http://www.asyura2.com/25/senkyo298/msg/303.html
Tweet |
※2025年10月16日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2025年10月16日 日刊ゲンダイ2面
身勝手な党首会談の醜悪 この国の政治を劣化させたのは間違いなく野党だ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/378999
2025/10/16 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
こちらはこちらで野党も茶番(野党3党首会談)/(C)日刊ゲンダイ
超少数与党の高市総裁は首相指名までに何とか、野党の協力を取り付けようと死に物狂いだが、その一方で、決裂が見えている野党会談の猿芝居。こんな政治を招いた責任は野党にもあるのに、この期に及んで高市に恩を売る算段ばかり。55年体制以降、野党がまともに機能したことは一度もないエセ議会制民主主義の惨憺。
◇ ◇ ◇
15日の永田町は目まぐるしかった。21日召集の臨時国会冒頭の実施が見込まれる首相指名選挙をめぐり、朝から晩まで与野党の多数派工作が繰り広げられた。
「自民党総裁になったけれど『総理にはなれないかもしれない女』と言われている、かわいそうな高市早苗」を自称する自民党の高市総裁は、野党3党の党首と相次いで会談。四半世紀も連れ添った公明党に逃げられ、超少数与党に転がり落ち、「ポスト石破」を選ぶ首相指名選挙までに野党の協力を取り付けようと死に物狂いだ。会ったのは野党統一候補の擁立を目指す立憲民主党の野田代表、立憲が担ごうとする国民民主党の玉木代表、上京した日本維新の会代表の吉村大阪府知事の順。握りようがない野田とはサラッと済ませた一方、総裁選翌日に密談するほど猛アプローチ中の玉木には「一緒に責任を担っていきたい」と連立政権樹立を呼びかけた。
しかし、「わが党が加わっても過半数に届かない」と公明離脱後の決まり文句で返され、具体的な進展はなかった。
高市に光明が差したのは日が暮れてから。最後に会談した吉村に「日本を前に進めるために一緒にやりましょう」「連立も含めた協力をお願いしたい」などとすがりつき、抱き込みに成功。連立に向け、16日から政策協議を始めることで合意した。維新が掲げる副首都構想や社会保障改革の実現、企業・団体献金の扱いを含む政治改革を取り上げる見通しだ。会見した吉村によると、「高市総裁の熱量も含め、本気度も含めて判断しましたので、私どもも本気でぶつかっていくことになる」とのこと。協議がまとまれば、維新は首相指名選挙で高市に投票する運びだ。
駆け巡った「性急決定」
高市の動きに並行し、野党3党首の会談も開かれたが、とんだ猿芝居だった。
衆院の会派別勢力は自民196議席、立憲148議席、維新35議席、国民民主27議席。立維国が大同団結すれば、13年ぶりに自民を下野させることができる。野田は藤田共同代表と玉木に対し、「政権交代のチャンスだ」と協力を求め、首相指名選挙での候補一本化を要請。衆院24議席の公明にも連立入りを求めると説明した。ところが、大本命の玉木は原発再稼働容認や安保法制などの基本政策をめぐり、「依然隔たりがある」と歩み寄りを拒否。維新は立国の合意を前提とするスタンスを崩さなかった。それで幹事長、国対委員長間で協議を継続することとしたが、維新のイチ抜けでご破算だ。
「維新はきょう午前の両院議員総会で、自民党と連立を組むことを機関決定するとの情報が駆け巡った。もともと、首相指名選挙への対応をめぐる意見交換の場として先週末にセットされていて、そこでエイヤッといくと。しかし、いくら何でも性急すぎる。19日の常任役員会などもこなし、プロセスを踏んだ体裁を整えた方がいいとの判断に至ったようです」(永田町関係者)
野党3党協議は最初から決裂が見えていたのだ。玉木は一連の会談後、「基本政策については、自民党とかなり重なる」なんて余裕をかましていたが、維新に出し抜かれ、永田町イチのモテ男の座から転落した格好だ。
政策実現の近道よりも、おこぼれがいい
「かわいそうな高市早苗」と自称し、死に物狂いの執念(C)日刊ゲンダイ
法大大学院教授の白鳥浩氏(現代政治分析)はこう指摘する。
「国民民主党が国政選挙で躍進を続けてこれたのは、キャッチコピーの『手取りを増やす』が物価高に苦しむ有権者に刺さったからです。安全保障政策やエネルギー問題を前面に押し出して選挙を戦ったわけではないのだから、立憲民主党の提案を拒む理由にはならない。政権奪取が政策実現の近道なのは分かり切っている。有権者の期待に背を向ければ、たちまち支持を失いますよ」
自民の参院選惨敗が引き金となった政治空白は、3カ月に及ぶ。国民置き去りの政治を招いた責任は野党にもあるのに、この期に及んで高市に高く恩を売る算段ばかり。身勝手な党首会談の醜悪さといったらない。同床異夢ですらなかったわけだ。この国の政治の劣化に間違いなく野党も手を貸している。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「維新は本拠地である大阪府内の議席をほぼ掌握して『常勝関西』を標榜する公明党を追い出し、両党は犬猿の中。維新の連立入りを嫌がった公明党の離脱は、維新にすればもっけの幸い。そうでなくても、維新は憲法改正を実現する野党勢力としての役割を担ってきた側面があり、自民党が行き詰まれば助太刀するのが本分でもある。とはいえ、蜜月がいつまで続くか」
あのN党にまで触手
この国の野党が「55年体制」の昔から自民党と裏で通じているのは、公然の秘密だ。この間、野党がマトモに機能したことは一度もないといっていい。与党が衆参両院ともに過半数割れする初めての現象にあっても、引きずりおろすどころか、すり寄る連中が次から次。エセ議会制民主主義の惨憺たるや、ここに極まれりだ。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)もこう言う。
「昨秋の衆院選、6月の東京都議選、7月の参院選を通じ、主権者国民が自民党政治にノーを突きつけたのは紛れもない事実です。だから、野党が議席を増やした。民意を尊重すれば、自民党と組んで延命させる選択肢はあり得ません。主権者への裏切り行為そのもの。ですが、維新にしろ国民民主にしろ、野党政権を樹立して汗をかくよりも、自民党のおこぼれにあずかれればいいということなのでしょう。この国の政治は自民党による事実上の一党独裁が続き、共産党を除いた野党のコンプレックスはいかんともしがたい。もっとも、自民党に手を差し伸べた中間野党は利用された挙げ句にのみ込まれ、消えていった。同じ末路をたどるのをよしとするのか。有権者の1票が政治を動かし、政権交代も珍しいものではなくなれば、民主主義は発展します。その好機をフイにする代償ははかり知れない」
権力維持に必死の高市自民は「NHKから国民を守る党」にまで触手を伸ばした。あの立花孝志氏が党首の政治団体だ。15日、斉藤健一郎参院議員を引き入れた参院会派「自民党・無所属」を結成。参院に届け出た。臨時国会召集まで残り5日。見境ないパワーゲームの果てに「奈良の女」の高笑いを聞くことになるのか。となれば、亡国政治は延々と続く。
|
|
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK298掲示板 次へ 前へ
|
|
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK298掲示板 次へ 前へ
|
|

すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。