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ネオコン流「全世界民主化」構想に踊らされる高市外交 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/379570
2025/10/29 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

ASEAN関連首脳会議に出席するため、マレーシアのクアラルンプール国際空港に到着した高市首相(C)共同通信社
就任早々外交に飛び回っている高市早苗首相だが、高市外交の柱は、安倍晋三政権からそっくりそのまま引き継いだ「自由で開かれたインド太平洋」で、先日の所信表明でもそう表明していた。この表現は何ともさりげなく、軽々しいようにも見えるけれども、そこには実は「毒気」のようなものが含まれていることを知っておくべきだろう。
その大本をたどると、第1次安倍政権で安倍首相と麻生太郎外相が言い出した「価値観外交」とそれに基づく「自由と繁栄の弧」戦略である。これは実は、当時の米ブッシュ政権の外交を牛耳っていた「ネオコン(新保守主義)」──ロシア・中国をはじめ共産党政権の生き残りやイラク・イランのようなイスラム教の宗教独裁など全世界の反民主政権を打倒せよと呼号する過激派集団──からの受け売りで、ユーラシア大陸の西の北欧から南のインド、東南アジアから東の端の北アジアまでの三日月状の弧を描き、その中に自由、民主、人権、法の支配などの価値を普及させていこうというもの。
第2次安倍政権の中ごろの2016年に安倍が言い出したそのバージョンアップ版が「自由で開かれたインド太平洋」で、ここでは特に中国の台頭が強く意識されていた。「自由で開かれた」というのは、中国が軍艦を進出させて南シナ海を支配したり、一帯一路構想で太平洋諸国などを取り込んだりしていることを「許さない」という意味である。そして「インド太平洋」とは、単なる地理的表現ではなく、インドを中国から離反させ「中国包囲網」に引っ張り込むことの重要性の表明である。
私に言わせれば、このネオコン流の「全世界民主化」構想こそが、米国の国策を誤らせ世界を混乱に導いた元凶で、例えば冷戦後にNATOを徒に東方に拡大し、その赴く所、ウクライナの親ロシア政権を打倒して親欧米政権をつくり、東部のロシア系住民を迫害させたことが今日の同国の泥沼戦争の遠因となった。こうしたことの全ては、冷戦が終わって「共産圏」という敵がいなくなって商売に困った米国の軍産複合体が、元共産国のロシアや現共産国の中国を改めて「敵」に仕立て上げて恐怖を煽ることで武器市場を拡大しようとする策謀に他ならず、安倍も麻生も高市もそれに踊らされているのである。

高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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