<■443行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> <主張>柏崎刈羽の再稼働 県民意識調査で展望開け 社説 2025/9/15 5:00 https://www.sankei.com/article/20250915-MTD26BSBDJJZRHJ67JVSQRO4F4/ 東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の再稼働に対する意向を把握するために、1万2千人を対象にした同県によるアンケート形式の 「県民意識調査」 が進んでいる。 再稼働に関しては、花角英世知事と県内全30市町村長との懇談や業界団体などの声を聞く計5回の公聴会も終えている。 再稼働への地元同意の鍵を握る花角氏にとって今回の調査は、最終的な判断材料の位置付けだ。 計7基の原子炉を擁する柏崎刈羽の電力供給力は、世界最大級であるにも拘わらず、福島第1原発事故などで全基停止の状態が13年以上続いている。 電力需要が高まる冬場に向け、東日本の供給力強化へ調査を早期再稼働に繋げたい。 最新鋭の6、7号機は原子力規制委員会の審査に合格しており、安全性は確認済みだ。 過去に指摘された運転員の規則違反なども改善され、再稼働に必要なのは地元同意だけである。 だが、県民意識調査の結果がまとまるのは2025年10月末の見通しだ。 花角氏の肯定的な意見が表明されるとしても、更にその後だ。 余りに遅い。 花角氏は県民の声を丁寧にすくい上げようとしてきた。 その姿勢は大切だが、意思決定の遅れは不安と停滞を生む。 また、停止の長期化は東電の経営再建を阻み、首都圏の家庭や企業に高止まりする電気料金の負担を強いてきた。 再稼働の遅れは地元経済も疲弊させる。 一方、生成AI(人工知能)やデータセンター向けの電力需要は急拡大している。 海外情勢に不透明感が漂う中で燃料輸入への過度の依存は危うい。 原発の果たす役割は再び重みを増している。 柏崎刈羽は新潟県の一施設にとどまらず、国のエネルギー基盤を支える要の存在であることを忘れてはなるまい。 政府も原発を擁する自治体の負担軽減に乗り出した。 2025年8月末には原発立地点の半径10キロ圏から30キロ圏へと財政支援地域を広げた。 避難計画や防災体制の整備を後押しするもので、地元の懸念に応える施策だ。 再稼働を円滑に進める環境は確実に整いつつある。 東電は6号機の早期再稼働を目指している。 花角氏が視野を県から日本全体のエネルギー安全保障に広げ、そこに柏崎刈羽を位置付けることで県と国の将来展望が開かれる。<主張>原子力白書 重要課題の記述が平板だ 社説 2025/7/26 5:00 https://www.sankei.com/article/20250726-B2F7XWOBMJKLBDOZKF3MSZTGUU/ 国の原子力委員会が今年2025年の 「原子力白書」(令和6年度版) を公表した。 「日常生活を支える原子力技術」 で特集を組み、エネルギーをはじめ医療や農業、工業など日常生活の多方面で貢献していることに焦点を当てている。 原子力の社会的受容性の向上を図った特集だが、経過した1年を振り返りつつ、現時点での重要課題を国民へタイムリーに提示するという白書の役割を考えると物足りない内容だ。 現在の原子力政策に求められているのは、エネルギー安全保障の再構築である。 ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫で化石燃料の安定調達は揺らいでいる。 円安も加わって電力コストは上昇し、日本の産業競争力は低下しつつある状況だ。 打開の解は、原発の活用である。脱炭素で大電力を安定供給できる。 とりわけ首都圏を支える東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働は、急務のはずだ。 しかし、今回の白書では他の電力会社分を含め、再稼働に向けた課題の整理が乏しい。 また、核のごみとも称される高レベル放射性廃棄物(HLW)の地層処分も原子力政策の中で重要性を増している。 北海道の寿都町と神恵内村では原子力発電環境整備機構(NUMO)による文献調査の報告書がまとまり、第2ステージ・概要調査への移行の可否が懸かる正念場に直面している。 しかし、白書ではこの件も平板な記述にとどまっている。 現世代で解決すべき地層処分に向けた国民的議論をどう深めるか、地元との信頼関係をどう築くかという問題提起に及んでいないのは、極めて残念だ。 東電福島第1原発事故で失われた原子力への信頼の回復を図る姿勢は重要である。 だが、無難なテーマのみを淡々と語るだけでは、信頼は得られない。 国民に伝えるべきは、なぜ再稼働が必要なのか、どうすればHLWの処分地探しが円滑に進むのかという、原子力利用の根幹に関わる問題についての原子力委員会の所信である。 白書が明確に答えなければ社会との対話は進まない。 アジアや東欧などの諸国も経済成長に伴うエネルギー需要の増大で、原子力利用に舵を切っている。 技術大国・日本の存在感の希薄化が進む。眠れる原子力白書の覚醒を期待する。 <主張>参院選と原子力 各党は再稼働に傾注せよ 原発休眠が物価高の一因だ 社説 2025/7/10 5:00 https://www.sankei.com/article/20250710-SDH2LNJTVNIJNLLRD5YMCXU64Y/ 異例の早さで梅雨明けが進んでいる猛暑の日本列島は、参院選の只中にある。 各党は当面の物価高対策を掲げているが、中長期の重要度では筆頭に並ぶべきテーマについて語る声が聞こえてこない。 原発の再稼働の必要性と、高レベル放射性廃棄物(HLW)の地層処分に関する議論が、エアポケットのごとく抜け落ちている。 資源に乏しい日本にとって原子力発電の活用は、食料安全保障と共に最優先の課題である。 参院選では有権者の関心が物価高に集まっている。 各政党も家計の負担軽減策に様々な案を示しているが、総じて対症療法の域を出ていない。 ■電力需要はさらに増す 物価高は何に起因しているのか。 大きな要因の1つは原発の再稼働の遅れである。 原発1基の1日停止で2億〜3億円が発電用燃料代に消える。 原発が生み出すべき電力を、輸入燃料を使う火力発電で補う結果、電気代が高くなり、諸物価の押し上げに作用しているのだ。 かつて国内に54基が存在した原発は東京電力の福島第1原発事故を経て33基に減っている。 立地自治体の同意や安全対策に時間と労力を要し、再稼働はうち14基にとどまっている。 東電の柏崎刈羽原発(新潟県)の場合は、原子力規制委員会の安全審査合格後も、新潟県知事の明確な姿勢表明がなされないまま宙に浮いた状態となっている。 首都圏の主力電源である柏崎刈羽の再稼働は喫緊の課題だが、参院選の争点から外れているのはどうしたことか。 福島事故で国民の間に残る原発への忌避的感情による票の減少を危惧する結果、与党が二の足を踏み続けているのなら情けない限りである。 一部野党は原発全面否定の立場だが、電力安定供給への説得力のある対案を示せていない。 猛暑で予想される電力不足をどうするのか。 熱帯夜に太陽光発電は本領を発揮できない。 産業レベルでも電力消費量の大幅な増加が見込まれる。 AI(人工知能)の利用拡大、それを支えるデータセンターの新設や半導体産業の振興に伴い、今後の電力需要は加速度的に伸びると予測されている。 再生可能エネルギーは、天候で出力が変動するため、工場に届く電気の周波数を乱しやすい。 超精密加工の半導体製造には不向きなのだ。安定出力の原発を排除する政策は短慮に過ぎよう。 日本はエネルギー効率の高い原子力発電の活用で経済成長を遂げてきた。 長年の運転で使用済み燃料がたまっている。 使用済み燃料をリサイクルする工程で不要な高レベル放射性廃棄物(HLW)が分離される。 それをガラス固化体に封じ込め、多重の漏出防護を施して地下300メートル以深の岩盤中に埋設するのが地層処分だ。 ■地層処分で活路を開け 使用済み燃料は各原発の貯蔵プールで保管されているが、満杯になれば原発の運転は行き詰まる。 それゆえ地層処分が必要で、フィンランドやスウェーデンでは、科学的な安全性を踏まえた上で埋設実施へのプロジェクトが進んでいる。 日本でも地層処分の適地は3段階の事前調査を経て選ばれるシステムだ。 北海道の寿都町(すっつちょう)と神恵内村(かもえないむら)では処分場選定に向けた最初の 「文献調査」 が終わり、現在は次段階の 「概要調査」 への移行が焦点となっている。 今回の参院選は、地層処分事業での重要な時期と重なっている。 それにも拘わらず、この課題について公約で前向きの姿勢を示しているのは与党や国民民主党くらいだ。 HLWの最終処分について、全ての有権者に自分事として考えてもらう好機だったので残念である。 北海道の2町村が概要調査に進めなければ地層処分事業は後退し、ひいては原子力発電の行く手にも影が差す。 地層処分が実現しないと原子力発電は行き詰まり、日本の活路は閉ざされる。 参院選はエネルギーの在り方を問う好機である。 原発政策を語らずに国の針路をどう描くのか。 選挙戦の終盤に向けて、与野党間での議論を深めてもらいたい。 原発再稼働と地層処分に触れぬままでは、政治の責任放棄がもたらす国力衰退と暗い未来が待つのみだ。 <主張>柏崎刈羽の再稼働 知事は決断の勇気を持て 社説 2025/6/27 5:00 https://www.sankei.com/article/20250627-3HEEHYNSYRK4JCSTNBNUAR5AXE/ 東京電力は柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)での再稼働方針を転換した。 これまで先行してきた7号機に代えて6号機を優先させる。 7号機のテロ対策施設の完成の遅れによる変更だ。 社内での熟議を経ての結論だろうが、迷走感は否めない。 しかしながら、東電自身による判断だ。 決めたからには6号機の早期再稼働に向けての全力投入を期待する。 本命であった7号機を先送りして、6号機でつまずくような失態は断じて避けたい。 計7基の原発を擁する柏崎刈羽の電力供給力は世界最大級であるにもかかわらず、福島第1原発事故などで全基停止の状態が13年以上続いている。 長期の原発停止による収入減と火力発電に伴う支出増で、東電の経営立て直しは、順調からほど遠い状態だ。 原発の再稼働が進んだ西日本との電気料金の格差は、首都圏一帯の家庭や企業を圧迫している。 これから暑い夏を迎え、電力需要の増加が予想される中で中東情勢の行方は予断を許さない。 タンカー航路の不安定化は、液化天然ガスの調達リスクと価格の上昇につながる。 こうした事態にこそ、準備を完了していた7号機の再稼働が役立ったはずなので残念だ。 東電が7号機を断念した直接の要因は、テロ対策施設の工事の遅れである。 再稼働に向けた 「工事計画」 の認可を受けてから5年以内にテロ対策施設が完成しないと原子力規制委員会によって運転停止の命令が下される。 7号機の場合は、その5年の期限が今年2025年10月中旬なので、2025年夏に再稼働しても短期で止めなければならなくなる。 期限の翌日から航空機突入のテロが起きると言わんばかりの極端な制度だ。 多くの識者が弊害を指摘している。 制度改正が必要だ。 また、再稼働に当たっては地元同意が必要だが、柏崎刈羽原発の場合は、新潟県の花角英世知事の意向が読めないことで迷走感に輪がかかる。 県民の意見を聞く公聴会は2025年8月末まで続くので花角氏が6号機の再稼働についての是非を示すのは2025年9月以降となろう。 あまりに遅い。 花角氏には、日本のエネルギー安全保障という大局的な座標軸に柏崎刈羽原発の再稼働を明確に位置づけてもらいたい。 現実路線に舵を切った東電 原発1基稼働で利益1000億円 柏崎刈羽6号機先行稼働へ 2025/6/25 20:09 https://www.sankei.com/article/20250625-TQDOKEVCNJJWLD234EM5TMFKTE/ 東京電力は新潟県の柏崎刈羽原発について6号機から先行して再稼働する方針に転換した。 今夏2025年夏の再稼働を目指した7号機はテロ対策施設の工事が遅れ、地元同意も見通せず、現実路線に舵を切った。 経営再建中の東電にとって、原発稼働で見込める利益を優先した 「苦渋の決断」 とも言えるが、道は険しい。 国と東電はこれまで、電力需要が高まる今夏2025年夏以降、7号機を再稼働させる方向で準備を進めてきた。 ただ、原子力規制委員会が認めたテロ対策施設の設置期限が2025年10月13日に迫り、仮に今夏2025年夏の再稼働が実現した場合でも、僅かな時間しか稼働できない。 今月2025年6月21日に燃料装荷が完了した6号機は、技術的に稼働できる状態となる健全性の確認が2025年8月頃に終了する。 地元同意が得られれば、テロ対策施設の設置期限となる令和11年9月まで運転が可能となる。 柏崎刈羽原発の再稼働は東電の経営を左右する。 福島第1原発事故で巨額の賠償責任を負う東電にとって、柏崎刈羽6、7号機の再稼働は再建計画の柱だ。 6、7号機が再稼働すれば火力発電の燃料費が減るため、1基につき年間約1000億円の収支改善を見込む。 赤字が続く経営好転の一手に同原発の稼働は欠かせない。 同原発の稲垣武之所長は2025年6月25日の記者会見で 「7号機を再稼働できなかったことは私どもの力不足だが、地元には6号機が今度どうなるのかを丁寧に説明したい」 と述べた。 当初目指した7号機の早期稼働を断念してでも、 「まずは1基でも動かす」 という経営判断に迫られたことは想像に難くない。 ただ6号機の先行稼働に方針転換しても地元同意がハードルとして立ちはだかる。 再稼働について県民の意思を見極める新潟県の公聴会は2025年8月末まで続く。 花角英世知事が判断を示すのは2025年9月以降になるとみられ先を見通すのはまだ難しい。 <主張>県民投票案を否決 新潟知事は再稼働決断を 社説 2025/4/27 5:00 https://www.sankei.com/article/20250427-FOYXRY3NJJK3HICX2BFOOGBP3E/ 東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の再稼働の是非を問う県民投票条例案を新潟県議会が否決した。 市民団体が約14万3千人分の署名を集め制定を求めていた。 原発の再稼働は国のエネルギー政策と不可分の問題である。 再稼働には地元同意が求められるとはいえ県民投票で是非を判断することはそぐわない。 県議会の判断は妥当だ。 元々同県の花角英世知事は県民投票について 「賛成、反対の二者択一の選択肢では県民の多様な意見を把握できない」 と慎重だった。 条例案の否決を受け花角氏は 「市町村長との意見交換や公聴会、意識調査を検討する」 と述べた。 ただ市民団体から県民投票を求める声が広がった背景には再稼働についての花角氏の判断の遅れがある。 花角氏は再稼働の判断に当たり 「県民の信を問う」 としてきたが未だ具体的な手法を示しておらず時間がかかり過ぎていることは否めない。 花角氏は再稼働容認を早く決断すべきだ。 判断材料は整っている。 同原発の安全対策を確認してきた県の技術委員会は、22項目の確認事項の大部分は現時点で問題点がないとの報告書をまとめた。国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長も2025年2月に 「今の段階で再稼働できると確信している」 と述べている。 同原発6、7号機を再稼働した場合の経済効果は廃炉や稼働停止時を大きく上回るという試算もまとまっている。 同原発の再稼働は東日本の電力供給に大きな役割を果たす。 東日本は電力の多くを東京湾や太平洋沿岸に集中する火力発電に依存する。 テロ対策施設の完成の遅れで7号機が再稼働しても今年2025年10月には運転を停止しなければならない。 それでも供給力が不足しがちな夏場に稼働する意義は大きい。 首都直下地震が起きれば東日本の電力供給体制は壊滅的な打撃を受ける。 南海トラフ巨大地震があれば西日本の電力施設への影響は避けられない。 日本海側に立地する柏崎刈羽原発の再稼働はこうした災害リスクの軽減に不可欠だ。 同原発の供給力を最大限に生かすには再稼働だけでなく、東西で異なる周波数の変換装置の増強を急ぐなど広域送電網の整備も求められる。 <主張>柏崎刈羽の再稼働 IAEAも肯定的見解だ 社説 2025/2/27 5:00 https://www.sankei.com/article/20250227-NNT4D6IV55LSPLCYSXED5W3KTM/ 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が東京電力・柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)について 「今の段階で再稼働できると確信している」 と語った。 同発電所の視察を踏まえての発言だ。 グロッシ氏が柏崎刈羽原発を訪れた2025年2月18日には原子力発電の最大限の活用などを柱とする第7次 「エネルギー基本計画」 が閣議決定されている。 同氏は 「(東電が)これまで続けてきた安全性や核セキュリティーでの取り組みが結実している」 とも述べた。 原子力の平和利用を目的とする国際機関のトップの時宜を得た声として重く受け止めたい。 平成23年の東日本大震災後から停止中の同原発6、7号機は原子力規制委員会の安全審査に合格しており7号機は昨年2024年4月にウラン燃料の装荷を終えている。 だが再稼働に必要な新潟県の花角英世知事の同意が得られない状態が継続中だ。 花角氏の慎重な姿勢は県民の気持ちを見極めるための苦慮によるものであるにしても余りに長い。 柏崎刈羽原発の安全対策を独自に確認してきた新潟県の技術委員会も今月2025年2月12日に22項目の確認事項の大部分は現時点で問題となる点がないとの報告書をまとめ花角氏に提出しているではないか。 同原発7号機は構造上の安全性を高めた改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)という新鋭機だ。 出力は135・6万キロワットで国内最大級の発電能力を備えている。 同機が再稼働すれば首都機能を脅かす火力発電所のトラブルや寒波、酷暑による電力需給の切迫も緩和される。 東電の経営状況は改善されその効果は福島第1原発の廃炉事業の促進に直結し事故被災地の復興を支えることになる。 新潟県民が使わない電気を県内の原発で作ることを疑問視する声もあるが偏狭に過ぎないか。 また地元の柏崎市と刈羽村が柏崎刈羽原発の早期再稼働を求めていることを無視するのか。 両市村は県内で原発と最も密接に関係する自治体だ。 テロ対策施設の完成も急がれる。 人工知能時代の企業立地の促進にも脱炭素安定電源である原子力の活用が欠かせない。 花角氏には新潟県のみならず日本の国益とエネルギー安全保障の国際情勢を視野に収めた上での前向きの決断を求めたい。 東電、柏崎7号機のテロ対策施設、完成は29年8月に 計画変更を規制委に届け出 2025/2/27 11:27 https://www.sankei.com/article/20250227-DBYHO57BFBM7ZNJI4T6XRLXR5Q/ 東京電力は2025年2月27日、柏崎刈羽原発(新潟県)7号機のテロ対策施設について、設置期限の2025年10月までの完成を断念し、工事完了時期を今年2025年3月から2029年8月に遅らせると発表した。 東電は今夏までに再稼働を目指すとしているが、期限後は原子力規制委員会から運転停止を命じられ、長期間の停止を余儀なくされそうだ。 東電は2025年2月27日、規制委に計画変更を届け出た。 6号機のテロ対策施設も2026年9月の完成目標を2031年9月に遅らせる。 稲垣武之所長は、定例記者会見で、原子炉建屋の建設と比べて数倍の規模になり、工事関係者も不足したことから計画通り進められなかったとし 「これまでに実施したことがない大規模工事で工期を見通すのが困難な状況だ」 と述べた。 テロ対策施設は 「特定重大事故等対処施設(特重施設)」 と呼ばれ、新規制基準で設置が義務付けられた。 航空機衝突などのテロに備え、原子炉建屋から離れた場所に緊急時制御室や冷却ポンプの設置を求めている。 再稼働に向けた工事計画の認可から5年の猶予期間があり、7号機は今年2025年10月、6号機は2029年9月が期限となる。 IAEAのグロッシ事務局長が柏崎刈羽原発を視察 「今の段階で再稼働できると確信」 2025/2/18 18:03 https://www.sankei.com/article/20250218-TX67JAP6Z5KATJE6D3IPXOC6UA/ 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が2025年2月18日、再稼働を目指す東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)を視察し、 「今の段階で再稼働できると確信している」 と語った。 その根拠として、 「これまで続けてきた安全性や核セキュリティーでの取り組みが結実している」 と指摘した。 グロッシ氏が同原発を訪れるのは初めて。 グロッシ氏は視察の目的について 「IAEAも同原発にミッションを派遣し、安全性や核セキュリティーについて様々な助言や評価を行ってきた」 「それらがどうなっているか確認する必要があった」 と説明。 自分の目で同原発の安全対策などを確認し、 「満足いく形で対策が取られていることを確認できた」 と感想を述べた。 IAEAでは昨年2024年3〜4月に専門家チームを同原発に派遣し、設備の確認や東電の核物質防護担当者に聞き取り調査を実施。 同2024年6月に同原発のテロ対策について 「適切に再発防止策を講じている」 と評価した。 また、グロッシ氏は昨年2024年3月に来日した際、斎藤健経済産業相(当時)と会談し、 「(同原発の)技術的な評価や支援を惜しまない」 と再稼働を支援する姿勢を示した。 そのため、今回の視察での発言が注目されていた。 グロッシ氏は2025年2月19日、福島第1原発などを視察する。 柏崎刈羽原発「安全対策報告書」を新潟県知事に提出 大部分は問題なし 新潟県技術委 2025/2/12 17:31 https://www.sankei.com/article/20250212-FXIQB6ADWVJHHNYAWRHJLMS5I4/ 再稼働を目指す東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の安全対策に問題がないかどうかを確認してきた同県の技術委員会は2025年2月12日、22項目の確認事項のうち、大部分は現時点で問題となる点がないとの報告書をまとめ、花角英世知事に提出した。 知事は 「報告書が、県民の同原発への正しい理解に繋がるよう活用していく」 「今後、報告書の内容を県民に説明していく」 と語った。 報告書を手渡した技術委の小原徹座長(東京科学大教授)は 「県の原子力安全行政に活用してほしい」 と応じた。 また、最も重要なことは 「原発に携わる人が将来に渡り、安全と核セキュリティーへの意識を高く維持し、常に向上させる努力を続けていくこと」 と指摘した。 有識者で構成する技術委は、同原発の水素爆発対策や東電の原発運転者としての適格性など22項目について、東電や原子力規制庁に説明を求め、安全対策面で問題がないかを確認してきた。 今回の報告書は確認結果をまとめたもの。 22項目のうち、水素爆発対策や液状化対策、台風や竜巻といった自然現象への対策など18項目については 「現時点で特に問題となる点はない」 とした。 残る4項目のうち、東電の適格性については 「問題がないと言い切ることはできない」 との技術委の意見を入れた上で、 「(東電の適格性を否定しなかった)規制委の判断を否定するものではない」 とした。 また、東電社員によるIDカード不正使用など核物質防護に関わる一連の問題については、原子力規制委員会が同原発への追加検査を実施し、是正されていることを確認。 技術委の委員からは、東電の不祥事がその後も相次いでいることから懸念する声も出たが、報告書では 「規制委の判断を否定するものではない」 と結論付けた。 県内自治体からは 「規制委の判断を否定するものではない」 という評価をどう解釈したらいいのか分からないとの声も出ている。 知事は、今回の報告書などを県民に提示し、県民の再稼働への考えを見極めた上で再稼働の是非を判断。 自らの判断について 「信を問う」 としている。 どのような方法で信を問うかはまだ決めていないという。 「分かりづらい」柏崎刈羽原発、新潟県の安全対策報告書 市町村が指摘 2025/2/10 17:30 https://www.sankei.com/article/20250210-JEZUXYRNARLMFL5OEBFPY33NEE/ 再稼働を目指す東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の安全対策を確認する、県内全30市町村による研究会の実務担当者会議が2025年2月10日、新潟市内で開かれた。 県の技術委員会がまとめた同原発の安全対策に関する報告書について県の担当者から説明を受け、市町村からは 「報告書の結論の一部が分かりづらい」 などの指摘が出た。 会議には、長岡市や柏崎市などウェブ参加も含めて27市町村の担当者が参加。県の担当者と合わせて約60人が会議に出席した。 報告書では、有識者で構成する技術委が、同原発の水素爆発対策や液状化対策など22項目について、東電や原子力規制庁から説明を受けて評価している。 22項目のうち、18項目は 「現時点で特に問題になる点はない」 とし、東電の原発運転者としての適格性の確認など残る4項目については 「原子力規制委員会の判断を否定するものではない」 とした。 長岡、上越、小千谷各市の担当者は、不祥事が続く東電の運転適格性について県民の関心は高いと指摘。 「(東電の適格性を否定しなかった)規制委の判断を否定するものではないという報告書の結論を、どう受け止めればいいのか。よく分からない」 「東電への不信感はぬぐえない」 などの声が相次いだ。 これに対し、県側は 「規制委が多くの時間と人をかけて実施した東電への追加検査の結果を、技術委でこれ以上掘り下げることはできなかった」 とした上で、 「県として今後も規制委と東電の動向を見ていく」 と語った。 技術委は2025年2月12日、報告書を花角知事に提出する。 報告書は、知事が再稼働の是非を判断する際の材料の1つになる。 集めた署名15万筆 「県民投票」条例制定を新潟知事に直接請求へ 柏崎原発の再稼働問題 2025/2/10 10:09 https://www.sankei.com/article/20250210-2MFGXIV57VPYLGLICAEABLHWXY/ 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働の是非について県民投票を行うよう求めている同県内の市民団体は2025年2月9日、県民投票実施のための条例制定を求める署名が最終的に15万128筆集まり、県内有権者の約8%に上ったと発表した。 地方自治法74条では、有権者の50分の1(2%)以上の署名を集めれば、首長に条例制定を請求できると規定。 集めた署名数は条件を満たしており、市民団体は2025年3月中にも、花角英世知事に県民投票実施のための条例制定を直接請求する。 この市民団体は 「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」。 会では 「知事と県議は15万筆の重みを受け止め、(会が提示した)県民投票条例案に賛同してほしい」 とコメントしている。 県内30市町村で集められた署名は、各市町村選挙管理委員会がチェック。 問題がなければ、会から知事に条例制定を直接請求する。 知事は請求を受理した日から20日以内に県議会を招集し、知事の意見を付けた上で、県民投票条例案を議会に提出。 可決されると、再稼働の是非について県民投票が実施される。 柏崎刈羽原発の避難路整備箇所で合意 政府と新潟県、6年度中に工事に向けた調査に着手 2025/1/29 19:20 https://www.sankei.com/article/20250129-PN5S7R5OBFNT3BQWAKK2GND77I/ 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で事故が発生した際に使う避難路の整備を巡り、資源エネルギー庁の村瀬佳史長官は2025年1月29日、新潟市の県庁を訪れ、笠鳥公一副知事と2回目の協議を行った。 県側から具体的な整備箇所が示され、村瀬長官ら政府側が同意。 今年2024年度中に工事実施のための調査に着手することになった。 協議には、政府から村瀬氏と内閣府の松下整政策統括官(原子力防災担当)が出席した他、国土交通省の佐々木俊一道路局次長がオンラインで参加した。 県側は、同県柏崎市内の北陸自動車道に新たにインターチェンジ2カ所を整備する他、米山サービスエリア(同市)と刈羽パーキングエリア(同県刈羽村)に新たな進入路を設けることなどを提示。 国道8号柏崎バイパスの早期共用なども示した。 政府側は令和6年度補正予算で41億円を確保。 この補正予算の一部を使い、県側が今年度中に整備に向けた調査に着手することになった。 村瀬長官は 「決めたことは速やかに実行に移す」 と説明。 笠鳥副知事は 「国に(整備の必要性を)理解して頂いた」 と語った。 政府と県は昨年2024年11月に1回目の協議を行い、事故時に同原発から30キロ圏外に円滑に避難するため、同原発から6方向へ放射状に伸びる避難経路を整備することで合意。 政府側は、北陸自動車道でのインターチェンジの追加と緊急進入路整備など、4項目の優先事業を提示、県側が具体的な整備箇所を精査していた。 新潟県知事「東電の信頼回復、見極めている段階」 柏崎刈羽原発の再稼働問題 2025/1/23 14:04 https://www.sankei.com/article/20250123-6XIMOHZBYBJQHELIKIST23VJTI/ 新潟県の花角英世知事は2025年1月23日の定例記者会見で、社員によるIDカードの不正使用など不祥事が続いた東京電力について 「信頼を回復できるかどうか見極めている段階」 「今の時点で判断はしていない」 と語った。 柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を目指す東電は、原発などのエネルギー問題を県民に理解してもらうための施設を県内各地に設置している。 知事は 「東電が(信頼回復に)努力していることは認識している」 とした上で、 「東電の努力がどれだけ県民に伝わり、信頼回復に繋がるかを見極めたい」 とした。 知事は2025年1月21日、年始の挨拶に訪れた東電の小林喜光会長らと県庁内で会談。 その際、家屋倒壊時に避難する屋内退避施設の強化について 「協力をお願いしたい」 と東電首脳に語った。 この発言を巡り、同原発の立地自治体である柏崎市の桜井雅浩市長は2025年1月22日、 「合理性を欠く要望は東電の仕事ではないとの姿勢を貫いてほしい」 と挨拶に訪れた東電首脳に求めた。 桜井市長が知事の発言に批判的な姿勢を示したことについて、知事はこの日、 「私は屋内退避施設の強化が必要と言っただけで、東電に何かを作ってほしいと要望したわけではない」 と説明。 再稼働の是非について知事に早く判断するよう求める桜井市長と、花角知事の溝の深さが浮き彫りになった。
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