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竹中平蔵元総務相の叙勲で怒るくらいなら 二極化・格差社会の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/380155
2025/11/11 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

大綬章の親授式に向かう竹中平蔵元総務相=11日午前、宮殿・南車寄(C)共同通信社
秋の叙勲で竹中平蔵・元総務相に旭日大綬章が授けられたことへの批判が目立つ。特に小泉純一郎政権で新自由主義のイデオローグとして君臨。グローバル資本に事実上のオールマイティーを認め、日本社会の階層間格差が半永久的に拡大され続けていく元凶となった人物なのだから当然だ。
格差の問題を追ってきた筆者は、彼への栄典を糾弾すべき立場なのだろう。だが、どうにもそんな気になれずにいる。
勲章というのはこういうものだから。25年前の取材で、稲葉興作・日本商工会議所会頭(当時)に聞かされた話だ。
「体制に従うのが人の上に立つ人間の義務じゃないのかね。勲一等を受けた者が勲二等の者より人格が上だなどとは誰も思ってやしません。会社や役所の中の階級と同じだ」
折しも亀井静香・自民党政調会長(当時)が発した疑義を機に、叙勲制度の改革を求める声が高まっていた時期である。はたして03年にそれは果たされ、一等、二等うんぬんの表記は消滅するも、実質的には格別の変化もないまま、今日に至った。竹中氏の勲章もまた、旧「勲一等旭日大綬章」に相当するとの由。
振り返れば勲章に関する取材をずいぶん重ねた。週刊文春、プレジデント、中央公論……(いずれも単行本未収録)。ここでは政治学者・櫻田淳氏(現、東洋学園大学教授)の「叙勲とは国家による価値の体系だ」という言葉を紹介したい。
その通りだと思う。もっとも彼はこの後で、「だが現状ではその内容がはっきりしない。もっと明確にすべきだ」と主張。筆者は「そんなものはどうでもいい」と考えた。
「価値体系」とはこの際、「国民に示す真偽、美醜、正邪の価値の基準」のことだという。だったらどうぞ仲間内だけで、お好きなように。なまじ民主的なポーズで対象を民間人に広げたり、一般からの推薦も可、などとしてみせたがるから、話がややこしくなる。
勲一等旭日大綬章なら1964年の末、元米空軍参謀総長カーチス・ルメイにも与えられた。先の大戦で東京大空襲をはじめとする日本焦土化作戦を主導し、広島、長崎への原爆投下の指揮も執った通称“鬼畜ルメイ”。「戦後の航空自衛隊の育成に功労があった」というのが授章理由とされたが、筆者が取材した元防衛大学教授が、「そのような事実は存在しない」と教えてくれた(拙著「戦争経済大国」河出書房新社、2018年)。
竹中氏への叙勲ごときで怒り狂っている場合ではないのだ。何を今さら。

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。
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