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※紙面抜粋
※2025年9月19日 日刊ゲンダイ2面
お笑い自民党総裁選…「解党的出直し」のはずが「挙党一致」をほざくアホらしさ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/377791
2025/09/19 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
一遍で済ませてくれ(C)日刊ゲンダイ
どの候補も裏金、企業献金、旧統一教会は頬かむり、「解党的出直し」が聞いて呆れる仲間内の茶番劇。国民から見放されている政党が目くらましの政策論争のバカバカしさ。長丁場の総裁選で自民党はもう一度死ぬ予感。
◇ ◇ ◇
どいつもこいつも、どうして一遍にやらないのか。高市早苗前経済安保相が18日、自民党総裁選に立候補する意向を表明した。
高市は「自民党が何を目指すのか訴えることができるすばらしい機会。精いっぱい、ベストだと思う政策を訴えていく」と抱負を語ったが、その「ベストの政策」とやらは、19日改めて発表の会見を開いて説明するという。もったいつけた二度手間でしかないのだが、「ポスト石破レース」に名乗りを上げる面々は皆、この面倒くさいパターンを踏襲している。
18日は林芳正官房長官も国会内で記者会見し、総裁選への立候補を正式に表明した。衆院小選挙区制度の見直しや1府12省庁の再編にも言及し、一律2万円給付の参院選公約も「受け入れられなかった。臨機応変に対応する」と取り下げを示唆。この日朝には「『至誠通天』という言葉が浮かんできた。誠を尽くせば(自分の思いは)天に通じる」と記者団に能書きをたれていたが、林は3連休明けの16日にはとうに出馬の意向を表明していた。会見の数を増やせばメディアに取り上げられる機会も増えるという魂胆なのだろう。
とりわけツッコミどころ満載なのが、小泉進次郎農相だ。林同様、すでに16日の閣議後会見で立候補の意向を打ち明けたのに、18日は麻生と岸田両元首相に出馬を伝達。19日は陣営の議員らと総決起大会を開き、ようやく20日になって、出馬を正式に表明。政策を発表するというから、引っ張り過ぎだろう。ここまで正式表明を遅らせる理由もバカげている。
不毛な論争をゴマカすフザけた演出
高市や林の「正式表明」「政策発表」と同じ日に重なれば、注目度が薄れてしまう。おまけに最後となれば「真打ち登場」感にもなる──。進次郎や取り巻きの魂胆はそんなところだ。実に安直な発想だが、他候補の陣営も五十歩百歩だ。
とにかく総裁候補全員を目立たせようと、まるで示し合わせたみたいに「正式会見」のバッティングを避け、「1日に1人」のペースをかたくなに守る。その順番も思惑含みで調整したかのようだ。
イの一番に立候補を表明した茂木敏充前幹事長や、16日に出馬会見を開いた小林鷹之元経済安保相は知名度不足。なるべく早めに手を挙げて顔と名前を売る日数を稼ぎたい。世間の認知度に勝り、下馬評で有力視される高市と進次郎は「今か今か」とじらすほどに注目を集める算段だろう。
いつ出馬表明すれば効果的なのか。そろいもそろって自分の都合や見栄えのことしか考えておらず、メディアを巻き込み、党を挙げた電波ジャックで“お祭り騒ぎ”を盛り上げたいだけだ。国民放置の「仲間内の茶番」を象徴している。
しかし、こんなフザけた演出で不毛な総裁選をゴマカせるものか。「ポスト石破」レースの“出走馬”は昨年の前回総裁選にも出た代わり映えのしないメンメン。刷新感には程遠く、どの候補も口をつけば「国民の不安を解消したい」などと取ってつけたような言葉しか出てこない。1年そこらで5人の主義主張がガラリと変わるはずもなく、目新しさのない論争が10月4日の投開票日まで延々と続くのは、火を見るよりも明らかだ。
「#変われ自民党」とは悪い冗談が過ぎる
韓国は大騒ぎ(旧統一教会の韓鶴子総裁に逮捕状請求)/(C)ロイター
小林が若者・現役世代に向け時限的な定率減税をブチ上げ、林が持続可能な社会保障を構築するための工程表作成を提起したものの、目くらましの政策に過ぎない。コバホークは減税分の代替財源を示さぬ無責任。林が見据えるのは、団塊ジュニア世代が高齢期に入る2040年代とまだ先の話だ。いずれも「絵に描いた餅」の域を出ない。
総裁選で空理空論を競い合う前に、自民党にはもっと議論しなければいけないテーマがあるはずだ。ズバリ裏金事件の反省である。参院選大敗の総括でも、裏金事件を〈国民の信頼を損なう大きな要因になり続けている〉〈不信の底流になっている>と位置づけたのではなかったか。
ところが、どの候補者も出馬表明では誰ひとり裏金の「う」の字も言いやしない。反省ゼロで昨年の総裁選でも全員、裏金事件の真相解明に向けた再調査を拒否していただけに、君子豹変を求めるだけムダだろう。
自民の「政治とカネ」にまみれた金権腐敗政治の根っこにある企業・団体献金の見直しにも背を向け続ける。茂木に至っては出馬会見で「政治にはある程度のカネが必要」と居直る始末だ。
その茂木が幹事長時代に頬かむりを決め込んだ統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との癒着関係だって、いまだ多くの疑念は晴れないまま。韓国の特別検察は18日、「マザームーン」こと、統一教会の韓鶴子総裁の逮捕状を請求。事態は風雲急を告げているのに、まだ知らぬ存ぜぬを続けるのか。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言った。
「韓国の大きな動きは『よその国の出来事』と捨て置けません。韓総裁の逮捕容疑は、尹錫悦前大統領の妻や側近に金品を提供した見返りに、尹政権に教団の事業推進などで便宜を図ってもらった疑いです。カネと票を差し出し、時の政権から恩賞を得る疑惑の構図は、日本のそれと変わりません。安倍政権下で、統一教会の名称変更がすんなり認められたのはなぜなのか。未解明のことはあまたあるのに、なぜ誰も切り込まないのか。世論は『石破首相の続投は支持、自民は不支持』を示したのに、どの候補もその民意に答えを出す気がないのです。不支持の大きな理由は裏金事件であり、統一教会の問題です。国民不信の根源がへばりついたまま、トップの顔を代えても国民から見放されるだけ。参院選総括で『党再生への誓い』に掲げた『解党的出直し』が聞いて呆れます」
党内力学と人気がモノをいう時間のムダ
「世代交代が必要」「今もなお古い自民党の姿が見え隠れしますねぇ。これだと自民党は変わりません」と出馬表明会見で息巻いた小林だが、掲げた5つの主要政策のうち「党改革」は最後の5番目だった。このバカバカしさが、不毛な総裁選を物語る。「解党的出直し」はおべんちゃら。本気で党を変えようなんて、誰ひとりとして思っちゃいないのだ。
その証拠に、どの候補も裏金、企業献金、統一教会はウヤムヤ。進次郎や高市は今なお党に影響力を持ち、キングメーカー気取りの岸田・麻生詣でに精を出す。党重鎮の一存と「数は力」の党内力学、最後は「選挙の顔」にふさわしい知名度や人気がモノをいう単なる顔見せ興行──。
18日自民が発表した総裁選のキャッチテーマは「#変われ自民党」ときたから、お笑い草だ。悪い冗談としか思えない。こんな総裁選に国民はもう辟易だ。壮大な時間のムダであり、やらない方がマシ。「国民政党」を名乗るなら、その貴重な時間を喫緊の課題である物価高対策に費やし、国民生活に目を向けるべきだ。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「小泉氏をはじめ、多くの候補が『党をひとつに』とか言って、『挙党一致』を打ち出していますが、『解党的出直し』とは真逆の考えです。それこそ党分裂を辞さない覚悟で自浄能力を発揮すべきだし、そもそも自民がひとつになろうがなるまいが、国民にはどうでもいい話。発想がズレていますよ。直近の国政選挙で2連敗、衆参ともに少数与党に転落しても、国民に見放されている自覚は感じられません。本来、ひとつにまとまるべきは野党の方ですが、いまだバラバラ。自民に『味方』と思い込ませているメディアもだらしないのをいいことに、やりたい放題です」
今の自民はまさに、ゆでガエル状態だ。長丁場の総裁選で無自覚のまま、もう一度死にゆく運命である。
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