後、記者団に 「国政を停滞させることなく総裁選は実施できる」 と前倒しを主張した。 首相への逆風は収まる気配がなく、2025年8月5日に閉会した臨時国会での答弁も退陣論の火に油を注ぐ結果となった。 2025年8月4日の衆院予算委員会では、立憲民主党の野田佳彦代表が物価高対策を巡り 「与党として真剣に協議をする可能性はあるか」 と迫ったのに対し、首相は 「(立民が主張する)給付つき税額控除は1つの解だ」 と述べ、協議に応じる意向を示した。 ■総裁選後の展望「誰も描けていない」の声 企業・団体献金の見直しについても、首相の独断で従来の党方針とは相いれない形で立民との協議入りを受け入れた。 事前に党幹部らと答弁のすり合わせはなく、自民中堅は 「首相は国民ではなく野党の方ばかり見ている」 と漏らす。 総会でも出席議員から 「党内の意見を聞いて進めてほしい」 という苦言も呈された。 総会を受け、総裁選前倒しに向けた動きが加速するとみられるが、実現のハードルは高い。 党則によると、前倒しには所属国会議員と都道府県連代表者の過半数の要求が必要となる。 前倒しに向けて署名集めを準備していた議員からも 「過半数を集めるのはなかなか難しい」 との声が漏れる。 仮に総裁選前倒しが決まっても、衆目が一致する 「ポスト石破」 候補が見当たらないことも首相が強気の姿勢を貫く要因だ。 自民ベテランは 「首相が辞めたとしても、その後の展望を誰も描けていない」 とこぼす。 自民、総裁選前倒し検討へ 両院総会で石破首相の早期退陣要求相次ぐ 8月末以降に決定 動画 2025/8/8 19:30 https://www.sankei.com/article/20250808-AFBNND5E4FOQLCVPSAXDGZSI3M/?outputType=theme_election2025 自民党は2025年8月8日、参院選大敗の総括と今後の党運営を議題とした両院議員総会を党本部で開き、出席議員から石破茂首相(党総裁)の早期退陣や総裁選の前倒し実施を求める意見が相次いだ。 これを受け、総裁選挙管理委員会(委員長・逢沢一郎氏)に対応を一任し、党則に従い総裁選を前倒しで実施するかどうかを検討することを決めた。 党則6条4項では、党所属の国会議員と、都道府県連の代表各1人の総数の過半数の要求がある場合は、総裁選を行うと規定している。 逢沢氏は記者団に対し、選管として 「議員や都道府県連の考え方を確認する」 と語った。 その上で、逢沢氏は、条件を満たしていることが確認できれば 「手続きとしては臨時の総裁選を行うことになる」 と述べた。 党内手続きの開始時期については、2025年8月末を目途とする参院選総括の日程を考慮する意向を示した。 両院総会には253人が出席し、そのうち35人が発言した。 石破首相は冒頭、参院選大敗について重ねて陳謝しつつ、日米関税交渉や農業政策、防災などの課題を挙げ 「引き続き日本国に責任を持っていきたい」 と述べ、続投への理解を求めた。 続投期限には言及しなかった。 複数の出席者によると、非公開で行われた意見交換では、首相の早期退陣や総裁選の前倒しを求める意見が相次いだが、予定通り約2時間で終了した。 首相は総会後、総裁選の前倒しについて 「党則に則って、きちんと運営するということに尽きる」 と官邸で記者団に述べた。 森山裕幹事長は総裁選管の対応は 「議決ではない」 と記者団に説明した。 両院総会は党大会に次ぐ重要な意思決定機関。 2025年7月28日の両院議員懇談会で 「反石破」 勢力が総会の開催を求めたことを踏まえ、執行部が同2025年7月29日の役員会で開催を決めた。 石破茂首相を辞めさせられない自民党も立憲民主党もだらしない。 <政治部取材メモ>「石破降ろし」が逆効果に 自民の倒閣運動に首相が反発、続投決め込む 2025/8/8 7:00 https://www.sankei.com/article/20250808-3SBPQH776VKPJH34KNTPLAAQJQ/ 石破茂首相(自民党総裁)は、退陣圧力に反して当面の続投に意欲を燃やしている。 ルール上、続投を決め込んだ総理・総裁を辞めさせるのは簡単ではない。 8日午後に両院議員総会が開かれるが、総会において総裁を辞任させる強制力を持つ規定は党則にはない。 倒閣運動が却って続投への追い風になっている側面さえある。 参院選直後は首相に対する不満と批判で満ち溢れていた自民党内には最近、戸惑いと混乱も目立っている。 「本気で続けるつもりか? 何を考えているんだろうね」(自民党4役経験者) 「辞めるんじゃなかったの? 党内はどうなっているんだ」(現職閣僚) 記者もたびたび自民関係者から電話を受けるが、正直言って本人以外に真意は分からない。 参院選直後の首相は、内心では、終戦の日やアフリカ開発会議出席を終えた後の8月下旬の進退判断を考えていた。 退陣が不可避な情勢であると承知していたのだろう。 しかし退陣論が強まるほど態度を硬化させた。 節目は先月2025年7月23日だった。 一部メディアに 「退陣へ」 と報じられた首相は、記者団に 「報道されているような事実は全くない」 と強い表現で否定し、続投を宣言した。 関係者によれば、首相は同日会談した麻生太郎最高顧問から 「石破自民党では選挙に勝てないことが明らかとなった」 と迫られた。 首相の退陣を求める自民議員が両院議員総会開催を求める署名集めを水面下で進めていた頃でもある。 自民幹部の1人 は「足の引っ張り合いをする古い自民党だ、と国民に思われている」 と指摘し、首相は却って 「続投しなければ」 という使命感≠感じていると見ている。 ■居座る首相は最強 居座りを決め込んだ首相は強い。 第1次政権時の安倍晋三首相(当時)も平成19年7月の参院選で大敗し、過半数割れしたが、8月に内閣改造・党役員人事に踏み切った上で続投する道を選んだ。 安倍氏は体調悪化により9月に退陣したものの、気力も体力も十分なら総理・総裁の職を当面続けることは可能だ。 今は麻生派以外の派閥が解消され、派閥のボスが結託して 「数の力」 で首相を引きずり降ろす展開も難しい。 とはいえ方法はある。 それが党則6条4項の通称 「リコール(解任請求)規定」 である。 総裁本人が自発的に辞めない場合、党所属国会議員と都道府県連代表の過半数の要求があれば、任期途中で総裁選を前倒し実施させられる。 現在で言うと約170程度の署名が必要となる。 この規定は、森喜朗元首相が歴代最低水準の支持率のまま首相・総裁に留まり続けた教訓を踏まえ、平成14年に党則に盛り込まれた。 しかし過去1度も適用例はない。 両院議員総会開催要求の署名集めは、要求の要件となる党所属国会議員の3分の1を超えたものの、署名集めの中心人物の1人はリコールについては 「厳しい」 と語る。 ■悔やむ旧安倍派 「石破批判をやり過ぎた」 「逆効果で辞める気配がなくなってしまった」。 旧安倍派若手は悔やむ。 署名集めは旧茂木派や麻生派などの単位で行われ、旧安倍派議員も参加した。 旧安倍派で離党した世耕弘成衆院議員は先月23日、西村康稔元経済産業相、萩生田光一元政調会長ら旧安倍派幹部3人と会食。 世耕氏は29日のテレビ朝日番組で、首相交代が必要だとの認識で一致したと明かした。 首相は、旧安倍派などの 「政治とカネ」 の問題や派閥政治の弊害が自民の苦境の元凶だと考えている。 先月28日の党両院議員懇談会でも出席議員から 「首相と執行部だけの責任ではない」 「旧安倍派の責任が大きい」 という意見が出た。 SNSでも党内の石破降ろしに対し 「どの口が言っているのか」 といった否定的な声が少なくない。 これが首相への同情論を生んでいるのか、7月最後の週末に複数の報道機関が実施した世論調査では、首相の退陣について賛否が拮抗した。 党内世論よりも世間一般の世論に望みを繋ぎたい首相は、勇気付けられたに違いない。 日米関税交渉の合意も首相の続投意欲を高めたようで、首相は4318に上る対米輸出品目について影響が最小限になるよう対策に 「万全を尽くす」 と強調している。 退陣を望む自民議員らは倒閣運動をせずに 「首相の適切な判断を待つ」 という姿勢を取ったほうが、退陣が早かっただろう。 石破首相延命をアシストする立民・野田代表 不信任案出さず政権継続を容認、すり寄る 2025/8/7 21:51 立憲民主党の野田佳彦代表が石破茂首相(自民党総裁)の延命をアシストしている。 野田氏は参院選でも与党過半数割れとなった結果を国民の 「ノー」 という意思表示だったと評しつつ、選挙後の臨時国会でも内閣不信任決議案を出さなかった。 国会質疑では政策実現に向けて首相に秋波を送り、大連立を彷彿させた。 与党へのなし崩し的なすり寄りは伸び悩む党勢に痛打を与えそうだ。 ■追及から政策実現に転換 「きちんと合意文書が固まっていないから、こんなことになっているのではないか」 「日本にとって決定的なマイナスだ」 野田氏は7日、国会内で開いた党会合で、米関税を巡る日米間での見解相違について政権を批判し、国会で閉会中審査を求める考えを示した。 改選前と同数の22議席にとどまり、比例代表の得票数も伸び悩んだ参院選の総括は8月末までに行う考えを改めて示した。 参院選では、物価高などで政府・与党への批判が強まっていたこともあり、政権批判の受け皿として立民の議席増は確実視されていた。 だが、蓋を開けてみれば、立民は現状維持にとどまった。 一方、国民民主党が躍進し、日本維新の会も微増した。 立民は野党第一党の矜持として政府・与党との安易な妥協を戒めていたが、同党幹部は 「政策実現を求める民意が参院選で結果に表れた」 と反省し、政権の追及よりも政策実現を目指す方向に舵を切った。 ■戦後80年見解も後押し それが如実に表れたのが、4日の衆院予算委員会だった。 質疑に立った野田氏は与野党間で懸案だった企業・団体献金を取り上げ、首相に膝詰め談判を提案すると、首相は 「第一党、第二党が党首同士で真摯な議論をすることに大きな意味はある」 と応じた。 首相が意欲を示す戦後80年の節目に当たり先の大戦に関する 「見解」 を発出することについても、野田氏は 「何らかのコメントは出すべきだ」 と後押しした。 所得税の控除と給付を組み合わせた 「給付付き税額控除」 の協議も呼び掛け、6日には自民、立民間で行われた。 事実上の大連立にも見える姿勢には党内外から批判が相次ぐ。 特に通常国会に続けて臨時国会でも不信任案を提出しなかったことは 「政権交代」 への本気度を問う声も上がる。 ただ、それでも野田氏は 「政策実現をするための政党だ」 と開き直っており、政権追及よりも政権延命による政策実現を優先させる構えを見せている。 「裏金議員」呼ばわりはレッテル貼りの「報道冤罪」 正論2024年12月号 政策シンクタンク 原英史 (前略) 今回2024年10月の衆院選では 「裏金議員」 という一部報道機関によるレッテル貼りが、深刻な影響をもたらしたのではないか。 派閥の指示で記載しなかったに過ぎない議員たちが、あたかも私的流用や不正蓄財など不正を働いたかのようなレッテルを貼られ、非公認や比例名簿不掲載などの扱いを受け、不利な状況で選挙を戦うことになった。 中には出馬を断念した人もいた。 何故こんな報道がなされたのか。 どう間違っているのかを説明していこう。 ■「裏金議員」か「不記載議員」か 新聞報道には 「裏金議員」 という用語を用いるものと、 「不記載議員」 を用いるものがある。 朝日新聞は、1面トップで 「裏金議員」 を繰り返し見出しに掲げ、 「裏金議員」 と題する一覧表を掲載するなど 「裏金議員」 表記で徹底している。 毎日新聞も同様で、社説の見出しなどにも用いる。 一方、日本経済新聞は 「不記載議員」 と表記する。 読売新聞や産経新聞も一部混在があるが、基本的に 「不記載議員」 を用いているうようだ。 読者の中には、福島第1原発の処理水放出を巡る報道を思い起こす人もいるのではないか。 日経・読売・産経各紙が 「処理水」 を用いる一方、 朝日・毎日・東京各紙は 「汚染水」 「処理汚染水」 などを用い、あたかも汚染しているような印象を広げた。 本誌にしばしば寄稿する林智裕氏はこれを 「報道加害」 と呼んでいる(著書『「正しさ」の商人』など)。 今回の 「裏金議員」 も似通った図式だった。 「裏金」 か 「不記載」 かについて、2024年10月の党首討論でも議論があった。 野田佳彦・立憲民主党代表が政治資金問題を追及した際、石破茂首相はこう切り返した。 「『裏金』は決め付けだ」 「不記載だ」 「誰からいくら貰い、出入りがきちんと示されることが重要で、その記載をしなかったということだ」 ここまで明快な答弁だが、その後が分かりづらい。 野田氏は更に旧石破派(水月会)の政治資金問題を追及した。 キックバックとは関係ないが同じく 「不記載」 の事案だ。 石破首相はこう答弁、旧安倍派(清和政策研究会)などと異なり、これは単なる 「事務ミス」 だと強調した。 「構造的に不正が為されたものではない」 「裏金化し、誰かが利益を得たことは一切ない」 同じ 「不記載」 でも、旧安倍派と旧二階派(志帥会)の不記載は 「悪い不記載」、 旧石破派や旧岸田派(宏池政策研究会)の不記載は 「単なる事務ミス」 ということらしいが、前者でも私的流用などが判明したわけではない。 これでは、朝日新聞などは 「ともかく『悪い不記載』だと首相も言うのだから、『裏金議員』と呼んでも差し支えないはず」 と受け止めたのではないか。 更に、立憲民主党などの野党は、所属議員の不記載は 「単なる事務ミス」、 自民党旧安倍派などは 「裏金議員」、 と堂々と区別出来ることになった。 ■「裏金」とは何か 何故こんなおかしな事になったのか。 出発点に遡るとそもそも 「裏金」 という言葉は、広辞苑によれば 「公式の帳簿に記載しない、自由に使えるように不正に蓄えた金銭」 を意味する。 この問題を最初にスクープして新聞協会賞を受賞した(しんぶん赤旗から異議があるが)2023年12月1日の朝日新聞では、こう書かれていた。 「最大派閥の清和政策研究会(安倍派)が、所属議員が販売ノルマを超えて集めた分の収入を裏金として議員側にキックバックする運用を組織的に続けてきた疑いがある」 確かに、帳簿に記載されていない可能性があり、私的流用や不正蓄財など勝手気ままに使われていた可能性もあった。 この時点で 「裏金の疑い」 があるのはその通りだった。 しかし、その後どうなったかと言えば、東京地検特捜部の捜査が2024年1月に終結した。 自民党の内部調査(外部弁護士も参加)の報告書が2024年2月に提出された。 判明したのは、結局 「不記載」 だけだ。 私的流用などは見つかっていない。 多くの議員は、派閥から 「収支報告書に記載しないように」 と言われ従っていただけだと説明した。 記載や返金を申し入れたが派閥側から拒まれ、やむなく不記載にしたケースもあった。 「不明朗な金銭だったから」 などの理由で、使用せずにいた人も相当数いた(旧安倍派・旧二階派の不記載85人中31人)。 別の収入名目(自身からの寄附など)にして、収入・支出を記載していた人もいた(85人中10人強)。 ここから分かるのは、少なくとも相当数の人たちは、広辞苑の言う 「自由に使えるように」 や 「公式の帳簿に記載しない」 といった定義から明白に外れ、 「裏金」 とは無縁だったことだ。 その一方、自民党の調査は、実に不十分な内容だった。 こうした還流システム、つまり 「裏金を作る目的」 と受け取られても仕方のない仕組みを、誰が何のために作ったのか。 これは全く明らかにならず、 「古くからの慣習だった」 と言うに留まった。 また、本当に不正支出や不正蓄財などがなかったのかも疑わしい調査だった。 現にその後、堀井学・前議員による不正支出(違法な香典などの支出)が判明した。 肝心な真相究明は出来ていなかったのだ。 ■自民党執行部が招いた報道冤罪 事態を決定的におかしくしたのは、真相究明が出来ていないまま、2024年4月に関係議員への処分を下したことだ。 自民党党紀委員会で、離党勧告、党員資格停止、役職停止、戒告などの処分を決定した。 旧安倍派・旧二階派で不記載のあった議員につき(引退表明した二階俊博氏を除き84名)、不記載額500万円以上だった39人は正式な処分の対象とし、500万円未満の45人は幹事長による注意の対象とした。 39人の軽重は、不記載額1000万円・2000万円などの基準で線引きした。 根拠が不明だ。 まず、旧安倍派・旧二階派の不記載はなぜ一律に処分(注意を含め)の対象になるのか。 これまでの調査で、 「裏金」 とは無縁で、派閥に言われてやむなく 「不記載」 にした議員が相当数いることは明らかだった。 もちろん政治資金規正法違反は重大な問題だが、これは他の派閥での 「不記載」 も同じだ。 「500万円」 などの金額による線引きも意味不明だ。 派閥では当選回数や役職に応じたノルマが設定されていたという。 コロナの時期にパーティーが中止されたため、ノルマを達成すべくパーティー券を売っていた議員らにたまたま多額の還付金等が払われるケースが生じた。 「金額が多いから悪質」 というわけではなく、そんな事は自民党の議員たちは百も承知だったはずだ。 それにもかかわらず、こうした決着に至ったのは、本当に責任を負うべき人たちの特定を自民党執行部が放棄したためだ。 本来ならば、 @「裏金」の温床となる仕組みを創設・維持した責任者と、 A「裏金」として利用した議員を特定して処分対象とし、他は不問にすべきだった。 あるいは逆に、 「不記載」 を処分対象にするなら、旧岸田派なども同様に扱うべきだった。 ところが実際には、 「裏金の疑い」 が騒がれていた不記載は全て 「悪い不記載」 ということにし、無意味な金額基準で線引きした。 例えて言えば、教室で盗みを働いていた子供を特定できない時に、指導能力を欠く小学校の先生が 「クラス全員の連帯責任」 と称して全員に居残りを命じ、更に前列の生徒たちは特段の理由なく体罰を科したようなものだった。 2024年10月に誕生した石破政権は、仕切り直しの好機だった。 石破首相は総裁選で、公認するかどうかは 「1人1人と向き合い」 「徹底的に議論する」 と言っていた。 一定の時間をかけて改めて真相究明し、本当に責任を負うべき人を特定し、それ以外の人は堂々と公認する(比例重複も認める)として十分に説明すれば 「国民の納得と共感」 は得られたのではないか。 ところが、党内の議論に引きずられて早期解散に踏み切り、従来の 「全員の連帯責任」 路線を踏襲せざるを得なくなった。 旧安倍派などの不記載は引き続き全て 「悪い不記載」 と整理され、 「それなら全員を非公認にすべきだ」 との批判を招いた。 一方、朝日新聞など一部報道機関や野党は、安心して 「裏金議員」 とのレッテル貼りを続けることになった。 以上が、多くの議員たちがいわれなく 「裏金議員」 と呼ばれ続けた経緯だ。 実際は、多くの人たちは 「裏金」 と無縁だった。 強いて言えば、 「裏金の温床となる還流システムを不正に運用していた派閥に所属していた議員」 ではあろうが、それを 「裏金議員」 と呼ぶのは無茶苦茶だ。 これは、 「報道冤罪」 に他ならない。 そして、 「報道冤罪」 を招いた根源は、岸田政権と石破政権の対応だ。 自民党執行部が何故、わざわざこんな拙い対応をし、選挙で議席を減らす要因を作ったのか、私には理解不能だ。 このままでは、来年2025年の参議院選挙でも再び同じ事が繰り返され、 「裏金議員」 という 「報道冤罪」 が続くのではないか。 <主張>中国の日本人襲撃 安全確保へ危機感足りぬ 社説 2025/8/7 5:00 https://www.sankei.com/article/20250807-UMIVG5IGJBILBFEMPMNTWBOIVI/ 中国江蘇省蘇州市で2025年7月31日、現地の日本人女性が襲われて負傷した。 地下鉄駅構内で子供を連れて歩いていたところを、石のようなもので殴られた。 中国当局は容疑者を拘束したが、動機などを明らかにしていない。 日本人社会の不安と恐怖はいかばかりだろう。 蘇州では昨年2024年6月にも日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子が中国人の男に切りつけられて負傷した。 昨年2024年9月には広東省深圳市で、日本人学校に通う男子児童が母親と登校中、男に刺され死亡した。 もうたくさんである。 日本人の、しかも弱い立場の母子ばかりをなぜ狙うのか。 繰り返される襲撃事件に、適切な安全対策を取ろうとしない中国政府に対しても、憤りを禁じ得ない。 林芳正官房長官は記者会見で、 「中国政府に容疑者の厳正な処罰、類似事件の再発防止、邦人の安全確保を強く申し入れていく」 と述べたが、 「申し入れ」 で済ませる事態ではない。 石破茂政権の危機意識の乏しさを露呈している。 林長官によると、容疑者については中国側から 「法律に沿って処罰する」 との知らせがあったという。 日本政府はなぜ、動機や背景など容疑者に関する情報公開を迫らないのか。 再発防止には不可欠である。 中国外務省は、昨年2024年9月の児童刺殺事件後も、 「(事件は)中日間の往来や協力に影響を与えない」 と平静を装った。 習近平政権は経済の不調や米国との貿易戦争に苦しんでおり、日本との経済交流は保ちたいはずだ。 だが、駐在員もその家族も安心して暮らせない状況では、日本人が中国でビジネスを行う土台が崩れていると言う他ない。 中国は今年2025年を 「抗日戦争勝利80年」 と位置付け、2025年9月3日には北京で軍事パレードを行う。 「南京事件」 を題材にした映画 「南京写真館」 が公開されヒットしているという。 中国共産党の宣伝工作によって大衆の反日感情が煽られて、日本人に対する嫌がらせや襲撃事件が続発する危険性がある。 石破首相は、自らが中国に弱腰の態度を取り続ければ、現地の日本人を危険に晒すと肝に銘じてもらいたい。 首相自身が中国政府に対して、 「日本人を守れ」 と安全確保を要求しなければならない。 石破首相「居座り」は何がダメか 国民の信頼を壊し、トランプ氏との直接交渉から逃げた 榊原智の眼 2025/8/5 14:00 https://www.sankei.com/article/20250805-DPLVUXCY5JJ45HQ35E7SCTQISU/? 政治には粘り腰の対応が求められる時もあるが、衆院選、都議選、参院選の3重要選挙で大敗した後でとるべき態度ではあるまい。 石破茂首相(自民党総裁)が続投表明する度に、潔い出処進退をよしとする日本人の美意識を共有していないのかと思ってしまう。 ただし、問題はそれに止まらない。 東洋の先賢である孔子は政治の要諦を問われ、 「(民)、信なくば立たず」 と語った。 軍事や食料よりも、国民の信頼が何よりも大切だ、という教えである。 石破首相や森山裕自民幹事長は今、その信を壊し続けている。 憲政史にまれな異常事態で、居座りが叶えば、党勢への打撃よりも深刻な影響を日本政治にもたらすだろう。 参院選で 「必達目標」 とした与党改選50議席を割り込むと、石破首相は 「比較第一党」 を続投理由とした。 韓国外交のようにゴールポストを動かして平然としている。 国民政党の自民は、比較第一党ではなく、安定した政権運営が可能な勢力を得られなければ時の首相(自民総裁)は潔く退陣し、新しいリーダーに国政を託してきた。 石破首相や森山氏が比較第一党を勝敗ラインにするなら、参院選前に公言して理解を得ておくべきだった。 自民の両院議員懇談会で石破首相は 「大変厳しい結果」 を 「虚心坦懐に反省」 するとしながら、 「政治空白を生むことがないよう(続投で)責任を果たしていく」 と開き直った。 だが、空白を生むのは自身の居座りである。 参院選翌日の総裁会見で南海トラフの巨大地震などの恐れを続投理由に挙げたことは常軌を逸していたが、両院懇で、関税をめぐる日米合意の実行も理由にした点も同じくらい理に反している。 トランプ米大統領との直接交渉から逃げていたのが石破首相だ。 日米合意後も電話首脳会談さえしていない首相がいなくても困らない。 交渉の継続性は赤沢亮正経済再生担当相の起用で済む。 国際的引きこもりの首相が退陣し、外国首脳とコミュニケーションをとる意思のある新首相が登板した方が国益に資する。 国会は言論の府で、議会制民主主義は言葉を介して機能する。 それなのに、石破首相や森山氏は結果に責任をとらず、日本の政治リーダーの言葉が信じるに足らないという悪しき前例になっている。 「赤心報国」 を含め、首相の言葉は国民の心に届くまい。 内外情勢は厳しい。 日本の政治リーダーは、言葉で国民を説得し、協力を求め、難局を乗り切らねばならないこともあろう。 その任に最も相応しくないのが、石破首相であるのは明らかだ。 一連の醜態を見せつけられた国民の間で、石破首相だけでなく日本の政治家一般を軽蔑したり、侮ったりする感情が強まる恐れもある。 自民は正念場だ。 石破首相を退場させられなければ、次期衆院選の大敗も免れまい。 逃げ散った保守層は戻ってこないからだ。 石破首相は 「国民世論とわが党の考え方が一致することが大事だ」 と語った。 報道各社の世論調査で、退陣論と続投論がほぼ二分した点にすがるつもりなら心得違いも甚だしい。 自民に選挙で負け続けてほしい野党支持者には首相続投が望ましいからだ。 首相官邸前で石破首相擁護のデモがあったが、参加者の多くは左派の人々だった。 国政選挙で示された民意を尊重したり、憲政すなわち議会制民主主義を擁護したりするよりも、自民の保守回帰や党勢回復を防ぎたい一心だとしたら、日本の左派も意気地のない存在になったものだ。 (論説委員長) <主張>野田立民代表 内閣不信任案なぜ出さぬ 社説 2025/8/5 5:00 https://www.sankei.com/article/20250805-QZJW4HM2E5MZTGLCOJGSNECWVI/ 立憲民主党の野田佳彦代表が参院選で民意を失った石破茂首相(自民党総裁)を支えている構図が、改めて浮き彫りになった。 2025年8月1日に召集された臨時国会で、内閣不信任決議案を出そうとしていないことである。 衆参2つの国政選挙で与党過半数割れを招いた石破首相は、民意を失っている。 居座り続けるのは、議会制民主主義に反している。 それを是正する手段が内閣不信任案の可決だ。 立民は野党第一党として他党にも呼び掛け、提出すべきである。 なぜこれほど簡単なことをしないのか。 野田氏が2025年8月1日の会見で内閣不信任案を出す動きをしていない理由を問われ、 「今は選挙の総括を行っている最中だ」 「途中で放り投げて不信任案を出すのがいいのか」 「決姿勢は秋でもいい」 と語ったのはおかしい。 2025年8月4日の衆院予算委員会でも、質問に立った野田氏は 「国民は石破政権にノーという意思表示をした」 としながらも、首相退陣を明確に求めなかった。 それだけでなく、企業団体献金の規制強化に向け 「膝を突き合わせて協議し合意していく気はないか」 と石破首相に呼び掛けた。 首相延命の手助けをしているとしか思えない。 物価高対策については 「民意で示されたことは減税だった」 として、自民が参院選で掲げた現金給付以外についても検討するよう求めた。 民意を失った石破首相に民意の履行を求めても無駄で、次期首相と話し合うのが筋である。 立民の小沢一郎衆院議員が今国会での内閣不信任案の提出を唱え、 「黙って見過ごすことは信任と同じだ」 と述べたのはもっともだ。 野田氏は参院選前の通常国会でも提出を見送っている。 民意の実現や政権の打倒に汗をかかない野田氏が率いる立民が、参院選で政権批判票の受け皿にならなかったのは当然である。 比例代表の得票数で、国民民主党と参政党の後塵を拝し、野党の中で3番手だった。 内閣不信任案提出を受けて衆院が解散されるのが怖いのかもしれない。 だが、民意よりも党利党略を優先するなら、党勢の衰えに拍車がかかろう。 臨時国会は2025年8月5日に参院予算委を開き、閉幕する予定だ。 今日1日残っている。 内閣不信任案を提出してはどうか。 石破首相よ、戦後80年「個人の見解」で中国の反日宣伝に手を貸すな 櫻井よしこ 美しき勁き国へ 2025/8/4 1:00 https://www.sankei.com/article/20250804-CBJSJPFKFFNBZNNKWI6RGYKDSM/ 石破茂首相は閣議決定を経た上での戦後80年談話の発出は諦めたものの、首相個人としてのメッセージを 「秋以降」 にも出す意向だと、2025年8月3日付の朝日新聞が報じた。 首相補佐官の長島昭久氏は取材に対し、首相として戦後80年に巡り合ったことをもって、石破氏は文書発出が歴史に対する自身の責務と考えていると語った。 石破氏の自己陶酔が見てとれる。 後述のように文書発出は中国の反日宣伝に手を貸すことになるだろう。 自民は結党以来初めて衆参両院で少数与党に陥った。 選挙結果は石破氏に対する国民の断固たる拒絶である。 国民の願いは石破氏退陣にあり、戦後80年の見解発出などではない。 石破氏が首相の座に酔いしれている間に、中国は苛烈な反日歴史戦の火蓋を切った。 「南京大虐殺」 を扱った『南京写真館』、731部隊を扱った『731』、『東極島』の映画3作品の制作だ。 いずれも 「日本軍の残虐性」 を誇張した内容とされる。 『南京写真館』は公開後4日間で、5億元(約105億円)の興行収入を得た(「中国経済新聞」7月29日)。 同紙は 「中国人観客に『血脈の覚醒』とも言うべき共感」 をもたらした作品だと評価した。 反日感情はいや応なく過熱する。 そうした中、2025年7月31日に江蘇省蘇州で子供連れの日本人の母親が石で殴られる事件が起きた。 詳細は不明だが、早くも反日宣伝映画の影響が懸念されており、展望は暗い。 「南京大虐殺」 はわが国の研究者らによってなかったことが証明済みだ。 にもかかわらず中国は事実を曲げ日本への憎しみをかき立てる。 怒りの渦の中で2025年9月3日には 「抗日戦争勝利」 の大軍事パレードを迎え、日本の受難は終わらない。 石破氏は一連の反日歴史戦に何ら対抗策を講じていない。 その上、過去の戦争に関して反省の意を込めた文書を出すのであれば、中国にとって飛んで火に入る夏の虫である。 江沢民政権は 「愛国教育」 で日本を邪悪な国として教え、中国人民の憎悪の対象とすることで、中国共産党への人民の不満を回避した。 当時の中国共産党は緩みかけていた統制を強化し、求心力を高めようとしたのだ。 2012年に政権を継いだ習近平氏の政策はそれ以前とは一味も二味も異なる。真の意味で中国人民に共産党への忠誠心を植えつけ、党の絶対的権威を確立すべく、反日教育を深化させた。 習氏は、日本軍から中国を守ったのも、戦後の世界秩序の構築も共産党の貢献だったという偽りの歴史を創造し始めたのだ。 中国の習近平国家主席はブラジルでの中国やロシアなど主要新興国で作る 「BRICS」 の首脳会議を欠席し、2025年7月7日に百団大戦と呼ばれる大規模戦の戦跡を訪れたと、前中国大使の垂秀夫氏が指摘する。 新興国取り込みに熱心な習氏が抗日戦争勝利80周年のキャンペーンをより重視したからであり、敵対対象のわが国はとりわけ留意すべきだと強調した。 北京西南の山西省、百団大戦の戦跡は日本軍と中国共産党の八路軍が正面から戦った場所だ。 八路軍は100個連隊以上の兵力を結集した。 日中戦争の期間中、日本軍が八路軍から初めて甚大な損害を受けた戦闘である。 毛沢東の時代から今日まで、中国共産党の正統性の拠り所は 「抗日戦争勝利」 である。 だが、日中戦争で日本軍と戦ったのはおよそいつも国民党軍で、共産党軍は日本軍を見掛けると逃走するのが常だった。 日中戦争の主役は共産党でなければならないのにこれでは具合が悪い。 そこで習氏は共産党軍が攻勢をかけた戦いを歴史の主軸に据えるために、戦跡巡りをしたのだ。 共産党の正統性確立の第1の噓がここから始まる。 共産党神話の第2の噓は、戦後の国際秩序を形成した主力は中国共産党だった、国際連合設立も中国共産党の尽力故だというものだ。 国連創設に関わったのは国民党の蔣介石であり、毛沢東ではない。 しかし、共産党にとって史実の書き換えなど序の口だ。 共産党独裁政権の思考は私たちのそれとは異次元のレベルだ。 このような中国が対日歴史戦を仕掛け、反日感情を煽った背景には朝日新聞を筆頭とするわが国のリベラルメディアがある。 リベラル派の学者や研究者、言論人、政治家なども同類だ。 彼らは中国に都合の良い情報を提供し、中国の邪な野望に油を注いできた。 とりわけ朝日新聞は 「慰安婦強制連行」 や 「南京大虐殺」 などで虚偽の情報を煽った。 中国に注進し、彼らに果実をもたらした。 石破氏は今、首相個人として戦後80年の節目にわが国が戦争に突入した経緯を省みて見解を発表する構えだとされる。 石破見解が一旦発信されれば、閣議決定の有無にかかわらず、日本国首相の言葉として、必ず習氏の反日歴史戦を補強することになるだろう。 朝日新聞が果たしたわが国に対する歴史断罪の推進役を、石破氏も踏襲しようとするのか。 わが国を不条理に貶める中国共産党の反日歴史戦に一言も物申さずして、戦後80年の見解を発信することに何の意味があるのか。 「誠実」「謙虚」「真摯」などは石破氏の好む言葉だが、そうしたよき資質を尊ぶのなら、石破氏はまず、過去の自身の言動と現在のそれが著しく乖離していることを国民に詫びることだ。 残り僅かな在任期間の隙を狙って、中国共産党の不条理な反日歴史戦の一翼を担うような言葉は、日本国の政治家として発してはならない。 石破氏が真摯であることを大切にするのなら、速やかに退陣するのが筋である。 石破首相の「政治空白生まず責任果たす」に自民・長尾敬氏「続けることが空白」即辞任訴え 2025/8/4 17:38 https://www.sankei.com/article/20250804-WIV4ODYMWRAUJOFPTBRP2EN77M/ 2025年7月の参院選比例代表で落選した自民党の長尾敬元衆院議員は2025年8月4日、党本部で開かれた参院選総括委員会に出席し、石破茂首相(党総裁)の引責辞任を改めて求めた。 「総裁は即辞任していただきたい」 と木原誠二選対委員長ら党執行部に伝えた。 長尾氏によれば、 「あなたのことは支持するが、投票すれば石破政権を延命させてしまう」 といった声が連日寄せられたという。 長尾氏は記者団に、落選の結果を 「自身の不徳の致す所」 と釈明した上で、石破政権下で自民が国政選挙や都議選で敗北を重ねていることについて、 「3アウトだ。責任問題がなければ、国民の声や投票行動の結果を聞かない政党とみられてしまう」 と危惧した。 首相は2025年7月28日の両院議員懇談会で続投の意思を表明し 「政治空白を生むことがないように責任を果たす」 と強調している。 長尾氏は 「このまま続けられることが空白ではないか」 と疑問視した。 自民が参院選敗因分析 落選者から石破首相の責任問う声「けじめを」「政策届かず」 2025/8/4 17:30 https://www.sankei.com/article/20250804-74FA2CA6F5JXFOB5STC3ISF5SQ/?outputType=theme_election2025 自民党は2025年8月4日、参院選の敗因を分析する総括委員会の会合を開き、選挙区と比例代表の落選者計23人から活動事情や要望を聞き取った。 有権者に響く政策発信を強化するよう求める声や、石破茂首相(党総裁)の責任を問う意見が複数上がった。 比例代表で3期目を目指した和田政宗氏は 「政策が国民に届いていなかった」 と指摘した。 経済評論家の岸博幸氏は 「自民党から出馬しているから駄目、と言う人が圧倒的に多かった」 と振り返った。 宮城選挙区の石川光次郎氏は 「けじめをつけなければ再出発はできない」 と訴えた。 保守系の長尾敬元衆院議員は、首相の即時辞任を要求した。 総括委は2025年8月5日、全国幹事長・政調会長会議をオンライン形式で開き、首相と森山裕幹事長が出席する。 これとは別に当選者にもヒアリングを行う。 2025年8月月内をめどに報告書を取りまとめる方針だ。 <産経抄>石破首相のうぬぼれが招くモラルハザード 2025/8/2 5:00 https://www.sankei.com/article/20250802-YFFN3HH6NRISNA4VHWNVCL7ZCI/ 巷(ちまた)では、2人の政治家の居座りが話題になっている。 1人は言わずと知れた衆院選、東京都議選、参院選で3連敗中の石破茂首相で、もう1人は学歴詐称の疑いが指摘されている静岡県伊東市の田久保真紀市長である。 ご両人とも、何やら使命感に駆られて続投するつもりらしい。 ▼「国家国民に対して、決して政治空白を生むことがないよう責任を果たしてまいりたい」。 首相は2025年7月28日、参院選惨敗を受けて開いた自民党両院議員懇談会で続投に意欲を示した。 参院選投開票日翌日の記者会見でも 「国家国民に対する責任」 を強調しており、自分しかその任は務まらないと考えているように思える。 ▼かたや田久保氏は、1度は辞職の意向を表明していたものの 「公約実現」 のため撤回し、市長を続ける考えを明らかにした。 首相と同様に、己しかできない仕事をやり遂げたいという信念だろうか。 だが、これは自負心が強い人が陥りがちな罠で、多くの場合は代わりはいくらでもいる。 ▼勝海舟の『氷川清話』にこんなエピソードがある。 勝がある役人に 「もうやめてはどうか」 と忠告したところ、役人はこう答えた。 「これも国家のためだから、いやいやながら、よすわけにはいかない」。 当人は噓偽りのない 「赤心報国」(首相) のつもりでも、傍からはどう見えるか。 ▼勝は喝破する。 「それはみな自負心だ。うぬぼれだ。うぬぼれを除ければ、国家のために尽くすという正味のところは少しもないのだ」。 特に首相が身を引かないのは、2度の国政選挙での自民惨敗という結果を認めないことを意味し、民主主義の否定だと言える。 ▼責任を連呼するトップが自らの責任は取らないのでは、社会にモラルハザードが生じよう。
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