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高市首相の「隷属外交」では国益は守れない 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/379840
2025/11/04 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

華やかなパフォーマンスの裏に、防衛費の更なる増額、武器輸出までも約束…(代表撮影)
トランプ米大統領やヘグセス国防長官が来日した際の日本の対応は「奴隷外交」と言うべき惨めなものだった。トランプと仲良くなれたとメディアは持ち上げていたが、肝心の「国益」は守れたのか?
まず、中国の習近平国家主席とトランプ氏の会談を振り返れば、高市外交とは雲泥の差があった。中国は米国産大豆の輸入禁止やレアアースの輸出規制というカードで米国を揺さぶり、“田舎のビジネスマン”であるトランプを屈服させた。当初20%だった追加関税は10%に引き下げられたのである。
それに対して、高市外交はどうだったか。トランプに媚を売り、ノーベル平和賞に推薦。わざわざ米空母に赴き「下僕外交」を露呈した。
しかし、日本への追加関税は15%のまま下がらずじまい。共同声明を出せないまま、80兆円規模のメチャクチャな対米投資の要求を突き付けられ、しかも米国側の独自文書では投資の詳細は米国が決めるとされている。例えば、トヨタは100億円でアメリカ工場を建設するだけでなくトヨタの流通網でアメ車を売らせる、米国のシェールガス、石炭を買わせる、といった項目だ。
これは、日本国内への投資ではなく、日本が米国の遅れた産業を救うために米国に投資し、日本の経済衰退と円安を導くだけだ。かつて中曽根首相とレーガン大統領の間で「ロン・ヤス」と蜜月関係を演出しながら、1986年.91年の日米半導体協定で日の丸半導体を自ら潰したのとそっくりだ。
さらに深刻なのは防衛費の問題である。日本はトランプから要求される前から、防衛費の倍増を前倒しで進めていた。もともと、防衛費を25年度に8.7兆円に拡大する計画だったが、これを対GDP比2%に引き上げようとすれば、2022年度で計算すると11兆円。新たに2.3兆円の財源が必要になる。
さらに、ガソリン減税に1.5兆円、その他にも減税やバラマキがある中で、一体どうするつもりなのか。その上、安保関連3文書を改定し、防衛費をさらに増やし、武器輸出を加速させることまで約束してしまった。
もし、トランプの言う通り防衛費をGDP比3.5%にするとどうなるか。24年のGDPは609兆円。3.5%なら単純計算で21兆円超だ。現在の8.7兆円から新たに12兆円以上積み増す必要があるわけだ。この財源を日銀に利上げを押しとどめさせて赤字国債で賄えば、円も国債も投げ売りされるだろう。
こうした高市外交を「成果」であるかのように見せ、持ち上げるテレビや新聞といった大メディアは何なのか。石破前首相をあれほど叩いて引きずり降ろしながら、高市を褒めそやす。戦前同様である。恥ずかしくないのだろうか。

金子勝 慶大名誉教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
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