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※2025年9月29日 日刊ゲンダイ1面
※紙面抜粋
※2025年9月29日 日刊ゲンダイ2面
笑えない薄気味悪さがあちこちに…この自民党総裁選は何から何まで異様で醜悪
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/378169
2025/09/29 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
国民を欺く道化役者(C)日刊ゲンダイ
こんな総裁選があと1週間も続くのか。小泉のステマ騒動をみんなでかばい、外国人排斥では一致の恐ろしさ。裏側に透ける談合、野党も無批判で無節操な連立準備。いよいよマトモな民主主義が終わる予感。
◇ ◇ ◇
自民党総裁選は週末の投開票日(10月4日)まであと5日。「まだ電波ジャックを続けるのか」とウンザリの向きもあるだろうが、ちょっと違う声もある。
「ウンザリを通り越して薄気味悪くなってきた」という声である。
例えば、小泉進次郎農相陣営のステマ問題だ。ニコニコ動画にヤラセのコメントを呼びかけたものだが、小泉がすぐに認めて謝罪すると、「リーダーとしてあるべき姿」(林芳正官房長官)、「きちんと責任を感じると話している」(茂木敏充前幹事長)などと、ライバル候補者たちが“持ち上げて”いるのである。
本命候補の大チョンボ、それも消費者庁が法規制している「ステマ」なのに、この鈍感さは何なのか。どこにかばう要素があるのか、と言いたくなるが、すぐに思い出すのが裏金問題だ。言うまでもなく、有権者が選挙で自民党に「NO」を突きつけたのは裏金問題への批判である。そこを反省、ケジメをつけることが「解党的出直しの一丁目一番地」(政治評論家・野上忠興氏)なのに、今度の総裁選ではこぞって裏金問題をスルーしている。「仲良くやろうよ」とかばい合っている。と思ったら、小泉ステマ問題でも同じことが繰り返されているのである。
「脅されたから辞める」とは不思議な言い訳
ITジャーナリストの井上トシユキ氏はこう言う。
「自民党周辺はこれまでも選挙の際はSNS空間でステマ同然のことをやってきました。それはネット社会では広く知られていることです。だから、小泉陣営は悪びれもせずにやったのでしょう。それを他候補が批判しないのは当然で、批判すれば、自民党全体にはね返ってくるからです。小泉さんの謝罪もステマそのものではなく、表現に行き過ぎがあったことにした。広報担当だった牧島かれん元デジタル相が辞任しましたが、その理由もステマそのものではなく、『脅されているから』みたいな口ぶりでした。ネットの世界では、そのお粗末ぶりが失笑されている事件です」
“共犯者”が皆で口をつぐむ。大マスコミも右に倣えで、終わったことにしてしまう。かくて、日本社会にあって、自民党総裁選だけが「異空間」を形成しているのだが、その「異空間」で選ばれた総裁がおそらく首相になるであろう「倒錯」。異様というか醜悪というか、薄気味悪くなってくるのである。
外国人排斥で各候補が一致する不気味さ
もうひとつ、気味悪いのが、この集団が「挙党一致」しているのは「悪事の隠蔽」だけではないことだ。外国人政策の厳格化でも各候補者たちは薄気味悪いほど足並みを揃えている。
高市早苗前経済安保相は奈良公園で外国人観光客が鹿を蹴っているという根拠不明のデマを流し、それが批判されると、「あくまで一例。実際、国民が不安を感じているなら解決しないといけない」と居直っている。
高市だけかと思ったら、あろうことか、進次郎も「聞く力」が不足していたのは「国民の外国人増加への不安だった」などと言い出し、外国人の不法就労や治安悪化を問題視。「不安に向き合うために外国人問題の司令塔機能を強化する」と宣言した。
茂木は「ルールを守れない外国人には厳しい対応を取る。外国資本による土地取得も一元管理する」と言い、小林鷹之元経済安保相は「出入国管理を含めた外国人政策の厳格化」に言及。林は外国人の「総量コントロール」を言い出した。
にわかに外国人問題が総裁選のテーマに浮上してきたのだが、これも不気味だ。明らかに外国人に対する「国民の不安」をでっち上げているからだ。26日に発表された内閣府の世論調査(8〜9月実施)で「今後、政府はどのようなことに力を入れるべきか」という項目があった。1位は物価対策で73%、2位は医療年金など社会保障で64.6%、3位は景気対策で58.7%。外国人の問題は内閣府調査の選択肢にさえ出てこない。
それなのに、いきなり、総裁選で外国人対策が出てきたのは先の参院選で「日本人ファースト」を掲げた参政党が躍進したからだろう。その排外主義や根拠不明の言説はむちゃくちゃだったが、自民党はそちらになびいた。そして、各候補者がはかったように足並みを揃えた。国民政党のフリをしながら、外国人への偏見がむき出しではないか。
根拠なき差別を煽っているのは自民党
足並み揃えて国民に不安をでっちあげ(C)J MPA
小説「やさしい猫」で入管制度のおかしさや外国人差別を描いた直木賞作家の中島京子さんはこう言った。
「総裁選の候補者の皆さんは、ルールを守らない外国人が増えているせいで、国民が不安になっていると言いますが、高市さんの鹿発言がデマだったように、その根拠や定義はあいまいです。政治家であれば、正しい情報を提供し、国民の不安を鎮めるべきではないですか。それなのに、こうして各候補者たちが一斉に外国人への規制強化を訴えると、本当にそういう外国人が増えているんだ、とみんなが思ってしまう。国民の不安を鎮めるどころか、煽ることになる。そうやって、総裁選の票にしようとしているのであれば、明らかな差別の扇動です。外国人問題がいきなり、総裁選のテーマになったことで、日本ではルールを守らない外国人問題が起こっていることが前提になってしまった。歪んだ見方なのに、マスコミが検証せずに、候補者の発言をそのまま報じているからです。これはとても恐ろしいことです」
メディアのおかしさと言えば、韓国の統一教会(現・世界平和統一家庭連合)のトップ、韓鶴子総裁が23日、逮捕されたが、日本での報道はさらりとしたものだった。容疑は尹錫悦前大統領との癒着だが、だとしたら、自民党議員との関係も当然、改めて問われるべきだろう。
ところが、そうした報道は皆無で、代わりに統一教会と癒着、裏金で秘書が起訴された萩生田光一元政調会長が、高市支持に回ったことなどが、これまたサラリと書いてある。あり得ないような「復権あと押し」記事である。
こうして、自民党の不祥事は過去のものとなり、外国人排斥が当然のことのように刷り込まれていく。メディアもグルのプロパガンダで、この醜悪さにはゾッとするのだ。
4党大連立、翼賛政治で自民復活の悪夢
そんな総裁選でもうひとつ、各候補が足並みを揃えているのが防衛費の拡大だ。
28日のNHK「日曜討論」ではこれまた、全員が安全保障環境の厳しさが増していることで一致し、積み上げていけば、対GDP2%では足りないことも、これまた国民に“刷り込む”ように語っていた。
そのうえで、各候補が言及しているのが安易な連立拡大である。
これまた、総裁選を機に「既成事実化」しつつある。勝手に秋波を送られている野党もすっかり、その気なのだから、有権者だけが置き去りだ。
「今水面下で語られているのは自民、公明、維新、国民民主の4党連立ですよ。選挙で惨敗した自民党が何もケジメをつけないまま、大政翼賛会のような巨大与党で蘇ってしまう。しかも、そのシャッポは国民をあざむくためのピエロ、進次郎氏の公算大です。で、裏金議員も復活させて、企業献金はガッポリもらい、やりたい放題を始めることになる。野党不在の国会で、自民党が焼け太りなんて、民主主義はオシマイです」(霞が関関係者)
こうして、国は道を誤るのか。その前夜の不気味さに国民は悄然と立ち尽くしている。
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