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※2025年10月23日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大

※紙面抜粋

※2025年10月23日 日刊ゲンダイ
さすがに大メディアもケチョンケチョン…パッとしない組閣に加え密室連立の脆さ、危うさ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/379304
2025/10/23 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

密室で急ごしらえ、束の間の蜜月…(C)共同通信社
タカ派色だけが際立っているが、パッとしない超地味組閣の高市政権。その成立の過程を各紙が一斉に書いているが、密室で急ごしらえだった自維連立。裏側を知れば知るほど、この政権は薄氷だ。
◇ ◇ ◇
「ガラスの天井」をやっとこさ破った高市首相の就任2日目となった22日は、北朝鮮の不意打ちで幕があけた。韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮が午前8時10分ごろ、平壌に近い黄海北道中和付近から短距離弾道ミサイル数発を発射。約350キロ飛行し、北朝鮮北東部の咸鏡北道に着弾したという。高市は予定を早め、午前9時過ぎに官邸入り。程なくぶら下がり取材に対応し、韓国軍が追加発射を警戒するとして「米国や日本と情報を緊密に共有し、万全の態勢を維持している」と強調した。
北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのは、今年5月以来。対話を模索する李在明政権が6月に発足後、初めてだ。韓国南東部の慶州で来週、APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議が開催される。非核化協議でモメた米国のトランプ大統領や中国の習近平国家主席の来韓を前に、金正恩朝鮮労働党総書記が存在感を示そうとした──などと解説されているが、憲政史上初の女性首相の座をモノにした高市への祝砲かもしれない。高市が何かと仰ぐ安倍元首相は北朝鮮の蛮行を政権浮揚に利用したものだ。
意気込み通りの「ロケットスタート」を切った高市は、夕方の臨時閣議で副大臣26人、政務官28人を決定。自民党旧安倍派の裏金議員7人を起用した。堀井巌外務副大臣と根本幸典農水副大臣。佐々木紀、酒井庸行両国交副大臣、そして高橋はるみ財務政務官、小森卓郎経産政務官、加藤竜祥国交政務官だ。旧安倍派ボス格の萩生田幹事長代行の登用で猛批判を浴びたことから、裏金議員の入閣こそなかったが、官邸に「奈良の男」の佐藤啓官房副長官を入れた。
遠藤メールと高市誤算
総裁選から2週間あまり。26年間も行動を共にした公明党に逃げられ、一心不乱に仕掛けた多数派工作が奏功し、退潮中の日本維新の会の抱き込みに成功。天下を取った後は野となれ山となれ、なのか。「決断と前進の内閣」の実態は、タカ派色だけが際立つオトモダチ陣容。維新が閣僚を出すのを拒んだため、政務三役はオール自民だ。維新は遠藤国対委員長を首相補佐官として官邸に送っただけ。パッとしない組閣の根っこである維新とのゆるゆる連立に、大手メディアもケチョンケチョンである。その成立過程はあちこちで報じられているが、密室で急ごしらえの危うさは、いずれ致命傷になるだろう。
毎日新聞(22日付朝刊)は連載「新政権の行方 自維連立始動」で、電撃連立に至る11日間の舞台裏をこう書いていた。
〈「大変だと思うけど、体に気をつけてくださいね」
日本維新の会の遠藤敬国対委員長は9日夕、自民党の高市早苗総裁の携帯電話にショートメールを送った。
公明党が自民との連立離脱の是非を巡り、対応を協議する渦中だった。遠藤氏は「今回の公明はこれまでと違う」と感じ、旧知の高市氏を気遣った。約30分後、遠藤氏の携帯電話に高市氏から着信があった。
「公明が連立離脱なんてありえへんやろ? 維新ともうまくやっていきたい」
高市氏の認識は、自公に維新を加える連立拡大だった。遠藤氏は「自民は国民民主党なんでしょう?」と探りを入れた〉
遠藤がメールした翌日、高市のもくろみは見事に外れ、公明が離脱を表明。高市が遠藤との電話で約束した協議は12日に始まり、衆院議員宿舎の会議室で維新の藤田共同代表と会談したという。国対委員長間の交渉も並行し、連日腹を探り合い。上京した大阪府知事の吉村代表とのトップ会談、政策協議を経て、突貫工事で20日の連立合意に突き進んだのである。
5分野を12項目に盛り盛り

女性閣僚は2人だけ(C)共同通信社
どおりで、目をむくような連立政権合意書が出てきたわけだ。維新が「絶対条件」に挙げる衆院議員定数1割削減について臨時国会で議員立法による成立を目指す▽「副首都構想」の実現を来年の通常国会で法整備▽男系男子の皇位継承維持に向け通常国会で皇室典範改正を目指す▽安保関連3文書の前倒し改定--などが盛り込まれ、自民の金権腐敗の温床である企業・団体献金の廃止は先送りした。法大大学院教授の白鳥浩氏(現代政治分析)はこう指摘する。
「合意書は12項目にわたりますが、カテゴリー分けすれば5分野に集約されるような内容です。それをズラズラ書き連ねたのは、維新が自民党にあれもこれものませたと見せるための演出でしょう。閣外協力にとどめたことにしても、与党間で緊張関係が保たれる利点があるとはいえ、容易に縁を切れる立場の維新にとって都合がいい。政権運営に責任を負わず、『合意を履行せよ』と高市氏の尻を叩くことができる。歴史を振り返れば、橋本内閣は自社さ政権として発足後、総選挙を経て社民党と新党さきがけが閣外協力に転じ、その1年半後には連立解消。橋本内閣はおよそ1カ月後の参院選で惨敗し、退陣に追い込まれました」
年末に向け政界再編加速
吉村が「改革のセンターピンだ」と繰り返す議員定数削減をめぐり、維新は抜け目なく猛攻。藤田はきのう夜に配信されたネットメディア「ReHacQ」の番組で「自民がやめると言って、法案提出までに至らなかったら完全にご破算だ。党内をまとめきれず、やる気がなかったと判断せざるを得ない」と早くも連立離脱をチラつかせた。BS11番組に出演した馬場前代表も「われわれとの約束を実行できないとなった時は、いつでも引き揚げさせてもらうということを暗に示している」と脅しをかけた。
「民主主義の根幹をなすのが選挙制度であり、議員定数削減は尊重しなければならない少数意見の抹殺につながる。それを与党の一存で一気に進めるのは、乱暴に過ぎる。そうでなくても、議員の身分に関わるテーマは全党協議が原則です。さらに言えば、議院内閣制の手本とするイギリスの人口は日本の半分ほどですが、下院議員の定数は650人。貴族や聖職者で構成される上院は定数なしの終身のため700人超に上る。この問題しかりで、政権合意内容に原理原則はない。あるのは、支持基盤の人気取りを狙った党利党略だけです」(白鳥浩氏=前出)
選挙区調整にしても、吉村はきのうの会見で「現時点で必要ない」と明言。政策協議に臨むにあたり、選挙区調整は対象としない旨を高市と申し合わせたと説明した。握手をしながらテーブルの下で蹴り合う腹積もりで握ったのか。知れば知るほど、この政権は薄氷だ。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「本来の連立政権は政党の枠を超えて、チームをつくるもの。自社さ政権の振り出しとなった村山内閣の発足にあたり、自民党は社民党を三顧の礼で迎えたものです。それこそ不退転の決意で臨んだ。ところが、自維連立は閣内協力しない、選挙協力しない、政治とカネは不問。共通項はカジノ推進くらいのもの。公明党をどこまでコケにすれば気が済むのか。公明党はかねて大臣ポストを押さえてはいましたが、官邸には1人も送り込まなかった。高市氏周辺のやり方は仁義にもとるし、無責任の極み。もっとも、政党交付金の算定基準日である1月1日をにらみ、政界再編の動きは始まっています。年末に向けて加速するでしょう。維新は離党予備軍を抱えてもいますし、小手先政治は長くは続かない」
高市の所信表明演説はあす行われる見通し。その後はトランプ来日など外交日程が目白押しだが、高揚感をいつまで保てるか。密室連立の脆さと常に隣り合わせだ。
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