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※2025年9月20日 日刊ゲンダイ2面
※紙面抜粋
自民党総裁選の大笑い…結局「恍惚の元首相トリオ」が次を決めるのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/377828
2025/09/20 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
どう動くのか(C)日刊ゲンダイ
候補者がこぞって挨拶に行く元首相トリオ。彼らの動向が決め手などと大メディアは書いているが本当なのか。解党のはずが旧態依然をさらす茶番劇はいよいよ佳境。
◇ ◇ ◇
自民党の総裁選は、週明けの22日に告示され正式にスタートする。出馬するのは、いまのところ次の5人だ。
小泉進次郎農相(44)、高市早苗前経済安保相(64)、林芳正官房長官(64)、茂木敏充前幹事長(69)、小林鷹之元経済安保相(50)。
下馬評では、進次郎と高市の「2強」の一騎打ちになるとみられている。ダークホースは林だ。
選挙期間は10月4日の投開票日までの12日間。心ある国民は「また自民党は、メディアジャックするつもりか」とウンザリしているに違いない。
なにしろ、選挙期間中、3回も討論会が予定され、演説会も東京、名古屋、大阪の3カ所で行われる。さらに、民放各局に1回ずつ候補者が全員揃って出演する予定だ。総裁選の期間中、ほぼ毎日、メディアに露出し続けることになる。
「自民党は支持率アップのために総裁選を最大限、活用するつもりです。総裁が任期半ばで辞任した場合、これまでは国会議員票と県連票で決める『簡易型』の総裁選とするのが通例でした。しかし、今回は『浮沈のかかった選挙』(鈴木俊一総務会長)のため、初めて党員も一票を投じる『フルスペック』で実施することになった。総裁選を盛り上げ、お祭り騒ぎにすれば、自民党の支持率は回復するとみています。実際、総裁選が行われた時は、必ずと言っていいほど支持率はアップしています」(自民党関係者)
しかし、はたして狙い通りに支持率が回復するのかどうか。むしろ、旧態依然の総裁選を見せられた国民は、自民党への嫌悪感をさらに強めることになるのではないか。
すでに多くの国民は、総裁選に手を挙げた候補者が、3人の総理経験者(麻生太郎、菅義偉、岸田文雄)に「面会」を求め、次々に挨拶に行く姿に呆れているに違いない。過去の総裁選と同じように、重鎮から支援を受けようと、我も我もと足を運んでいるからだ。
進次郎は18日、麻生、菅、岸田の3人と立て続けに会い、麻生からは「俺だったらおまえの年齢で『火中の栗』は拾わない」と笑顔で励まされたという。
高市も18日に麻生を訪ね、11日には手土産を持参して岸田に会いに行っている。
記者会見で「世代交代が必要だ」とブチ上げていた小林も、抜かりなく総理経験者のもとに足を運び「よろしくお願いします」と頭を下げている。
今回も総理経験者が新総裁を決定する
もちろん、総裁選に出馬する候補者が「儀礼的」に歴代の総理経験者に挨拶に行くことは、決して悪いことじゃないだろう。
しかし、異常なのは、すでに一線を退いた総理経験者が、いまだに党内で隠然たる影響力を持ち、総裁選の行方を決定しそうなことだ。
前回の総裁選も、菅と岸田の2人が土壇場で「石破支持」に回ったことで、決選投票では石破茂が高市早苗に逆転勝ちし、総理総裁になっている。
参院選で敗退しても総理のイスにしがみついていた石破首相に「引導」を渡したのも、菅だった。
今回の総裁選も、総理経験者3人の動向が、決め手となる可能性が高いという。
政治評論家の有馬晴海氏はこう言う。
「総理経験者3人の意向が総裁選に大きな影響を与えるのは確かでしょう。それぞれ、40人程度の手勢を率いていますからね。なかでもカギとなるのは、麻生さん、岸田さんの2人です。菅さんは最初から進次郎を支援し、もし進次郎が決選投票に進めば、当然、最後まで進次郎支援で動くでしょう。問題は、麻生、岸田の2人がどう動くかです。とくに決選投票になった場合、国会議員票の重みが増し、10〜20人程度の動きが勝敗を左右するだけに、麻生、岸田の2人は一定の票をまとめて動かそうとするはずです。前回、麻生さんは高市支援に回ったため、非主流派になった。今回は勝ち馬に乗ろうとするのではないか。今回の総裁選は、1回目の投票では誰も過半数を獲得できず、決選投票になだれ込む可能性が高いだけに、結果的に一定の票を束ねる総理経験者3人が次期総裁を決めることになってもおかしくない。今回の総裁選は、麻生、菅、岸田3人のキングメーカー争いという一面もあります」
参院選で惨敗した自民党は、党の再生には「解党的出直し」が必要と総括していたはずだ。
なのに、目の前で行われる総裁選は、これまでの総裁選とまったく変わりそうにない。結局、いつも通り、党内重鎮の一存と「数は力」の党内力学で決まりそうなのだ。
見えてくるのは、相変わらずの「派閥政治」と「長老支配」。キングメーカーが仕切り、派閥が陣取り合戦をするという構図である。
12日間という長丁場の総裁選は、自民党の支持率をアップさせるどころか、「やっぱり自民党は変わらない」と、国民から愛想を尽かされることになるのではないか。
本気で「解党的出直し」をするつもりはない
裏金問題にメスを入れる気もない(C)日刊ゲンダイ
総裁選で見えてきたことは、自民党は「解党的出直し」を掲げながら、ホンネでは生まれ変わるつもりは、まったくないということだ。
そもそも、総裁選に立候補する予定の5人は、昨年の総裁選と同じ顔ぶれなのだから話にならない。総裁選のキャッチテーマは「#変われ自民党」だそうだが、これでどうやって変わるのか。本気で「解党的出直し」をはかるつもりがあるのなら、もっと清新な候補者が出てくるものなのではないか。
「世代交代が必要だ」「いまなお古い党の姿が見え隠れする」──などと、もっともらしい言葉を口にしているコバホークこと小林鷹之も、せっせと総理経験者のもとに足を運んでいるのだから、どうしようもない。本気で世代交代が必要だと思っているのなら、「総理経験者は引退すべきだ」ぐらいのことを言ったらどうなのか。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「自民党が衆院選、都議選、参院選と立て続けに惨敗したのは、やはり『裏金問題』が大きかったと思う。解党的出直しをはかり、国民からの信頼を取り戻したいなら、党を挙げて裏金問題にメスを入れ、全容を解明するしかないでしょう。ところが、総裁選の候補者は、誰ひとりとして、裏金のウの字も言わない。候補者が口にしているのは、『党を一つに』『一致結束』というセリフです。自民党が生まれ変わるために必要なのは、一致結束ではなく、党が分裂してでも裏金問題の全容解明を進めることなのに、まったく分かっていない。自民党の宿痾である『政治とカネ』の元凶になっている企業献金についても、見直す動きはゼロです。要するに自民党は、これまでのスタイルを変えるつもりはないということでしょう」
いま頃、「国民民主党」や「参政党」はニンマリしているに違いない。既成政党の自民党が旧態依然のままなら、ますます自民党支持者が流れていくからだ。
自民党は衆参で過半数を失っているが、「日本維新と連立を組めばいい」と甘く考えているという。
しかし、連立拡大は一時しのぎにしかならない。このままでは、いずれ比較第1党の地位さえ失うだけだ。
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